------------------------- 第1部分開始 -------------------------
【第1章】
第1編 u17's poems

【サブタイトル】
ピリオドのあとにまた文が続くように

【前書き】
第1編、「u17's poems」には、モチーフというものが存在しません。おそらく、どこから読んでも大丈夫だと思います。例外があるかもしれませんが。

【本文】
 わたしのその右手 あなたの左手
 あなたの親指 わたしの薬指
 いつもと同じ 通学路
 何ら変わりのない 青空
 あなたとわたしの手を接いで

「愛してる」なんて
 そうすぐには言えないけれど
 言わないけど
 もうこんな日なんだ
 あと3日.

 わたしは文芸部だったけど
 さて あなたはサボり部?
 あなたはどこへ行くんだっけ
 ううん そのあとのことだよ
 今日もおんなじ青空だ

 もう桜が咲いてきたよ
 地球温暖化?
 あと2日.
 になるみたい
 うれしくて でも淋しくて

 ああ いつの日か
 あなたに出会って
 お互いがお互いに気づかなくて
 新しい笑顔を産むの
 そんな夢を みたんだよ

 でもねでもねでも|+《たす》でもね
 最後はあなたがわたしに気づいて
 古くて新しい笑顔を創るんだ
 そんな物語をつくったんだ
 でも それで終わりなんだ

 明日.
「ピリオドの日」って知ってる?
 わたしが書いた ショートショート
 なかなか好評だったんだよ
 わたしの中では

 最後の祝祭.
 私 泣いちゃった
 君は泣かなかったね
 わたしは私で あなたは君で
 そんなこと言って

 いつもとちょっとだけ違う 帰り道
 君とゆっくり 歩いたね
 桃色の桜が空に舞い上がり
 それでも空は青くて大きくて
 ああ いつの日か

 うん ええと
 今度会うその時のために
 合言葉を決めよう
「いつも同じ青空と」
「すっかり変わった通学路」.


【後書き】
とりあへず一作目。
「ピリオドのあとにまた文が続くように」です。

------------------------- 第2部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
For you,but why?

【本文】

  君のために呟いて
  君のために唄ってる
  君のためにキラメいて
  君のために笑ってる

  君と私 笑ってて
  私と君 泣いている
  闇と共に輝いて
  光と共にホコリ被って

  愛のために呟いて
  愛のために唄ってる
  愛のために踏みつけて
  愛のために愛殺して

  君とトモになりたくて
  君のそばにただいたくて
  君を壊し 
  私を潰す

  愛のために呟いて 
  愛のために唄ってる
  愛のためにこれ創って
  愛のためにこれ無くして
  愛のために育って
  愛のために決定して
  愛のために描いて
  愛のために書く

  愛のために囁いて
  愛のために謳ってる
  愛のために壊し潰し
  愛のために零を殺す

  愛を愛と看做すべきかな
  愛を君に換えちゃダメかな?
  君を私に替えちゃダメだよ

  Did you forget?
I don't love your everything.
How about you?
Sorry.I can't...

But why?

【後書き】
とりあへづ2作目。「For you,but why?」でした。

------------------------- 第3部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
にゃん

【本文】
 にゃー にゃー にゃーにゃー にゃーー
 カーわーイー 猫
 だそうだ
 どこが?

 って
 可愛いんじゃないの?
 うん?
 どこが?

 ただ単に意味のないこと 言うなや
 どこが可愛いのかもいえないのか
 本当に大好きなら
 物凄く愛しているなら

 答えをだせよ
 どこが可愛いんだ?
 「全部」以外で答えろ
 つまりは 君は 無意味な発言

 発言に意味は要らない?
 馬鹿言え
 自分の発言に責任持て
 それが嫌なら 猫になれ 

 いや 僕は嫌いだ 猫なんか
 どこが?
 引っ掻かれたことがあるんだ
 あっそ そりゃすまない

 にゃん
 にゃん
 にゃん
 にゃん サービス にゃくにゃにゃんだかごきげんにゃにゃめ

 カーわーイー♪
 どこが?
 今の
 そう それでいい 付き合ってくれてありがとう 我儘に 僕の



【後書き】
3作目。「にゃん」

------------------------- 第4部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
好い嫌き

【本文】

 茶碗蒸しは嫌い キムチチゲは好き
 ロマンチックは好き ロマンチストは嫌い
 「愛してる」は嫌い あなたは好き 大好き
 大好きはlovely Lovelyは愛してる

 「好き」は好き 「嫌い」は嫌い
 「好い」は嫌い 「嫌き」は好き
 ではないかもね
 だけど ううん、

 あなたは好き 大好き
 大好きはlovely Lovelyは美しい 嫌き
 RA・LA LA・RA 嫌い好き 好い嫌き
 そうだね ううん、

 イチゴは嫌い みかんは好き
 太陽はいや ツキが好き
 Hate liking.
 ううん。えっと、
それ、おかしいよ
 おかしいこと 好き 嫌い 好い 嫌き
 うん、lovely

 
  

【後書き】
5作目「好い嫌き」


------------------------- 第5部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
我こそは数学太子

【本文】

 1たす1は 2ではない
 1たす1は a+bでもない
 1たす1は 1である

 1がひとつ 2がひとつ
 3がひとつ 0がひとつ
 いずれにしたって ひとつにかわりない
 
 1がふたつ あったとしよう
 2がひとつで たりるだろうか
 いや つりあわない

 円周率は 3
 と 0.1415926
 と その他諸々

 産医師異国踏む
 人並みに奢れや
 何が語呂合わせだ

 数字なんて その他諸々
 算数なんて 小学生用
 数学なんて 俺のモノ

 さぁ 極めろ?
 そうかい そうかい
 さぁ ひとつだけしろ その他諸々捨てて良し


【後書き】
6目。「6」と「目」の間に「作」が入ります。当然だけど。
「我こそは数学太子」
 ※u17は文系です。

------------------------- 第6部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
キミのいる君

【本文】

 ああ ぼくはいつか
 キミの存在を証明してやる
 ああ だから だからこそ
 いまはできない

 これから|辛《つら》いことがもしあったなら
 おもいきり 笑うといい
 そうしたら ぼくがすぐに駆けつけて
 キミを泣かせてあげる

 これから何か起こるなら
 それとも何も起こらないなら
 おもいきり 叫ぶといい
 恥ずかしくて 他人のフリーだけど

 「キミは存在している」
 ぼくの台詞だ キミには言わせない
 「帰れない」
 「帰さない」

 「君は存在している」
 キミが答えるべき台詞
 僕がそれを聞くことはないだろうけど

 さて
 うん ええと
 そうだよ
 「キミはいる」



【後書き】
7.「キミのいる君」

------------------------- 第7部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
パレード

【本文】
 
 今宵、謝肉祭と呼ばれる恐怖の祭りが開かれる……

 Who are youから始まり、死まで続くといわれる祭り……

 肉を感謝する……

 喰い物となった魂たちに、礼の舞を披露する……

 |千切《ちぎ》られ、裂かれ、割かれ、そして焼かれた肉体どもよ……

 悔いることなく、どこぞへ飛んで行けと……

 彷徨う魂たちは、舞を眺める……

 そして、路が出来る……

 恐怖の路が……

 一歩、また一歩と、魂どもは歩を進める……

 しかし、路どもは肉になど興味はない……

 舞を舞う、人間たちに目を向ける……

 今宵は謝肉祭……

 肉に謝る、己の過ちを……

 魂に問う、己の未来を……

 人は、魂をもつ。

【後書き】
ごめんなさい! 4作目が抜けてました!
てことでこちら、「パレード」が4作目。
「……」が一番重要だったりします、この詩。

------------------------- 第8部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
夢の旅路

【本文】
 
 「ありがとう」
 君は言う
 「ありがとう」
 僕も言う

 「ごめんね」
 君は泣く
 「ありがとう」
 僕も泣く

Your dream won't come true.
My dream will come true.
Because I'll steal yours.

 「ありがとう」
 君は笑う
 「ありがとう」
 僕は泣く

 「ごめんね」
 君は笑う
 「どういたしまして」
 僕は――

Your dream will change.
My dream will go out of use.
Because it will be stolen.



【後書き】
8作目「夢の旅路」
今回は直にここへ考えながら書き込み。いわゆる即興作です。

------------------------- 第9部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
しょうゆ

【本文】

 たあくさんの 星がいる
 暗の中空光る 星がいる
 ながれていく 星もいる
 消えてしまう 星もいる

 どれもこれも 星だけど
 どれもかれも 星だけど
 みんな星達を 見ている
 みんな星達に 見られる

 しょうゆ発見 感謝感謝
 これで日の丸 拝めるよ
 雪がつめたい 寒い寒い
 凍えて冷えて 凍りそう

 ビニール袋は 元にして
 しょうゆ発見 感謝感謝
 今日もネオン 煌々して
 たくさんの星 薄くする

 そこにいない いるはず
 そこにいない いてくれ
 そこにいない いるはず
 そこにいない 人のせい

 ひとが生きる そうして
 きらめく星々 見えてる
 きらめく星々 見られる
 ひとのおかげ 星がいる

 しょうゆ終了 残念残念
 しょうゆ終了 感謝感謝
 しょうゆ生産 努力努力
 しょうゆ消費 売買売買

 星がいてくれ ひと会う
 ひとのおかげ 星がいる
 しょうゆ発見 感謝感謝
 ビニール袋は 元に戻す

 

【後書き】
9作目「しょうゆ」
星がいるから人はいて――人がいるから星はいる
僕の技術不足で、冒頭部分を「たぁくさん」から「たあくさん」に変更
                             しょうゆ

------------------------- 第10部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
as

【本文】
 
 SOS
 SOS
 君といると変になっちゃいそう
 君がいると舞い上がってしまいそう

 SOS
 SOS
 目を閉じて
 自分に逃げよう

 SOS
 SOS
 君がなにか話す
 スーゥと耳を通り過ぎ

 SOS
 SOS
 時が止まる 停まる 泊まる?

 I don't know how to talk.
 I don't know how to say.
 I don't know how to speak.
 ...With you.

 ああSOS
 SOS!
 もう もう死にそう
 大好き そんなの言えるわけないじゃない

【後書き】
10作目? 「as]


------------------------- 第11部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
明日のお天気

【本文】
 私は雨 
 子供たちに騒ぎ立てられ 汚れを流す
 私は雨
 

 私は雪
 子供たちに騒ぎ立てられ 汚れを隠す
 私は雪


 私は雷
 子供たちに騒ぎ立てられ 汚れを照らす
 私は雷


 私は雲
 子供たちは興味を持たず 汚れを増やす
 私は雲


 私は|雹《ひょう》
 子供たちに逃亡を強いり 汚れを砕く
 私は雹


 私は嵐
 子供たちを家に追いやり 汚れを舞わせる
 私は嵐



 私は竜巻
 子供たちに興味を引かせ 汚れを飛ばす
 私は竜巻


 私は|霙《みぞれ》
 子供たちは存在を知らず 汚れは知らん
 私は霙

 
 私は日
 子供たちを見守り続ける 汚れを守る
 私は私

【後書き】
11作目になります、「明日のお天気」


 そういえば何作作るかという件。
 できれば100作りたいなぁ、て。
 挫折する気満々ですが。
               では。

------------------------- 第12部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
1と1を足したとき、なぜ2になるのか

【前書き】
「我こそは数学太子」の続編です。

【本文】
 
 いや。
 いやいや。
 いやいやいや。
 それはおかしいだろう。
 なんで。
 なんで1+1が1になってるんだよ。

 しらねえよ。
 そんくらい自分で考えろよな。

 ああ。
 考えてるともさ。
 たが、これだけは言ってやろう。
 1+1は2だ。

 はぁ?
 お前、頭大丈夫か?
 なんでそんな気違いなこと言えるんだよ。

 それはこっちの台詞だ。
 お前、今からでもいいから病院行け。
 精神科ってとこにな。

 なんだよそれ。精神科って。
 宗教の名前か?
 
 ふん。
 
 ふん。

 お前とは、つくづく気が合わないようだ。

 そのようだ。

 どうだ。
 いっそのこと殺し合いでもしてみるか。

 おお。
 お前にしては名案だ。
 いいだろう。表ぇ出ろ。

 何古臭いこと言ってんだ。
 殺し合いならどこでもできんじゃねぇか。
 ここで、だ。

 ここでぇ?
 外は晴天だぞ?

 だからなんだ。

 表ぇ出ろ。

                      バチン。

 …痛っえなぁ。
 
                      バチン。

 こんやろう。

 
 結論。勝者の意見により、

  1+1は2になった。



【後書き】
12作目。「1と1を足したとき、なぜ2になるのか」
これは書いてて楽しかったです。


------------------------- 第13部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
一般的な収束なる悲しみの淵に光あれ。

【本文】
  世界がひとつだったなら 
  この世はどれほど単純だろう
  世界がふたつだけならば
  この世はどれほど楽だろう

  仮定の過程を見過ごして
  それが罪になるものか
  それに罰がつくものか
  ただ、世界が恐ろしい。

  世界がみっつだったなら
  世界がよっつだったなら
  世界がいつつだったなら……
  世界がたくさんある今は
 
  世界の価値を下げるには
  世界の数を増やせばいい
  世界の価値を上げるには
  世界の数を減らせばいい

  世界の数を増やすには
  思想をひとつ創ればいい
  世界の数を減らすには
  思想をいくつか殺せばいい

  思想を殺す手段なら
  星より多く見つかると
  世界と等しく見つかると
  そう、君は言った。



【後書き】
13作目。「一般的な収束なる悲しみの淵に光あれ。」
こちらは何年か前、あるサイトに投稿したものです。
題名もそのサイトで知り合ったお二方の協力を経て決まりました。
感謝です。


 

------------------------- 第14部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
痛い

【本文】
 君を見る

 追いかける

 転ぶ

 痛い

 でも 血は出ない


 君と会う

 話しかける

 殴られる

 痛い

 でも 怒りは出ない


 君は泣く

 なぐさめる

 無視される

 痛い 

 でも 君は好き


 君が来る

 手を上げる

 僕じゃない

 痛い

 でも 君はいる


 君といる

 心地よい

 君が落ちる

 痛い

 でも 僕は合格


 君が来ない

 いやだ

 連絡なし

 痛い

 でも 僕は待つ


 君から電話

 とる

 切れる

 痛い

 でも 受話器は置かない


 君を探す

 いない

 いない

 痛い

 でも 僕は探す


 君を見つける

 捕まえる

 逃げられる

 痛い

 でも 僕は追いかける

 転ぶ

 痛い

 でも 君は停まらない


 君が死ぬ

 痛い

 痛い

 痛い

 でも 僕は死なない


【後書き】
14作目「痛い」です。


------------------------- 第15部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
と、いうことで。

【本文】

 You are kind enough to kill me.
 今日はもう無理です
 続きは明日にいたしましょう

 かわいいBaby わたしのBaby
 あんたはわたしを殺す気かっ

 You are too kind to grow me.
 あれ買って
 オーケー オーケー
 
 大事なBaby わたしのBaby
 あんたはわたしを殺す気かっ

 Do you know that you are killing me?
 甘やかし過ぎ そのせいで
 わたしはこんなに 弱くなった

 あんたはわたしを殺したんだ

【後書き】
15作目「と、いうことで。」でした~

------------------------- 第16部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
物語を探すキミ

【本文】

Our new story we got is so bad that we can't make other stories.

I think why it is bad.

But I can't understand.

Here is some old stories.

Few people see them.

So I made them wonderful.
A few people see them.

But you didn't see.

I was crying because of you.

Our story became old.

You found new stories.

So,I hate you.

【後書き】
16作目「物語を探すキミ」
英詩? テキトーに書きました。すんません。

------------------------- 第17部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
雨のち雨でございます

【本文】
 今日は雨の模様です
 傘を忘れずに

 そんな予報をケータイで
 電車の中で眺めたさ

 今朝は晴れてて
 傘は家の玄関さ

 明日も雨の模様です
 今日に聞いても意味がない

 昨日は雨だったようです
 だからなんだというんだ

 どうも私 天気予報士
 新たな情報をお届けします
 だったら答えを見せてくれよ

 |雨《はれ》です
 あっそ

 |雨《かみなり》です
 またかい

 |雨《トルネード》です
 いいかげんにしてくれないかなぁ

 |雨《ブラックハートアンドホワイトハート》です
 そろそろ怒るよ?


 あなたは雨の模様です

【後書き】
17作目「雨のち雨でございます」



------------------------- 第19部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
母界語

【本文】
 なぜ言語はこんなにもたくさんあるのでしょうか
 わたしはあなたに伝えたいことがあるのに
 わたしとあなたの故郷が違う それだけのことで
 わたしとあなたの言葉が 全然違う
 わたしはあなたの想いを
 あなたはわたしの意見を
 どうしても理解できない

 言語はいったいいつになったら|1《ひとつ》になるのでしょうか
 わたしはあなたを理解したい
 泣いているあなたを なぐさめたい
 そのために言語を統一しましょう
 たくさん勉強が伴うでしょう
 でも しんどいのは最初だけです
 共に笑う そのときのために

【後書き】
19作目「母界語」18作目が長歌だったとするならば、こちらは反歌。



------------------------- 第20部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
雪の季節

【本文】
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 手のひらに
  雪のしずくが
   舞い降りる

 踊りさらねん 雪たちが
 僕の手のひら 死んでいく

 
 肩の上
  雪のしずくが
   飛び移る

 アクション起こさん子供たち
 僕の肩上 死んでいく

 
 |心内《こころうち》
  壊るるしずく
   よみがえる

 良かった 善かった 本当に
 踊り舞う 真っ白な踊り子たちが

 僕の心を洗ってくれる

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

【後書き】
20作目「雪の季節」
 「死んでいく」の部分が掛詞になっていることにお気づきでしょうか。
 
 やっと4分の1です。
 あと80作……

------------------------- 第21部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
PPP

【本文】
 present for you

 公害なキミ
 きっとキミ
 もうすぐ環境問題になるから

 さっさとうせろ
 ついでに金くれ
 
 腹減ったじゃねぇか

 俺に金をくれ!

 お前公害なんだぞ?
 環境問題になるまえに
 俺に金をくれ

 もう何日食ってないか

 プレゼントフォィーユー
 だろ!? だろ!?

 スペル分からんけど
 それは金がないせいなんだ

 公害なんだろ
 だったら消えろ
 環境問題になるまえに

 お前が俺にできること
 それはたったひとつ

 金をくれ!


 ついでに俺以外のやつのために消えろ

 公害なんだろ?

【後書き】
21作目「PPP」

------------------------- 第22部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
永遠の眠り姫

【本文】

 雨が降る。








 雨が降ってるこの今は、お日さまはどこに隠れているのだろう。
 雨が降ってるこの今は、お日さまはどこで休んでいるのだろう。








 姫は眠りに就く。








 姫が眠ってるこの時に、姫は永遠の旅に出る。
 姫が眠ってるこの時に、姫は無限の旅に出る。







 雨が止む。
 とたんにお日さま顔を出す。







 お日さまが出てるこの今は、雨はいったいどこへ逃げるのか。
 お日さまが出てるこの今は、雨はいったいどこを濡らすのか。







 姫が起きる。
 とたんに姫は旅を止む。








 姫が起きてるこの時は、姫の旅路は生きているのか。
 姫が起きてるこの時は、姫の夢路は出来ているのか。









 姫は、|永遠の眠り《雨の家》に就く。
 

【後書き】
22作目「永遠の眠り姫」

------------------------- 第23部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
さっくんば!

【本文】
 ~遠い 遠い 遠くの国で~


 Few people found out your country broken by Father.
 しかしあなたは言うのです

 "Black is me.Black is me."
 悪いのはわたしだ 悪いのはわたしだ

 Many people said,"Die or be killed."
 酷い話です 故郷を忘れた者はいない
 しかし 故郷を忘れる者はいるのです

 You said,"I don't know your point."
 それでもわたしは唄うのです

 One of them said,"I'm sad."
 だからと言って あなたが悪いのです

 遠い 遠い 遠くの国で
 奇声を上げる
 Oneがいます
 
「さっくんば!」
 I can't understand but I know what that is.

 さっくんば! さっくんば!

 ~遠い 遠い 遠くの国で~遠い 遠い 遠くの国で


【後書き】
23作目「さっくんば!」
 さえ。

------------------------- 第24部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
奇跡と奇跡と奇跡と奇跡と奇跡と奇跡と(以下略

【本文】

「生きている。それだけで奇跡」
 キミは歌う

「神様はいる、絶対に」
 キミは歌う


 ボクの唱
「あたりまえのこと、偉そうに言うんじゃないよ」

 ボクの唱
「それよりも――足元をごらんよ。毛虫だらけだよ」


 ボクはキミに出会う
 そんな夢をみた
 その些細な夢は
 |現実《ほんもの》になった

 キミはボクに出会う
 そんな恋をした
 その矮小な恋は
 |本物《げんじつ》になった



 奇跡を探す キミのとなりに
 奇跡の渦が 襲い掛かる

 奇跡を壊す ボクのとなりに
 奇跡の愛が 降り掛かる


 
 ああ それはまるで
 


「生きている。それだけで奇跡」
「だったら――死ぬことも奇跡」

「神様はいる、絶対に」
「だったら――何だってある」

「奇跡は生きてる。神様が奇跡を創る」
「だったら――ボクたちは神?」


 さあ 奇跡を創ろうよ
 神様のお仕事 全部奪ってやる
 だから 神様
 少しだけ 休みなよ
 それとも さらなる高みを――


 さあ 奇跡を壊そうよ
 ボクたちの鬱憤 全部使ってやる
 だから ねえキミ
 少しだけ 笑いなよ
 それとも さらなる――――

 
 奇跡がある それだけで奇跡
 

 さあ |奇《うた》の|跡《あと》を残そうよ
 
 |奇《あい》の|跡《うた》 みーっけ!
 

【後書き】
24作目!「奇跡と奇跡と奇跡と奇跡と奇跡と奇跡と(以下略」でした~

 久々に気持ちのいいのが書けた気がします。破調すぎますけどね 笑
 んでは! まだまだ詩集は続きます!

------------------------- 第25部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
マニュアル

【本文】

 聖夜が近づく 星が綺麗
 そう思うのは マニュアルのせい?
 
 みんながみんなで 
 築いたマニュアル

 あのひとの唄 聞き惚れる
 そう思うのは マニュアルのせい?

 わたしがわたしで
 築いたマニュアル

 わたしは わたしたちは
 自分で作ったマニュアルに
 縛られて生きていくんだ

 あなたはこの星をどう思いますか
 あなたはこの夜をどう過ごしますか

 でも あなたとは違うから
 あなたのマニュアル 読めないのです

 わたしのマニュアル
 みんなのマニュアル
 あなたのマニュアル
 みんなのマニュアル

 だれが決めたのだろう
 マニュアルを作りなさいって

 マニュアルに縛られないで
 生きて生きて 生きて生きたい
 でも――

 そう思う
 それもマニュアル通り

【後書き】
25作目「マニュアル」
 俗に言う「社会」というのは、偏見や差別を生み出してしまいます。
 しかし、それにより私たちは生きているのかもしれないし、こうして詩を書けるのかもしれません。

 それぞれに「ルール」というものがありますが、それが束ねられ、「社会」は構成されますが、どうもその考え自体、合理的に創られていたのかもしれません。

 では。

------------------------- 第26部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
皆既月食

【前書き】

 太陽と月 それと地球
 お前らに この詩を捧げる



【本文】

 お月様
 お日さまは

 様でさまな星だけど

 ときには隠れたくもなるんだ
 常に隠れている地球が羨ましくて__だから

 僕は君たちに|機会《チャンス》を与えたんだ

 僕らにとっての長い時間
 そのうちの一瞬に
 君たちは地球を媒体にして隠れることができる

 会話文が嫌い 
 だから言葉はなしにして
 お礼もとりあえず保留にして
 定期的に君たちに

 __お休みをあげる__

 きっと__大切な時になるから

 __きっと――きっと ̄ ̄きっと

 大切な時間になるから

 きっと 嬉しいことが起こるから

 君たちに
 まだ いてほしいから

 



【後書き】
26作目「皆既月食」

 どうか見れますように――



------------------------- 第27部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Your name is not my name but your names is my name.

【本文】
My name is your names.
But-your name isn't mine.

A boy fighting without person he wanna save is dying because his name isn't my name.

So,I think.
"I must go out."
"And I must save him."

A girl having blue eyes told me,"How will you go out?"

I answered,"I don't know too."
I was crying because of...

All is all.
All is all.

He said,"Don't worry."

All is all.
All is all.

So,I mustn't go out.



















Does this mean "death"?

【後書き】
27作目そろそろテキトーな作品が増えてきました。
「Your name is not my name but your names is my name.」です。

 僕の書く英詩の内九割方は真面目に作られてないんですね。かわいそうに。
 誤字脱字等ございましたらご連絡ください。



------------------------- 第28部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

  |鰭《ひれ》のない魚は魚
  羽のない鳥は鳥
 
  脳のない人は人
  心のない人は人
  命のない人は人
 
  たとえ|人《きみ》が ひとり でなくとも
  たとえ|人《ぼく》に なまえ がなくとも

  人は人だという事実を忘れないで人といっしょに歌ってよ

  明日は雨が降る それが止んでも
  雨は雨のままだから

  たとえ|人《きみ》が ひとり でなくとも
  たとえ|人《ぼく》に なまえ がなくとも


  人は人


  いつも横で笑う人がいて
  それを眺める人も笑ってて
  永遠の笑みを溢す
  人は歌ったよ

  |人《きみ》が泣いてる|人《ぼく》の隣で
  人は思いっきり笑ったよ
  人は泣き続ける


  たとえ|人《きみ》がそばにいなくとも
  たとえ|人《ぼく》が現世にいなくとも

  人は人のなまえを呼んでよ
  人は人のなまえを探してよ

  人は人をひとつにするから
  人は人を殺して減らすから


  どうか――人の隣に。

 

【後書き】
 28作目「旅」です。
 
 魚はどうしても魚
 鳥はどうしても鳥 
――人はどうしても人。

 当然のようで、どこか糸口を探してる。
 とりあえずラーメンは美味いです。

------------------------- 第29部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
無題のラブレター

【本文】
君から届いた この手紙
一字一句 全部読んだよ
けれどもしかし だけれどどうやら
全然 意味が湧かないんだよ

私のおウチのゴミ箱にはね
君への手紙で いっぱいなんだよ
けれどもしかし だけれどどうやら
全部 おんなじ内容なんだよ

こんなにも 描いているんだ
こんなにも 書いているんだ
けれどもしかし だけれども
どうやらみんな 失敗なんだ

けれどもでもね 失敗は
成功というものの 母なんだ
けれどもしかし だけれどどうやら
その考えは おかしいよ

1回目で 成功すること
2000回目で 成功する人
どっちがいいかって そんなこと
きく前に 分かってしまう

けれどもしかし だけれどどうやら
すなわちつまり あるいはところが
ゴミ箱に 答えがあるかもしれない
失敗して 気付けたんだよ

君からの この手紙
じつはまだ 読んでないんだ
ビリビリに 裂いて丸めて
ゴミ箱へ ポイッ!

燃えるごみでね

返事は少し 遅れそう
君は待っててくれるかな
いっそのこと 戻っちゃいなよ
一緒に歩けるからさ

ペンはどこにあるんだろう
君が持っているのかな
あ そりゃないか
ゴミ箱にあったりして

そういえば 流れ星を見たよ
それも返事に書いとくね
それとも詩を書こうか
それで歌を歌ってよ
物語を詩にしてあげるよ
君は歌を詩にするんだよ
簡単でしょう?
絵を描くよりは

君はどこにいるのかな
もうそろそろ会ってもいい頃なんだけど
もしかして 隠れてるのかな
かくれんぼなんて いつ以来かな

君への手紙 いいのが書けそう
ちゃんと読んでね いい?
でも どこへ送ればいいの?
君はどうやったの?

あんな短い文章で
どうして私は 動いたの?
どうして私は 書いてるの?
君のおウチで いいのかな

早く私を 見つけてよ
早く君を 見つけなきゃ
君がいないと
手紙なんて書けないんだ 私

Dear you
親愛なる君へ
Where are you ?
私より

きっと君に 届くよね
返事はたぶん 来ないけど
ゴミ箱は 今日
捨てにいきます

燃えないごみだよ


【後書き】
29作目「無題のラブレター」
 無題じゃなくて、これが題名です。


------------------------- 第30部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
支配者と主導者

【本文】

 非常に時間がかかる 
 それだけだ
 それだけか
 そうかもしれない

 世界が変わったところで
 世界が代わったところで
 世界が替わったところで
 世界が換わったところで
 
 僕はすぐには変わらない
 私はすぐには代わらない
 俺はすぐには替わらない
 己はすぐには換わらない

 君はすぐには変わらない
 あなたはすぐには代わらない
 お前はすぐには替わらない
 うぬはすぐには換わらない

 指導者は変わろうとするが
 支配者は代わろうとするが
 主導者は替わろうとするが
 責任者は換わろうとするが

 目標を変えられるか
 思考を代えられるか
 原因を替えられるか
 思想を換えられるか

 非常に時間がかかる
 それだけか それだけだ
 できるのか できるのさ
 かかるのか しかたない

 時間がかかって
 時間切れ
 時間がかかって
 余韻ナシ

 世界をかえるのに
 人をかえるのに
 人間をかえるのに
 向きをかえるのに

 時間がかかれば
 まずとばせ
 あの時計が見えぬのか
 残り時間が狭ってる

 先に次の問題
 すべては必ずつながるから
 連鎖伏線思想完成
 俗にいう新

 |過《あやま》ちにいみがある?
 あぁきっとあるだろう
 だがその前に
 過ちの前を見てみないか

 無駄に無駄で無駄でしかないこと
 あぁ必ずある
 そこにも一応いみはある
 だがその前に

 君は君の主導者で
 あの方は君の指導者で
 僕は君の同族で
 同族嫌悪も愛情も結局君が いるからで

 君が消えても地球の軌道はかわらないって
 地球が消えたら君はかわるって
 思想自体が大正解で
 思想だけで時間切れ

 そもそも世界に差があるわけで
 さらには世界は証明されていないわけで
 されていると思い込んでるわけで
 自分で行動しているわけで

 国は結局地名なわけで
 統一しても世界は広いわけで
 狭くなったらつまらないわけで
 どこにもそれは ないのです
 
 

【後書き】
30作目「支配者と主導者」



------------------------- 第31部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
言者~コトモノ~

【本文】

 コトバアソビ
 ビソアバトコ

 今夜は気取って言葉を揺らす
 今夜は喜怒って言葉を揺らす

 加減を知らない君は微笑む
 下限を知らない気味は微笑む

 正体不明の終わりを告げる
 小隊不明の終わりを次げる

 チョコがとっても美味しい
 猪口が取っても美味しい

 ごめんなさいって何度も言った
 五面なサイって何度も言った

 君は好きってなんども唱えた
 黄身は好きってなんども称えた

 愛してるってなんども思った
 逢いシテルってなんども想った

 扉を開く
 戸片を拓く

 未知の世界へ飛び出す
 路の瀬界へ鳶堕す

 たおやかな恋
 たおやかな鯉

 きれいな音楽
 木霊な音楽

 またいつの日か
 またいつの皮下

 雲ひとつない晴天
 蜘蛛ひとつない聖典

 マウスの接続不調
 マウスの切俗府庁

 ちょっとイケナイこと
 鳥渡活けない琴

 空気が死せる
 食う気が死せる

 なんでここにいるの?
 なんでここに射るの?

 さあ支度しよう
 さあ私宅しよう





 言者は言ったんだ
 個と者は言ったんだ

 君は病気だよって
 君は病期だよって

 治してあげる
 直してあげる

 言者は言ったんだ
 個と者は言ったんだ

 助けてあげる
 援けてあげる

 だからわたしは
 だからワタシは




 ビソアバトコ
 コトバアソビ

【後書き】
31作目「言者~コトモノ~」です。
 クリスマスにクリスマスソングを投稿します。
 もう完成しました。
 お楽しみに・期待しない方が○

------------------------- 第32部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
white-day

【前書き】
クリスマス用詩1/2

【本文】
Don't make a snowman. Don't make snowmen.
Don't make a snowman. Don't make snowmen.
Look at the snowman. New,new snowman.
Look at the snowmen. Many,many snowmen.

They'll fell 'death' when spring comes up.

Let's make a snowman. Let's make snowmen.
Let's make a snowman. Let's make snowmen.
Look at the snowman. Sweet,sweet snowman.
Look at the snowmen. Colorful snowmen.

They're felling 'live' because there are also 'death' when they live.


No any other snowman is as wonderful as that snowman,second from the left,you made.
But,think.
Is "White,white snow was made by you."true?

How many times have you become snowmen?
Do you wanna be snowman?


There is a snowman. There are snowmen.
There is a snowman. There are snowmen.
They are snowmen. They were snowmen.

They are melting snowmen. They are broken snowmen.

"They are snowmen going back."

I think it's true.
I think you're wrong.

Either you or I thought.

"Snowman is snowman" is natural but why are we suffering from it?

Snowman is snowman. Snowmen are snowmen.
Snowman is snowman. Snowmen are snowmen.
We aren't snowmen. We can't make snow.

So there are many,many miracles.

【後書き】
32作目(クリスマス用)「white-day」

 次のページもクリスマスポエムです。

------------------------- 第33部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Merry Christmas

【前書き】
クリスマス用詩2/2

【本文】
 Merry Merry Christmas. Merry Merry Merry Xmas!


 とても不思議な生業
 ノエル ナビダー ヴァイナハテン 
 どれもかれもな不思議な夜に

 今日はspecial day なのに
 君は君 君のまま
 
 今日はwhite day なのに
 赤は赤 赤のまま

 赤い服のおじいさんが
 わたしに絵本をくれるんだ
 Merry Merry Christmas.

 おウチを綺麗に|彩《いろど》って
 Father Christmas 歌ったよ
 
 今日は特別な日 だから
 大きな大きなCAKEを食べて
 みんなで歌を 歌ったよ

 魔女ベファナが炭を配る
 それはちょっと 後の話

 Merry Merry Merry Xmas.
 How wondeful today is!
 How happy we are!

 さあ 笑おうよ
 雪だるまも笑ってる
 SNOWMAN SNOWMAN
 SNOWOMAN SNOWOMAN
 SNOWBOY SNOWBOY
 SNOWGIRL SNOWGIRL
 みんなみんな 笑ってる
 
 雪だるまは雪だるま
 でも

 君は君
 でも

 クリスマスは楽しいんです
 クリスマスは嬉しいんです


 それだけで――クリスマスは特別な日
 
 

【後書き】
33作目(クリスマス用)「Merry Christmas」

 ベファナ。1月6日に良い子にお菓子を配り、悪い子には炭を配る魔女です。

 では。メリークリスマス。

------------------------- 第34部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
LOCK on ROCK!

【本文】

 LOCK on ROCK! そういうこと
 あなたの わたしの
 心のビート 鍵に掛けて

 ラララLALALA歌ってる 
 ラララRARARAはしゃいでる

 そんな あなたと
 そんな わたしは

 LOCK on ROCK! そういうこと
 鍵に掛けてその鍵は

 ラララLALALA歌う鍵
 ラララRARARAはしゃぐ鍵

 そんな あなたは
 そんな わたしに

 LOCK on ROCK! LOCK on ROCK?

 でもところがしかしその鍵を



 無くしたあなたは
 無くなるわたしを

 "LOCK on ROCK" or "ROCK off LOCK"

 永遠と響く拍手を
 延々と割れる涙を

 永遠を謳うあなたは
 延々と歌うわたしと

 きっと――そこに答えはあるから

 

【後書き】
34作目「LOCK on ROCK!」
 いろいろと隠れている詩(?)になりました、

 では。

------------------------- 第35部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
盾矛

【本文】
 もうたとえ 
 君がいなくとも
 もうたとえ
 僕が消えようが

 そこに何かがあった それだけは
 一生変わんないんだよ
 
 100万年後の自分を 
 ほら 想像して笑ってよ
 しわくちゃになったその顔を見て
 ひとり ほくそ笑んでよ

 もうたとえ
 未来地球がなくとも
 もうたとえ
 未来宇宙が消えても

 そこにあった そういう声だけは
 一生残るんだよ


 ああ だから
 僕が君を殺そうが
 君が僕を潰そうが
 そこに人がいた その記憶だけは
 一生 なくならないんだよ

 もう こんな世界無くしちゃえよ
 もう こんな世界失くしちゃえよ

 それなら 馬鹿な道理も一緒に消えて
 桃源郷も目の前だろ?

 ハハ ハハ ハハ
 ララ ララ ララ
 ハハ ハハ ハハ
 ララ ララ ララ
 ハハ ハハ ハハ
 これが一生続くんですね はいはいはい

【後書き】
35作目「盾矛」


------------------------- 第36部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
広報

【本文】
 
 潔癖症の少年は 
 ひとりひとり すべてのモノを嫌いました

 人間不信の青年は
 ふたりそれぞれ ひとつのある|人間《しゅうだん》を恐れました

 極悪非道な男性は
 みっつよっつと 人をモノとして考えました

 すっかり衰えた老人には
            なにも残っていませんでした

 
 


 泥中で楽しく遊ぶ少年は
 ひとりひとり すべてのモノを笑いました

 幸福信者の青年は
 ふたりそれぞれ ひとりのある|幸福《にんげん》と出会いました

 順風満帆な男性は
 みっつよっつと シアワセを積み重ねていきました

 すっかり衰えた老人を
 ひとり ひとり ひとり たくさんの|ひとり《にんげん》が敬います









 綺麗を好む少年は きっと汚くなりました
 何でも好む少年は きっと綺麗に笑います


 さあ どちらが  人  でしょう

【後書き】
36作目「広報」

 100作まで程遠い……

------------------------- 第37部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
小悪魔

【本文】

 ほら悲しいことが起こったなら
 まわりの真似をして泣けばいい
 そうすればキミは
 異端者とは呼ばれなくなるから


 ほら嬉しいことがあったなら
 まわりの真似をして笑えばいい
 そうすればキミは
 かわいい女の子になれるから

 
 ほらもしも怪我をして痛いんなら
 痛いといって泣けばいい
 そうすればかわいいキミを
 守るナイトが現れる


 ほらそのナイトが動かなくなったなら
 思いっきり笑うといい
 そうすればキミは
 また異端者に後戻り


 そうすれば
 一生生きて暮らせるでしょ?

【後書き】
37作目「小悪魔」
 最近ネーミングセンスが悪いです、僕。

 う~ん、題名命なんだけどなぁ……。

 では。

------------------------- 第38部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
川岸に咲く花のように

【本文】

 川の流れに従う桜がひとひら
 川の流れを見つめる君がひとり
 僕はどちらに見とれていたのだろう
 きっと ぼうと咲く彼岸花――

 たとえ君に前世があっても
 たとえ君に来世があっても
 君がそれを覚えてないのなら
 それは君の人生じゃないんだろう

 君はたったひとつの人生を
 前世に食べられないように
 来世に奪われないように
 今のために生きなきゃだめだよ

 |永遠《とわ》に咲く彼岸花のように
 一瞬に散る桜の花のように
 君は今を生きなきゃだめだよ
 君は皆に慕われる桜なんだよ

 雨が降る
 ああ 君はもう終わりか
 来世また会おう
 君は君ではないけれど

【後書き】
38作目「川岸に咲く花のように」ww

------------------------- 第39部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
目標考察

【本文】
 寒いこのごろ 手を洗う
 ネクタイ濡れる 水がつく
 水を払う シャツにつく
 シャツ濡れる 水がつく

 それを見て あなたが笑う
 無邪気に無邪気に
 それでも笑う
 
 あなたのその笑顔が 明日の僕を築いている
 ああ 気付いてる
 いや 気付かない
 あなたのその涙を 今日の僕と替えればいいのに

 寒いこのごろ 手を拭くと
 ネクタイ乾く 水はある
 水を払う シャツにつく
 シャツ濡れる 水がつく

 それを見て あなたが笑う
 無邪気に無邪気に
 それでも笑う

 ああ 僕は何ができるだろう
 ああ あなたの笑顔で 僕は何ができるだろう

【後書き】
39作目「目標考察」



------------------------- 第40部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
どーでもいー

【本文】
   If I'm born in your heart, I'll not see you.
   Because you was born in my love.

 だってだってだってだって なんだなんだなんだなんだよ
 そうさ僕が君の心で生まれたんなら 
 僕は君には会えなかったろう

 そうさそうさそうさそうさ だってだってだってだてめがね
 君は僕の愛で生まれたから
 君が君でいられない

 もー意味わかねぇ
 「ん」が抜けたよ 掛詞
 君に会うため 僕は僕のままでいる 

 はっきり言って
 どーでもいー
 はっきり言って
 どーでもいー

 大事なことは2回言おう
 大事じゃなくても1度は言おう


 だって 僕は僕だもん

【後書き】
40作目「どーでもいー」ですが。

 んでら。やっと4割!

------------------------- 第41部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ならば

【本文】
 |哭《こく》を|知《し》った|猫《ねこ》はきっと|鬨《とき》の|渦中《うずなか》
 エナメルの|塗料《とりょう》を|描《ぬ》り|叫《さけ》びながら

 |獄《ごく》の|中《なか》で|詩《うた》を|創《うた》う|犬《いぬ》は|守《まも》られ
 たかが|命《いのち》|塗料《うわぬり》で|隠《かく》されながら

 とても|綺麗《きれい》|命《きみ》の|欠片《ひとみ》|眺《なが》め|惚《ほ》れてさ
 たかが|命《いのち》されど|命《いのち》|募《あたた》めながら

 |酔《よい》を|取《と》った|猫《ねこ》はきっとただの|植物《しょくぶつ》
 |銅線《どうせん》を|食《く》い|千《ち》|切《ぎ》り|騒《おこ》られながら

 されど|犬《いぬ》は|詩《うた》を|創《うた》う|監視《かんし》されてさ
 だから|猫《ねこ》も|渦《うず》と|共《とも》に|肖《あやか》れながら

 だからきっと|心《きみ》もずっとそこにいるのさ
 だからきっと|僕《ぼく》はずっとここにいるのさ
 |僕《きみ》はきっと|思《わか》ってるさここがどこかさ
 だからもっと|動《うご》いてよそこにいながら

 キミはきっとずっとボクとトモにいるのさ
 ボクはきっとキミをずっとまっているのさ

 |待《ま》っているから 
 |待《ま》っているから

 きっといるから

【後書き】
41作目「ならば」

 ふりがなをフルでつけました、なぜだろう。



------------------------- 第42部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
夢追

【本文】
 一通の便箋に込められた ちいさなちいさな私の夢が
 急に動いて逃げ出した

 はぁ溜息を出しても 便箋は走っていく
 私はそれを追いかけた

 最初で最後の大事な夢を あなたはどこへ連れてくの?
 頭のアルバムにしまいこんだ私が悪いの?

 私のこの想いを あなたはどこへ逃げていくの?
 便箋に閉じ込めた私が悪いの?

 気付けば私は あなたの席に
 そこで便箋捕まえた

 最初で初めの私の夢は 最後で初めの私の夢は
 アルバムにしまっても 便箋に閉じ込めても

 あなたの席で ひとりあなたは
 とりあえず持っておきなよ あなたの唄

 一通の便箋に詰められた夢は 
 ひとつの大きな夢と化した

 一通の便箋で騒ぐ夢は
 ひとつの小さな夢だった

 あなたの席に ひとりあなたが
 持っておきなよ 私の唄

 だから それ
 必ず使うときが来るから


【後書き】
42作目「夢追」



------------------------- 第43部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
まあ疲れたら休もうよ

【本文】
 Let's sing a song and a poem.
 There are special songs in your world.
 Here are wonderful poems in my room.
 So,let's sing!

 In your world, you saw me.
 My room from fire is taken out by your you.
 He teaches me what to do but I don't know who he is.
 For example,can you see you?

 Let's sing the song and the poem.
 There are awesome songs in your special world.
 Here are colorful poems in my wonderful room.
 So,let's sing!

 You said me "You are NEET".
 Oh,how rude!
 Do you hear my words?
 Hey,tell me a reply.

 But,but and but you look for my room.
 So,let's sing!
 No probrem.
 You don't have to say a good reason.

 So,let's sing!



【後書き】
43作目「まあ疲れたら休もうよ」

------------------------- 第44部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
にゃにゃにゃ

【前書き】
前作「にゃん」とは何の関係もありませぬ。

【本文】

 にゃん にゃん にゃんにゃ
 ご主人しゃみゃが 言ったんだ
「明日は仕事。明後日も仕事。
 未来のために 僕は働く」
 
 にゃん にゃん にゃんにゃ
 未来にゃんて 神しゃみゃにみゃかせりゃえーのに
 未ぃ来にゃんて どーでもいーのに
 今がシアワセにゃら ずっとシアワセにゃら

 にゃん にゃん にゃんにゃ
 今を生きるにゃ ご主人しゃみゃと
 シアワセは ぽっかぽか
 シアワセが未来を引っ張って

 にゃん にゃん にゃんにゃ
 にゃん にゃん にゃんにゃ
 …………………………………
 うにゃ~~~ん

 シアワセのお時間にゃ☆


【後書き】
44作目「にゃにゃにゃ」

------------------------- 第45部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 生きて生きて生きて生きて
 何を求める

 死んで死んで死んで死んで
 何が変わる

 死ねば生きる生きる死ねば
 だから何だと

 死んだところで
 生きたところで

 意味を看做す 生きて何を
 意味を探す  死んで何と

 目を見て話せ
 蝦夷の君が琉球に流れ着くとは

 だから何だと
 だから何だと

 死ぬな生きろ
 死ね生きるな

 だから何だと
 だから何だと

 折れる心 抉る笑顔
 己の涙

 なぜ泣くのか なぜ喚くのか
 だから何だと

 乱す命 育つ命
 それをどうする

 乱れ育つ命 それに肖る君は
 だから何だと

 どうでもいいか
 だから何だと

【後書き】
45作目「血」

------------------------- 第46部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
おしろい楽器

【本文】

  深い深い 庭化粧
  葉巻の煙が風に舞う
  汽笛が唄う 遠くの道へ
  鉦鼓奏でる 庭化粧

  香しきこそ 庭化粧
  鳥の囀り 壁の耳
  屋敷が笑う 近しい木々を
  篳篥唄う 庭化粧

  悪魔ぞありける 庭化粧
  踏絵に向かう 白い足
  天使が歎く 無情に無邪気に
  小鼓踊る 庭化粧

  向かうる火花 庭化粧
  愛称飛び交う 林の林檎 
  兎が跳ねる 見えない城へ
  琵琶は訴う 庭化粧

  知らぬが仏 庭化粧
  魚の煮付け 障子に目あり
  布団が包む 赤子の寝顔
  三味線切れる 庭化粧

  雪が朦朧 庭化粧
  擦れる虫唾 蜘蛛の糸
  庭に有るもの 化粧して
  私は至る おしろい楽器
  

【後書き】
46作目「おしろい楽器」

 久々に真面目に書いた気がする・・・
 伝統楽器と、和風景色、ですかね。

 兎だとか、一応冬のつもり。
 のくせに鳥が囀るとか、春を混ぜ。


 いろいろと気持ち込めたんで。
 何かありましたら気軽に感想お願いします。

 僕の原動力になってください。


*語句*
・|鉦鼓《しょうこ》…打楽器。日本の伝統楽器。
・|篳篥《ひちりき》…竹製のたて笛。日本の伝統楽器。
・|小鼓《こづつみ》…手で打つ打楽器。皮が張ってある。日本の伝統楽器。
・|琵琶《びわ》…弦楽器。インドらへんから日本にきた。
・|三味線《しゃみせん》…浄瑠璃などで使われる弦楽器。
・|虫唾《むしず》…むかむかするような不快なこと。
・|葉巻《はまき》…タバコのこと。
・おしろい…色白に見せるための化粧品。



 では。読んでくださりありがとうございます。
 テキトーなやつですが、詩集はまだまだ続きます。
 u17を今後ともよろしくお願いします。

------------------------- 第47部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
rain

【本文】

「好きにしていいよ」
 見放される優しさに 
 愛情の軽さを知る

 優しさの雨が降るのなら
 傘を燃やそう
 でも 燃えつきる前に雨が火を消してしまうけど

 雨の中
 傘は捨てればいい
 なにもしなかったら 病気らしいよ

 レオンを捕まえ
 見放される恐ろしさに
 憎悪の重さを聞く

 憎ましい雨が降るのなら
 傘をささなきゃ
 でも 傘はいつかに捨てちゃった

 雨の中
 傘を捜さなきゃ
 なにかしすぎたら 病気らしいよ




 我慢しなくちゃ 雨が降る
 傘は折りたたみ式に
 病気の僕は 愛されている
 

【後書き】
47作目「rain」

 

------------------------- 第48部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ふわふわ

【本文】

 あなたがそばにいて あなたのそばにいて
 誤字選る 意味深蝶
 遠いとおい 昔の森で

 あなたがそばにいて あなたのそばにいて
 誤字纏う 愚問具糖
 天才てんさいの 昔の街中で

 あなたがそばにいて あなたのそばにいて
 にゃにゃにゃにゃ 頼らない
 ワンちゃん わんわん くしゃみが出るの

 ふわ ふわ 
 ふわ ふわ
 鉛筆を削る 黒い粉くしゃみが出るの

 あなたがそばにいて あなたのそばにいて
 エゴじゃないけど きっとそうなの
 SMILE ME! 教室の片隅で

 あなたがそばにいて あなたのそばにいて
 噛み付く 命食べるの
 レッスン そうじゃなくて

 あなたがそばにいて あなたのそばにいて
 進化する 神様の本
 猫にゃん あたたかい家

 ふわ ふわ
 ふわ ふわ
 評判悪い けど とてもいい

 あなたがそばにいて あなたのそばにいて
 あなたとそばにいて そばにいるあなた
 きっと 生きているよね? 

【後書き】
48作目「ふわふわ」

 

------------------------- 第49部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ライトノベル

【本文】

 ただ一言だけ 「好き」と言って下さい
 「愛してる」とか 大きすぎるのはまだいらないから


 でんでんでんでんででん
 でんでんでんでんででん
 I'll BE BE BE BE...
 暗い暗いのcryはい!

 足が大きいのbigger than you
 ヒールとビールをドリンクしたら
 ヒールは飲めない 僕未成年
 お酒は20 20から

 20¢よ あなたの心は
 いえいえどんだけ大安売りなの
 曲に合わせて歌って頂戴
 はいはいはいはい!

 ほらだんじゃんだだんだ
 好きなの? いいえ
 だんだんだだんだ
 仮定の過程を家庭で下底!

 つまんない あなたの話は
 おウチはこんなに綺麗なの
 ふぅざけんなよ 一緒に来てよ
 乗らない韮食う 甘くはないね

 きんちょー きんちょー
 緊張してる? いいやダイジョブ大丈夫
 らんららんらら ららんらら
 One Two Threeで略してOTT

 あら普通じゃん
 普通はフツー? いやいや奇跡
 奇跡の軌跡 輝石は奇石
 うぅ 心配するなよ 生きてるからさ

 大衆文化の金が鳴く
 ほら命は売れる 安いけど
 冬は寒いからコタツに入る
 あとがき まえがき んなもん知らねぇ

 おばさんおじさん あっちにいるよ
 でも行かないほうがいいみたい
 あとおじちゃんおばちゃん あっちにいたよ
 At here で いろいろいろいろ

 ところでこれは いつ終わる
 終わりの見えない 物語
 でも 楽しいんなら
 何でもいいじゃない

【後書き】
49作目「ライトノベル」

 

------------------------- 第50部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
よぼーせっしゅとかいう世坊説守

【本文】

 ねえ お母さん
 ついでに お兄ちゃん
 概念の違いだよ
 ビョーキは怖くもなんともないよ?

 よぼーせっしゅ なんて
 ビョーキを怖がる証拠だよぅ
 ビョーキに負けたくないんなら
 ビョーキは怖くない って

 ビョーキなんてぶっ飛ばしちゃえ
 よぼーせっしゅ? 痛いのは嫌なの
 そんなもん受けたら 気持ちブルー
 そのとき ビョーキが侵入!

 とっとと 失せろこのやろう
 侵入者発見 もうメラメロ
 意味不明? それって君のこと?
 ビョーキは バイバイ

 ねえ お父さん
 ついでに お姉ちゃん
 お一ついかが?
 ビョーキなんてそもそも無いんじゃない?


【後書き】
50作目「よぼーせっしゅとかいう世坊説守」

------------------------- 第51部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
呪文のいらない魔法

【本文】
 オブジェクトの姿で
 ファーマと一緒に謡おう
 
 粉々に砕けたその瞳
 明るい光に満ちて
 それでも君は
 青空へと駆けていく

 ただひたすら
 遠く近く 
 魔法をかけよう
 呪文はいらない

 サーシャ夢見る
 コンサルティーナの空仰ぐ
 その向こうには
 あたたかい 呪文のない魔法

 溢れる想いよ
 届け魔法と
 砕けた瞳は遠く近く
 魔法に呪文はいらない

 目が覚めて 
 夢はとっても痛い 
 オルタナティブと
 巡り来る魔法に

 イメージを磨く
 ただひたすら遠く近く
 魔法に呪文はいらない
 青空はまだ青いまま

 儀色の掴 目を閉じれば
 痛い 痛い
 遠くて近い
 届け 呪文はいらない

 ラジカル変なの
 巡り来る想いよ
 ありとあらゆるもの
 青空はまだまだ青いまま

 傀儡が降る夜は
 月が真っ黒 お日様が消えた夜
 呪文のいらない魔法
 届け オブジェクトの姿で
 

【後書き】
51作目「呪文のいらない魔法」

 楽しみ重視。

------------------------- 第52部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
うた

【本文】

 ねじれねじれて捩れの位置に
 
 もどりもどって戻れと謳う

 さんろさんさろトライアングル

 表へ出ろよ うたえようたえ 我が愚民共


 強がりなホントは泣き虫で ぽろりぽろり
 唄い謳えや 矢のごとく

 キミの右手ずっと 離しはしないから
 謳い詠えや 鏡のごとく

 敵と看做して即座に攻撃 実は仲間だ
 詠い謡えや |剣《つるぎ》のごとく

 ほらお座り お手 今日からワタシご主人サマです
 謡い歌えよ |命《せかい》とともに



 |世界《いのち》で歌え |命《せかい》とともに

 |仲間《むかし》を謡え |昔《なかま》のように

 |化物《めぐみ》と詠え |愛《けもの》をこわし

 |右手《なみだ》に謳え |涙《みぎて》であらう

 |主人《わたし》へ唄う |私《あなた》はいない



  

【後書き】
52作目「うた」

------------------------- 第53部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
これは命令です。

【本文】
 人は生きる 生きるから人
 死んだら幽霊 幽霊≠人

 I had been used.
 Why was the boy breaking and stealing shops killed?
 Over there,you said to me.
 Poison me,please.
 We weren't sad. So don't poison me.
 He will poison. So we should kill him.
 New words,"xwe",will be broken.
 Not because your making,because of you.
 Just. OK. You will be killed or die.
 The boy and a blue and bule sick are going to be killed.
 Everyone will be killed. Everywhere.
 The killing you made will be killed BY ME.

 転ばぬのなら杖を折れ 落ちないのなら猿は死ね
 みんな殺す わたしが殺す

 だからそれまで――生きてなさい

【後書き】
53作目「これは命令です。」



------------------------- 第54部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
LIKE SONG

【本文】
I like you cuz you're liked by me.
You said to me,"Gee."
I heard that the polyethylene terephthalate bottle you bought is 150yen.
Sorry. To tell the truth,I'm looking for it.
I don't have some coins.
Will you lend to me?
Today is beautiful but I'm still looking for it.
You look an educated person.
What? Am I E-boy?
You said to me,"What means?"
I know you don't know it. So I sang.
E is a pert of "Not in Education,Employment or Training."
"Gee!"
Oh,yes. I like you.
If you hate me,but I like you.
I like and like you.
I can be false. But,how about you?
Bend the truth.
Moon is smiling. But,how abot you?
I can't come back beaming with joy.
The polyethylene terephthalate bottle you bought was looked for.
I lost.
I lost.
Will you show me where coins are?
"ALL RIGHT"
The wish I had can't disappear.
The poems you had will go out.
Perhaps,I won't be able to love you.
But,I like you.


【後書き】
54作目「LIKE SONG」

 

------------------------- 第55部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
国境

【本文】

 どうしても 越えられない
 そんな壁があるんだ
 どうしても 超えられない
 そんな線があるんだ

 “君ロシア わたしはアメリカね”
 笑って言った 僕を指差し
 悪気はない そうなんだろうけど
 僕はショック 君外人さん
 
 国に属する国賓国民 国家のお国
 戦って握手して もうバイバイ
 握手して闘って もうサヨナラ
 そんな壁と線があるんだ

 ハンマーと勇者の剣で
 国境なんて壊しちゃえ
 でも国境がなくなっても
 離れているのは いつだって

 どうしても無くならない
 そんな壁があるんだ
 どうしても失くならない
 そんな線があるんだ

 “君とわたし ところであの子は?”
 意地悪ぶって 指差して
 戯論はない そうなんだろうけど
 僕はショック 君と二人きりがいい

 国家間の権力 沸憤たるお国の事情
 殺して弔って でも無くならない
 弔って死んで でも失くならない
 そんな壁と線があるんだ

 魔法書と勇者の弓矢で
 国境なんて飛ばしてしまえ
 でも国境がなくなって
 結局困るのは 僕たちだ

 あったら忌み嫌われて
 なくてはいけないものなんだ
 そんな壁があるんだ
 そんな線があるんだ

 君は――ロシアね 

【後書き】
55作目「国境」

------------------------- 第56部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
あなたのことが嫌いです

【本文】

 ところで ねえ
 罪とか罰とかいろいろあるけど

 不安で不安でしょうがないけど
 ねえ あなたのことが嫌いです

 
 ツンデレだとか ヤンデレだとか
 どうにも住みにくくなって楽しくなったけど

 未来も過去も現在も わたしが怖くて
 あなたのことが嫌いです


 勘違いはしないでね
 嫌い ただそれだけ

 動物は喋らないけど 植物は動かないけど
 そんなの 分かるでしょ?

 
 お澄まし顔で 何言うの
 嫌い ただそれだけ

 優しい唄流れる でも怪しい
 どうにか戦争を終わらせて


 不安で不安で不安で不安
 嫌い ただそれだけなの

 でも幸せに尺度はあるの?
 みんな幸せ だったら――みんな不安なの?


 いいえ 違うの
 不安で不安で不安で不安で
 
 それは――わたしだけ
 みんなみんな――幸せなの

 マーフィーも気付かない 摩訶不思議な未来
 幸せってのがあるから――不幸って考えが生まれたんでしょ?


 不安で不安で不安で不安で だけど
 あなたのことが嫌いです

 ただ それだけが希望なの
 あなたのことなんて 大っ嫌い

 難しいことは分からないけど
 ねえ 不安は―― 

【後書き】
56作目「あなたのことが嫌いです」

 

------------------------- 第57部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Blue Sky

【本文】
 もしも 今この|地球《ほし》が終わるのなら
 でも そんなことに気付くこともできなくて
 地獄でも天国でも とりあえず死んじゃったとしても
 今 空が青いから それでもいいのかな

 碧い背景で 空を見上げて歩いた
 何も覚えてないけど 何があったか知らないけど
 静まり返った 死んだ地球で
 空が青いや だったらそれでいいのかも

 死んでも ああ 綺麗
 白い雲 レールのように引かれた線
 飛行機雲かと思って けど 誰もいない
 雲は白い 空は青い 綺麗だ

 石畳の上で 少し休んだ
 座り込んで でも 空を見上げて
 死体がこんなにも美しいなんて 知らなかった
 空は青い いつまでも

 こんな 死んだ地球で
 空を見上げて歩いた 何を見てるの
 あまりに遠いようだけど 何を見てるの
 手を伸ばしても 空は青かった

 でも ああ もしもの話
 死んだ地球が また終われるのなら
 スタートラインに一周廻って
 空は青い 綺麗 だけど

 空を見ながら休んだ 何が見えるの
 青い 青い 空に雲がかかる
 だから今 何をしてるの
 終わらないのかな 死んでもそれは残ったままで

 動物も植物も みんなみんな 地獄か天国へ
 残ったのは死体と青い 青い空
 終われない物語は どうして始まらないの
 だから 空は青いんだね

 死なないで 最後にそう言った私は
 いつまでも 死ねないようだ
 この死んだ地球と 私
 青い空を求めて 今日も歩く

【後書き】
57作目「Blue Sky」

 この詩には原作があります。
 原作って言っても僕が昔書いた拙い短編を見つけただけのことですが。

 ほんと、拙い。
 短編としてリメイクするにもそんな余裕ないので、
 詩としてリメイク☆



------------------------- 第58部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
捕まえたっ

【前書き】
この詩は携帯版では非常に読みにくくなっております。
 申し訳ございません。。

【本文】






















疎 どうしてもどうしてもどうしても きっとさねそうなんだって死んで 宥
機  嫌って厭って否なんだってと   首を刳られても斬られてもさ  葦 
楽   ねぇ実は君わたしのこと     強くなりたいそう思える   禰
縁    勝負に負けたってさ       嬉しいと思えること    鬨
聾     試合に敗れても         場合によっては     鼎
壱      ねぇこれは           病気のお話      云
索       それと             仕事を       邑
臆        桜               唄        攣
牟       でもね             篳篥撰       鞠
璽      そうするよ           そうしない      迩
藍     そう言えないな         そう出来ないよ     葯
燗    言っちゃだめなんだ       出来ちゃだめなんだ    撚
瑯   嫌でも厭でも否でも何と     きっとさねそうなんだよ   閾
幾  実は君私のことねぇそうだね   トライアングルのお時間です  空
寵 もう文字羅列綺麗あなたのこと私 私は謳う唄うし歌うだって君への 禽




【後書き】
58作目「捕まえたっ」

------------------------- 第59部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
概念

【本文】

 君は奇声を上げる 僕を見て
 動かない 動けない
 血まみれの 僕を見て

 豪雨の中で 君は何をしてるの
 僕なんか放っといて 
 “逃げて” 言わなきゃ

 ROLL アクセス
 雪は降らない 水が溶かす
 もうすぐ来る “逃げて”

 君は携帯取り出す 僕見ずに
 救急車? そんなのいらない
 それよりも 早く――

 その肉体持て余して 
 さぞ 辛かろう
 幸か 辛か

 万事快調 謳った君は
 今 なにをすべきか
 いや “逃げて”

 もうすぐ来る 絶対に
 だめ 君は生きなきゃ
 僕を捨てて 早く――

 僕なんてどうでもいい
 君さえいれば 
 僕は幸せさ

 君は何も知らなくていい
 全て 僕が担ぐから
 総て 僕が受けるから

 ねぇ 君は生きる
 僕は生きない
 それだけ それだけ

 それから――
 いつまでそこにいるの?
 “逃げて” 僕の請えが聞こえない?

 君は死んじゃだめだ
 僕を殺す気かい?
 ――なら はやく“逃げて”

 サイレン ROLL
 近づく救急車 レスキュー員
 ああ 来た

 ROLL ROLL
 神様 どうか
 幸せを――ください

 恐ろしいこと考えてないで
 無垢な少女を 殺す気かい?
 ねえ神様 僕は。

 

【後書き】
59作目「概念」



------------------------- 第60部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
RARARAtall man give usRARARA

【本文】
 のっぽおじさんが いました
 ようきな ひとでした
 かれはわたしたちに くれました
 
 ある涼しい朝のこと です
 みんな 泣きました
 おじさんは 泣きませんでした

 なぜで しょう
とくに はなしませんでした
 でも 泣きました

 特に 泣きませんでした
 だから 泣きました
 みんな 泣きやみました

 でも 僕はとまりません
 とまれま せん
 追悼っていう 言葉

 恐ろしい言葉 です
 言葉なのに 人を殺せそうです
 Good-Bye,bye を僕は買いました

 とても 高かったです
 だから 借金をしました
 1日1円 返してます

 返すまで 死ねません
 そう 決めたのです
 でも しかし
 
 甘い のです
 雨も 降らないのです
 雪は 溶けないのです

 らら らラララ
 おじさん は言いました
 意味は 僕が消しました

 聞く前に 消しました
 だから分かり ません
 ドアが 飽きます

 存在に 目的に
 ノブが とれました
 でも ドアはドアです

 おじさんは 言いませんでした
 僕のこと 嫌いだなんて
 でも 僕は言いました

 泣かない彼に 向かって
 そうしようと しました
 でも とても難しいのでした

 難しいことは 嫌いです
 だから みんな嫌いです
 だから 無意味は大っ嫌いです

 そうで す
 分節 単語
 石 ころ以下です

 でも 石は大切です
 おじさんが 言いました
 でも 言葉は危険です
 
 みんな それに気づいても
 無視し ます
 いえ 忘れます

 仲間に 会いました
 仲間に 合いました
 それも 一瞬のことです

 意味ができれ ば
 おわり です
 これでスピー ちを終わります

【後書き】
60作目は、リムーバブルディスクに埋もれていた、僕の過去(たぶん1,2年前)の作品 「RARARAtall man give usRARARA」でした。



------------------------- 第61部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
かっぷら~めん

【本文】
   線のとこまで お湯を入れ
   ふたをしめて 待ちましょう
   3分3分 こくこく時計の針刻む

   でも ねえなんで
   3分後 私が生きてるって
   そんな 確信はないよね

   あと2分で 隕石が
   あと1分で 太陽爆発
   そんな もしもの話

   ラインを通り越して
   お湯入れすぎちゃって
   でも 分かるんだ 私

   この3分間 3分後
   私は 生きてるんだって
   だって――

   食べられないカップラーメンなんて
   ただの不良品じゃない?
   なら 食べることもできるよね

   ほら 全部がそうなんだ
   どれくらい 離れてても
   一緒の星に暮らしてるんなら

   生きていくんだ
   生きて 生きて
   生き過ぎたら のびちゃうけどね

   背が伸びて 寿命も延びて
   でも そしたらラーメンのびちゃうよ
   ねえ だから――

   “カップラーメンは優れものです
    なんと お湯を入れるまでのびることなどないのです”
   うん 美味しいね

【後書き】
61作目「かっぷら~めん」

------------------------- 第62部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
桜雪間

【本文】
     


              桜が舞うよ 雪と一緒に

              窓から眺める その景色
      
              綺麗で異例で 気味悪い

              でも 君よりは綺麗かな

              そう言ったら 怒られる

              桜が舞うよ 雪が降るよ

              桜と雪が 踊り舞うんだ

              話してみよう あの人と

              会談 屁理屈唄う応接間

              支度をしよう 今朝の事

              お偉いさんの 機嫌取り

              大切なのは 今と明後日

              明日のことは 考えない

              桜が咲くよ 雪を背景に

              君は歌った 嫌いですと

              忌み嫌われる 私は辛い

              桜が舞うよ 何を祝うの

              雪が降るよ 何を忌むの

              君はいない 何を望むの

              今日も 私達は機嫌取り        
     

【後書き】
62作目「|桜雪間《おうせつま》」

 地味に200字ジャストだったりします。

------------------------- 第63部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
盲目の少女

【本文】

 遠くを見据える 横顔が見えた
 何を見てるの きっとそうなんだろう
 盲目の少女は 遠くを見据える

 姿勢正しく 手は膝の上
 首だけ曲げて 何かを見据える
 きっとそうなんだろう 何を見てるの

 手を引っ張って 視線の先へ
 連れて行こう 僕らの未来へ
 盲目の少女は 遠くを見据える

 “光を見つけて 見えなくなったの”
 盲目の少女は 言い訳をうたう
 道を開け 闇い空を

 見据える先に 何が見えるの
 僕には見えない 何があるのか
 ふたりきりの誓い 坂に訊いて

 大きな空のもとで 引っ張って行こう
 何も見えない それでもいい
 僕が君の目になってあげよう ふたりきりの誓い

 光を見つけて 失ったのなら
 闇を見つけて 失えばいい
 この場所で 闇い空のもとで

 ずっと待ってて いやだ
 風に揺れるリボン 無色の飾り
 道を歩こう 椅子から起きて

 ふたりだけの誓い ふたりの道
 盲目の少女は 僕が守ろう
 この場所で 闇も失くして

 何を見ていたって それでいい
 見えるものが全てじゃない 見えないものが全てじゃない
 僕と歩もう 坂を上って

【後書き】
63作目「盲目の少女」

------------------------- 第64部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
淋漓

【本文】
 
 争点を取り除くとか 社会の非情に慷慨するとか
 んなもん ハートに響かない
 言いたいことでもあるんなら
 心に響く 台詞をPLEASE!
 夢を持つのはいいことだけど
 んなもん 勝手に押し付けない
 教えたいことでもあるんなら
 絶対聞こえる 大声PLEASE!
 らぁよらぁよと うっさいなぁ
 癪ならそうだと 歌ってみなよ
 好きなら好きだと ポエムをPLEASE!
 
 争点を改めるとか 社会の正義を結託するとか 
 んなもん 全然おもしろくもない
 論理を投げかわして 廊下に立ってろよBabe
 倫理を明かしてさ ドラムを叩くのさ
 夢は綺麗でも そのために汚れるの君は
 だから言ったじゃん ギターで弾けろ!
 くらっくらりと けだるいなぁ
 尺を延ばして 何するBabe
 桜を引っこ抜くのさ ベースで芋焼酎
 もう 流れてぶっこわして!
 目覚まし時計は トイレに流そBabe!

 聖人気取りの自称神様 それはあんた
 悪かった でも反省はするなよ
 社会なんてそういうものだろ? だろ?
 オッケー 入れ替えるよ
 Babe Babe Oh,Baby どうしても?
 夢を叶えるのはいいことだけど でも
 廊下に立つのは 最近見ないな
 どろどろどろどろ ねばっこい
 どこからなにかが 飛び出した
 止め処なくなく 死ねくそ黙れ!
 全てのもろもろ ぶっこわしちゃえばAre you
 

【後書き】
64作目「淋漓」



------------------------- 第65部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
     B     

【本文】
 
 好きな歌はなんですか
 好きな本はなんですか
 好きな人はだれですか
 大好きなキミはどこにいるのかな

 階段を転げ落ち
 でも 擦り傷で済んだの今回
 握手はしない 会釈できない
 そんな 昨日が広がりゆくんです

 ラララ 好きなフレーズが
 頭の中 駆け巡り走った
 拍手をしよう 犯人は誰だ
 なかなかできるじゃないか 喧嘩を

 かっこいい 名言が
 頭の中 響き渡った
 感銘受けた 誰かの台詞に
 なかなかの出来じゃないか 横揺れ

 キミは今 どこにいるのかな
 心配だから 不安なんだし
 手助けしとく キミのためになる
 待っているから また笑い合いましょう

 階段はまた上ればいいんです
 段差はそのためなんでしょ
 続けざまでも 一度だけでも
 あったことそれが 大切なんでしょ

 キミを待つんだ 一週間だけ
 それを越したら 泣き笑います
 階段だって 予想外でしょ
 だから今日も 僕は生きていく
 
 

【後書き】
65作目「     B     」


------------------------- 第66部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
三叉路

【本文】

 もう そろそろかなぁ よく分かんないけど
 僕の 目の前に 道がふたつ現われたよ
 “Die or Live” そう気付く それはすぐだったよ
 さあ どっち どっちに行こうか
 ええと それは 意外と悩むようなんだ

 Bad timing 僕の世界ではどっちが幸せ?
 何も見ちゃいないんだ 何も聞いちゃいないんだ
 Bad ending 現実なんだろ こっちもあっちも
 胸張って足を出せばいい それで僕は救われる
 でけど でも “さあどっち”

 迷って悩んで 選ぶんだ
 でも そのまえに 僕は振り返ったんだ
 いつかのだれかさんなら “振り返るな”
 でも そう 思ったんだ
 後ろにも___道があったんだ

 まあ もうそろそろかな 意味不明だけど
 僕の周りに 道がみっつも現われたよ
 生と死 でも もうひとつは何?
 Good timing 来た道を戻るのもいい
 Happy ending “Die or Live”

 迷って悩んで 選べない
 どうしよう 選べない 決められない
 だから いつかのどっかのだれかさんが
 “何を悩んでいるの 道を進む必要なんてないじゃない”
 僕は ̄ ̄ ̄空を飛んだんだ 

 広いなぁ 壁のない世界
 僕の前に 道のない道があらわれたんだよ
 ほら ずっと遠くに ――それは曲線で一直線だ
 放物線の どっかのだれか“ほらね”
 だから 僕は家へ帰るんだ
 

 

【後書き】
66作目「三叉路」

 きっと世界は広がるよ 
 何を見ているんだい?
 空を見上げてみなよ
 ――何が見える?
 うん、そう
 こんな日でも こんな非でも こんな被でも
 空は__綺麗だろ


 生死とか考えてる暇があるなら
 募金でもしてくれませんかね
 節電でもしてくれませんかね
 生死を考えるのは勝手だけど、
 考えるためには生きなきゃだろ


 偽善でもいい
 そもそも善とか悪とか、考えるのは面倒臭い
 君が善を目指すのなら
 僕は喜んで悪になろう
 でも そのためにも死ぬなよ

 だって、そういうもんだろ?
 僕はいつになっても怒れないよ
 蟻に噛まれても 蟻に怒るやつはそうはいないだろう
 偽善でいいんだ ガセネタでも構わない
 ほら、空はこんなに綺麗だぞ

------------------------- 第67部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
嗣子 ~ an heir ~

【本文】

 跡継ぎ争い 応仁の乱
 んなことあった 昔話です
 だけども今回 跡継ぎ争いとか
 醜い醜し つまんねーことしてるな
 心を動かす 俺のミュージックのお力で
 正直に咲き誇れよ 桜も梅も大将はこの俺様

 銅と鈴とを 用意しろ
 御璽を作れよ やっぱ天皇
 御璽偽造及び不正使用罪て何だ
 天皇勅語だ これ命令だぜ絶対服従
 へとへとになるまで働きやがって 遊べ
 何仕事マン気取ってんだよ お前は永劫休暇
 
 食らえ攻撃 戦は恐い
 みんな仲良く できんかな
 俺様王様 なんとかしてやろう
 嗣子はしっしし どっか行っとけな
 すぐそばに なんか唄でも転がんねえか
 ミュージックのお力で 世界は平和俺様勇者
 
 仲間が欲しい 強い人
 おいおい出て来いお前だよ
 いつかのどっかの誰かのために
 応仁の乱 んなもんいつかの昔の話
 最新兵器 その名を「愛情」とかいって
 世界は平和 俺とお前はだからそういうんだ


【後書き】
67作目「嗣子 ~ an heir ~」

 

------------------------- 第68部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
嗣子 ~ an heiress ~

【本文】

 こぉらこらって 召し使い
 お嬢様は 走るべからず
 それって決めたの 誰ですか
 いますぐ 殴りに行ってくる

 両足の親指を へし折られないように
 もう折れてるふりをして
 羊が一匹 二匹 三匹
 全部買い取る 美味しそう

 そこで夢から覚めちゃって
 お嬢様 朝でございます
 んなこと外見りゃ わかんじゃん
 お外はだめです ウザい召し使い

 よく見ると 召し使い
 夢の羊に似ているな
 あの気持ちを 忘れることはできないけど
 今日も 走りに屋敷を抜け出す

 我が家は今日も 大騒ぎ
 へへーんだ 親指元気だよ
 山に行こうか川へ行こうか
 じゃあ まずはあの人のところへ

 昔話が面白い 旅をやめた旅人は
 今日の話は跡継ぎ争い 応仁の乱
 戦争大賛成! 苦笑いする旅人
 旅をやめても あなたはいつまで旅人なの?

 目を閉じて そう言われた
 真っ暗なその先には 
 羊が一匹 二匹 三匹
 お嬢様! 私はもうすぐ 

【後書き】
68作目「嗣子 ~ an heiress ~」

 前作「嗣子 ~ an heir ~」とは、どうでしょう。
 それぞれ独立した話です。
 
 ところで、豆知識。
 昔のナントカ時代の貴族の女の人たちは、
 活発に動く=嫁に行けない なので
 5歳くらいになると両足の親指をへし折って、
 足の成長をとめて歩けなくするそうです。

 まあ、そういう時代だったんでしょうね。

 それを、なぜか免れた時代ズレの女の子。
 前作は、将来有望な跡取り男の子。

 どちらも嗣子です。が。

 うん、それぞれ独立した話に仕上がっております。

 では。 

------------------------- 第69部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
おつむ

【本文】

 おつむ足りない いつものことです
 何をぼんやり 立ってるの?
 生きるか死ぬか どちらがいいか
 おつむ足りないから わからない

 いつまで経っても お子ちゃまで
 生きても死んでも 役立たず
 そういう役割 役不足?
 力不足だ わからない

 どうにもこうにも 笑ってみても
 そこにあるのは 木偶の坊
 いてもたってもいられなくって ペンで
 天国地獄 どっちがいいか

 でも 天国にしても地獄にしても
 死にさえしなけりゃ 行かずに済むよ
 だからさあ 早く
 富士へ行くんだ 薬を探しに

【後書き】
69作目「おつむ」

 

------------------------- 第70部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
真愛

【本文】
 あなたに出会えて本当によかった
 もしそれが嘘だったとしても 
 後悔さえできないほど
 あなたを愛してしまっていた

 どの風景が背景に成りえても
 背景はいつまでも背景だ
 そういつか思っていた
 でもそれは間違いだったんだ

 中心人物は脇役と結ばれた
 あなたに出会った脇役は
 ある小さな歌を唄った
 事実が変わってしまわないよう

 あなたに出会えて本当によかった
 今なら胸を張って言いきれる
 それがいなくなってしまった今も
 そのことだって祝福してあげよう

 

【後書き】
70作目「真愛」

 

 

------------------------- 第71部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
隠れ家

【本文】
  唖 桜が咲いたよ音の無い架空の野原 音が無くても生き物は生きてける 舷
  菟  楽器の無い国音沙汰無しです   だけども活動してるらしいよ  慧
  苧   音のないところと言うと     まるで死んだ場所のよう   珂  
  徽    店主の活声のように       ハチドリの羽のよう    琥
  祁     でも何にもない         音も声も出ずに     跨
  蓑      どうしてさ           どのように      斯
  諏       つまり             なんで       畝
  會        笑               泣        侘
  茅       生きて             死んで       津
  手      それだけで           されど音が      鍍
  茄     生きてて楽しい         本当にそうかな     邇
  濡    聴覚無しの生き様は       されど四感なのかな    祢
  埜   もしその世界が五感なら     もうひとつは一体なんだ   頗
  匙  でもそんな幻想的な話なんて   音の無い世界にはきっとない  麩
  経 桜が咲いたよ音の無い悲壮な野原 音が無くても生き物は生き物だよ 蒲
  眞  生き物を尊重しようと歌うよ   歌っても誰も聞こえないけど  魅
  鵡   どうやれば気持ち伝える     この世界の住民はなんで   痲
  裳    分からない知らずに       どうやればいいんだ    冶
  愈     音の無い世界で         歌を歌うために     豫
  螺      音無しの歌           聞かせよう      浬
  婁       君の前             歌の原       怜
  魯        光               闇        我
  男       ずっと             ミライ       末
  嵯      音の無い国           音無し世界      艶
  蕪     生きて歌うのさ         死んで歌を聴く     謂
  有    生きたときに無くて       死んだときに有る物    無
  脊   きっとあるよ音も声さえ     欲しいなら与えられるさ   髄
  摩  そのために今を生きないとね   音が迎えにやってくるような  楽
  空 隠れ家の妄言だっていつか実るさ それが机上でもそれが無音でもね 家

【後書き】
71作目「隠れ家」

 以前、「捕まえたっ」に頂いた感想で、
 作ろうと思っていた作品です。

 音の無い世界。
 ですが、音がなくてもこの詩のように「形」はあって、
 だから、音ってそういうことなのかもしれませんね。

------------------------- 第72部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
コーヒーの唄

【本文】
              キミの寒いギャグだって
              キミの篤いオモイだって
              それはそれはキミのもの
              僕は何にもしやしないよ

              ほらコーヒー淹れますか
              大丈夫お金はいりません
              ほらコーヒー飲みますか
              大丈夫味は自信あります

              キミが何を願ったってさ
              キミが何を望んだってさ
              それがあまりに苦くても
              砂糖入れたら負けですよ

              ほらそこのシロップ瓶を
              僕にお渡しくださいませ
              何かご不満のようですね
              僕は実を言うと甘党です

              キミの夢はなくなります
              誰かにどこかで飲まれて
              誰かが誰かは言えません
              僕は実を言うとキミです

【後書き】
72作目「コーヒーの唄」

 ランチタイムにどうぞ。
 7月14日に、最後の文を「僕は実を言うとキミです」から「きっとキミは僕そのもの」に変更。
 8月1日に、元に戻しましたw

------------------------- 第73部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Aア

【本文】

 あぁ あぁ あぁ
 本当に 本当に
 ア……

 これはそれ?
 それはこれ。
 ここはそこ?
 そこはここ。

 If there is here,you are not you.
But you are here.
Is it yours?
I can't understand that you are you.

 (Ax)Re:ってなに?
 僕は知らない。分からない。理解できない。
 君は知ってる? 解らない? 理解ってなに?
 4行。

 まるで意味が分からない。
 まるで意味が解らない。。
 まるで意味が判らない。。
 まるで%#”!&Uのようだ。

 これはいつまでつづく?
 行き止まりをさがして。
 エンジンを壊して。
 タイヤを奪って。

 。。。。。。。。。。。。。
 、、、、、、、、、、、、、
 _____________
 ・・・・・・・・・・・・・

 意味を探せ。
 見つけろ。
 奪え。
 そこに必ず。

 「Aア」
 結局僕のことなんてわからない。
 君のことなんてわからない。
 そもそも。

 「Aア」
 何がある。
 何にある。
 何とある。
 
 「アA」
 入れ替えて。
 意味は代わるのか。
 しかし。

 「ああ」
 「嗚呼」
 「亜阿」
 「蛙吾」

 「意味なんて存在しない」
 「ならばお前に意味はないのか」
 「あぁ、ないね」
 「それは実に意味深長だ」

 Do I have meaning?
Did I have meaning?
Have I had ever meaning?
-No.

 ああああああああああ
 あああああああああああ
 ああああああああああああ
 あああああああああああああ

 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
 AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA

 意味を見つけることができるなら、
 意味を感じ取れるなら、
 意味を聴き取れるなら、
 意味に君は、惚れるだろう。

 現在進行形。
 過去進行形。
 未来進行形。
 永遠進行形A

 既。
 婚。
 x。
 x。

 詩・唄・歌・唱・謡・謳・詠……。
 スタートの5秒前にゴール。
 ゴールの5秒後にスタート。
 同一矛盾。

 O
 Q
 D
 T

 EEえ?
 RRRるぅ?
 wっわっわわwwwww_?
 どどどきkjhkj?

 !”#$%&’()=~|_?><}*+{‘
 えーびーしー。
 でぃーいーえふ。
 じーえぃちあい。

 ととっとっとっとととっとっととと
 おおおおおおおおおおおおおおおお
 ぽぉぽぉぽぉぽぉぽぉぽぉぽぉぽぉ
 ぼぼぼおぼっぼおぼぼぼぼぼおぼy

 Why?
Tell me!
What is it!?
Why?

Sorry.
I'm sorry.
Sorry.
I'm sorry.

BLACK.
NO.
WHITE.
NO.

 時間切れ。
 ぶー!
 なんて音はしない。 
 ただ、FINISH。

 そこに意味があるのなら。
 その意味を壊してやる。
 そしてこの世から意味を消してやる。
 意味は要らない。

 Aア
 Aア
 Aア
 Aア

 意味を見つけて。
 潰す。
 壊す。
 作り、消す。

 描いて、書く。
 創って、作る。
 潰して、壊す。
 そこにはなんの、意味がある。

 Thank you.
 What?
 Thank you.
 No.No,no.No,thanks.

Everything is mine.
So you are mine.
So world is mine.
So "No" and "Yes" are also not yours.

But.
But,but.
But,but,but.
I love everything.

そこにはなんの
 意味が……、
 しかし、
 俺は。

 うん。 
  アリガトウ。
 なんて。
 ただの文字だけど。 






【後書き】
73作目「Aア」

 「空の唱」が完成いたしましたので(予約投稿により、表面上の完成は明日)、息抜きに過去作品。

 USBに入ってたやつ。

 記録によると、2年前の作品。
 僕にしては 熱情的な作風で
 2年前のこのとき、一体僕に何があったのかなーて思いますが。

 ストレスたまってたのかな?

 いや、知らんけど。
 2年前とか、絶賛中二病(殴

 面白いですね。相変わらず。
 自分の過去作をこうやって鑑賞するって。

 では。

------------------------- 第74部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Who are you?

【本文】
Red love,where are you from?
How long your life is.
Blue love,when will you die?
How long your life is.
Red and Blue are different,but 'love' and 'love' are same.
Perhaps Red and Blue are also same.

When you saw me, you looked as if you were dead.
Reddish love,when would you go out?
Pale love,how old are you?
You just like me,don't you?
I hate love but I like corors.
Oh,sorry. I wrote a wrong word,'corors'. It means 'colors'.

Loves are colorful. I like it.
As you know,love is always love.
As you know,former loves don't exist everywhere.
Oh,sorry. But here is a ex-love.
It's ours. So,it's love.
As you know,our love is also love.

Loves are being born into a or an attemped suiside,president,hero and more.
Did you make or create the love?
I think you will answer,"No,I didn't."
But this is not so. I know.
Of course,I know.
You are.

【後書き】
74作目「who are you?」

投稿の数時間後に修正を施しました。

------------------------- 第75部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
夜花

【本文】

 人はなぜ
 花を植えるの 育てるの 嗜むの?
 この季節になると
 花見にデジカメを持って

 人はなぜ
 雨を鬱陶ぶるの 晴れに動くの
 この季節になっても
 雨で 花見は中止

 梅が|嚆矢《こうし》だ 
 それなのに 桜は
 
 人はなぜ
 夜に眠るの 月が照らしてるのに
 夜の桜も
 綺麗なのに 見ないの?

 人はどうして
 時に流れるの 梅は見ないの?
 夜の桜は
 写真に写りにくい 

 桜は|後嗣《こうし》だ
 そうだから 梅は
  
 夜のお花は
 とても綺麗で
 でも 昼の桜も
 とっても 綺麗だ

 桜は散りゆく
 命尽きるように
 でも 散るためには
 まずは 咲かないといけないんだよ

 花は|講師《こうし》だ
 いつも何かを教えてくれる


 そんな夜花に――私はなるんです

【後書き】
75作目「|夜花《よばな》」

 花は枯れる
 花は散る
 
 ですが、その前に、まず咲かないと。

 これは人に対しても言えることです。
 
 失敗するには、まず挑まないといけませんよね。
 何もしなければ、成功以前に、失敗さえ出来ません。

 では。

------------------------- 第76部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
友にこれを感謝する

【本文】

 情けは人のためならず
 だから おせっかいは報われる
 だから ありがた迷惑は殺される


 友よこれを感謝する
 それはおっせかいでもありがた迷惑でもなくて
 願いに耳を傾けた イスラエルの民でもなくて
 だから 「友」に 感謝する

 情けは人のためならず
 情けをかけることは人のためにならない
 そんな意味だと誤認する誰か 間違ってる誰か
 おかしくたって 伝わりゃいい

 
 友は力を私に貸した
 貸し賃を求むることもなく 紙の浪費を叱りながら
 今日は本当に助かった 

 命の囀りが 時計を動かす
 ところであのファイル どうすればいいだろう
 とりあえず今は とっておこうか

 
 情けは人のためならず
 淋漓たる鮮血が 今日もどこかで地面に落ちる
 それでも今日は “ありがとう”

 友にこれを感謝する
 ただこれだけを感謝する 諺を信じ
 私は恩を 他人に渡そう

【後書き】
76作目「友にこれを感謝する」

------------------------- 第77部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
警察官

【本文】

 テラスの植木鉢 ベンチの氷
 沈む月 たこ焼きの味
 タコの足は8本 綺麗に歌おう

 全力で歩こう この空の片隅に
 昇る太陽 止んだ雨
 ロンドンロード ユダヤ人

 曇りのち雨 そののち黄色
 腫れるほっぺた ひとさじの嘘
 地下鉄の水着屋 カメラマンとモデル

 たこ焼きを食べる ベンチでコーラ
 ぬるいお湯 甘いお茶
 坂の上のカフェテリア 溢れる涙

 これでカノジョと 苦いキス
 焼きたてのタコ 苦しいナイフ
 タコの足は8本 クレームの嵐

 タコの足は8本 嘘の歌
 タコの足は16本 二杯だったら
 タコの足は800杯 百杯なら

 シャイに謝意述べ ちょっとの子猫
 ロンドンルーズ 滝修行
 今日も私は 平和です

 

【後書き】
77作目「警察官」

------------------------- 第78部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
☆使用方法☆ ~素晴らしき人生~

【本文】
 人生は続く 気持ち悪い
 花束貰った 気持ち悪い
 極彩色だ 気持ち悪い
 かわいい後輩 気持ち悪い
 頬を赤らめて 気持ち悪い
 卒業しちゃった 気持ち悪い
 前からずっと 気持ち悪い
 好きでした 気持ち悪い
 おめでとうございます 気持ち悪い
 先輩と同じ 気持ち悪い
 学校を目指します 気持ち悪い
 だからそれまで 気持ち悪い
 待っててくれませんか 気持ち悪い
 いいよ 気持ち悪い
 いや 気持ち悪い
 今からでも 気持ち悪い
 付き合ってもいいんだよ 気持ち悪い
 いやいやいや 気持ち悪い
 冗談です 気持ち悪い
 これ…… 気持ち悪い
 罰ゲームです 気持ち悪い
 あら勘違い 気持ち悪い
 自意識過剰 気持ち悪い
 入学しちまった 気持ち悪い

【後書き】
78作目「☆使用方法☆ ~素晴らしき人生~」

------------------------- 第79部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
手をつなごう

【本文】
 忌み嫌いあって 殺しあってもいい
 嘆き苦しみ 人生をやめたっていい
 でもその前に 手をつなごう

 南は南を主張する 北は北を謳歌する
 そうなるのも 仕方ない
 みんな国に生まれたから みんな国に住んでいるから

 戦争が止まないのも 殺人が消えないのも
 みんな‘自分’を持っているから
 みんな必死に生きているから

 雨はいつになったら止むのだろう
 雨はみんなに鬱陶しがられても
 みんなのために 土をうるおす

 雨を嫌っても 雨は降る
 雨を好いても 雨は止む
 それは人にも言えること

 人を嫌ったっていい 人を憎んだっていい
 破壊も殺人も戦争も 理由があるなら仕方ない
 だからその前に 手をつなごう

【後書き】
79作目「手をつなごう」

------------------------- 第80部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
なん

【本文】

 Today, feel free to...

 どうしても 記憶は消えない
 傷跡を塞いでも 流血を舐めても
 沈んでく 脳は死なない

 シロップを舐めて パンをかじって
 頬を赤らめても 死に青ざめても
 沈んでく 君はどこに


 But, you are always going to...

 走ればいいじゃん どこまでも
 歩けばいいじゃん つかれたら
 止まればいいんだ 血が出たら
  
 薬は苦い だから飲まないよ
 煙草は臭い だから吸わないよ
 ツナメルトおいしいよ 体に悪いけど

 ラ ラ ラララ それは
 君の歌声と 紅茶
 ケーキを少々 砂糖代わりに

 コーヒーは嫌いです 色々邪魔だから
 英語は難しいです 英語人じゃないから
 君はいつになったら 死んでくれるのでしょう

【後書き】
80作目「なん」

------------------------- 第81部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
アチサ

【前書き】
文字化けではありません(笑)。

【本文】
 
 アマサカソッツズオチミク
 アララリラウフルルリララィ

 イアゲノオニミカウェロス
 ウレイカウサイララユィラルィ

 エカヅオィクアラワウィミク
 エッタモウサエヂアヌトウェトュ

 アドゥヌボヨチコトウェロス
 ウレイキネヌツレイコムチ

 イルゼアソニミコメロク
 ウレイケチソスサレトウサ

 ウオィコメダムチオムチ
 ウクヅタワツアララルルルル

 イニラマイギイツハウェロス
 ウロムツオニキリウヒラウ

 オニミコチヒァタワウェロス
 ウクヅタグオィキラルユィラルィ

 エイオナマシマカウェロス
 ウレイカウィサイラルユィラルュ

【後書き】
81作目「アチサ」

 前書きで述べた内容は嘘ではありません。
 これ、ちょっと変わった読み方をしたら意味が分かります。

 まあ、
 どっかの外国語をカタカナで表記してたり、
 日本語だけど斜めに読もーぜだったり、
 声に出して読んで、それを録音して、逆再生したり、
 
 読み方は教えませんので、
 お暇な方は、いろいろお試しあれ。

 では。

------------------------- 第82部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
やさしさ

【本文】

 この空でみんなつながってるなんて どうせ嘘に決まってる
 
 空に浮かぶ白い雲
 白い雲がつくる黒い影
 黒い影が語る光の存在

 空のない世界に 光はあるの?
 この光だって どうせ嘘に決まってる
 光がないと私たちは 何もできないみたい
 光に縛られているなんて きっと夢に決まってる
 
 アメリカでも
 イギリスでも
 シンガポールでも
 テールランドでも
 ルーマニアでも

 おんなじ空が見えているけど

 だからといって どこも同じ地上なんて 絶対に嘘に決まってる
 月から眺めた地球だって 青く輝いているはずで
 火星が紅く見えるのが 地球の大気のせいならば
 空のない世界に 紅い液体はなかったんだ

 手をつなごうだなんて どうせ偽善に決まってる
 
 光に操られた私たちは 目で見ないと分からないんだ
 握りしめた拳と掌を 感じとらないと分からないんだ

 アヤカリも
 イサカイも
 シガラミも
 テサグリも
 ルスバンも

 子供じゃなくたって そこに光があるんだよ

 光があるから影ができて 影があったら光もあって
 空を泳ぐ白い雲が 黒い光を連れてきて
 星の色をした 目覚まし時計が鳴り出して
 今朝も私は 夢から脱するのです 

【後書き】
82作目「やさしさ」

 久々の更新。
 僕は誰かをアイシテル。
 ただ――

------------------------- 第83部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
世界的有名バンド結成の瞬間

【本文】

 ねえアンタ 覚えてるかしら
 わたしはアンタに殺されかけたの
 ピックをもって訴えさせてね
 私の曲を さあ Listen!

 極限にまで弦を張って
 はちきれそうな音を出して
 ヘビーでロックでダークにお願い
 ビターもおまけに Here you are!

 何よアンタは 遠慮はご無用
 お引取りなんてお願いしません
 音を上げても帰さない
 正座でもして Reflect!

 さあそろそろ 懺悔のお時間
 ひざまずいて 歌をつくりなさい
 今の気持ちを すべて移すの
 さあこれを持って Be GOD!

【後書き】
83作目「世界的有名バンド結成の瞬間」

------------------------- 第84部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 ねえこの馬鹿みたいな
 人生を明るくできない?
 ねえ教えてよ
 人生の解答用紙は どこにあるの?

 あなたに出会ってしまった
 それが答えと違っていても
 後悔したりはしないように
 言葉を拾い集めて詩うの

 あなたに出会うずっと前から
 間違った道を進んでいたとしても
 詩が教えてくれるから
 きっとそれでいいから

 何もかも全てが間違いだとしても
 人生はふたつもいらないの
 解答用紙には最高の詩を
 0点の成績を

 あなたに出会うことができた
 きっとそれでいいの
 満点でなくても人生は人生だから
 ねえ人生を暗くできない?
 

【後書き】
84作目「ん」

------------------------- 第85部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
レストラン

【本文】

 勇気を持って 頑なに行きましょう
 みんなの希望を紡ぎたい 
 幸せのレシピ 知らずにいたら損ですよ
 いらっしゃいませ! 何名様ですか?

 綺麗な厨房 私とハーモニー
 幸せの料理 幸せの味
 隠し味に絶望を少々
 スパイス効いた 幸せのハーモニー

 包丁はいらない 鍋もいらない
 火なんて使いません ガス代節約
 ステージでファンタジー みんなで
 レシピ通りには させません

 幸せのレシピ 甘やかしすぎ
 お客様は神様だから
 不幸があったら幸せ大きくなるんです
 すごく美味しい 幸せドキドキ

 勇気を持って 希望を晒し味
 ワクワクルクル 私と厨房
 無我夢中に一生懸命 現実という名の幸せを
 お待ちどうさま! 召し上がれ

【後書き】
85作目「レストラン」

------------------------- 第86部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
S.K.

【本文】
 ちらっ ちららっ!?
 進路が決まるまで――我慢します
 銀色の神様 頑張ってる!
 すごいなあ これが受験生

 星が瞬くシルバーハッピー
 ラストの一年 ワン・トゥー・スリー!
 先輩よ 応援です
 すごいなー 夢が詰まってる

 銀賞? ノンノン
 2位? いえいえ!
 銀は金より硬いんですよ たぶんですけど
 1位よりすごい 何位でしょうか

 これが受験生ですよ 世界が応援してますよ
 もう何言えばいいか分かんないけど すごいんですよ
 世界中が味方です もうこれ事実どうにもならない
 あなたは神です 銀なんです!

 え? 死神?
 神が死ぬくらい輝く銀!?
 えーとですねー それでもみんな応援してますよ
 当たり前じゃん 神様も応援してるって
 
 進路決めないと 未来もルート
 一夜一夜に人見ごろ そうなんですよ
 47番目だそうですよ Agってこれ方程式ですかね
 てなわけで 神様おやすみなさい! おはよう

【後書き】
86作目「S.K.」

 そこ! 散文すぎるとか言わなーい!

------------------------- 第87部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 人を殺すことはできても
 命を壊すことはできない
 人類が滅びてしまっても
 命は滅したりしないこと

 地獄というものがあるんだし
 天国ってのができたんだし

 人を殺すことはできても
 命を壊すことはできない
 人類が滅びてしまっても
 命は滅したりしないこと

 地獄というものがあるんだし
 天国ってのができたんだし

 人を殺すことはできても
 命を壊すことはできない
 人類が滅びてしまっても
 命は滅したりしないこと

 地獄というものがあるんだし
 天国ってのができたんだし

 
 三人集えば文殊の知恵さ
 三回唱えて答えを待とう

 ああ、そうそれだけなのに。
 

【後書き】
87作目「命」

------------------------- 第88部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
それだけのウタ

【本文】
 人が死んだら人は死ぬ
 ただ、それだけのこと

 人が死んでも魂は死なない
 天国も地獄も知らないけれど
 人が死んだら動かなくなるけど
 もともと見えないのなら動いていないのなら
 魂は死なない
 ただ、それだけのこと

 人が死んでも命は尽きない
 来世とか前世とか意味不明だけど
 人生や歴史が循環するのは嫌だけど
 そもそも命が不変であるのなら
 だったら命が続くんでしょうと
 ただ、それだけのこと

 人が死んでも時は終わらない
 時は動きはしないけど 
 時は続きもしないけど
 戻ったり進んだり停まったり
 人と関係はないのかもしれない
 ただ、それだけのこと

 人が死んだら人は往ぬる
 だから生きる人のために
 人が生きるというだけで人は生きていられるし
 人が死んだらもうそれっきりだから
 魂も命も時もひとつしかないのだから
 ただ、それだけのはなし。
 

【後書き】
88作目「それだけのウタ」

------------------------- 第89部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
日記

【本文】
 そこにどんな「何」があったって
 それが「何」に変わりはないでしょう
 きっとみんなその「何」のことだけ
 考えて生きていくのでしょう


 ラクに生きる道を探すより
 ラクに生きる意味を見つけるなら
 それはそれは難しくなって
 「何」はなんなのだろう

 人を嫌う動物がいても
 それを知るすべはきっとなくて
 人はそれを愛してさ
 「何」をきっと壊していくのだろ

 どこに行っても行き止まりなら
 どこに行っても逃げ切れるなら
 でも歩き走れるのだと
 「何」は無音であざむき嗤う
 
 何をしたって「何」になるのなら
 人と動物区別がつくけど
 何をしたって「何」が無いのなら
 人も動物もいないのでしょう


 そこにどんな「何」があってもね
 それがどんな「何」を生み出しても
 だからきっと「何」はありまして
 だからずっと「何」をオモウノデス
 

  
 

【後書き】
89作目「日記」

------------------------- 第90部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
A Walk In The P

【本文】
We should tear up the devils' contracts for the benefit of our charge.
He was born again with great industry. It's the genuine affection which made effort.
We said to him,"What's your favorite book,food,area,thougth,human and trash"
He answered and said,"I can't understand why you didn't add a question mark."
Bud it's bad enough to be suspicious of him.
We dumped him.

We may be killed by a devil named 'Destiny'.
Destiny is preparing a meal for us but it taste awful.
Nevertheless,We eat them.
Some of us,people call them 'pregnant woman',who ate devil's food mustn't feed babies from now on.
If they do that,they will be sinned.
Sinning a sin was been corruption. He said that it's a matter of course.
Bud it's bad enough to be suspicious of him.
We dumped him.

We will be to able to be played-out because of his tear.
Never can I. Never can you. Never can we.
But who that we call it 'he is bad' may be able to create eternals.
We wait it,almost all the eternals and worlds were created by whose emotion.
Destiny is not God but God is not our father.
Yes,he is.
So,we dumped him.

【後書き】
90作目「A Walk In The P」

 これを含め、あと10作ですね。
 長かったです。
 ああ、あと。
 もうお気づきでしょうが、この詩集は永遠に終わらないようです。
 それでも「u17's poems」に終わりはあります。
 なにせ、第1編なんですからね。
 第1編が終わらないと、2編にいけませんから。

 終わりとは、始まりである。
 終わりとは、初まりである。

 では。最後までお付き合いくださいませ。 

------------------------- 第91部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
PPPH

【本文】

 堕落するのなら いっそのこと見事に
 神にまで畏怖を強いれ サタンを凌駕して
 枝もたたわに実り腐る 赤い果物は
 蛇を飲み込んでしまえば むしろ善行に

 処刑するのなら いっそのこと見事に
 鎖線が延々と続くとき 参賀の意図は無用だと
 もう嫌気がさした 蛇行する淫行のように
 体を売るなら心を売れよ 生きるためにも

 自殺するのなら いっそのこと見事に
 社会を大いに巻き込んで サタンを喜ばせ
 邂逅は神に寄託して 遺沢の罪を恵め
 暗闇はただの理想 死ねばいいさ

 昇華するのなら いっそのこと堂々と
 嗣子の涙を酌み 荒波を乗り越えて
 危篤を嗤い 神に土下座しろ
 土産に蛇を 口に銜えて 

【後書き】
91作目「PPPH」

------------------------- 第92部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
にっき

【本文】


 なぜだか
 なんにも
 できなくなって
 すべきことは
 たくさんあって
 したいことも
 たくさんあって
 でも
 まったく
 できなくて

 
 あたまのなかでは
 わかっているのに
 なぜだか
 なんにも
 できなくて
 きらいなことも
 すきなことも
 もうどうでもよくなっちゃって
 どうでもいいことだけが
 かさばっている


 どうせ
 いきるきりょくが
 ないっていったら
 だったらしねって
 きこえてきちゃって
 でも
 しぬきりょくだって
 もう
 ぜんぜん
 のこってなくて


 いきていなくて
 しんでもいないって
 だから
 そういうことで
 ゆうれいに
 あいたくなって
 でも
 まったく
 できなくて
 いきていて

 
 おもいだしたら
 つみなんて
 どこにもなくて
 おもいだせるのに
 なんで
 なにもできなくて
 おもいだせたなら
 ひとつだけなら
 することが
 あって


 うれしくも
 かなしくも
 ないのだけど
 ずっとずっと
 おもいだして
 おもいだして
 おもいだして
 おもいだして
 おもいだして
 できなくなって


 そんなわたしが
 いっしゅうかんたって
 ずっと
 すわりこんでいて
 でんわがなるのも
 わからなくて
 ねむれなくて
 ずっと
 おきていて
 どうでもよくて


 そうしたら
 あのひとが
 わたしのいえに
 ふほうしんにゅう
 かわったわたしを
 みて
 だきしめてくれた
 つよく
 つよく
 そんな夢をみた





【後書き】
92作目「にっき」

 90作目「A Walk In The P」のあとがきで、「これを含め、あと10作」とか書いてありますけど、含めずに、の間違いでした。
 ごめんなさい、u17は算数ができないのです。
 57作目の「Blue Sky」あとがきにて、「拙い短編」とありますけど、掌編、の間違いです。
 ごめんなさい、u17は日本語がわからないのです。

 本作、「にっき」ですが、
 89作目「日記」とリンクしてお考えになってほうがいいかもしれません。
 とか言いつつ、完全に切り離したほうがいいかもしれません。
 まあ、どうでもいいのですけどね。

 にっきは日記。にっきはニッ期。
 では。
 

------------------------- 第93部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
醜臭

【本文】

 きみとわたしが出会う前から
 きっと答えは既に決まってしまってて
 きみとわたしがあの時に出会えたのは
 きっと全部それは 運命 だったんだ

 あの時働いていたわたしには
 きみはただのお客様で
 いらっしゃいませって
 定型句を口ずさむだけだった

 失くしちゃいけないこと
 忘れちゃいけないこと
 終わっちゃいけないこと
 壊しちゃいけないもの

 どうすることもできずに
 泣き喚いてて
 それを感じたきみの
 やさしすぎる笑顔が

 どうすることもできずに
 泣き喚いてて
 それを感じたわたしは
 やさしすぎる笑顔で

 きみとわたしが出会うずっと前から
 きっと何もかも答えは決まってしまってて
 あの時きみがわたしに声かけたのは
 きっとずっと前から決まってしまってて
 
 昔昔それは御伽噺
 今は昔きっとそれはわたしのエゴ
 だってだってわたし人なんかじゃなくて
 きみを呪い殺す 悪霊 なんだから
 
 

【後書き】
93作目「醜臭」

------------------------- 第94部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
愛情表現

【本文】
 大泉門に指をぶっ指す!
 大泉門に指をぶっ指す!!

        新生児の人生ぶっ潰す
              未来の大人をぶっ殺す


    大泉門に指をぶっ指す 
    大泉門に指をぶっ指す
           新生児の未来をぶっ潰す
     どっかの明日をぶっ壊す



           あひゃーひゃ
 
 

     せっかくの 未来の幸福を なにするんだって
     だったらよ 考えたのかよ 赤ん坊の恨み文句


  未来の幸福つっても
             どーせそのぶん不幸が来るから




    だったら生きてても
                  意味ねぇだろ


 んな愚論吐くなっつってんだよ? 
         
 
                   こういう奴がいっから
未来なんていらねぇんだ


                       可愛そうな新生児
                       殺してあげるよ新生児
                       死ね死ね死ね死ねっ新生児


      まてまてまてまてだ
 いーやまたない

                 待たないし またとない


 可愛そうだと思わねぇのか
 どうせ生きても
 幸福と不幸しかない世界

                  

 大泉門にペンをぶっ刺す
 大泉門にペンをぶっ刺す
 明日の命をペンでぶっ壊す
 10年後をペンでぶっ潰す

                  俺の愛情をぶっ放す
 俺の表現をぶっ示す
 俺の表現をぶっしねす
 俺の表現をぶっ死ねす

                                怖い
  けど


















                 ごめん


 



 
 


  
  しかたないのなら
 しかたないのだから
 





                            スクロールなんて要らない


 人生ってそんなもんだ

  いつ死ぬかなんて 分からない

   この新生児にとっては それは今

    ただそれだけだ


  それが――人生だ    

【後書き】
94作目「愛情表現」

------------------------- 第95部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
絶望

【本文】


 絶望をください
 林檎の木には林檎の実がなる
 そんな当然を幸福というのなら
 当然でないことを不幸というのだろう
 当然でないとは奇蹟ということで
 奇蹟を不幸というのなら
 不幸を奇蹟というのなら
 どうか私に 絶望をください


 絶望をください
 林檎の木には林檎の実がなる
 そんな当然を堕蛇が促すのなら
 当然であることを不幸というのだろう
 当然でないとは祝福ということで
 祝福を愛情というのなら
 愛情を祝福というのなら
 どうか私に 絶望をください



【後書き】
95作目「絶望」

 。すでトスャジ字002

------------------------- 第96部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
1足す1は1である

【前書き】
12作目「1と1を足したとき、なぜ2になるのか」の続きです。

【本文】
 円周率に終わりがないのなら
 世界にだって終わりはないんだろうな

 1や2の数にイデアがあるのなら
 世界だって壊せずに残るんだろうな

 1足す1は2である
 彼は負けてしまった
 敗者の言葉は残らない
「1足す1は1である」
 それを必死に説いた彼は
 処刑台につれてかれ
 首をはねられ
 腕をはがされた

 円周率に終わりがないせいで
 世界はいつになっても終われない
 
 1や2の数にイデアがあるせいで
 世界は壊れず残ったままだ

 1足す1は2である
 根底から決まっている どうしようもない事実
 勝者の言葉しか残らない
「1足す1は1である」
 そんなの言ってもただの変人
 偏見の視線を浴びる
 縁を断たれて
 愛を捨てられる

 でも
 ちょっと立ち止まってみれば

 この世が根底から間違っていたとしたら
 円周率が割り切れてしまうとしたら
 1足す1が――2でなかったとしたら

 ヒルベルトの証明も
 プラトンの理念だって
 何もかも根っから間違っていたら

 1足す1が1だったとしたら

 いいや
 ありえない

 だけど
 そうだ 間違っていたってことにしてしまえばいいんだ
 ホントかどうかは関係ない
 勝者の意見が正義に変わる
 人類の認めた正義が世界に変わる

 この世界を全部敵に廻して
 僕は闘う 彼の弟子として

 疑問を押し潰さん強大な世界よ
 お前をこれより悪と為す

 1足す1は 1である

【後書き】
96作目「1足す1は1である」



------------------------- 第97部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ピリオドの日

【本文】

赤い 赤い糸を切って
間違えて指も切り落とす
そんな人間になりたい
きっと慰めてくれる


青空を飾る桜は
いつのまにか緑色
どこへ行ったの通学路
いつもぐるぐると周る

ふわふわとパレードに
文芸部だっておめかしして
まだ 暗くなってない
だけど happy night

ショートショートは記憶の中に
地球温暖化は過ぎていく
新しい笑顔が生まれていく
そんなそんなお話


赤い 赤い糸を切って
間違えて指も切り落とす
そんな人間になりたい
きっと慰めてくれる


薬指から続く
見えない赤い糸がある
あなたの親指と接がるのなら
早くそれを切らないと

きっと「愛してる」なんて
永遠に言えないけれど
きっと「スキだった」なら
今は言えるかもしれない

だけどあなたは来ない
仲間の集うパレードに
もう暗くなったんだ
でもね good night


赤い 赤い糸を切って
間違えて指も切り落とす
そんな人間になりたい
きっと慰めてくれる


赤い 赤い糸を切って
間違えて指も切り落とす
そんな人間になりたい
きっと慰めてくれる



【後書き】
97作目「ピリオドの日」

------------------------- 第98部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
拝啓 小松左京様へ

【本文】
 今は五月じゃありゃしませんが
 ちょいと空想いたします
 私は比喩が下手くそなので
 率直に申し上げますけど
 言葉にできやしないのです

 五月の晴れた日に
 私は先生を知りました
 どうしようもなく おかしくて
 どうしようもなく かなしくて
 どうやったって心が動いてしまいます

 さて 今後の話をしましょうか
 死後の世界とは
 先生における何だったのでしょう
 トーマス・エジソンが探し求めていた死後との通信を
 先生も果たせずにお行きになるのでしょうか

 ひとつ文句を言わせてください
 これを書くために私は
 自分の詩をひとつ捨てました
 捨てるしかないじゃないですか
 先生が大好きだから

 言いたいことはたくさんあるかもしれませんが
 オポチュニズムだって気持ちのいいもんですから
 どうせ言葉になりゃしませんから
 粗末なものですがご勘弁を
 どうぞ末永く――お幸せに



                       敬具

【後書き】
98作目というふうに、拙作「いつかの林檎の木の下で」に収めさせていただきます。
 「拝啓 小松左京様へ」


------------------------- 第99部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
自分

【本文】

     こんなに素晴らしいものが
     「奇跡」ってたったの二文字で済んでしまうのなら
     奇跡ってそんなに凄くないんだって
     そう思えるようになってしまった

     こんなに果てしないものが
     「愛」ってたったの一文字で終わってしまうのなら
     愛ってその程度のものだって
     そう思えるようになってしまった

     こんなに哀れみ深いものが
     「憎悪」ってたったの二文字で済んでしまうのなら
     憎悪ってそんなに哀れじゃないんだって
     そう思えるようになってしまった

     こんなに重くのしかかるものが
     「罪」ってたったの一文字で終わってしまうのなら
     罪ってその程度のものだって
     罪を犯しても何とも思わなくなった

【後書き】
99作目「自分」

 なんで言葉はあるのかな
 私が神様だったら、「言葉」なんて創らなかった
 愛しても憎んでも、善を働いても罪を犯しても……
 それがちっぽけだって分かってしまった今は、もうどうでもいいんだ

 私が神様だったら、こんな「神様」は創らなかった。
 そんなことを言っても、きっと仕方ないんだね
 神様だって、どうしようもなかったんだね
 神様だってその程度だから

 とやかく言うつもりはないから
 神様を慰めてあげるような人は、
 どうしても少ないのだけど
 
 言葉が大切だなんて
 そんなこと分からない
 
 だけど、言葉がないと神様にも通じないから
 今日も「自分」で言葉を使うよ

------------------------- 第100部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
文にはかならずピリオドが符くように

【前書き】

1作目「ピリオドのあとにまた文が続くように」の続きではありません。

【本文】

 .星が煌くこの季節
 サークル仲間と煌き具合を見にいった
 仲間の一人が「いつもと同じね」って呟いた
 その言葉で 僕は思い出したんだ
 もう どうでもいいことを

「いつもと同じ青空と」
 こんな星空を見た後に
 そんなこと言えるわけもない
 闇に散りばめられた宝石
 あのときと同じ空だとは思えない

 文にはかならずピリオドが符くように
 この想いはとっくに終わっていたんだ
 そういえば今日は同窓会だったけど
 今はサークルのほうが大事だから
 君に会うのが 面倒臭いから

 君のことなんてどうでもいい 
 赤い糸はきっと他の人に
 通学路は変わるだろうけど
 学校もきっと消えるから
 文にはかならずピリオドが符くように.

【後書き】
100作目「文にはかならずピリオドが符くように」

------------------------- 第101部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
u17's poems

【本文】
 古くて新しい笑顔を創るんだ
 闇と共に輝いて 光と共にホコリ被って
 物凄く愛しているなら
 ……
 ロマンチックは好き ロマンチストは嫌い
 何が語呂合わせだ
 恥ずかしくて 他人のフリーだけど
 Your dream won't come true
 ビニール袋は
 もう もう死にそう
 汚れを守る
 勝者の意見により
 世界がひとつだったなら
 痛い
 オーケー オーケー
 I hate you
 雨の模様
 そんなこと
 共に笑う そのときのために
 アクション起こさん
 さっさとうせろ
 雨が降る
 遠い 遠い 遠くの国で
 さあ 奇跡を創ろうよ
 そう思うのは マニュアルのせい?
 常に隠れている地球が羨ましくて
 All is all
 脳のない人は人 心のない人は人 命のない人は人
 燃えないごみだよ
 国は結局地名なわけで 統一しても世界は広いわけで
 病気だよ
 many miracles
 それだけで
 LOCK on ROCK
 馬鹿な道理も一緒に消えて
 人をモノとして考えました
 ほらもしも怪我をして痛いんなら
 今のために生きなきゃだめだよ
 無邪気に無邪気に
 そうさそうさそうさそうさ だってだってだってだてめがね
 哭を知った猫はきっと鬨の渦中
 必ず使うときが来るから
 You are NEET
 シアワセのお時間
 だから何だと
 庭化粧
 見放される優しさに 愛情の軽さを知る 
 進化する 神様の本
 楽しいんなら 何でもいい
 ビョーキなんてそもそも無いんじゃない?
 傀儡が降る夜は 月が真っ黒 お日様が消えた夜
 敵と看做して即座に攻撃 実は仲間
 人は生きる 生きるから人
 Not in Education,Employment or Training
 国境がなくなって 結局困るのは 
 摩訶不思議な未来
 終われない物語は どうして始まらないの
 疎 どうしてもどうしてもどうしても きっとさねそうなんだって死んで 宥
 殺す気かい? ねえ神様
 ちを終わります
 食べられないカップラーメンなんて ただの不良品
 綺麗で異例で 気味悪い
 何を見ていたって それでいい
 心に響く 台詞をPLEASE!
 泣き笑います
 後ろにも___道があったんだ
 最新兵器 その名を「愛情」とかいって
 へへーんだ 親指元気だよ
 薬を探しに
 祝福してあげよう
 経 桜が咲いたよ音の無い悲壮な野原 音が無くても生き物は生き物だよ 蒲
 何かご不満のようですね
 まるで%#”!&Uのようだ
 Did you make or create the love?
 散るためには まずは 咲かないと
 情けは人のためならず
 タコの足は8本 嘘の歌
 好きでした
 破壊も殺人も戦争も 理由があるなら仕方ない
 いつになったら 死んでくれるのでしょう
 明日
 テールランドでも
 さあそろそろ 懺悔のお時間
 解答用紙には最高の詩を 0点の成績を
 不幸があったら幸せ大きくなるんです
 世界中が味方です もうこれ事実どうにもならない
 三人集えば文殊の知恵さ 三回唱えて答えを待とう
 人が死んだら人は死ぬ
 ラクに生きる道を探すより ラクに生きる意味を見つける
 We dumped
 堕落するのなら いっそのこと見事に
 でも
 呪い殺す 悪霊 なんだから
 大泉門に指をぶっ指す
 林檎の木には林檎の実がなる
 何もかも根っから間違っていた
 そんな人間になりたい
 大好きだから
 罪を犯しても何とも思わなくなった
 .
 
 

【後書き】
いつかの林檎の木の下で 第1編 終末のうた。
 俗に言う101作目「u17's poems」


 
 あ、ひとつ言いたいことを思い出しました。
 言いたいことというよりも、言うべきことですかね。
「u17's poems」内の「For you,but why? 」「1と1を足したとき、なぜ2になるのか」「一般的な収束なる悲しみの淵に光あれ。」「white-day」の4作は、オンラインゲーム及び小説・イラスト投稿サイト『テンミリオン』から転載したものです。u17's名義で。


         【第1編・終】

------------------------- 第102部分開始 -------------------------
【第2章】
第2編 LYCtP.S±g

【サブタイトル】
introduction - ending

【本文】

 カラオケってなんかいいですね
 ストレス発散できますね

 でもね考えてみてください
 僕は気持ちいいですが
 他の人を不快にしてるだけなんです
 だってこんなに下手ですもんね
 
 だからカラオケは嫌いです
 でもね君が好きなんです


 恋愛ってなんかいいですね
 それはそれは切ないけれど
 でもねでもねこの僕は
 恋愛ってなんかいいですね

 でも僕 歌はすっごく下手ですから
 この気持ちを伝えようとしたら最後
 君を不快のどん底なんです

 だから僕は詠います
 歌いませんけど詠いましょう

 それできっとハッピーポエム
 これがきっとラブソング
 
 どうぞ一緒に うたいませんか

------------------------- 第103部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
in.

【本文】
 
 まず断っておきますけど
 別に「愛してる」ってわけじゃないんです
 君のことが「大好き」なんです
 だってこれは恋なんです
 これを愛にするための
 そのための恋なんです

 そういうと誤解されそうですけど
 別に「愛してない」ってわけでもないんです
 だから「大好き」なんです
 だってほら
 「愛してる」も「大好き」も
 どっちも「love」になるわけで

 これはloveを経由した
 小さく大きな恋なんです
 君のことが大好きです
 
 だからもうすぐ言うんです
 きっとその日が来るんです
「I love you」って、そんな日が

------------------------- 第104部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
top vision

【本文】

 僕はカズです
 Cuz I wish it were without hope.
 ごめんね 何もできやしない
 こんな無力な人間 
 
 全力で駆け出したとしても
 そっちには到底たどり着けないから
 乗り物に乗ればいいのかと思えば
 お金がない

 僕はカズです
 Cuz I wish it were without hope.
 物理的にしか考えられないバカ
 Bakause バカ失せ いやBecause of BAKA

 でも物理を無視することはできないし
 鳥にでもなりましょうか
 鷹になって撃ち落されましょうか
 鴇になって保護されましょうか

 僕はカズです
 カズ I wish it were without hope.
 ねえ聞いてください
 でも僕 書きますよ?

------------------------- 第105部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
yoru_

【本文】
 犯してしまった朝があって
 逃げ出したい昼を過ごして
 君を想う夜があるけれど

 だからといって日が出てる間
 君のこと考えていないわけではなくて
 というよりも自分でも困るくらい想っていて
 だったら僕にとって
 夜っていつなんだろうなって

 空が黒いときを夜というのなら
 夜はずっと昔に消えていて
 星が瞬くときを夜というのなら
 この世はずっと夜だらけ

 吸血鬼のように真紅をなぞってもいいけれど
 血を吸うほどの鬼でもなくて
 月の光を嗜むのなら
 星に睨まれる人になろうと
 
 コウモリでも雇えばいいのかって
 日が沈みかけたら出てくるけれど
 そしたらどうも寝つきが悪くて
 棺桶探しに昼夜逆転
 
 空が白いときを朝というのなら
 空が青いときを昼というのなら
 雨が降ったそのときは
 朝でも昼でも夜でもなくて

 どうのこうのと語ってきても
 結局言いたいことはたったのひとつで
 何度も言ったら薄れてしまいそうだけど
 何度唱えれば会えるのだろうと
 今日も君を想うけど

 犯してしまいそうになる朝があって
 逃がしてやりたくなる昼があって
 君に想われたくなる夜があるけれど

------------------------- 第106部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
time-emit

【本文】


 ふいに脳裏に名前が浮かんで
 それを口にして泣きそうになる
 そんな「とき」はありますか
 そんな「時間」はありますか?

「どんなに離れていようとも」
 そんな 強がりを唄にする
 明日も 生活していけるように
 自分自身をそう抱きしめて

 君に出会えてよかった
 それが今届かなくても
 明日か来年かの未来に
 きっと「時間」が教えてくれる

 ふいに脳裏で君が笑って
 だけどなぜだか泣きそうになる
 そんな「時間」はありますか
 そんな「とき」はいつですか?

「きっとまた会えますように」
 そうやって 弱いところ晒すけど
 明日も 生活していけるように
 自分自身を引っ込めるけど
 
 君に出会えて本当によかった
 それが届く「とき」がくるまで
 限られた「時間」を過ごすから
 今日はここらで おやすみなさい

------------------------- 第107部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
8SE2W

【本文】

 これは勘違いというものだろうけど
 それは非常識なものなのかもしれないけれど
 あの言葉は告白という

 これは勘違いというものだろうけど
 それは非常識極まりない妄想なのだけど
 あの言葉にはどんな意味が

 ただの享楽にすぎないのなら
 それでも今は構わないけど
 当時の僕にしてみりゃそれは
 
 享受というよりも享寿だとして
 享寿というよりも享愛だとして
 享愛というよりも享恋だとして

 これは勘違いというものだから
 それは非常識な当惑なのだから
 あの言葉を忘れられずにいるけど

 これは勘違いというものだから
 それは非常識な吸血なのだから
 あの言葉を告白に仕立て上げたと

 まあ正直どうでもいい
 どうせ告白の言葉なら
 僕の口が言うんだし

------------------------- 第108部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Reply

【本文】

 夢は大きくなくちゃ
 目標は高くなくちゃ

 そんな爆弾抱えていつも
 いつもいつもいつも

 いつもいつもいつもいつも
 いつもいつもいつも

 そうやって取り乱すけど


 Now here we are
 There is my who known as friend
 But but also sounds and looks mine
 Now where we are


 夢は大きくなくちゃ
 目標は高くなくちゃ

 きっとみんな爆弾持って
 いつもいつも

 いつもいつもいつも
 いつもいつも

 そうやって狂っていくから


 Now - New - KNown
 음악을 좋아한다면
 발음도 좋아야 해고
 시를 쓰고 싶다면
 君를 좋아한다고


 なんだかまとまりがないけれど
 とりあえずどうでもいいから
 詩を詠えばいいから
 そうやっていつも
 君を困らせるけど

------------------------- 第109部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
hfrt

【本文】

 夜じゃなくても星はいつでも
 気付かれないまま輝いている
 君がいなくても僕は毎日
 気付かれないまま詠っている

 朝になるたび星はいつでも
 そっと姿をくらまし隠れる
 君に会うたび僕は毎日
 気付いてほしいと心で叫ぶ

 そうであってほしいけど
 実状はこれ以下 これ未満
 君に会いたい 君に会えない
 そう詠っても 変わってくれない

 物理は嫌いだ
 試験も難しいし
 ずいぶん遠くに住んでいるんだね
 いつになったら会えるんだろう

 どれほど遠くに離れていても
 星は輝く 見てほしいから
 だから僕は詠いつづけよう
 僕はここだよ 会いに行くまで

------------------------- 第110部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
games

【本文】
 
 音ゲーまじ無理 むずすぎる
 なにあの動き 指サバキ
 バチも無理あれ 腕サバキ

 君のプレイは見たことないけど
 僕の想像を凌駕できるのかい?
 全て範疇内といえば嘘になるけれど
 君の素晴らしさは夢の中だったから
 別に衝撃というわけではなかったんだ
 一目惚れではないからね

 音ゲーまじ無理 楽しすぎ
 カラオケとは違って 歌う必要もないし
 でもあれだ 僕ってば下手すぎ

 僕は別に 君がゲーム上手いとは思ってない
 この目でまだ見ていないからね
 だからそう 今度会ったらゲーセンにでも
 僕はしないけど スポンサーみたいに
 僕を驚かせてみなよ
 群集の最前列で 君のプレイを


------------------------- 第111部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
lit

【本文】

 生まれる前から決まってたような そんな運命はいらないんだ
 別にだからといって取り上げなくてもいいけど
 生まれる後になってやっと決まるような そんな人生もいらないんだ
 別にだからといって取り上げなくてもいいけど

 リズミカルな唄にのせて 
 運命も人生も決めるものじゃなくて
 自分で決めるものでもなくて
 強いて言うなら 僕だから

 アップテンポの曲を選んで
 運命も人生も流してしまえばいいけど
 そのときは君も一緒に
 僕と一緒に流れてしまおうよ

 生まれる前からデタラメなんだ
 そう誓うのはイヤだから
 生まれる後ではシアワセなんだ
 そう担うのはイヤだから

 君ならどうする?


 
 僕のすべては君ではないけれど
 ちょっとぐらい歌ってもいいかもしれないなーって
 そうやって甘えてしまいそうになるから
 たまには運命と人生に閉じこもるけど

 マトモなほうが異様になるように
 ホントのことを忘れてしまえば
 そのとき君がいたらどうなるかなーって
 君のことをよく知らないけど

 蚊が囁いても聞こえないけど
 僕は囁くこともできないのかなーって
 リズミカルにアップテンポを選ぶから
 運命も人生も僕なんだ

 意味は分からなくても大丈夫
 僕も実は分かってないから
 君に唄を送るだけ
 ただそのためだから

 君ならどうする?

------------------------- 第112部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
orchestra

【本文】

 オーケストラを聴きにいったんだけど
 どうも僕には合わないようで
 いわゆる戦になっていた 
 睡魔という名の敵とのイクサ

 そんな中でも思っていたのが
 ありきたりな話だけど
 頭を占めていたとか過大な表現はしないけど
 つまり君のこと

 君はどうだろうとか
 やっぱり君も眠くなるんじゃないんだろうかとか
 だったらそのとき君は横にいて
 僕の肩に預けてくれたらいいのになって

 オーケストラといえば聴くだけでなく
 観るという鑑賞法もあるのだけど
 指揮者がなかなかアクティビティだったけど
 やっぱり睡魔が襲ってきて

 そんな中でも思っていたのが
 ありきたりかもしれないけど
 思っているというよりも想っていたのだけど
 つまり君のこと

 君はどうだろうとか
 躍動的な演奏は素晴らしかったけど
 やっぱり君には敵わないなって
 だから君のことが

------------------------- 第113部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
radical

【本文】
 
 ラジカルに
 生きてみようと
 思っても
 それを社会が
 許すだろうか

 それでもね
 生きてみたいと
 思ってて
 社会がもしも
 そうであっても

「そもそも」と
 ラジカル並べ
 ロジカルに
 つまらないのは
 よしにしといて

 アシタこそ
 そう言いいつも
 慰める
 君に会えない
 いつもが過ぎて

 過ぎてまた
 アシタが来ない
 泣きたくて
 泣けないけれど
 泣きたくなって

 ラジカルに
 生きてみようと
 思っても
 僕が社会を
 言い訳にして

 いくらでも
 もうどうしても
 時間ない
 そんな気がして
 また夢の中

 笑ってて
 そう言う前に
 笑ってて
 僕も笑おう
 そう思うけど

 ラジカルに
 ロジカル捨てて
 生きたくて
 でもそれなんか
 違うみたいで

 そもそもね
 言うまでもなく
 僕たちは
 物理的にね
 離れていてさ

 そのために
 また会うために 
 僕が行く
 そのためだけに
 生きたくなって
 
 

------------------------- 第114部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Q-ketsu-ki

【本文】

 吸血鬼
 それがなんだか言っておこうか
 それはつまり
 それはつまり
 おそらくうまく説明できないだろうけど
 別に難しくもなんともないから聞いてほしいけど
 
 吸血鬼 
 それは血を吸う鬼
 血が何を意味するのか
 それを理解してくれればそれでいいけれど
 それが面倒だから
 それが分からなくとも伝わるだろうから
 いや伝わんないかもしれないけれど
 だからそういうことで

 血が何を指すのかは
 君に会ってからのお楽しみ
 だからそれを吸う鬼を
 僕は特別に「吸血鬼」

 別に珍しくもないけどね
 僕の周りに現れたから
 自己紹介
 別に知る必要はないんじゃないのかって
 書いてみてから思うけど
 まあ別にいいか
 つまりこれを「吸血鬼」
 つまりこれを吸血鬼

 君と歩いたあの日の夜に
 どうしても眠れない僕は
 その夜に僕は
 吸血鬼になった
 これは比喩だけど
 これで伝わるんじゃないのかな
 伝わらなくても別にいいけど
 閑話休題

------------------------- 第115部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
I need you

【本文】

 코우유노와 야빠리 코토바니 시타호우가 요사서우데
 데모 코노마에 잊다토우리
「I love you」토와 츠마리 君니 았테 지간가 탔테까라 이이타쿠테
 닸타라 더우씨요우터이우호도노 코토데모 나쿠테
 서너 다카이사쿠데 「I need you」오 오모이츠이타까라

 でもこんなアテツケはやっぱりいらない気がして

 だからもうちょっとだけ我侭言うと
 「I love you」という「I rob you」
 発音は似ているからそういうことでいいんでしょ
 
「愛してる」んじゃなくて
 君をもうすぐ「奪う」から
 君が「大好き」だから
 君を「奪い」に行くからと

 結局ただの恋文だけど
 そういえば最近
 君への唄しか書いていない気がするけど
 読者の皆さんもお楽しみいただけますように
 いや君も読者だけど
 読者は君ではないからさ
 そういうことだから
 I need you

------------------------- 第116部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
as as

【本文】

 弱いところみせるのは恥ずかしいけど
 でも実は全部をみてほしくて
 そうやって空回りしているうちに
 何も魅せられなくなるけど

 asとして
 そういえば何も分からないけど
 昔 詠った詩の中に
 asというものがあるのだけど

 それは純情で
 それは傲慢で
 それは初恋で
 それはどうしても 甘ったるい唄なのだけど

 強いところみせるのは面倒臭いけど
 でも実は弱いところも分かってほしくて
 そうやって空回りしているうちに
 何も魅せられなくなるけど

 asとして
 純情として高慢として初恋として
 いや 別にこれは初恋ではないのだけど
 asというものがあるのだけど

 だから青春で
 だから願望で
 だから恋愛で
 だからどうしても みせられない唄なのだけど 
  

------------------------- 第117部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
emotion

【本文】

“衝動的になれたらいいのに”
 
 
 そう僕が呟いても
 でもいつがそれなのか分からなくて
 タイミングというものがあるから
 どうしても emotion は不慣れだから

 悪いことをするには勇気がいる
 善いことをするにも勇気がいる
 emotion がどちらに属するのか 僕はまだ知らないけれど
 だから今日も何もできないけど

 今頃だけど僕の唄には
「けど」や「だから」で埋まってて
 はっきりとした文末が
 あまりに少ない気がすると

 

“衝動的になれたらいいのに”
 

 タイミングを見計らったり
 今伝えたらダメだろうという推量だったり
 ちゃんと笑えてるのか不明だったり
 どうも頭が良くなったけど

 ああ また「けど」で終わったから
 今度は「から」で終わったから
 つまりそこから見直すべきかもと
 今日も何もできないけど

 emotion を拾うには勇気がいる
 emotion を捨てるにも勇気がいる
 だから昨日も
 中途半端に emotion を置いておくけど


------------------------- 第118部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
esperanza

【本文】

 朝の占いが僕に言うには
 今日は君との急接近!
 台風が荒れ狂うような天気ではないけれど
 だから今日君に、言いたいことがあるんだ

“冬休みになったら、そっちに行くけど会えるかな”
 どれほど遠くに離れていても
 最近の技術に頼ってみれば 意外と大丈夫で
 新幹線で3時間かかるところに 3秒もかからないメールを送った

 台風はもうとっくに過ぎたけど
 だからなのかもしれないけれど
 君に急接近
 返信が来た

“大丈夫、なんだ会いたいの?”
 心臓の音がした
 何かが込み上げてきた
 端的に言って
 とても嬉しかった

------------------------- 第119部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
SiO

【本文】

. 傾斜を越えて
. 深夜を伝った
. 汗だくの月と
. ほんのりの星

.  惨たらしい石
.  そんな表現で
.  いいのか否か
.  分からず登る

.   転びそうな坂
.   どうにか進み
.   障害を避けて
.   君に会おうか
  
.    秋の夜山には
.    夏と違う熱気
.    進んで想おう
.    傾斜を越えて


 話の見えないストーリーは
 唐突に終わったりはしない
 なぜならそのストーリーは
 話を見えないよう隠してる

 どうしてもおかしいのなら
 Nコードをあてにして進み
 今日も予約投稿で詩を詠い
 君に見えないように続ける

 さあ時間になるまでもっと
 すぐには終わらない物語を
 すぐには終われない物語を
 君を想って綴ってみようか

------------------------- 第120部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
yomiti_no_gailoju

【本文】

As boy you will know a special friend,
I must have to be able to be strong of all of you.

As boy you can believe in,
I must have to have need what you like.

As I know,
I haven't understood your voice yet.
You too.

A roadside tree in black and black night,
which I had already known that they won't bear fruit,
I'll go back if you can.
And I'll go back if you can't.

Here we will...


As boy you will recognize a important way,
I must have to be able to guide you to the white life.

As boy you can hug,
I must have to sing this poems.

As I know,
They won't affect you.
But you can well.

A roadside tree in black and black night,
which I had already left,
I'll be coming again.
And I'll be coming again.

There we will...

------------------------- 第121部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
hyoscyamine

【本文】

 目を瞑ったら何も見えなくなるのは分かっているのに
 眠りにつくとき僕は
 どうしても目を瞑ってしまうんだ

 目を瞑ったら何も見えなくなるはずなのに
 眠りにつくと僕には
 いろんな君が見えるんだ

 それは笑顔の君
 それは真剣な君
 それは綺麗な君
 それは可憐な君
 それは素人の君
 それは達人の君
 それは大切な君
 それは、夢の中の偽者の君

 目を瞑っても君が見えるから
 目を瞑らないと君が見えないから
 今日も眠りにつこうとするけど
 
 目を開けたまま君が見えていた
 その時を思い出しながら
 その時を想い出しながら
 いや違うんだ
 その時の君は“本当”の君で
 たまにメールを投げ合う君で
 目を瞑って見える君は
 君だけど君じゃないんだね
 それでも君なのだけど
 
 本当の君
 それは いつも の君
 それは いつか の君
 それは、夢の外の本者の君

------------------------- 第122部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
y

【本文】
 なんでwhy y そうなんだ
 なんでwhy y そうなんだ

 y y y y y y y y y y y y y y y y
こんなこんな未来を
 こんなこんな明日を
  意地悪な神様と一緒に

 なんでwhy y そうなんだ
 なんでwhy y そうなんだ

  意味不明だなんて言わせない
  意味を決めるのは君だから
  だってこれは y だから
 
 吸血鬼もびっくりの原理
 それはやっぱり、恋でした
 
 神様の悪戯
 それはほんの出来心でした
 さあ  y  という名の意味を
 記号ではなくて
 吸血鬼には分からない
 神様にだけ分かるような
 そんな y を



 君に捧げる


------------------------- 第123部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
rallentando

【本文】

 この恋が緩やかになるのなら
 それは坂道が楽になる
 つまり 君に近づけたということなのでしょう

 こうやって毎日詠いつづけないといけないのは 
 この狭い部屋が狭くても部屋であるのと同じように
 急な坂道が緩やかになっても坂道だからなのでしょう

 坂道が急になるときっていうのは
 それは坂道が険しくなる
 つまり 君に近づけたということなのでしょう

 だけどこれはrallentando
 だんだん緩やかになるように
 でもね それはあくまで地形なんです

 ああこれは音楽
 でもね残念 僕は音ゲーが下手なんです
 知ってるでしょ?

 緩やかにも急にも 僕にはできない 
 ただ詠うだけ ただ坂を行くだけ
 ただ君に近づくだけ
 

------------------------- 第124部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
double overhead

【本文】

 なんで君でないといけないの
 そんな馬鹿な質問を受けた気がする
 誰から受けたのかは言えないけれど
 別に疚しいことなんてないし
 いやいや僕にそんな話きませんし
 だから気がするだけなのかもしれないけど

 本当に馬鹿らしい質問だったから
 もしかしてコラなのかもしれないって
 軽く受け流すところだったのだけど
 もしこの質問を
 君自身に訊かれたのならどうしようかと
 そんなことはないと思うけど
 予行練習がてら
 答えてみたんだ
 
 “君でないのなら、一体君は誰なんだい?”
 “君しかいない、僕には君しか”
 “次の人なんていらない、君がいるから”
 “次の恋は存在しないんだ、君との恋は愛に変わる”
 “君との想い出が光っているから”
 “君がいるから恋してるんだ”
 いろいろ考えてみたんだけど

 そうだな
 答えるとしたら
 五文字以内で纏めなさいってことになったら
 聞きたがりだけど長い話が不得意な君に言うのなら
 “君が好き”って
 それだけ言えればいいと思う
 ああ今ひさびさに「好き」って言ったかもしれない
 言い過ぎたら薄くなるとか
 そんな戯言を妄想して
 
 だけどそれもいいんだ
 もう一度言うよ “君が好き”
 これからもそんなにたくさんは言わない
 もしかしたらもう言わない
 君に会うまでは
 君にまた会うまでは
 そんなこと言っておきながら
 明日には言っているのかもしれないけどね
 さながら吸血鬼のように
 まるでふたつの オーバーヘッド

------------------------- 第125部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
flower

【本文】

 ふたつの山がそこにあったとして
 そのふたつが向かい合っていたとします

 ふたつの山は
 近づくことも離れることもできなくて
 お互いに
 愛し合ったり憎み合ったりしています

 でも残念なことに
 残酷なことに
 山に咲く花は
 愛していても憎んでいても
 関係なく咲かないといけないのです

 
 それは僕の命のように



 ふたりの人がここにいたとして
 そのふたりが信じ合っていたとします

 ふたりの人は
 近づいたり離れたりを繰り返して
 お互いに
 メールを送り合っています

 でも嬉しいことに
 いえ 残酷なことに
 ひとにある命は
 会えたとしてもそうでなくとも
 関係なくここにないといけないのです


 それは山の花のように
 
 

------------------------- 第126部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
idle

【本文】

 あたたかい声 日差しに乗って
 まだ見ぬ廃墟へ
 草木を撫でて ドアに微笑み
 誰もいないと唄う

 宇宙の果てと ダンボールの隅
 全く違うと思っても
 どちらにも誰もいない
 声の届く場所

 一本の細い針と 金で出来た太い棍棒
 廃墟に並べられた道具は
 草々に巻かれ 枯れた微笑み
 みんな消えたと唄う

 あたたかい声 日差しを越えて
 まだ見ぬ人間へと
 木々を伝い 窓を拭き
 君に会いたいと想う

 都会の真ん中と 最前列席
 少し似てると思っても
 どちらにいるのか 分からない
 声の消える場所

 二本の折れた針と 土で出来た丸い棍棒
 廃墟にない道具は
 人々に虐げられ 咲いた絶望
 みんな誰だと唄う

------------------------- 第127部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
forbidden forgiving

【本文】

 都から星は見えるのか
 八年前と変わりがないのなら
 きっと都に星はない
 きっと都に夜はない

 星はいつでも輝いている
 生きている間 いつだって
 生きた証のない都
 そこで生きている 君は誰?

 たとえば津山の奥のほうとか
 たとえば鳥取の大山だとか
 君は見たことあるのかな
 誰かや僕の 人生の証を

 
 都の空には何が見えるのか
 八年前と変わりがないのなら
 たぶん都に君がいる
 僕は都に今はいない

 星はいつでも輝いている
 死んでからも少し 長居して
 余裕な振る舞いのない都
 そこで生きてる 君は君

 たとえば江原の雪嶽山とか
 たとえば富士山の樹海だとか
 都の空にはなにか
 星でない何かが輝いている


 都の君とは会えるのか
 八年前と変わりがないのなら
 いいや
 その頃の君を 僕は知らない

 星はいつでも輝いている
 朝の星 昼の星 冬の星
 星のない都からでも見える星
 それを見ている 君も僕も

 たとえば潮の満ち引きとか
 たとえば狼男の叫ぶものだとか
 空がつながっているって言えるのは
 つまりそれは月のこと

------------------------- 第128部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
glow grow

【本文】

 輝きは増す   絶頂の瞬間まで
 衰えていく  頂を越えた先まで
 あの星が言うように
 この恋に 頂 があるのなら
 だけどそれは
 信じたくなくても    もう分かっていることだから

 考えすぎて 前に進めなくなるよりも
 あの星のように 進むまでもないのは だから
 光は育つ       頂を越えても
 前に進まなくても    時は待ってくれない
 自分は動いていないのに 時は待ってくれない
 星光のように

 輝きが育つ        時が動くまで
 衰えたとしても それでも君を好きでいたいから
 あの星に言われたとおり
 君のほうが離れるのかもしれない
 それでも 今 届いてる光は 今 のものではない
 そう信じないと    やってらんない

 考えるのをやめたりしないように たまには振り返ろう
 あの星のように 戻るまでもないのだから ちょっと振り返るだけ
 光は増す      頂を越えて
 時が動いても 頂は消えたりしない……だなんてことはない
 時が動いたら 動いてしまったなら
 そのとき星は流れる 空をつなぐ星が流れる
 


------------------------- 第129部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
nor

【本文】

 罠にかかるか かからないか
 牙にかかるか かからないか
 君にかかるか かからないか

 だけど全部何もかも
 それは今も nor の世界

 吸血鬼が蔓延る世界の中で
 今は落ち着いて
 吸血鬼でない僕は唄う
 君をみつけたら
 たぶんまた吸血鬼になる

 悔しくて叫んだ
 会いたくて泣きそうになった
 僕はいつになったら 
 吸血鬼になれるのだろう

 窓から迷い込む黒い風は
 廃墟からやってきた声と知り合い 
 これから遠く 遠くへ旅にいくって
 ふたりして出て行ったけど

 だけど全部何もかも
 それはきっと nor の唄
 それはきっと どちらでもない 物語

 会えるのか 会えないのかではなくて
 どちらにしたって君が好きだから
 

------------------------- 第130部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
sin;

【本文】

 罪を犯すつもりなんてなかった
 罪だとも思わなかった
 恋は盲目というけれど
 それ以前に……

 自分の言葉を話すのならば
 罪なんてその程度だと思ったのだけど
 恋をする前から 僕はいつの間にやら
 両目を失っていたんだ

 人類はいつからか
 気付いていたはずなのに
 気付けたはずなのに
 神よ 僕は罪ですね

 堕落した脳みそを掻き回して
 そうして味噌汁が出来上がる
 それを飲ませてあげるから
 ほら 僕と……俺と来い

 君は、お前は俺のものだ
 強引だとかそういうものじゃない
 神様は見放したりしない
 そう俺は信じてる

 だから―― 
 だけど サタンにそんなものはない
 さあ俺に抱かれて
 盲目の罪を

 

------------------------- 第131部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
deep, deep, deep

【本文】

 堕落の渦中にいることも知らないで
 目が見えなくても人は生きていられるから
 だから人は盲目に慣れてしまった
 
 ああ神よ
 いいやあんたに用はない
 用があるのは、そう サタン

 堕落するのなら、いっそのこと見事に
 だからサタン お前を殺す
 生死とは関係なく お前を殺す

 神様 あなたの力はいらない
 あなたは俺を見放さない
 ……そう信じてる

 剣か弓か銃か書か
 なんでもいい なくたっていい
 さあサタン 俺と戦い

 隈ができてしまっても
 睡眠不足に違いはないのなら
 いいややっぱりなんでもいい
 
 盲目の罪を
 俺は許したりはしない
 分からない 

------------------------- 第132部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
out.

【本文】

 冬になればお前に会いに行く
 メールだかなんだか
 罪深い人類が生み出した機械でもう約束した
 だが俺は馬鹿だった

 だったら冬まで寝て待ってればいいのかというと
 そんな妄言はいつまでも妄言だったのだ
 衝動的にならなくてはならない
 ついに時は動いたのだ

 吸血鬼は凍結して
 リズムに合わせた娯楽には腐敗を強いり
 夜道に立つ街路樹を切り倒す
 そんな衝動に駆られねばならない

 カスでクズで略してカズの
 因果応報の原因となる思考のまま
 ただお前をいつまでも大切に思い
 俺は戦おう

 時が動いても存外月は流れずに
 黙ることもせず光を浴びせかけてくる
 痛々しい微笑みと共に
 そして神無月は過ぎた

【後書き】
“LYCtP.S±g” in October is end.

------------------------- 第133部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
束縛

【本文】

 守らねばならないこと
 ある者はそれを「束縛」と呼んだ
 
 守る
 それは所有
 それは親愛
 それは堕落
 それは恋

 たとえば神が人類を創造したのは
 絶対的な孤独と
 虚無の「束縛」に泣いたから
 
 あたたかい声と黒い風が
 光の妖精と闇の妖精になっていた
 彼らの案内を頼り

 俺は「束縛」されていく

 仲良しの妖精
 息をとめる意味を見せて
 すぐに呼吸を取り戻して
 絶対的な「束縛」の中へと

 神のいない場所はない
 だから全てに「束縛」があり
 だから全ては守りゆかれる

 そこにサタンはいるのか
 

------------------------- 第134部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
漆黒

【本文】

 だんだんと論理は崩れる   誘い誘われ夢路は消えた
 論拠を述べても治らずに   自分の道さえ選べないが 
 概念を取り繕ってもなお   概念を取り払ってもなお 
 漆黒が綺麗だということ   漆黒が醜く艶やかに在り 
 それさえも崩れゆく論理   それはいつ崩れゆくのか 
 
 黒い想いを抱いてもなお   黒く想い続けてはならず
 罪を犯した事実は消えず   悪行は善行で取り繕えば
 業火に燃やされてもなお   存外難しい問題ではない
 消滅はせずに虚無を償う   滅亡など存在せず繁栄し
 ただ振り向くことなかれ   頂の消えた今衰微は無い

 崩れた論理はどこへ行く   ここに六つの道が見える
 天国も地獄も受け付けず   どこへ行くのも自由だが
 地上天国にゴミ箱がある   選んだのなら道は消える
 そこに捨てられてもなお   選ばないことが解である
 どこでそれは燃えるのか   さて俺は漆黒で何をする

 

------------------------- 第135部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
純白

【本文】

 純白は好かない
 それは童話とは違い
 世間知らずで罪人を見たことが無く
 死肉を口に入れたこともない

 純白は育つという
 だが漆黒も育つのだ
 ならば純白の長所は何だ
 
 無に色はないのだが
 光はそれを「黒」といい
 闇はそれを「白」といった
 
 賛歌を嘆くには
 まず賛歌を知らねばならない
 聖書を破るには
 まず聖書を所有せねばならない

 純白にはそれが出来ない

 触れただけで穢れてしまうのなら
 恋愛など知るべきでは無かった
 そう嘆くまでも無く
 純白に愛はない
 純白にあるのは ただの命と
 偽りの神だけである

 本当の神なら……
 そう期待を抱いてはいけない
 
 それはまるで人形のように
 そう それは純白
 潔白の対となるもの
 
 そこにサタンは在るのか
 

 
 

------------------------- 第136部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
糾問

【本文】

 黒い大地を覆う白い大気も
 白い大洋を囲う黒い大寒も
 漆黒に詰問はない
 永久の糾問の中で

 染み付いた穢れの外で
 黒くも白くもなく
 灰にもなりきれていない不燃物を
 牢獄に溜め込んで放置する

 たわわに実る木枝の林檎
 霜月に大地が纏う白い水も
 下る者は首を失う
 黒い穴に白は無い

 氷の国に
 氷柱の生る永久の慈悲と
 生きる希望とやらを
 極寒に詰め込んで放置する

 林檎の餞別は暗闇の中で
 善行を働いた者だけに与える
 赤い林檎も腐った林檎も
 永久の糾問の内で

 薄汚れた拷問を外に
 道具に実る命の奈落
 福縁の救助は業火に壊死
 寝具に白い糾問の放置

------------------------- 第137部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
鍔音

【本文】

 剣を漱ぎ 
 双子の道理は早速逃ぐ
 遑に免れ 道を捨て
 見ゆる明日に保身を向けて
 星に恐々昨日を祈らん
 哀悼の台詞は剣に刻み
 精励の道理を誤植と謳い
 義理の銘菓を恋と受け止め
 西欧に反して我が道を行かん
 争議を醸す坩堝の内は
 河豚の毒にて犯される
 擱かされし筆は折り
 矍鑠の唄を詠わん
 念堕の夢は朝と昼間に
 端唄に纏うる無限の対を
 
 過去の血を洗い流し
 長歌と反歌を引き裂きながら
 暇を願い 筆を握り
 不確かな明日を信じ
 無力の星に昨日を唱えよう
 殺めた命は洗うことなく
 英雄の殺害を当然と言い
 二月一四日に誤解するまでもなく
 この国の文化は異色である
 差別も偏見も入り混じった文化の中で
 関係のない罪に乱れる
 どうせ終わらないのだからと筆を折り
 古くから伝わる当然を唄う
 日の出る間に星の悪口を
 永遠に終わらない 白と黒の対極を


 そんな人間に 俺はなれるのだろうか 

------------------------- 第138部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
豪語

【本文】

 何をするにも責任が伴うとするならば
 何もしないことはどうなるのだろう
 何もしないことをしているのか
 本当に何もしていないのか

 それを「無」に置き換えるとするならば
 たとえばそこに
 「無」があるのか
 それとも本当に何も無いのか

 そんな豪語を唱えるまでもなく
 適当にそこらじゅうの神にでも任せておけば
 ことは済むものを
 
 神はなぜだかどこにでもいる
 ならば「無」にも神はいて
 だとすると「無」とは何なのだろう

 何をするにも結果が生じるのなら 
 何もしないことはどうなるのだろう
 何もしていないことが原因で結果が生じたり
 本当の結果とは何だろう

------------------------- 第139部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
過程

【本文】

 探すという過程は必要なのか
 サタンは見つからない
 隠れてでもいるように
 盲目には見えないようになっているのか
 
 神がどこにでもいるのなら
 対極の存在はどこにもいないのかもしれない
 だが果たしてサタンは神の対極なのか
 サタンも神の産物ではないのか

 知識のないことこそが
 過程を切り抜ける手段だとするならば
 だとしたら俺はまさしく
 バイブルの栞だ

 探すことに意味はあるのか
 堕落の末路を辿るにしても
 その根源を断つことの
 どこが堕落なのだろう

 

------------------------- 第140部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
指南

【本文】

 神を探す哲学者のことは
 何度も何度も聞いてきた
 何度も何度も聞かされてきた

 サタンに打ち勝つ勝利者のことは
 何度も何度も目にしてきた
 盲目に焼き付けてきた

 
 だけど
 サタンを探す者を
 俺は知らない

 サタンは勝手にやってくるものだ
 誘惑して 溺れさせるものだ
 探すまでもなく 現れるものだ
 
 なら
 なぜ俺は探しているのだろう
 
 
 それはだから
 実はそれがサタンではなくて
 いいやサタンなのだけど
 
 今までの 哲学者や勝利者の謳ってきたサタンではなくて
 悪魔でも堕天使でもなくて
 それを恋というのなら

 俺はどうしたらいい
 

------------------------- 第141部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
代替

【本文】

 指から逃げていった風船のように
 風や空気に身を委ねて
 天に昇ろうとさえせずに
 誰も知らないところで萎んでいたい

 どれほど傾いても直線を貫くシーソーのように
 がたんごとんと堕ちては堕ちて
 がたんごとんと昇りは昇り
 誰もいないとき止まっていたい

 目を瞑ると案外怖いブランコのように
 背中を押されるまでもなく揺れて
 一回転だなんて無謀なことは思わずに
 誰もに虚しく漕がれていたい

 誰もいない夢の中で
 自分を子供と代替して
 あの頃はとても楽しかった公園を
 意味もなく歩き回っていたい

 

 

------------------------- 第142部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
寂寥

【本文】

 変わっていく話は
 空想にも現実にも当てはまる

 届かない声は
 空想でも現実でも聞こえない
 誰もいない公園のように

 冗談に嫉妬し
 傍観を哀惜するまでもなく
 まだ逃げることはできる
 誰もいないのだから

 雪が降り出しても会うことなく 
 迫り寄る恋を突き放せるのなら
 変わっていく話は 空想でも現実でもなく
 話でさえなくなるのなら

 公園の遊具が誰でもなく
 声も届かない無機質な
 撤去される夢ならば

 寂寥の中

 さあ 時間がない
 誰もいないところで
 ひとりだけの 決断を

------------------------- 第143部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
信実

【本文】
 草稿が世に出ないように
 初恋が実ることはない
 それを知らなかったあの頃の俺は
 それでもなお |虚夢《きょむ》に生きていた

 それが終わって時間が経って
 お前に会った夏の日に
 草稿が世に出ないように
 俺は原稿を練り返したとでもいうのか

 それは嫌だ

 |虚夢《きょむ》が実現することはなく
 実現するのはいつも 推敲した後
 それを今は知っているから
 それでもなお |実現《ねがい》はこんなにも難しい

 推敲した後にはまだ校正があるように
 |実現《ねがい》が叶ったとしても
 いいやでもそのためにも
 俺はお前に言わなくてはならないんだ 

------------------------- 第144部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
錬成

【本文】

 錬成の星が見えない
 この公園には咲かないのか
 
 錬成の花が匂わない
 この公園では煌かないのか

 錬成の恋なんてない
 この公園には俺ひとりだけ

 漆黒と純白が
 仲良く手をつないで
 見せびらかすように公園の
 外の歩道を伝っていた

“サタンは向こうだよ
 会いにいこうよ
 そんなところで座ってないで”
 そんな空耳がして

 錬成の星が見えない
 そもそも今は昼だった

 錬成の花が匂わない
 もうすぐ冬が来るのだった

 錬成の想いが動く
 公園を抜け出して
 そこに見えるのは
 そこで匂うのは
 
 サタンかお前か
 はたまた恋か
 
 

 

------------------------- 第145部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
対面

【本文】

 意外にもそこは
 明るかった
 
 サタンの空間といえば
 陰湿で多湿で
 暗黒で堕落していて
 汚いものだと思っていたのに

 いいやだから
 やはりこれは
 サタンではなかったのだろう

 なんでもかんでも
 サタンに責任を押し付けるのではなく
 こうやってたまには冤罪も
 免罪もあるのだから

 だとしてもそれが罪であることに違いがないように
 されどそれは「罪」だから
 ほんの小さな罪だから
 
 そこで待っていたのは
 待っていたのかどうかではなく
 ただそこにいた存在は
 意外にも「無」ではなく
 実際に「有」として在って

 意外にも明るかった

 

------------------------- 第146部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
宣言

【本文】

“恋とはつまり、盲目だ”
 明るい存在は俺に言う

 恋煩わしくて眠れない夜を吸血鬼と呼ぶように
 
“現代の人類は、ほとんど盲目だ”
 明るい存在は言う

 これはつまり みんな恋しているということではなく
 人類はみな 何も見えていない
 善悪の基準も分からない盲目なのだと
 そう述べているように

“だがそれは罪ではなく”

 罪であるはずの冤罪は実は罪ではなく
 愚直な信実をもつのなら
 真実を述べる力を持たずとも
 神の声が聞こえないとしても
 それが罪であるとは限らない
 というわけではなく

“ただの大罪なのだ”
 
 ただそれだけなのだ
 
“恋をする感性自体に罪はないが”

 誰かちゃんは誰かくんを好き
 そんな小学生に罪があるというわけではなく
 その心に罪があるというわけではなく
 その行動 いわば鼓動に罪がある

“恋に対する考え方、つまり罪にこそ罪があるのだ”
 
 冤罪にも罪がある
 それがなぜか
 罪こそが罪だから 
 罪を免れて恋をしようという 
 その考えが罪だから

“罪を受け入れろ”

 神がサタンをも許すように

“許せ”

 もう洪水は起こらない
 そして“罪”は俺の前から消えていった
 俺の前ではなく
 俺の中で しっかりと育んでいくのだ 

------------------------- 第147部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
決断

【本文】
 “お前”ってなんか響きがいいね
 そういえば何ヶ月か前に実際に会ったとき
 “お前”って呼んだと思う
 強がりでもなんでもなくて
 そうなんだよね
 
 “俺”っていうのは不自然でもなんでもなくて
 そんな君が大好きだから
 “俺”ってつまり そういうこと
 弱がりでもなんてもなくて
 きっとそういうことだから


 もう決めた
 罪を全身で受け止めて
 ちょっと心が乱れててごめん
 俺でも僕でも 違いはないだろう?
 だってそういうことだから

 会えるんだから
 会えるんだから
 君にきっと伝えるんだから
 だってこういうことだから

 霜が降りゆくこの月を半分も費やして
 僕が考え付いたのは
 結局変哲もないものだけど
 それこそが だから
 きっとこういうことだったんだ

 さあ 後半を唄おうか
 
 

【後書き】
Half of “LYCtP.S±g” is end.

------------------------- 第148部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
再開と再会

【本文】
 
 久しぶりに会えたから
 ひとまず僕にご褒美
「抱きしめてもいい?」って
 君にふざけて言うのです

 強すぎる人は苦手
 自分が守られてること知らない人が
 君を守ったりするのかな
 君に守られたりするのかな

 心配したほど都は明るくなくて
 心配したほど人は多くなくて
 心配するほど君は冷たくなくて
 暗闇で光る月のように 僕に微笑んでくれたなら

 久しぶりに会えたから
 強すぎてても怖くない
 むしろとても可愛いな
 君を守る君と僕
 
 久しぶりに会えたから
 今日くらいは我儘で
 僕は君を離さない
 君は僕と離れない

 そんな夢を見たのです

------------------------- 第149部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
月忌と楽器

【本文】

 恋の力を出しぬきながら
 遠い遠い 近い君を見つめよう
 千載一遇とはこのことで
 語り合う術を 僕たちは知っているのだから

 その楽器が赤い体をしていたとして
 その楽器が青い音を出したとしよう
 きっとそれだけで合奏になっていて
 それでも楽器はひとつなのに

 きっと会えたなら また語り合おう
 君の声が聴きたいな
 君の声が聞こえるように
 赤と青を混ぜて紫にしておくよ

 恋の力をおし出しながら 
 いつか近い君と見つめよう
 起承転結の結をとって
 終わらない恋にしてしまおうか

 語り合えない曲になったなら
 その曲をうっすらと
 紫に染めてしまえばいいのだから
 ほら こんなふうに

------------------------- 第150部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
捜索と創作

【本文】
 君はどこで なにしてるんだろ
 白い光 太陽眺めて

 君はだれと なにしてるんだろ
 深い瞳 見つめたいだけ

 近くないところで
 無音の唄は言う
 きっと会える 一緒にいられる
 あした あさって 雪が降る頃に

 白い光 太陽にさえ
 怖いものは きっとあるんだろ

 深い 深い だれかの瞳で
 僕は捜す どこかにいる君

 創る 創る 激しい無音を
 僕と君と どこかのだれかに

 あした あした
 音のない唄を
 どこかのだれかの 僕と君に
 白い光は やがて沈む

 あした あした
 近くない瞳
 どこにでもある 想いのもとへ
 白い光は やがて昇る

------------------------- 第151部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
普通と不通

【本文】

 君に会いたい
 ただそれだけなのに
 きっと会えると思ってるけど
 なんだか不安なんだ
 君が会ってくれないんじゃないのかって
 僕って
 もしかして嫌われてるんじゃないのかって
 それとも
 どうでもいいんじゃないのかって
 君に会いたいのに

 君に会いたい
 夜行バスの予約は
 乗る日の一ヶ月前からだそうで
 まだ日時も決まってなくて
 それは僕ひとりで決めていいものではなくて
 もしかしたらそのせいで
 君と会えなくなるかもしれなくて
 でもはやく決めないと
 結局おんなじことで
 普通のことで
 会いたいんだってこと

 君に会いたい
 このままじゃ
 君はずっとずっと
 不通の世界に入り浸って
 そんなの自分の勝手なのに
 なんでそれを嘆いたりするのか
 でも分からなくてもなんだっていいから
 君に会いたい

 君に会いたい

------------------------- 第152部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
落款と楽観

【本文】
 
 押印の必要はない
 だって僕は作者というよりも
 カラオケで唄を歌う 消費者なのだから

 そう楽観的にならなくても
 現実が逃げていったりはしないから
 たまには羽を伸ばして
 カラオケにでも行って 悲観の底に行けばいいのに

 でもそういうわけにもいかなくて
 カラオケには行かないと ずっと前に決めたから
 でもそれも あのとき簡単に崩れてしまったけど
 あれは例外ということで やりなおし

 落款の必然はない
 だって僕はなにものでもなく
 歌が物凄く下手な 僕なのだから

 そう楽観的にならなくても
 夢が消えることはいくらでもあるから
 たまには羽を引っ込めて
 誰もいないところで 唄うといいさ

------------------------- 第153部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
月光と激高

【本文】

 月の光が届かない夜も
 どこかに月がいること願って
 ひとりひとりで空 眺めてたら
 あ、流れ星
 そんな夜が欲しい
 
 流れ星とか言ってる前に
 星が見えない そんなこの土地は
 ネオン輝く 空 明るくして
 僕も君も 少しは似ているね
 だってだって 場所は全く違うのに

 月の光は見えるのだけど
 星の光が見えないからと
 月に対して激高するのは
 ちょっとおかしいなって

 知らない君が知りたいよ
 月に刻んだ僕の名前を
 知らない君を知りたいよ
 月光はネオンと劣らず
 どちらにしたって光だけど
 激高は場違いだから

 ここもそこも
 星が流れたりしないのなら

 あ 今気付いたけど
 時が動いたとき 月が流れなかったのは
 流れ星が ここにもそこにも
 激高せずとも なかったからなんだね

 だから僕たちは

------------------------- 第154部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
消暑と証書

【本文】

 恋の証書があったなら

 僕の気持ちを確かめながら

 君の気持ちを知られるのに

 でもそれは

 つまり絶望の種というべきか
 
 そもそも君に

 恋することもできなかったんじゃないのかな

 冬が近くなってきた
 でも僕は暑さをしのいで
 なぜ暑さなのかは
 僕の中の
 完全に間違っている方程式が表しているから
 ここでは割愛ということで

 恋の証書がなくてよかった
 心の証書がなくてよかった

 暑さをしのいで今日も僕は
 君を想って
 君の心が見えないからこそ 君を想って

                            印


 サインはしないよ

------------------------- 第155部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
頌徳と生得

【本文】

 立派なことをした覚えはないのに
 評価されてしまうっていうのは
 実は結構 苦痛になってて
 
 自分が頑張ってることは
 ただの趣味だと看做されて
 僕が一生懸命になっていることを
 周りは 受験の邪魔だと言うんだ

 だけどあのとき 君は
 僕の一生懸命を分かってくれて
 自分もそうなんだってこと
 似てないけど同じなんだって
 教えてくれた

 僕には仲間がいなかった
 友達はたくさんいるけど
 同じことに一生懸命になっている仲間が
 僕には全くいなかったんだ

 だけど君にはたくさん
 いっぱい いっぱいの仲間がいて
 その中で切磋琢磨して
 楽しそうに苦しそうに
 一生懸命だったんだ

 僕も君も 勇気付けられて
 こんな人がいるんだって
 お互い刺激し合って
 
 立派なことした覚えはないけど
 周りがそんなに期待してくれてるんなら
 もっと頑張ればいいんだって
 厳しいけど現実と向き合うんだ

 受験戦争に不平を言うんじゃなくて
 ぎこちない自分を叱り付けて
 それでもっと頑張って
 倒れても倒れるだけだから
 一生懸命になろう

 答えはそこにはないけれど
 生まれながらのその意味を
 立派なことはしてないけれど
 まわりは祝福してくれるから

 僕は君と祝福しよう
 生まれる前から決まってなんかなくて
 生まれる後になってやっと決まったわけでもなくて
 これは僕と君が決めた
 一生懸命の物語なのだから

 一生懸命にしてたんならば
 あっけなく夢が終わったりしないから
 徐々に 徐々に追いつけなくなっても
 それでも頑張れるのだから

 さあ 生まれながらのその意味を
 立派なことだと褒めてあげて
 僕は行く
 きっと頑張れるのだから
 

------------------------- 第156部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
僭上と線上

【本文】
 
 ラインの上に君がいて
 僕みたいな人が
 君を連れていってもいいのかって
 悩んで悩んで
 まだ悩んでるけど

 どこまでも続く直線の上に
 君は待っているように
 でも動いていて
 
 そんな屁理屈言う前に
 どちらになるかの瀬戸際に
 線のこっち側なら
 線のそっち側なら

 これから遠くまで行くのに
 線を伝ったほうが楽じゃないかい?
 そう逃げ道があるにはあるけど

 遠くに行くにしても
 近くに行くにしても
 線がないといけないのかい?

 でもね 決めても決めても
 まだ決めたりないのだから

 まず 手をつなごう

------------------------- 第157部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
無煙と無縁

【本文】

“There's no smoke without fire.”

 僕の好きな言葉
 英語の辞書の カバーの一句
 日本語でもこれと同義のものはあるけれど
 僕が好きなのは カバーにあったこの句なんだ

“There's no smoke without fire.”

 星がなくても光はあるのに
 無煙のそこには
 燃え上がる熱情なんてなかった
 無縁の夜空

“There's no smoke without fire.”
 
 星と星とのつながりが
 見えないなぜなら煙はたたぬ
 無縁を嘆いたりしないで
 火のないところに星はあるのか

“There's no smoke without fire.”
 
 恋して火傷するくらいなら
 恋して煙吸って死んでしまいたい
 無縁の話

“There's no smoke without fire.”

------------------------- 第158部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
履行と利巧

【本文】

 利巧な君に言いたいよ
 君が好き ただそれだけ
 なんでかな 君の夢 見ると
 ただそれだけで 
 好きの再確認できるんだ

 履行する
 きっと決断を果たす僕は
 その後になにをしたらいいのか
 そうじゃなくて
 ねえ 君のことが

 ちょっと期待して絶望して唄って
 君は利巧だから ただそれだけで
 なんにも分からなくなるのだけど
 ただそれだけでは
 諦められるわけなくて

 履行する
 時は勝手に進んでるし
 夢に勝手に現れるけど
 きっとその向こうには
 笑ってる君のその顔が

 言うよ 言うんだよ
 いくら思考を巡らせても分からない
 だったらアドリブでいいんでしょって
 この唄だって大半アドリブなのだから
 それくらいできるでしょって

 履行する

 

------------------------- 第159部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
碌々と陸々

【本文】

 どうせ なにもできない この僕の
 どこを好きになるっていうのか
 わけがわかんないけど
 
 正常値が常軌を逸してたりするように
 碌々から離れて生活しても
 そしたら平凡な毎日が恋しくなって
 結局 陸々 無意味になるけど

 だったらなおのこと
 無意味に生きてしまえばいいのかもと
 意味を見つけてしまうから しんどいわけで
 君を好きになった意味 理由 目的 要素
 そんなの全部ゴミ箱に捨てちゃって
 そしたらなぜだか碌々 残って

 もうなにも考えずに
 君としっかり向き合って
 君を僕の時間に空間に
 引き込んで離さないで抱きしめちゃえばいいんだ
 それが 陸々 僕の勘違いでも
 勘違いもしないほど 考えなければいいじゃないか
 

 

 

------------------------- 第160部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
節奏と節操

【本文】

 旋律の狭間
 節奏の調子
 君の節操を
 
 主義を持ち続けるのは難しいけど
 主義を持たないことも難しい
 主義を知らないってのは異常なことで
 主義を知ってるってことも尋常じゃない
 
 節操を一度も崩さないで生きるのは
 ほぼ不可能なことであって
 誰にだって幼少時代が
 誰にだって青春というものが
 あるはずなんだから
 生きてさえいれば

 人生の節奏を
 聴衆なんて皆無であるのに
 それでも楽器を弾いて
 誰かの月忌に指を立てるんだ

 笑われたら笑い返す
 泣かれたら笑い返す
 なにしててもそんなことしてたら
 嫌われるよって 誰かに言われても
 笑って堪えたら 
 ホントに嫌われたみたいに

 この手が節奏を作り上げるのなら
 唄の力を信じて僕は
 君の節操を崩してあげる
 ザ テロリスト
 
 煙が無いなら火を焚こう
 縁がないなら会いに行く
 それだけで別になんともないわけで
 だったら早く そして速く
 君に会いに行けばいいだけの話で
 何度何度 唄ってきても
 おんなじにはならなくて

 履行とかしなくても
 利巧なら気付いてくれるから
 気付いてもらえないのなら
 君はたぶんバカだから
 だったら僕が
 教えてあげればいいだけで
 教えてあげるよ会ったとき

 頌徳そのものを褒め称えて
 本来の徳を置いてけぼりにしたならば
 ごめんって一言だけ言って
 誤解には慎重に厳重に注意して確かめて
 生得だからと開き直って
 抱きしめればいい

 人生の旋律
 節奏の人生
 君の人生に

 さあ今日も唄っているよ
 会えるのを願って
 不十分な資料と共に
 それは夜空の
 なんと言えばいいか分からないくらい
 月光の節操を
 ずっと照らし続けるという節操を
 崩してしまえばいいんだけど
 そしたら大変 激高しちゃって
 
 異色の地にいるわけではなくて
 月の光はどこまでも 同じ色
 っていうわけでも実はなくて
 依嘱したいんなら太陽がいるけど
 夜の太陽は 嫌われるよ

 主義を持ち続けてもいい
 主義を持たなくてもいい
 主義を知らなくてもいい
 主義を知り続けてもいい

 もうなにもかも包括して
 唄を唄として世に出して
 漆黒と純白は消えたけど
 それを混ぜても灰色にはならないのだけど
 難しいことが好きならば
 夜にだって太陽はいるから
 会えなくたって君はいるから
 
 暑さをしのぐことを消暑というけれど
 そんな中でも 暑さをしのがないといけないくらい
 生きないとやってらんないって分かってて
 証書にサインをしなくとも
 証書を持たないといけないのは
 もしかしたらそこに
 君がいるのかもしれないから

 僭上が成功の道になるかもしれないし
 その逆だってたくさんある
 つまりそれは線上で
 どちらにもいける状態

 もう一度始めても
 前から始まってたことなんだから
 端から見るとなんでもなくて
 恋には途切れが必要で
 途切れには一途が必然で
 再会できるように再開したんじゃなくて
 君が好きだから 唄ってるだけで
 なにを言っても聞こえないくらい離れているから
 だったらなにを言ってもバレないからって
 どこの犯罪者だよって訊かれても
 唄えばいいだけで

 落款しなくても楽観的になれるよ
 だなんて知ってるからもういいよ
 知ってることをまた言われるのは
 体に心に堪えるものがあるようで
 これが知り続けるっていうもので
 ホントに難しいんだって分かって

 普通にしてても常軌を逸してたりして
 自分にとっては正常値なのに
 平常であるのになんで
 それは自分が不通だからで
 でもそれもいいのかもしれないって
 なんどもなんども知ったから

 君に会いに行くよ
 場合によっては捜索するよ
 太陽の光も月の光も人工の光も
 いやいや もしかしたら太陽も月も
 もしかしたら人工かもしれないよ
 確かめる術がないんじゃなくて
 これは創作の話だから
 
 主義を持ち続けないでいよう
 主義を持たないことなんてないようにしよう
 主義を知らないなんて言わないようにしよう
 主義を知り続けないでいよう

 節操が作り上げる節奏は
 耳に心地よくとも悪くとも
 それが唄であるのだから
 

------------------------- 第161部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
異色と依嘱

【本文】

 異色だって構わない
 依嘱だってへっちゃらさ
 君がどんなにおかしな人でも
 君が僕に押し付けたりしても
 全部全部抱きしめて
 アピールのつもりじゃないけれど
 君に会うために 君に会いたくなって
 君が好きになった
 
 異色だから好きなんだ
 依嘱だって大好きだ
 君みたいな人に初めて出会った
 僕みたいな普通を装った異色でも
 気付いたか気付かなかったではなくてだから
 僕だってもしかしたら知らないのかもしれない
 君が誰かの依嘱だってこと
 だから君に

------------------------- 第162部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
-僕と君+ 

【本文】
 僕と君の名前

 どちらかの名前の
 一文字目と二文字目を入れ替えて
 それをローマ字表記にしてみたら
 不思議なことに とてもよく似ているんだ

 違うのはたったの一文字
 “g”がひとつ 僕のほうが多いだけなんだ
 
 ±g

 名前は違うのに
 人は違うのに
 読み方が同じになるだなんて
 不思議だね

 読み方が同じでも
 それぞれ異なる“過去”と“今”と“未来”があって
 もしかしたら“意味”もあって
 その違いが“g”に込められてるとは思えないけど

 ±g

 僕と君の名前

 

【後書き】
“LYCtP.S±g” in November is end.

------------------------- 第163部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ending - introduction

【本文】

 Long time no see Long time no see おひさしぶりです
 ずいぶんと待ちわびていましたよ 首を長くして
 貴方様が 冬 おひさしぶりです

 それは寒くなることではなく
 それは雪が降ることでもなく
 それは君に会えることでも なく
 Long time no see おひさしぶりです

 Every time no see Every time no see はじめまして
 いつかお越しになると信じていました 羽を縮篭めて
 貴方様が 冬 はじめまして

 これは去年の冬様ではなくて
 これは一昨年の冬様でもなくて
 これは君に会えることなのですから
 Every time no see はじめまして

 冬が 始まります
 
 
 

------------------------- 第164部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
good winter, at winter

【本文】

 冬がやってきたから
 森の風に誘われて
 木陰の踏むワルツを
 ほのかに飾ってみせようか

 森も林も木も
 嵐も風も 君の白い息も
 冬の舞台で ワルツを踊る

 昔から翳っていた木の下に
 冷たい白が降り積もっても
 陰はその上に乗りかかって
 それでも白くなった土台を

 冬がやってきたから
 僕の唄に導かれて
 暖房をつけたクラシックを
 また冬に流そうか

 僕も僕も僕も
 詩も唄も 君への恋も
 冬の舞台で クラシックを奏でる

 昔から色々と燃やしてきた暖炉に
 冷たい水を注ぎ零したら
 炎は弱まり寒くなり
 それでも冬の家の中を

 冬がやってきたから
 
  

------------------------- 第165部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
snowman made of flowers

【本文】

 架空の雪の話

 どうせ降りはしないだろうけど
 振ってくれるのなら
 恋の成就と共に
 雪だるまを作りたい

 あんなことが起こるなんて
 雪でも降るかもしれない
 それでいいから どうか 僕に
 
 架空の雪の話
 
 振ったとしてもここのは
 雪だるまができるほどの量じゃなくて
 だったら足りない雪の分
 なにかで補えばいいのかも

 そう思った途端に
 雪の代わりと言わんばかりの
 それでいいから どうか 僕に

 架空の雪の話

 花でできた雪だるまは
 溶けることなく 微笑んでいて
 僕にも君にも 微笑んでいて
 だけど

 そう思えたときには
 もう遅くて僕は
 たくさんの花を犠牲にしたことに

 架空の花の話

------------------------- 第166部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ure_si

【本文】

 |憂《うれ》しいな
 触れた手は冷たくて 
 温めようにも 僕も冷たくて
 
 いつの日か 月に行こう
 一粒というには大きすぎる星を
 照らすように 照らされるように
 冷たい体を 光で包んで

 |憂《うれ》しいな
 空が違っても 月が偽物でも
 会いに行くにも 音沙汰なくて
 
 いつの日か 冷たくなるから
 みんなそのときは 
 月に照らされた星になれ
 
 なにを女々しく|憂《よろこ》んでるの
 どうせこうなんだってことは分かっていたし
 それでも月が見えてしまうから
 連絡が途絶えて2週間経ったけど
 それでも僕は

 いつの日か 
 僕はそう いつの日か

------------------------- 第167部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
emitter

【本文】

 あのころよりも
 大きく離れているような気がするのは
 実際に遠く離れているから

 実際に会って話すのではなくて
 最近の機器で離すんだから
 話せない 離れたくないのに
 
「また会おう」って言ったのは僕のほうで
 君は? あのときの君は
 どうしても分からなくて
 もう何ヶ月も前のことになっていて
 もう何ヶ月も会っていないことに今更気付いて
 よく今まで耐えてこれたねって
 自分を慰めようにも
 いつのまにか責め立てていて

 なんで離れているの
 なんで話せないの
 どうせ僕なんか あのころからずっと
「また会おう」っていうのは
 もう

 自分のことが大っ嫌い
 そんな中でも君のこと好きになれた
 それだけ? それだけだった?
 いやだ話せない 離れたくない

 たとえば

------------------------- 第168部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
P.S

【本文】

 もうどうやったって
 唄えないぐらいボロボロになってしまえば
 
 全世界の楽器を集めても
 どうせどうせもうどうせ
 唄ったって届かないのなら
 もうなにもかも投げ出して
 ボロボロになった服のまま
 全て削除してしまえばいいんだ

 切り裂いて踏み潰して

 もうどうやったって
 
 唄えないくらいボロボロになってしまえば

 全世界の 楽 器を集めても
 どう せどうせも うどうせ
 唄ったっ   て届かないのなら
 も うな にもかも投   げ出して
 ボ ロ   ボ     ロ にな っ た 服 の ま  ま
 
 君のこと忘れればいいんだ

------------------------- 第169部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Receive

【本文】

 送信して受信して
 その程度の応酬が
 もう途絶えてしまう
 その程度だから
 その程度だから

 なにを間違えたのか分からない
 ときに取り乱して
 ときに気を取り直して
 こんなとき僕は
 なにをすればいいのだろう

 もう一度送信する?
 もっと待つ?
 もう やめる?

 どうして
 今更になって僕は僕たちは

 会っていなくても嫌いになったりするのかい
 会っていないから好きになれないじゃないか

 送信して受信して
 受信して送信して
 そうであるはずなのに
 なにがおかしいのか分からない
 
 なにをしたらいいのか分からない 

------------------------- 第170部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
hfru

【本文】

 詠うんじゃなくて唄うんだ
 毎日続けるとこうやってズレが生じて
 草稿なんだったらそれでいいけど
 これで完成品なのだから

 でもそれよりも
 毎日うたいつづけることが大事で
 それを修正したりすることは
 その日のことではなくなって
 
 hfrt が hfru にズレてしまっても
 それでも僕はうたいつづける
 そうやって前は
 想っていたのに

 詠っても唄っても悲しいんだ
 そこに君は全くいなくて
 ただの僕の唄だから
 聴いてくれる人なんていない
 捩れ捩れたズレだから

 

------------------------- 第171部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
RE:games

【本文】

 思い出して
 思い出して
 手を合わせて
 目を閉じて

 リズムを聴いて 
 そして観て

 もうヤダ もうヤダ
  
 思い出して思い出して
 手を合わせてそして開いて
 目を閉じても聴こえなくて

 リズムなんて知らない
 知っても知らない
 
 指を切り落としてしまえば
 少しくらいは気にしてくれるかな
 でもそんなことするつもりもなくて
 ああ もういつまでも
 待っているわけにはいかないのに
 夜行バスの予約は 
 もう済んでしまったのに

 君に会わなくても 僕は
 僕はそっちに行くのだよ
 でもそれってなんのために
 本末転倒 リズムはどこへ

 冬は深まっていくんだよ

------------------------- 第172部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
till

【本文】

 人生なんていらないんだ
 取り上げるのなら持っていってもいいよ
 ただ捨てるのも面倒臭くて
 この粗大ゴミにあぐねてる

 どうせ生きてても
 良いことと一緒に悪いことが来るんだし
 良いことの内に君がいるなら
 少しは華やかになるかもしれないけど
 どうせ

 人生なんていらないんだ
 ただ 捨てられなくて困ってるだけ
 誰か持っていってくれるんなら
 喜んでタダであげるよ
 その代わり “僕”を渡したりはしないけどね

 この人生の中で
 唯一ずっと一緒にいるのが“僕”で
 人生は捨ててもいいけど
 “僕”とはずっと一緒にいたいんだ
 だからもし誰かに人生をあげられるのなら
 それは“僕”のいない 空っぽの人生

 そんなもの欲しい人いるわけないから
 結局 今日もこれにあぐねて
 仕方ないから唄ってるけど
 

------------------------- 第173部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
.mp3

【本文】

 音楽がつまらないんじゃなくて
 聴いてる僕がつまらないから
 音楽がつまらないんじゃなくて
 聴いてる僕がつまらないから
 また眠気に襲われる

 耳を塞いでもここからは
 イヤホンを塞ぐことはできなくて
 むしろ音が大きくなって

 消えちゃえ
 そう呟く声も掻き消されて
 音楽に飲み込まれている僕がいて
 独りで閉じこもる僕がいた

 音楽がやさしいんじゃなくて
 聴いてる僕がやさしくないから
 音楽がやさしいんじゃなくて
 聴いてる僕がやさしくないから
 また涙を堪えるんだ

 堪えて堪えて涙を流さない
 そうしている間に
 泣き方を忘れてしまっていて
 
 泣きたい
 そう叫ぶ想いが音楽を掻き消しても
 音楽は流れ続けるのだから
 どうしても涙は流れなくて
 

------------------------- 第174部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ast

【本文】

I just calling radical.

 飛んでもっと社会を超えて
 山超え海超え 全てを超えて
 
 越えることなく超えるという

 そのときの気持ちを超える
 そのときの想いを超える
 あのころの君を超える
 あの僕を超える

 根源から根本から根底から
 源も本も底も超えるから

 意味不明だって超えるから
 
 あいじゃすとこーりんぐらでぃかる
 
 飛んで飛んで飛んで
 飛ぶことさえも超えて

 超えて超えて超えて
 超えることまでもを超えて

 もうなにをしたらいいのか分からない
 そういう気持ちも想いも唄も超えて


 そしたらなにもなくなった
 でも ないことも超えてしまおう

------------------------- 第175部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ban

【本文】

 本筋から離れよう
 君への恋ではなくて
 一からやり直そう
 やり直すってなにを
 それは僕も分からない
 でも本筋から離れよう
 吸血鬼は死んだのだから

 君への恋ではなくて
 ある青年の恋心
 昔々 あるいは今々あるところに
 “君”に恋する「僕」がいました

 “君”と「僕」はとても
 とても離れたところに住んでいて
 「僕」はそれでも “君”に会おうと一生懸命に
 唄って過ごしていたそうです

 ある日「僕」は “君”の住むところへ行くことを決めました
 そのことを“君”にメールで伝えると “君”は喜んでいました
 それから計画を立てて 具体的な日にちを決めた「僕」は
 “君”にそれを伝えます
 でも “君”はそれから音沙汰無しで
 それでも「僕」は“君”の場所へと向かったそうです

 それだけだそうです
 

------------------------- 第176部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
I i you

【本文】

“こういうのはやっぱり 言葉にしたほうがよさそうで
 でもこの前言った通り
「I love you」とはつまり君に会って時間が経ってから言いたくて
 だったらどうしようというほどのことでも なくて
 その打開策で「I need you」を思いついたから”

 何ヶ月か前に そう唄ったけど
 そういうわけにもいかなくなって
 I love you  I rob you
 文面だったらすらすら言える
 口ごもることがないからね

 ただ それを君に送るのは
 ただ それを僕が送るのは
 더우씨요우 “どうしよう”の“し”に力を入れて

 だから英語も韓国語も まだ唄ってないけど「我愛你」でもなくて
 日本語の「愛してる」も違う
 一番短く 口ごもらないように
 はっきりとした文面で 恥ずかしがったとしても気付かれないような

「好き」を君に送ろう
 

------------------------- 第177部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
177

【本文】

 練ることもないのに文章を練って練って練って
 どんなに考えても「好き」よりも簡潔で完結な告白文句が
 思いつかないのだけど

 早く早くって心が急かす
 だめだだめだよって心がとめる
 心と心がせめぎあい
 僕がどこにいるのか
 僕もなんだか知らぬのだ

 練って練って練ってもまだ
「好き」にしかならなくて それ以上の文章を書けなくて
 なんだ僕ってこの程度なんだって
 でも「好き」って いったい何
 
 早く言いなよ 心が急かす
 言っちゃダメ 心がとめる
 心と心が両極端
 でも僕が真ん中にいるというわけではなくて
 端っこに隅っこにいるわけでもなくて
 僕はどこにいるの

 

------------------------- 第178部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
emotion-2

【本文】

“衝動的になれたらいいのに”

 こういうときに「好き」って言葉を
 僕が君に emotion に身を任せて
 タイミングなんて分からない
 でもたぶん それは今
 emotion がそう言ってる

“衝動的になれたらいいのに”

 そうやって「好き」を抱きかかえているだけでは
 ダメダメダメだダメなんだ
 なれたらいいのにだなんて
 そんな生半可なことじゃなくて 
 これはもう emotion に任せるしかないのかも

“衝動的にならなくちゃ”

 置いておいた emotion は
 もう錆びれて使い物にならない
 だったら手に入れないと
 冬はまだまだ 時間があるはず
 
 夜行バスまでも まだまだ時間がある
 はずなのだから
 純白も漆黒もいないのに
 一人で独りで
 僕ひとりで emotion を手に入れに行く

 そして言うんだ 君に 
  

------------------------- 第179部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
kibou_no_neiro - esperanza = 0

【本文】

 どこにあるのか emotion
 サタンを探していたときとは違って
 希望の音色 それはesperanza
 
 怒ってもいい
 笑ってもいい
 でも泣いちゃだめ
 そんな僕を包んでくる
 esperanzaの道筋を辿って

 寂しくたっていい
 悲しくたっていい
 でも喜んじゃだめ emotion が遠ざかっちゃう

 希望を奏でても
 希望の音色はしないんだよ
 それはesperanza 
 
 さあ emotion
 僕に姿を見せとくれ

 嬉しくって泣きそうになっても
 絶対に泣いちゃだめだし
 それ以前に 喜ばないで

 そんなこと言われても
 引いて残るのは なにもない|0《ゼロ》

 esperanzaは emotion ではないんだ

------------------------- 第180部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
OSi

【本文】

 話は終わる
 終わらない話は 実を言うとない

 それに早く気付いておくべきだったし
 ずっと気付かないままであったほうがよかった
 そんなことを言ってももう遅くて
 なにもかも遅くて
 ひとつだけ確かなことは emotion なんてどこにもなかったってこと
 |僕《ここ》にも|君《そこ》にも|皆《どこ》にもなかった
 
 告白をしたら 物語が進展するのは必然で
 物語が進むっていうのは
 つまり
 終わりに近づいているということだったのを
 僕は気付いていなかった

 いいやいいやうん
 本当はきっと気付いていたんだ
 でも僕はそれから
 ずっと目を逸らして
 耳を塞ぐように唄っていたんだ
 
 そう僕が気付いたのは
 昨日 こんなことがあったから――

------------------------- 第181部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
yesterday(2/2)

【本文】

 僕の クラスメイトとクラスメイトが 付き合いだした
「ちょっと買い物付き合ってよ」の「付き合い」ではなくて
 だから
 恋人同士になった

 クリスマスが近い

 女子のほうからの告白だった
 ふたりは付き合った
 ふたりの物語を
 僕は詳しく知らない
 だけどふたりは恋人になった
 笑顔が似合ってた

 帰り道
 告白は帰り道から
 どこからの帰りかといえば
 それは 僕とクラスメイトとクラスメイトとクラスメイトとクラスメイトの
 パーティー っていうのかな 

 パーティーっていうんだろうな
 その帰り道だったんだ
 ふたりは付き合った
 なぜだか僕も 
 うれしかった

------------------------- 第182部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
a young indirect of confession

【本文】

 考えた挙句に考えて
 打ち拉ぐのなら今のうち だけど君は
 やっと連絡をくれたから
 なんだ 嫌われたわけではないじゃないかと
 でも幼くなった告白は
 まだ胸にあるから

 考えたのは 「好きだ」
 「だ」を付けることにした
 それは「駄」でも「堕」でも「蛇」でもなく
 ただの「だ」であるだけで

 でも君から連絡があったのだから
 会えるのだから
 今 告白したりはしないんだ

 冬はどんどん深まっていくのに

 考えた挙句に時間切れで
 でもそのタイムアップは
 クイズ番組でいうところの 答えが聞ける時間で
 悩むのも終わり
 きっとそういう「だ」なんだ

 冬はまだまだ深まっていくから

------------------------- 第183部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
why

【本文】

 計画を立てないと
 あそこに行って あれに行って どこに行って そこに行く
 君とどこへ行こう

 どこで会おう
 それはどこ行くか決めてから
 じゃあどこ行こう
 僕が決めるの?

 とても嬉しくて
 とても楽しくて
 
 なぜ

 そう考える暇もなかった
 きっとこれが恋
 
 計画を立てないと
 あそこに行って あれにも行って どっか行っても そこに行こう
 君と行く

 どこへ行こうか
 
 なぜ
 

 計画を立てよう
 どこに行くか決めるんだ
 僕はどこに行きたいの
 ああ 決められない
 
 なぜ

 それが分かれば
 それに気付けば
 きっとすぐに決められるだろうに
 

------------------------- 第184部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
yesterday(1/2)

【本文】
 みんなで集めた
 半強制的に集めた
 お金
 一人につき1500円
 それを使って
 買っておいた ケーキとプレゼントを
 
 その日は 友達の|誕生日《うまれたひ》
 いやだけど0歳というわけではなくて
 もう17 言ってしまえばそうなるのかも
 
 
 工場の演目は 空を見上げ
 天道の煙黙は 地を見下げる
 
 
 
 ……なにを言ってるんだろうね
 
「ハッピーパースデー」

 ケーキを囲んで 蝋燭の火を消し
 いや火を吹き消したのは僕ではなくて
 ……言うまでもなかったね 
 友達の顔を 蝋燭が照らして そして消える
 
 その友達のことが好きな クラスメイトは
 でも一緒に楽しんでいて
 ……言うまでもなかったけど
 きらきらしているかもしれない瞳は 僕には見えなかったんだ
 
 楽しかったから
 嬉しかったから?
 罪をなすりつけて?
 なんの話?
 ねえ
 
 工場の|煙《えんもく》は
 なにを作るにしても空に浮かび
 暮れていくオレンジの雲を
 白く
 白く覆っていった

 ……なにを言っているんだろうね


------------------------- 第185部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
single overhead

【本文】

 なんで君でないといけないの
 そんな質問が来ても
 僕はうまく答える自信がない
 だってただ「好きだ」なだけなのに
 どうやって説明すればいいの

 だから君にこだわるのはヤメタ
 ……だとも言えないのは
 やっぱり君でないといけないから

 
 自分のために
 誰かのために
 システムの負荷を作って
 どうか僕と

 メールは順調に動いてて
 なるほど
 あのとき嘆いていたのが杞憂だったように
 君は楽しく答えてくれる

 だけど

 なんで君でないといけないの
 そうやって自問しても
 自答できない毎日で

 会えるのはほぼ確実
 なら 答えるべきなんじゃないかな

------------------------- 第186部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
pre

【本文】
 
 不安で泣いてしまっても
 大丈夫と言う人がいなくても
 手から離れていった赤い風船が帰ってこないように

 僕は 前――
 サンタさんのように
 飽きられても期待されるような そしてきっとやってくるような
 トナカイのソリを滑らせて
 でも事故なんて起きるはずのない夜を
 
 クリスマスに警察がサボるのは
 間違ってサンタさんを捕まえたりしないため

 空に浮かんでいった風船が帰ってこないのは
 間違いを子供に教えるため

 離れてしまったら
 もう会えないから
 でも とても大切なことには
 僕も君も 
 空気より重かったってこと

 たとえば元々はサンタさんだった人のように

 

------------------------- 第187部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
no

【本文】

 付き合いだした同級生
 昨日は楽しかったねと
 二人して満面の笑みを
 降り積もる雪を眺めて

 今日くらいサボればと
 僕は二人に提案するも
 学校は行かないとって
 意外にもしっかり答え

 なんでまだ学校あるの
 そう不平を洩らしても
 僕は別に予定がなくて
 今日もこれを唄うけど

 センチメンタルの冬は
 でも本当は今日でなく
 君に会ったその日から
 どうしようもない毎日

 ありふれた告白文句は
 だからこそ愛おしくて
 とても言えたものでは
 ないのかもしれぬけど

 冬に咲く花は綺麗だと
 僕はいつか言ったけど
 綺麗なものを花という
 だから当然なのかもね

 知らないけど嘘だけど
 もう今は冬休みだけど
 学校に行かないとダメ
 そんな生活があるなら

 さあ今日はクリスマス
 僕は独りで歩道を歩き
 面白いものを求め歩き
 寂しくも笑うんだろう

------------------------- 第188部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
forgiving being forbidden

【本文】

 変わりない月は
 もう僕たちの指標ではなく
 さてクリスマスが終わったけど
 まだ冬は続くのだから

 意外と知られていないことだけど
 許すことが禁じられているのなら
 禁じられることは許されるんだよ
 
 もはや月はただの月で
 時間が止まっても月で
 面白くもなんともない
 そんな月はいらないよ

 月の|髑髏《されこうべ》が空に浮かんだら
 もうすぐ会える その合図
 ……だなんて そんな話もないのだし

 月は結局ただの月
 空を繋げているんじゃなくて
 空に繋がせてもらっているもの
 
 意外と知られていないことだけど
 許すことが禁じられているのなら
 禁じられることは許されるんだよ

 もう月なんていらないよ
 メールで機械で|約束《あえるひ》で
 僕と君は 繋がったのだから
 
 もう月なんていらないよ

------------------------- 第189部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
LYriC

【本文】
 
 即興の唄は
 すぐに忘れ去られていくけど
 もしそれを |ここ《ノート》に記していたのなら
 それこそが唄ならば

 そうやって唄ってきた
 もうすぐ三ヶ月が経つ
 もしこの|ここ《ノート》を
 何年か先の僕が見たら
 どんなことを想うんだろう
 どんなことを思うんだろう

 そのための|ここ《ノート》ではないけれど
 あ そうだ もし
 何年か先の君が見たら
 その君が 未来の僕と|ここ《ノート》を見ていたら
 どんなことを想い
 どんなことを思い出してくれるんだろう

 ……そんなこと分からないから
 今日も僕は唄をうたうよ
 即興でアドリブで
 話が破綻していても大丈夫
 それでも|ここ《ノート》はLYC
 きっといつまでもLYC
 
 

------------------------- 第190部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
dtgtgeavgtnhsxxvxzfgxz

【本文】

 “dtgtgeavgtnhsxxvxzfgxz”っていう言葉は
 並びそのものに意味がなくても
 字それぞれに意味があったり
 いやでもホントは並びに意味があったりして
 なにが言いたいのかというと
 この想いは
 これまでだって
 これからだって
 意味不明だってこと


 “人”は韓国語で|사람《サラン》という
 “愛”は韓国語で|사랑《サラン》という
 韓国語でははっきりとした発音の違いがあるけど
 言語の壁をよじ登ってみれば ほら

 ところで사란もサランと読むのだけど
 こんな言葉 辞書には載ってなくて
 つまりだから
 サランは意味不明なんだよ


 そういうことだから
 “dtgtgeavgtnhsxxvxzfgxz”っていう言葉の正体は
 実は人のことで 実は愛のことで
 みんなみんな 意味不明でも伝わっていくものなんだ

 
 だからそう
 君の人間味溢れる愛がサランが言葉が
 意味不明だからもうホントに意味不明だから
 これは単純 論旨明快
 そもそも証明しようとするのが間違いなんだ
 つまりだから僕が言いたいのは
 僕がどうにかして説明したかったのは
 これだけなんだ
 君が好き

------------------------- 第191部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
kioku

【本文】

 あのサイトのことは 10月くらいに知った
 どうもNコードというものや
 予約投稿というものがあって
 僕は最近 12月
 今まで書いてきた詩を
 そのサイトに載せてみたんだ

 こうやって詩を纏めるのは
 思ったよりも面白くて
 もしかしたらこの|ここ《ノート》も
 いつしか投稿するかもね
 ……まあ ないとは思うけど

 別に雪は降っていなくて
 なんというか
 もうすぐ正月だなーとも思わない
 ただの一日

 このサイトは 結構いいところ
 Nコードは 作品を探すのにあまりアテにならないようだけど
 会員登録してみて ホントに良かったって思ってる
 
 閑話休題
 

------------------------- 第192部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
2

【本文】

 君に会うのは 来年の1月3日
 計画もしっかり決まって
 ずっと待ち焦がれていた
 君との再会劇
 そして ずっと練習してきた
 君への告白劇

 どんな答えが返ってきても
 僕はきっと
 言えたってこと 
 伝えられたんだってこと
 喜ぶと思う
 泣いて泣いて
 乾いてしまった頬を
 濡らしてくれるんだと思う

 きっときっと僕は
 君の手をとって
 遠く離れたその地の観光を
 君と ふたりで

 冬はもっと寒くなって
 冬の花は
 もっと綺麗になるんだろう

 あと2日で来年
 僕と君 1+1で
 
 冬に咲く花は
 雪だるまになって笑いかけてくれる
 久々に会って もしかしたらちぐはぐ
 冬の花が
 月よりも遠く
 繋がってくれるから

 綺麗に降り積もる花を

------------------------- 第193部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
gratitude

【前書き】
 今日は1月7日
 せっかくの毎日の唄も 最後に書けなくて
 やっぱ僕ってこういうヤツなんだよ
 でもずる賢く 
 |ここ《ノート》には12月31日ってことにしちゃおうっと
 以上、前書き!

【本文】

 君はきっと笑ってくれたね
 今までの練習は ホントに無駄だった
 一発本番 練習とは訳が違う
 でも君は きっと笑ってくれたね
 だから言ったよ

 空の月を
 どうにかして届かない場所へ送るために
 神様はきっと恋をしたんだと思う
 月を触っちゃいけないんだってこと
 そうでもしないと 気付けないだろうから

 ねえ ありがとう
 僕の口から 感謝を伝えることはできなかったけど
 ねえ ありがとう
 僕の申し出を 断ってくれたこと
 困ったような顔をして でも笑ってくれて
 
 きっと忘れたりはしないよ
 だけどもきっぱり諦めるよ
 ねえ ありがとう
 感謝を唄おう  
 これがきっと 最後の唄
 ありきたりな唄だけど 
 僕は気付いたよ 
 ありきたりでも それは僕だけの人生
 君だけの人生に 僕がいられて嬉しいよ
 
 ねえ神様 ありがとう
 生まれる前から決まっていたのか
 生まれた後になって決まったのか
 そんなことは知らないけど
 この“僕”をくれて
 本当にありがとう

 ねえサタン ありがとう
 それが堕落の象徴でも
 僕にはそんなこと分からないから
 それよりもまず
 堕落も“僕”のうちだから
 本当にありがとう

 ねえお月様 ありがとう
 僕と君を繋げてくれて
 空でいつも輝いていて
 ずっと見守ってくれて
 それを“僕”はいらないとか言って
 本当にありがとう

 ねえ漆黒と純白 ありがとう
 もういないけど
 もうずっといないけど
 それでも僕だけの人生に
 “僕”に取り込まれてくれて
 本当にありがとう

 ねえ“僕” ありがとう
 そして これからもよろしく
 
 ねえ ありがとう
 ねえ ありがとう
 
 

【後書き】
“LYCtP.S±g” in 僕 is end.
But 僕 is not end. Like month.
Because of...
                   【第2編・わ】

------------------------- 第194部分開始 -------------------------
【第3章】
第3編 わたしが書き続けるのは

【サブタイトル】
プリクラ

【本文】
 この前撮ったプリクラは
 ティッシュに丸めてポイしたよ
 わたしの顔が醜すぎて
 わたしの顔が気持ち悪すぎて
 一瞬でも写りがいいと思ってしまったわたしが
 捨ててやりたいくらい馬鹿らしくて

 友達がどれだけ可愛くラクガキしても
 ティッシュに描く絵は破けやすいから 壊れやすいから
 気持ち悪くて ポイしたよ

 ごめんごめんね 200円
 二回撮ったから 400円
 サイアクのわたし 意味もなく捨てられた400円
 全部わたしが悪いんだ
 全部わたしのせいなんだ

 この前撮ったプリクラは
 ティッシュに丸めてポイしたよ
 きっと今頃燃えるゴミ
 それにわたしはゴミの元
 
 そんなわたしが書く訳を
 誰でもいいから聞いて欲しくて
 だからどうか
 お付き合いください
 

 

------------------------- 第195部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
文字

【本文】

 わたしは文字を書いている
 それは小説なのかもしれないし
 それは詩なのかもしれない
 だけどわたしにとって
 それらはあまりに気持ち悪くて
 小説と呼ぶにも詩と呼ぶにも
 億劫で 気違いで
 ただの文字の集まりだ
 そう抑えている

 サイアクの文章
 サイアクの物語
 サイアクの情景

 いつまでたっても わたしの文字は
 気持ち悪くて 気持ち悪くて 気持ち悪くて 気持ち悪くて 気持ち悪い
 それでもわたしは書き続ける
 それが何故か
 
 なんとなくではあるけど
 答えはもうとっくに
 潰れたまま残っている

------------------------- 第196部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
駄作

【本文】

 わたしが書けるのは
 文字を組み合わせてどうにか書けるのは
 いくら頑張っても 駄作まで
 
 それでも 優しい誰かは
 それを褒めてくれる
 その愛情が首を絞める
 誰かにとっては愛情でもなんでもなくて
 ただの意見なのは分かってるのに
 
 駄作を書いて駄作を書いて駄作を書いて駄作を書いて
 誰かが読んで誰かが読んで誰かが読んで誰かが読んで

 作者がいたら読者がいるっていうけど
 その誰かっていうのが
 実は作者と同一人物であったりするのだから

 だから
 だから
 だから……

------------------------- 第197部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
読者

【本文】

 わたしは読者を意識せずに
 駄作駄作と言い連ねて
 気持ち悪い文字を書いている
 
 自分の殻に篭っているのか
 自分が|空《から》になっているのか
 どうせわたしは気持ち悪い

 気持ち悪いものを撒き散らすと
 案外みんなは知らんフリ
 迷惑そうな顔もせずに
 ただ通り過ぎていく
 それが面白くて
 
 今頃燃え尽きたプリクラは
 その辺の海でも埋めているんだろう
 それがつまらなくて

 わたしは読者を意識せずに
 空っぽになった殻を閉じながら
 気持ち悪い文字を撒き散らす
 気持ち悪いわたしを曝け出す
 
 読者がいたならきっと
 とても迷惑そうに毒づきながら
 それでも平然とした顔で
 わたしを騙してくれるんだ
 それが面白くて

------------------------- 第198部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
わたしが書き続けるのは

【本文】

 結局はただの依存症
 自分のことがキライ 大嫌い 気持ち悪い
 だけど
 面白いことを見つけた
 文字を組み合わせるだけで
 気持ち悪い文字で
 狂気に満ちた楽しさを見つけられた
 たぶんそれが嬉しくて
 結局はただの依存症

 気持ち悪いわたし
 わたしはわたし
 わたしは気持ち悪い

 だからわたしは書いている
 わたしはわたしが大嫌い
 だからわたしは書いている

 結局はただの依存症
 ずっとわたしを嫌ってたいだけ
 本当はどうせ 慰めて欲しいだけなんでしょって
 そうやってわたしを虐めていたいだけ
 
 わたしが書き続けるのは
 ただ やめられなくなったから
 結局はただの依存症
 結局はただの依存症

 もう永遠に戻れない
 わたしはわたしが大嫌い
 醜いわたしが大嫌い
 だから書く
 小説らしきもの
 詩のようなもの
 空っぽの殻を開け放っても
 
 わたしが書き続けるのは
 ただ やめられなくなったから
 結局はただの依存症
 気持ち悪いただの依存症

------------------------- 第199部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
つづく!

【本文】

 終わらない話はキライじゃないけど
 わたしはそういうの 書きたくない
 そういうと我儘になってしまうけど
 終わりがあるから続くことができて
 プリクラが捨てられてしまったのは
 どうせ全ての物体は尽きていくから
 
 終わらない話を終わらせるには
 作者を殺しても不可能で
 わたしには思いもよらない方法でないと
 どうしても終わらない

 だけどわたしは書き続けるのだから
 きっとわたしには終わりがあって
 わたしが嫌いなわたしにとって
 わたしの終わりは待ち遠しい
 そんな夢や希望なんだから
 気持ち悪い文字をとって
 小説なのか詩なのかは
 ずっと言えないまま
 きっと創作してる
 胸を張って言う
 そんな瞬間が
 またいつか
 来るから
 きっと
 うん
 ね

 だからそれまで
 わたしはつづく!
  

【後書き】
【第3編・る】

------------------------- 第200部分開始 -------------------------
【第4章】
第4編 くずかご

【サブタイトル】
宣言歌

【本文】
 まえとうしろ 右左 上と下 東西南北
 君はどこへ向かってるのかな
 君は私へ向かってるのかな
 君と一緒にいてたいな

 私は
   君は
     私は君は
 ひとりじゃないから ふたりじゃないから
 いつもっていつもっていつまってもっても
 はたらいて 
     といて
       たいて
         かいて 
           はいて
             ふいて「ハァー」

 ゲスト○○ 司会××
 ああああああ アが6つ? ラララ
 まえにうしろにアップテンポでダキマクラして昇って降りでではてでで
 たたかえひとりで うたえよみんなで おどれよ私と 探せよ指輪を

 うしろとまえ 左右 下と上 北南西東
 君はどこへ行くのさ
 置いていくな 私も行く
 君について行く
 そのために 唄ってるんだから


【後書き】
 はい始まりました、第4編「くずかご」です。
 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、第1編「u17's poems」と第2編「LYCtP.S±g」は、僕の過去作(今となっては全て過去作ですが、当時にとっての、という意味で)が大半を占めています。
 第4編は、その余り――要するに、まだこの詩集に出ていない過去作――のくずかごなのです。
 もういっそのこと僕が書いた詩という詩は全て、この詩集におさめてしまおうと思った結果です。

 なお、「宣言歌」はu17's名義で『テンミリオン』に投稿したものです。向こうのを削除していない(というか今はID紛失によりもうできない)ので、重複投稿ということになります。

------------------------- 第201部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
Don't worry.There's an ever lasting story.Shall we kill it?

【本文】
 There aren't any loves in my heart,are there?

 You have a heart having loves.

 But,why?

 I'm saving your loves now.

 But your loves are disappearing now.

 So,I'll die soon.

 I'll kill me.

 Sorry,sorry.

 I won't have to appear your world.

 I'll kill me.I'll kill me...

 I must kill me.

 So,so don't be kind to me,OK? OK?

 I am OK,amn't I?


【後書き】
 u17's名義で『テンミリオン』に投稿したものです。

------------------------- 第202部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
んもうだめ変換

【本文】

 もうダメだ
 もう――ダメだ

「誰か……助けて」

 きっと世界は広いって
 きっと未来へ続くって 
 そう信じて 声を振り絞ったんだ
 でも 誰も来てはくれない
 私の声は 薄くて弱くて――響かないんだ 

“笑うっていいことだよね”
 そう唄った キミさえ来ない
 いつかキミがくれた 魔法のスイッチ
“これはね、君の言葉を届ける、魔法のスイッチ”
 『んもうだめ変換』って変な名前

 それを押せば――

 スイッチひとつで 核発射
 世界に一触 未来が即発
 そんな不安な世の中で
 スイッチひとつで 大爆笑
 これこそが 『んもうだめ変換』

 きっとココロが輝き
 きっとココロが笑い
 きっとココロが幸せ
 そんな――魔法のスイッチ

 ずっと世界は続くって
 きっと未来は広いって
 核には罪は ないんです
 スイッチ押すのは 私の仕事 

 まだ生きたいの
 キミに「好き」って言えるまで

「誰…かぁ…助…けぇええてえぇっ!!」

 厚くて強い 魔法の言葉
 世界は順風 未来は満帆
 ざわめく人々 私は助かる
 みんなとココロを 楽しく換えよう

 もう大丈夫
 きっと――幸せ 



【後書き】
 この作品は、Dream★Neonさん[なろうID:107150]との共作です。訳あって今は削除してあり、Dream★Neonさんの個人サイトにて公開されています。
 ちなみに、「んもうだめ変換」とは、かにチャット様のチャットにあった機能のことです。なにか言葉を打つと、それが作中の鉤括弧内のようになります。最近のスキンでは見かけませんが。
 この場を借りて感謝を。

------------------------- 第203部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
んもうだめ変換(u17下書き)

【本文】
 きっと世界は広いって
 ずっと未来に続くって
 そう思って 手を伸ばしたんだ
 僕の言葉を 楽しく換えよう

 “笑うっていいことだよね”
 そう言って キミは笑ったね
 うん とてもいいことだよ
 心から そう笑えたんだ

 スイッチひとつで 核発射
 世界に一触 未来が即発
 でも それをいうなら
 スイッチひとつで 大爆笑

 ずっと世界は続くって
 きっと未来は広いって
 知らない唄も 昔も闇も
 傷ついても 楽しく換えよう

 “好きだよ”って笑うんだ
 キミと僕と スイッチひとつで
 うん とてもいいことだね
 心の奥から 笑えるんだ

 ん……んっもおうう…ぅぅだあぁぁ…め…え…ええ!
 世界は順風 未来は満帆
 涙が出るよ 笑いすぎたな
 みんなの心を 楽しく換えよう


【後書き】
 下書きのほうです。僕の下書きとDream★Neonさんの下書きを組み合わせて完成、という流れでした。

------------------------- 第204部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
約束(男視点)

【本文】

 山の石を川が海へ運ぶ
 つまり 山は海へ向かうんだ
 でも 離れていることに違いはない

 海の雲を風が山へ運ぶ
 つまり 海は山へ向かうんだ
 でも 平らな場所にだって雨は降る

 転がって削れてちいさな石になっても
 風に振り回され触れない雲になっても

 山と海はしてはいない
 会いに向かうための 約束を
 でも いつか会えるよう約束をした

 山と海は約束をしない
 しなくても 会えているから
 でも 人は山でも海でもないのだと

 人が人でいるためにふたり約束をした
 絶対に会えるように強く約束を結んだ

 山の石が海を埋め隠す
 つまり 石は山ではないんだ
 だから 山は海へ向かえてはいない
 
 海の雲が山を覆い隠す
 つまり 雲は海ではないんだ
 だから 海は山に出会えてはいない

 約束をしなかった山と海はもう永遠に
 それは命尽きても消えない悲しみだと

 約束を破るために僕は
 今日も 川に沿って歩くんだ
 どうせ 君には会えないだろうけど

 僕は僕のままで動ける
 山でも海でもない この僕は
 君にはもう会わない そう約束描く

 君が言った通り僕が成功したとしても
 君にはもう一生会うことはないだろう

【後書き】
 Dream★Neonさんとの共作、2作目です。2作目では、僕が男視点の詩、Dream★Neonさんが女視点の詩を書いて詩集の形にしました。これはその男視点のものです。
 僕の筆が入っていないので、女視点のほうはここには投稿できませんが、この「約束」もDream★Neonさんの個人サイト(Dream★Neonさんのマイページにリンクが貼ってあります)から読むことができます。
 僕はまあこんな感じでだらだらと詩を書いていますが(その筋の人にとっては、僕の詩はもはや詩として認められないぐらい)、Dream★Neonさんはしっかり詩と向き合っている方なので、読んで損はないはずです。

------------------------- 第205部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
魔法使いとツンデレ

【本文】
 魔法の呪文を唱えても、
 出るのは溜息そればかり。
 呆れた顔のあの人は、
 今日も手本を見せるのです。

「A prim and dally girl whom you are,we call her‘world’,will be stolen a heart.」

 嬉しかったり悲しかったり、
 楽しかったりつまんなかったり、
 甘かったり苦しかったり、
 そんな――ツンデレな世の中だけど。

 右を向いても左を見ても、
 前を見据えても振り返っても、
 どこへ行っても世界があって。

 ああ、どんな呪文を唱えたら、
 逡巡を脱いでしまえるのだろう。
 ああ、どんな呪文を唱えたら、
 暗澹さえも受け入れてあげられるのだろう。

 あの人はきっと知っている。
 前でも後ろでも右でも左でも、
 上でも下でも斜めでもない、
 そんな――溜息の逃げ道を。

 華やいでたりみすぼらしかったり、
 簡単だったり難解だったり、
 甘かったり幸かったり、
 そんな――ツンデレな世の中だけど。

 魔法の呪文を唱えよう。
 何があってもどこを向いても、
 ここがツンデレだってことに、
 私たちが魔法使いだってことに、
 嘘も真実もないのだから。

 あの人のお手本。
 溜息たくさんで、ああ、とっても素晴らしい。
 だって、世の中も世の外も、
 「世」そのものではないのだから。
 「溜息」そのものではないのだから。


【後書き】
 これはDream★Neonさんとの共作3作目、の僕が書いたほうの下書きです。3作目は結局、1作目2作目の削除云々で中止になったんですけどね。


------------------------- 第206部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
冠等代臣祭

【本文】


 死婦負壱千試合江認。
 割方沙流寛地柄当来。
 袋打地這苦染無僕羅。
 牛核都区芯葉空代善。
 髪神加味紙噛咬金塔。
 同胴廻廼後荷何蛾亜。
 杜派之会万念而弟也。
 再見謝感罪堕降時世。
 撲孤独機鵜飲実耶肺。
 湃矍南男爺柄裡離鑠。
 買回甲斐解解快櫂恢。
 弐人会界中唯三策氏。
 文碑苦秦層怪漢経椰。
 古来伝統間意自咲卯。
 盛性相悦詩唄奇器入。
 逗遑聾啞璃凜雨好昧。
 安威画乃脊化亥出琶。
 蒙紗伍畏震維尾慧銘。
 前歩氣道将則壊潰也。
 無牟武務霧鵡涙梳君。
 我...... 

【後書き】
 はい意味わかんないよ!
 u17's名義で『テンミリオン』に投稿してあったものに、ちょっとだけ修正を加えました。

------------------------- 第207部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
トライアングル

【本文】
―――――――――――――――――――


  もしもはぐれたら ちゃんと探してよ
  でないとたぶん  会えなくなるから
  ほら見つけたら 抱きしめて
  そう願ったんだよ?

  あの瞬く星に 夜空を彩る瞬く星に
  夏の大三角 冬の大三角
  こんな静寂の世界の中
  私は君をみつけたよ

  秋の大三角 春の大三角
  三角系 三角形 
  ほら 君の隣には私がいる
  そんな綺麗事

  ねえ 君の秘密を教えてごらん
  でないと 私は消えちゃうよ?
  ほら そんなときはちゃんと探してよ
  すぐそこにいるからさ
 

―――――――――――――――――――

【後書き】
 u17's名義で『テンミリオン』に投稿してあったものです。上下のダッシュ(―)群は、200字以上にするために加筆したものです。

------------------------- 第208部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
꽃다발(花束)

【本文】


         인생의 졸업식이 이렇게 빨리 왔으니
         극채색 꽃다발을 너에게는 주지 않는다.
         대신에 예쁜 꽃들은 묘지에서 시든다고.

     
     〈和訳〉人生の卒業式がこんなにも早く来てしまったから
         極彩色の花束は、お前には渡さない。
         代わりに、美しい花たちが墓地で枯れるのだと。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・(これは)・・・・・・・・・・・
・・・・・(200字以上にするための)・・・・・・
・・・・・・・(文字数稼ぎです)・・・・・・・・・

【後書き】
 ある公募に出して、落選したものです。韓国の、시조(シジョ)という定型にしてあります。

------------------------- 第209部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
I love ‘ありがとう’.

【本文】

 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 私の君の
 こんな想いだって
 ありがとう
 ありがとう
 ありがとう
 そうさ
 君と私は
 ありがとう
 ありがとう
 そんな文字たち
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 あり…
 
 そんないらない
 いるような言葉も
 私が君に
 言わなきゃ
 意味がないの

 明日は晴れです
 ありがとう!
 晴れのち雨です
 ありがとう!
 友達になろう
 ありがとう!
 付き合ってくれよ
 ごめんなさい

 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがと
 ありがとう

 ありがとう。

 ただ
 君と私がそこにいたら
 それしか私は言えないの
 でも
 大好き!
「ありがとう」
 

【後書き】
 これ、どこかに投稿したような気がするのですが、探してもどうも見つかりません。デジャブかもしれません。
 
------------------------- 第210部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
英語革命時個人的主語論A

【本文】

 "I love you"と"I like you very much"
 どうも品が違うなぁ

 でもどうせベリーマッチなんてラヴが恥ずかしくて言えないっていう
 アホな馬鹿の半ツンデレ男女が創った言葉なんでしょ

 だったら"I love you very much"なんてどうかな
 言ってみなよ……うふふ 結局言えたじゃん「アイラヴユー」

 知ってる? "love" の上には"crazy"がいたりするんだよ
 愛を狂いに変えてるの
 まあ アホな馬鹿の半ツンデレ男女の近代っ子だからね


 "Don't cry"だってさ
 なんで命令文には主語がないのかな

 まあだからといってどうということはないけど

 AとかBとかたくさんあるらしいけど
 それを主語としたらいいんだよ

 "A Don't cry" ドントのDは大文字で

 どう? 文学歴史上最中の発見だよ
 まあ そういうことだから…/…
 別れよう。


【後書き】
『テンミリオン』にu17's名義で投稿したものです。

------------------------- 第211部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
NOTEBOOK

【本文】
――――――――――――――――――――

  閉じられる 綴じらるるとき
  私の手
  
  五本の指と その爪と
  どこが私で どれが私か

  切られた爪は 私と呼ぶのか
  私の傍のその爪は はたして私と呼べるのか

  閉じられる 綴じらるるとき
  私の手

  私のものは 私と呼ぶのか
  私のものは はたしてどこに

  私の手
  私の手とは どこにあるのか
  私の手とは 私と呼ぶのか
        私は呼ぶのか

  閉じられる 綴じらるるとき
  綴じている 閉じているとき
  私は手
 
 
――――――――――――――――――――

【後書き】
 u17's名義で『テンミリオン』に投稿したのもです。

------------------------- 第212部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
a fighting boy

【本文】

 Can I ask you my name?
 Sure. You're you.
 What?
 Sorry. I don't know what your name is.
 Why? Are you my friend?
 Yes,I am. But I don't know.
 I'll be a doctor.
 No. I won't be sick. So I won't go to the hospital.
 But,but,but,but!!
 I'm not you.
 Of course. I'm not you too.
 It's too difficult to understand.
 Oh,no. What's my name?
 Where are your father and mother?
 I don't...
 Who?
 5W1H+2W
 Pull!
 OK.

【後書き】
 あーまたデジャブ。昔書いたものです。

------------------------- 第213部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
証明丈談6と6

【本文】

 1足す1足す1足す3は
 3足す3と
 何ら変わらない?
 ダーリン教えて
 ここの問題を
 証明してよ
 Let's give me to answer question.
 It's all right.

 1足す1足す1足す3は
 3足す3と
 何ら変わらない?
 ダーリンダーリン教えて
 ここの問題を
 証明してよ
 Let's give me to answer question.
 It's all right.

 1足す1足す1足す3は
 3足す3と
 何ら変わらない?
 ダーリンダーリンダーリン教えて
 ここの問題を
 証明してよ
 Let's give me to answer question.
 It's all right.

 ああダーリンが6人いても
 誰も分かってくれない
 1足す2足す3だって
 ダーリン6人と同じです

------------------------- 第214部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
タほゐブァゴー

【本文】

 Take - take You! KiRLokirokilolo! DA・LA・!・秋っす。
 ほなはなひらふら。クレヨンとボールペン。、、夏と秋の間っす。
 1、2、3・4・5、6・7、8、9=夏っした。
 ブンブンブンブンンブブンブァーンなす春こ。
 アァー、アァー、アァー。冬。
 五季の日本!ポパポポン!
 ――近未来っした。 








・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【後書き】
 下の「・」の集団はもともとはなかったものです。字数のため加えました。

------------------------- 第215部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
あした

【本文】
―――――――――――――――――――――

 ゆらりゆらり あしたは消える
 それは 神様の 家

 ゆらりゆらり 今日が続く
 それは 私と 君の

 ふわりふわり あした積もる
 それは 不思議 あまりに

 るるる ららら 歌は続く
 いつも いつまでも 今日

 あしたを照らす そして消える
 これも 君の さえずり

 いつも消える 常に消える
 それを 時と 呼ぶんだ

 手をつないで あしたを待って
 君は 笑う 今日だけ

 ゆらりゆらり あした消える
 それは 君の お願い

 ゆらり るるる ふわり ららら
 君と ずっと さかさま

――――――――――――――――――――― 

【後書き】
 第1編「u17's poems」の81作目「アチサ」の原文です。

------------------------- 第216部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
水の中の空

【本文】
―――――――――――――――――――――――



 水の中 白い雲
 ふたつ浮かび
 ひとつは消えた


 そのぶん 白い雲
 一回りは
 大きくなった


 まだ届いていない
 あの雲にも
 その白さにも


 時は過ぎて なお
 憂い空は
 吸いこまれていく


 水の中 その|内《なか》に
 青い空 白い雲
 私は見てる


 水の中 白い雲
 ひとつ浮かび
 ふたつに割れた


 藍い流れに逆らう白い雲
 どこへ向かっているのか
 追いかけてゆきたい


 水の中 白い雲
 ふたつ浮かび
 ひとつに|合《な》った 



―――――――――――――――――――――――

【後書き】
 あるコンクールに投稿しようと書いたものです。ある好きな楽曲と似ていたため、応募に出す気になれず出しませんでしたが。

------------------------- 第217部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
NEET

【本文】
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――



 明日のために今日があるんなら
 明後日のために明日があるんなら
 明日のない僕にとって
 今日ってなんなんだろうね

 明日が見当たらないから
 だったら別に欲しくはないやって
 僕はNEETになった



―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――

------------------------- 第218部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
友人紹介歌

【本文】
――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――

 私は思う、不思議な人だと
 何に対しても努力家で
 何に対しても興味を抱き
 何に対しても否定しない
 苦手を苦手で終わらせず
 得意を得意で止まらせず
 栗の木になる毬のように
 頭の中にある信念を守る
 頭の中にある自分を守る
 将来に実る中身を
 毬とそっくりな頭の彼は
 木から落ちても守り続ける
 踏まれたとしても守り続ける
 毬が割れても守り続ける
 中身が芽吹く、その日まで

――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――

------------------------- 第219部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
雲泥

【本文】
―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――

 雲泥の差ってのを教えたげるよ
 雲泥の差ってのを教えたげる
 雲泥の差ってのを教えたげ
 雲泥の差ってのを教えた
 雲泥の差ってのを教え
 雲泥の差ってのを教
 雲泥の差ってのを
 雲泥の差っての
 雲泥の差って
 雲泥の差っ
 雲泥の差
 雲泥の
 雲泥
 雲
  泥
   の
    差
     っ
      て
       の
        を
         教
          え
           た
            げ
             る
              よ

 雲泥ってのは、泥みてぇに汚ぇ雲のこと――

―――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――

【後書き】
 第1編「u17's poems」に載せようと思っていたものです。

------------------------- 第220部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
駈乃が関野琴深へ向けたラブレター

【本文】

 春が来て 夏も過ぎたら 秋が来て 
 冬を越したら 春が来て 桜舞散り 
 夏が来て すいかはまずい 飽きすぎて 
 焼き芋は美味い 冬は来て 連日無休のバーゲンセール 

 時は過ぎ 君と出会えた その翌の朝
 十日と経った 十日の日
 十字架にしか見えない 十 の日は
 ただ 君のそばにいたい

 就職が決まった そのことを
 紙に記して 伝えらむ
 ほら 春は来る
 新しい春が
 
 春が来て 夏も過ぎたら 秋が来て
 冬を越したら 春が来て 桜舞い散り
 夏が来て すいかはまずい 飽きすぎて
 焼き芋は美味い 冬は来て 連日無休のバーゲンセール

 桜が散っても 君への想いは散ることはなく
 秋が過ぎても 君に飽きすぎることはなく
 すいかがまずくとも 君とは関係ない
 それを紙に記して 伝えらむ

 ほら また春が来る

【後書き】
 u17's名義で『テンミリオン』に投稿したものです。少し修正を加えています。

------------------------- 第221部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
花畑

【本文】

 僕は迷った、サランの山で
 そこは花が一面に広がり
 一輪一輪、違う色だった
 どれかは僕を迎え入れ どれかは僕をつっぱねる
 でも どの花も咲ってはいたんだ

 花は育った、サランの山で
 いくつかは華やいで いくつかは萎れていくだろう
 どの花も動くことができなくて
 動ける僕をうらやんでいた
 でも どの花も咲ってはいたんだ 

 彼らは旅立つ、サランの山から
 名前もつけられていない新しい花たち
 名前はこれからつけられる
「生まれてくれてありがとう」
 そう 誰かが口ずさむよう





                  

【後書き】
※|咲《わら》う…中国では、「笑う」という意味で「咲」が使われていたことから
※サラン…사랑(愛)、사람(人)


------------------------- 第222部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ジルバの5年間

【本文】
 人はいさ心も言わず故郷は。
  ただ産休に人ぞ佇む。
   蚕糸の御家御前に栄縷縷河氏罵。
    単価の空に曾良の歌声。
     引退の海人ぞ飲み込む。
      敵の敵視の溺愛を。
       爺の怠け人ぞ知るなり。
        止めを刺せよと明日言わん。
         昨日は昨日の風が吹く。
          仲間に仲間の域を刳る。
           終わりは終わり。
            始まりもいずれは終わる。
             詩ね士ね死ねと。
              そう。
               君は言う。
              其れで終われば一件落着。
             おお我が愛しき。
            ありがたふ。
           そうただ私は言いたい。
          猫の仔は猫ではあるが。
         犬でも人でも親とも違う。
        ただ其れだけの琴。
       打ち間違えにも意味がある。
      書き間違えにも意味がある。
     平和な世界危険な世界でも世界。
    何が言いたい分からない。
   私にも解らない。
  煙の声で私が謳う。
 君の愛しき私は割らす。
ただ君が好きだ。 

【後書き】
 u17's名義で『テンミリオン』に投稿したものです。

------------------------- 第223部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ミドリ

【本文】
 太陽は昇らないよ 西側からは
 あたいのボケにさ 真面目な話
 んなことトーゼン あたりまえ
 戦仲間よ道しるべ 太陽を潰す

 あたいはわらうさ たからかに
 ありがとうってば そーですか
 聖人廃人みんな人 戦方角西東
 西も東もどこも敵 どこも仲間

 あたいが守ってら ここはOK
 さっさと向かいな ボスはそこ
 緑髪をゴムで結え 戦うきっと
 きっと仲間が西東 太陽を守る

 命で賄え東西南北 方角捨てる
 あたいが笑ってら 太陽みたい
 緑色の太陽だって きっといる
 だったらそれって あたい太陽

 ラジカルに行こう 絶対グッド
 未来も昔も今以外 今を生きる
 それだけなんだぜ 今を生きる
 今を生きようって 笑って太陽

 笑えよ明るく輝け 光の軍だろ
 あたいの仲間だよ 絶対守ろう
 絶対に笑ってやる 明るく輝け
 西から昇ったるよ あたい太陽

【後書き】
 『テンミリオン』で開催された『詩大会』一次大会にu17名義で出した作品です。

------------------------- 第224部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
盲目の少年

【本文】
 理由は分かっているのに
 でもそれを説明することはできなくて
 そんな曖昧な空間の中 
 僕は見えない涙を流す

 なんで頬を伝ってくれないの
 なんで零れ落ちてくれないの
 まるで僕は 盲目の少年
 涙も流せず悲しむか

 理由はとても明白なのに
 気持ちの整理がつかなくて
 物凄く悲しい世界に溺れたまま
 それでも涙が流れない

 なんで瞳は乾いているの
 なんで潤ってくれないの
 まるで僕は 何も見えない少年
 涙も流せず悲しむか

 ああもう理由なんて分かりきっているのに
 どうしても言葉では表せなくて
 そんな真っ白い暗闇に
 見えない涙が一粒落ちる

 なんで涙は見えないの
 なんで僕は流せないの
 まるで僕は 感情の死んだ少年
 涙も流せず “    ”を悲しむ
 

【後書き】
 第1編「u17's poems」に載せようと思って、ある事情で断念したものです。

------------------------- 第225部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
リンリンろっく

【本文】

 案山子なのかしら キミ木偶の坊
 稲がどうやら囃し立ててる 
 キミ木偶の坊 悔しくないの?
 
 チャンネル廻して
 あら 地震速報
 ピピピッ あの人の歌と重なる

 突然に始まった 歌の邪魔
 口ずさむ 恋の歌
 ノイズが入る キミ木偶の坊

 忙しい? 今何時?
 蒼い宝石が欲しいの
 うん 砂さらさ

 初めて書いたリリック 
 意味わかんないって返された
 リリカルにはなれないの?

 続く記憶 俤は切り刻むもの
 あの人の歌 地震と重なる
 ノイズが入る リンリンろっく

 ああ Love song 
 わたしと リンリンろっく
 ノイズが入る? それも歌

 うむむ キミ木偶の坊
 リリック意味不はキミのせい
 リンリンろっく 俤は楽しむもの

 見ちゃったんだな キミ木偶の坊
 あの人の歌 とっても綺麗
 ああ Love song 

 速報届け キミ木偶の坊
 邪魔は邪魔でも邪魔じゃない!
 ああ Love song

 たったひとつあればそれでいいの
 リア充Come on! リンリンろっく
 キミ木偶の坊 もう放さないから

 Here だからキミ木偶の坊
 地震速報 震える心
 想いよ届け リンリンろっく

------------------------- 第226部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
グラグら~めん

【本文】

 ふうふう 屋台で塩ラーメン
 仕事場帰りの道中で
 広がる香 囃しの音色
 ふうふう 屋台で美味ラーメン

 Hey おじょうさん
 食ってかねえか
 屋台のおじさん
 これナンパ?

 “何をしている?”
 言われた 誰かに
 やさしい御飯
 ふふふと笑う 誰かが笑う

 誰かが呆れる 溜息の音
 ウォークマン ボリューム上げて
 流れてくるのは 綺麗なLove song
 私のアシスタント 役に立ってる?

 ふうふう 屋台で塩ラーメン
 ナンパするほど 仲がいい
 スープと麺が
 頭の中 誰かをかき消して

 Love song それとLove song
 あの娘 それしか歌わない
 これってきっとそういうこと?
 ロックにバラード でも全てLove song

 Let's go to! でも
 “好きなことしてる”
 これが答え ただそれだけ
 あの娘のアシスト 曲創り

 ごちそうさま
 あ 葱が一切れ
 残さず食べる ぐらぐら
 グラグラ?

 転地動転 GÅ 
 途切れるLove song
 倒れる屋台 砕ける地面
 これが――地震? 

------------------------- 第227部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


            花を見るたびに私は思う
            ビンにおさめられるのを
            息苦しくは思わないのか
            飾られて晒されることに
            疲れを感じはしないのか

            文句をひとつも言わずに
            ただ私たちをはげます花
            我慢強く笑顔を絶やさず
            ただ咲き誇り生き抜く花
            花を見るたびに私は思う


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

------------------------- 第228部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
桜の杯

【本文】
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――




 ああ 桜がこうして舞っているのは
 あなたがそこにいるから

 ああ こうして桜の杯は
 わたしたちへ栄光の祝福を

 ああ こうして桜の唄が
 わたしたちを精励の渦へ



――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――
――――――――――――――――――


------------------------- 第229部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
クロウによる妖精の考察

【本文】
 妖精だって生き物だ
 だからといって それが自由の証にはなれない
 だって――妖精は森に住んでいるから
 人のように街を灯していないから

 人は肉を食う 人は菜を食う
 妖精は子を喰う 人の迷子を
 妖精だって生き物だ
 つまり――妖精は人ではない

 人ではないのに
 なぜ  言葉を使う
 なぜ  笑い合う
 なぜ  仲間になっている?

 人に仕える 犬のようなものだと
 最初はそう思っていた
 でも 人と喧嘩をして 人と許し合って
 まるで妖精は人のように……

 俺は思う
 何を企んでいるのかと
 何を望んでいるのかと
 妖精は一生 人にはなれないのに
 
 俺は考える
 犬は人を信じ 人は犬を守る
 だから これはそういう話なのか
 でも 妖精は森を灯し始めた


【後書き】
『テンミリオン』で開催された『詩大会』の二次大会にu17名義で出した作品です。4月くらいだったかな。この作品で「2位・3位候補賞」というよく分からないものをいただきました。

 さて、これにて第4編「くずかご」は終わりです。
 まだ、僕の記憶から消え去っていたり、記憶にはあるけど記録が全く残っていなかったり、著作権が僕から移っていったりした過去作はあるのですが。
 まあそんなもの、どうやって投稿するんだよって話ですよね。
 

 一応の形として、僕の過去作はこれで出し切りました。
 これから投稿していく詩は、全てが全て「現在作」で。
 まあ何自己満足してるんだよって話ですが、撲にとっての詩っていうのは、昔っからそういうもんですからね。真面目に詩と向き合っている人に怒られちゃうのも当然です。
 それでもこれは詩集なんだと、僕は皆無の力を振り絞って主張します。言うなればライトノベルならぬ、ライトポエム。こんな比喩言ったらまた、今度はそっち側の人から怒られちゃいますけどね。これからも自由にやっていくつもりなのであしからず。その筋の人はお気を悪くする前にバック推奨。あ、言うまでもなくもう全員バックしてるか。

【第4編・林】

------------------------- 第230部分開始 -------------------------
【第5章】
第5編 中間地点

【サブタイトル】
T

【前書き】
 第5編「中間地点」は、携帯での閲覧はお控えください。おそらく大変なことになります。なお、PCでも、縦書きPDFでの閲覧はお控えください。さらにお手数ですが、文字の大きさは「小」に設定してくださると助かります(画面の右上にある「大」「中」「小」のうちの「小」を押すだけです!)。
 OSとかブラウザとかによっては崩れてるかもです。そういうの詳しくないんでごめんなさい。すいません。

【本文】
胸いっぱいにずっと深くきっと深く心の底から信じてみようよまるであなたの涙はあまい
運命に味はないから舌をいくらのばしてみても何も変わることも代われる者もいないから
ずっと                                  きっと
まるで                                  きっと
うんと                                  そうだ
胸に広がるこの野原みたいなオモイを     きっとずっとずっときっと信じてみよう
トラストミーハウツゥービーソーリー     とらすとみーどうやって謝るのか楽しみ
ノットフレイバー運命に味はないから     いつまでも下を向いても無駄なのですよ
どんなに遠くにいても見える気持ちは     双眼鏡を使うと逆に近すぎて見えないし
そういえば自分のオモイとかはですね     野原の向こうの蟻よりも見にくいんです
運命に味はないけど舌にはあるかもと     でも人の舌って美味しそうじゃないから
美味しくなかったら食べないとかでは     それじゃあなんだかお嬢様かなぁと思い
だけど舌って美味しいのかなと悩んで     そもそも論旨が狂ってるんじゃないの?
そう気付くのに一晩かかったのだから     このオモイもたぶん一晩で解決しちゃう
そう分かってしまったら眠れなくてね     アイトラストユー愛はあなたを信じます
胸いっぱいに人生を吸い込んでたけど     吐き出そうと思ってもできなくなってて
代わりに出てきたものが頬を伝ってて     なんでなんであなたの涙はあまいはずが
なんでなんでこんなにしょっぱいのよ     なんで運命のくせにしょっぱいんだろう
胸に広がるこの面倒臭くて小さな味を     もうどうにでもなっちゃえって下向けば
おそらくそこには野原の蟻がいたんだ     何にも代わりのないこの運命とか人生を
蟻が巣まで運んでいってくれるのなら     だけどこれはあまくないのだからきっと
とてもとってもあまくてあまくないよ     蟻はやっぱり知らんふりして巣へかえる
運命に味付けができたならって考えて     きっとずっとずっときっと食べてみたい
胸いっぱいに涙のかおりを抱きしめて心の底から良い匂いって言えるように生きるために
ずっときっとまるできっとうんとそうだトラストミーアイトラストユーあなたと上を向く

------------------------- 第231部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
僕は意味や意義や目的や目標や欲望がなくたってたぶん生きていてもいいのだろうねって
僕は意味や意義や目的や目標や欲望があったとしてもここにいてもいいのだろうねってさ
逃げる     だけど追いかけてくるような組織や異星人はいなくて     歩く?
歩いて     だけど道ゆく人が追い抜いていくのはつまんないから     逃げる
そんな     ひとりぼっちの毎日が続いていっていたんだけどでも     ふたり
僕と僕     僕は僕に出会ったんだそれはまるで道ゆく人ではなく     ひとり
僕と僕     真夜中に見える太陽は月の光を払いとってしまうから     だめ?
逃げる     だけど僕は僕を追いかけたりはしなくてきっとこれは     分かる
分かる     僕がどこへ向かっているのか僕は手に載せているよう     逃げる
発見?     突然の詐欺メールを開いたみたいな気分になっていて     発見?
見つけ                                  逃げる
逃げて                                  出会う
出会い                                  わらう
わらい                                  逃げる
僕と僕     なんで僕は僕から逃げないといけないのだろうってさ     考える
僕と僕     僕が僕に出会う前の世界を思い出してみたらそれも嫌     道なし
偶然?     ひとりぼっちなのはやっぱり寂しいのだけどだけどさ     必然?
意味や     こうしてふたりになってみても逃げているばかりでね     意義や
目的や     捕まったらどうなるのか怖い追い抜かれてどうなるの     目標や
欲望は     僕が僕を捕まえて僕が僕を追い抜いてそれで一体なに     消えて
ふたり     追い抜かれたらきっと僕は消滅するんじゃないのかな     ぼっち
ひとり     僕がきっと僕ではなくなって新しい僕が僕を奪うんだ     みんな
僕と僕     意味や意義や目的や目標や欲望がないのにそれは嫌だ     僕は僕
僕はなにも持たずになにも持とうともせずにこうして生きてきてしまっているのだけどさ
だけど僕は生きていたいんだ僕なんかに追い抜かれることなくひとりぼっちで逃げたいよ

------------------------- 第232部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
りるりるりりるるりりるるるーるるれれらりりるれれろろりるりるりーるーるーらららり
るりるりるるりりるるりりりーれれららりりろろらりるれろーりーりるーらーらららりり
赤い糸それと青い薔薇ー小指と小指がリンクしてー枯れないお花が育ったらーるるるらら
どうにもならないのー別にすごいこととか   起きないのーだけどるるるのらららりり
どうでもいいことなのですがーあのです  ね  そのですねーはいらららるーるるむー
赤い糸がーるるるーあなたと繋がって  ずっと  一緒にいてもいいんだってりるりー
青い薔薇がわたしに口付けをしたの  夢の中の人  甘い香りが漂うるるるの世界なの
でもなんでもいいことなのですが  あなたの夢の中  わたしはいるのかなあーるるら
赤い糸と青い薔薇が夢の中の人  ほんのりと離れない  分かったでしょこの世界はね
るるるーりるりるーれるらー  夢から覚めてもあなたは  わたしも一緒に消えたいの
夢と一緒に消えていたいの  ねえいつまでわたしとあなた  らららの世界を言い訳に
別にどうでもよいですが  わたしは夢の中の人なのですねー  そしてあなたもそうで
日曜も月曜も昨日さえ  わたしとあなたはりりりの世界の中の  あーあーるるるらら
赤い糸と青い薔薇を                       どこに隠そうかな
赤い糸と青い薔薇  別になんでもどうでもいいのですがーらららら   あまり悩まず
直感と偏見でね  なにもないまま終わるのはイヤなんでするるるるり   るるるの世
糸で繋がって  あなたとわたしは夢の中の人だけど口付けをしましょう   ぶれる夢
青い薔薇を  あなたとわたしは夢の中の人だけどそこに薔薇植えたんです   青い物
あああー  りるりるりりるるりりるるるーるるれれらりりるれれろろりりー   夢の
るるる  赤い糸はいつになっても絶対に切れることはないんだって聞いたので  るる
ららら  青い薔薇はどうやっても絶対に枯れることはないんだって聞いたので  らら
りるりるるるるーらららりるーるるれれららりるるるれららーらりるれろるろるららりる
るーるーらりりるれれろーらりるれれーろるろるれれれーれるれろるるるーれれれの世界
赤い糸も青い薔薇もなくならないんだったらあなたとわたしは永遠に夢の中の人だからね
色をすり替えて青い糸と赤い薔薇にしたらなんだかこれも綺麗ですから現実ができました

------------------------- 第233部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
N

【本文】
失くした亡骸無くせばいいのに消えない体は涙も流さず内緒の奈落へとななめに落ちゆく
枯れもしないで消え失せた涙は今どこにいるのだろうと探してみてもここにいては無理で
できもしないことをするほどの体力は亡骸のほうに置いてきてしまったからもう無理難題
なんだいなんだいこの場所はまるで消せない黒板の傷痕みたいに縄張り意識が強くて弱い
強弱    そんな問題でないこと知ってるけど無くした解答倍増してる難題は  もう
すぐ  に   諦めがついてしまったことなんてとっくに気付けてしまってる  から
そう  亡骸は   消えることもせず土の上でずっと下にいった自分をわらう  嘲る
奈落  その底には   決断を下す王様も林檎を勧める齧られた堕天使ももう  消え
今は  堕落し切った地   そこで失くした亡骸は自分を見てほらわらってる  はい
決別  こんなこと自分とは   自分が自分と別れるために最も効果的なこと  そう
死別  きっと死ねばいいんだよ   死ねば自分は地獄ゆきで亡骸は地面おき  屈指
逡巡  そんなものはあるだけで無駄   迷う前に行動しないと地獄は廃れる  ほら
早く  その首を掻っ切ってしまえよその   手首でも足首でも腹でも胸でも  いい
もう  時間切れになってしまう前に早く早く   亡骸は失くすものなのです  元々
元来  元からあなたは地獄に来るべき人間だった   涙も流さないで一緒に  ほら
手を  どうぞどうぞと譲り合うその内緒の心をもって   ほら地獄においで  奈落
底を  衝き動かす地響きをほら亡骸を捨てて涙を流さずに   でも厳密には  内緒
堕落  本当のことをいうと涙は流していなくてもナクシテこう   泣いてる  秘密
はい  ななめに落ちてゆく先にあるものはもうとっくに閉店ですが   いや  もう
存在  そんな言葉じゃ釣り合わないくらい小さな棲処になってるんです     やだ
涙は  どうしても亡骸になってしまってからでは流すことはできないのです   そう
失くした亡骸は廃れるその日まで地獄でひとりぼっちの自分をわらって腐って消えてゆく
流すまでもなく涙はどこにもいない強いていうなら自分とは無縁の天国のような存在へと
堕落してまで見たかった世界は無理難題なのだと亡骸になってから地面の上でわらいます
そんな自分をわらってどうかこんなことにならないように涙を流して生きててくださいね

------------------------- 第234部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
K

【本文】
壊れた話は壊れたまんまで誰も直そうとしないしそもそも直るものなのかも分かんねぇし
だったら廃棄処分すべきなんだろうけど朝起きてゴミ捨て場に持ってくのがかったるくて
そういうことでこれをおめぇに   くれてやるからほら   ありがたく貰ってくれな
いやいやそんな遠慮はいらねぇ   ありがたくほらな   ありがたくなくてもどうか
それともそうだこれをおめぇが   どうか捨て場に   朝行ってきて捨ててくれなよ
それでもすんごく助かるわけで   要は邪魔でさ   壊れた話は壊れたまんまだから
直すったってどうやるんだって   分かんねぇ   ってば説明書とかはそもそもない
そこまでいうなら直してくれよ   おめぇが   そんなにもったいねぇものなんなら
直ってくれるならそれもいいが   だがな   直った話はもう壊れちゃいねぇんだぜ
そんな顔してもらっちゃ困るが   話は   壊れているからこそ素晴らしいことにな
そんな幻想を抱いていままでは   俺   そうやってモノヅクリしてきてたんだぜ!
昔はぜってー壊さねぇようによ      慎重に厳重に管理してたりしてたんだけどよ
いまではそうでもなくなってな   話   壊れた話を嗜好するようになっちまってさ
でも壊れた話は俺だけの話でさ   誰も   見てくれたりしないからさだからなのさ
誰も見ない話はゴミでしかない   捨てろ   そんな気持ちが湧いてそうやって億劫
そのまま放置ということになる   もう何年   壊れた話は壊れたまんまで放置され
そのうち俺は忘れちまってもう   ゴミでない   そんなことも忘れちまって放棄と
壊れた話がゴミでなくとも俺は   捨てちまうよ   もう昔の話なんだ必要ねぇんだ
モノヅクリをやめたいまではな   俺の話はゴミだ   捨てるしかねぇゴミなんだよ
直すったって必要ねぇのは同じ   だからおめぇにさ   もらってくれねぇかってよ
いやならいやでも仕方ねぇんだ   朝起きるのは辛いが   俺が明日にでも捨てよう
すまなかったな呼び出しちまい   他をあたる時間もねぇ   明日早起きして捨てる
廃棄処分ってやつだなこの話は   昔はきっと輝いてたんだ   覚えてねぇんだけど
壊れた話は壊れたまんまで誰も直そうとしないしそもそも直していいもんじゃねぇんだな
昔は昔として綺麗に廃棄処分して俺は未来を向いて歩くけど俺って明日早起きできるかな

------------------------- 第235部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【前書き】
 →   ↙↖
↑ ↓  ↘↗
 ←     

【本文】
どうして意味や意義や目的や目標や欲望が僕から逃げていってしまったのだろうと悩む世
れ ん               と  話               愛 界
飾し               共    に               杯で
を               に      う               一
夢              壊        よ              番
の             れ          い             君
たみ           て            な           いが
な と         く              が         な 好
あ  か       れ                み       え  き
で   と     と                  笑     見   だ
薇    言   言                    に   は    と
薔     っ っ                      顔 夢     か
い      て                        の      そ
赤     お 断                      こ 達     ん
と    め   定                    な   人    な
糸   ぇ     し                  倒     る   こ
い  は       て                面       れ  と
青 壊         し              も         わ は
られ           ま            の           ら言
る             う          る             わ
る              の        す              な
ら               み      分               い
りく               と    処               はけ
り 新               知  棄               て れ
りよく聞とかうろだのいなきでかしとこるれ廃らがなみし苦で獄地は分自てったっやうど

------------------------- 第236部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
THANK

【本文】
                                        
                                        
   誰に向かって感謝を示すとかそういう話ではなくてこれは誰でもなくみんな   
   みんなすべてに感謝するのだからTHANKの後の名詞なんかは言わないよ   
   信じてよ信じるからそうやって繋がってきた世は決して夢なんかじゃなくて   
                 赤くて青い                  
                 夢ではない                  
                 夢でもある                  
                 そんな世の                  
                 THANK                  
                 その後のU                  
                 書かないよ                  
                 だってそれ                  
                 みんな全部                  
                 THANK                  
                 それに続く                  
                 その言葉も                  
                 THANK                  
                 なのだから                  
                 これは二つ                  
                 を繋ぐ間の                  
                 言うなれば                  
                 中間◇地点                  
                                        
                                        
                                        
                                        
   抉れなくて                        響かなくて   
   壊せなくて                        伝わらない   
   そんな話を                        そんな詩を   
   どうやって                        あの心へと   
   届けられる                        のだろうか   
   そうやって                        悶々と日々   
   悩みもせず                        考えている   
   その原因を考える時間よりも睡眠時間のほうが長くて朝起きることができず   
   いつまで経っても涙を流せない亡骸のようにゴミ捨て場には行けないのだね   
   そうやってこの話は放置されるにもどうしようもないまま人の心へと影響し   
   とりあえず汚れを拭いてやろうと思ったら雑巾のほうがむしろ綺麗になった   
   んだろうね                        ああそうさ   
   壊れた話は                        直らないし   
   直った話は                        壊れないさ   
   話はつまり                        永遠の不滅   
   不朽は違う                        変わらない   
   話はずっと                        変わらない   
   過去へには                        戻れないよ   
   それが物語                        つまり話だ   
   放置しても                        同じことで   
   今日も話は                        ここにある   
                                        
                                        
                                        
                                        
                                        
                   運命に                  
                  味を つけ                 
                 いい   薫の                
                野原     草原               
               信じ       合う              
              蟻の         心と             
             沢山           薫る            
            心と             心が           
           運命               信頼          
          真実                 掴む         
         胸一杯に運命の薫を吸い込んで一緒に信じてみよう        
        赤い                     糸と       
       青い                       薔薇      
      交換                         色彩     
     青い                           涙と    
    赤い                             匂い   
   そう                               もう  
   うん                               ね!  
                                        
                                        
                                        
                                        
                                        
                                        
                                        
                                        
  ひとりで                              話を  
  考え ツクル                            まず  
  悩む   物語を                          起す  
  話を     二人で                        ため  
  二人       互いに                      いい  
  一緒         作用し                    案を  
  一杯           楽しい                  探し  
  話を             否かで                回り  
  見て               決めず              歩き  
  聞き                 主観的            走る  
  観て                   客観的          二人  
  聴き                     決めて        会い  
  視て                       話して      話を  
  訊き                         わらい    想い  
  二人                           ツクル  一緒  
  一人                             ひとりだけ  
  の話                               の物語  
                                        
                                        
                                        
                                        
                                        
                                        
              これは         やはり           
              中間の        地点だ            
              感謝は       ひとり             
              みんな      ふたり              
              誰でも     感謝を               
              したり    来たり                
              誰もが   文字の                 
              世の中  色々話                  
              みんな ツクル                   
              中間◇地点を                    
              中心を 纏めて                   
              一本に  束ねて                  
              みんな   ツクル                 
              維管束    のよう                
              話たち     集めて               
              壊れて      美しい              
              清楚な       傲慢な             
              膨大な        色々の            
              一本の         世界を           
              みんな          一緒に          
              中間の           地点を         
                                        
                                        

【後書き】
         【第5編・檎】




------------------------- 第237部分開始 -------------------------
【第6章】
第6編 ネクラ☆ビーム!!

【サブタイトル】
◆ まえがき

【本文】
 僕の友達を紹介しよう
 いいや 友達ではないのかもしれない
 友達だと思っているのは僕だけで
 みんなそうとは思ってないのかもしれないのだから
 だから訂正しよう
 友達ではなく 知り合いなのだと
 
 僕の知り合いを紹介しよう
 それは決して通りすがりの人ではない
 僕が知っていて 相手の脳内にも一応として僕がいる人
 つまり僕の知り合いを


 例えば 全てを否定して頷かない|△《あのこ》や
 例えば 全てを肯定して信じ切る|▼《あいつ》や

 例えば なにを言ってるかよく分からない|○《かのじょ》や
 例えば 欠陥的な論理で単純明快すぎてる|□《めがね》や

 例えば……


 |◆《ぼく》がここに紹介しよう
 確かにネクラな僕だけど それでもネクラな僕だけど
 洒落た感じを装って感嘆符つけちゃって
 それだとなんか恥ずかしいから 別に恥ずかしがってなんてないことを示すために
 もうひとつつけて ふたつにしたり
 
 この|紹介《ビーム》が彼らに当たるのなら
 僕の通う高校も 少しは楽しくなるんじゃないのかなと
 ネクラのビームを放ちましょう!!

 そうやって無駄な時を過ごす

------------------------- 第238部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
○ 門外漢

【本文】

 ああ あそこに見ゆーは門外漢
 スカートの履き方も知らなさそうな門外漢
 道に迷って さあ大変
 地下鉄の改札を出て右に曲がって百八十度
 そこで出迎える ぼくの顔が
 笑顔を作ってあげゆ

 迷子になった門外漢
 迷ってる間は 脱・門外漢
 誰も教えてくれないよ ぼくも知らない
 知らないけど知りたいのなら教えてあげりょーか
 うりゅ うりゅ
 ポケットから取り出して
 はい   あめちゃんあげる☆

 地下鉄の改札を抜け出して だけど切符の通し方分からなくて
 スカートも履けない門外漢 職務質問を免れて
 誰も教えてくれないの?
 だったらぼくが教えてあげゆ

 あめちゃんあげる☆

 世界中に見捨てられたみたいだね
 だけどぼくは見捨てない
 捨てるなんて もったいない
 ほら ぼくは世界中じゃないんだもん
 まあるいまあるい お空のように
 スカートも履けない門外漢
 ぼくがきっと教えてあげう

 スカート履いてみて さあ大変
 みんなの目 きっと不審者
 楽器も吹けずに 職務質問
 さあ踊れ
 みんなの目 蹴り飛ばしてしまいなよ
 ぼくがきっと教えてあげゆ

 あめちゃんあげる☆

 さあ あっちに見ゆーは門外漢
 道に迷って さあ大変
 ほら門外漢 おててつないで
 世界中に見捨てられたみたいだね
 ぼくが絶対教えてあげゆ

 まあるいまあるいお空みたいに
 
 ぼくが教えりゅ門外漢
 おめちゃんちょうだい☆

------------------------- 第239部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
▼ 消えた昨日

【本文】

 昨日ってのは消えるもんなんだとさ
 そりゃまあ確かにそうで
 掴むことも見ることもできやしない
 そんなもんだろう

 昨日を掴んだり見たりするといえば
 写真があればどうにかなりそうだが
 その写真を掴んだり見たりしていること自体は今日のことで
 そういう意味じゃあ昨日は消えるもんなんだとさ

 それはまあ 確かにそうだろう

 それでもアイツは言った
 俺と対極にいるようなあの女は
“昨日が消えてるのなら、昨日の私たちも消えてるんじゃないの”と

 写真を燃やしても 燃やしたのは今日でしかない
 写真を撮った日は 写真を見た日とは違うのだから
 俺は言った アイツに言った

“そうかもな”

 昨日が消えたら
 昨日の俺たちもゆく
 それだけで それだけだ
 もう知る意味はないだろう

 掴む意味はないだろう
 

------------------------- 第240部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
□ 蝋燭

【本文】
 蝋燭の|灯火《かつどう》は
 わたしの一息で終わらせられる

 蝋燭の|芯《いのち》を壊すには
 だけど灯火させないといけない
 それは面倒臭い

 蝋燭の|蝋《えいよう》は増えぬまま
 わたしはそれを一気にへし折る


 わたしに相応しい玩具をください
 例えばわたしの眼鏡に適う
 わたしでは壊せない玩具をください

 |壊《ころ》したい

 その衝動を抑えるものをください
 その衝動を圧するものを恵め

 蝋燭の|灯火《かつどう》は
 暗闇でなくとも使えてしまうのが
 まるで鬱陶しくて
 それは論理に反するのだから
 わたしの論理と相違なるのだから

 蝋燭を一息にへし折る

 簡単に折れて
 灯火は床のカーペットに広がった

------------------------- 第241部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
△ 昨日の消えた私たち

【本文】

 あのバカ
 昨日はもう掴めないし 見れないって
 写真を見ながら言ってきた

 そんなことないよって
 昨日はきっと私たちに積み重なって
 私たちを作り上げていくものなんだって
 そう伝えたくて
“昨日が消えてるのなら、昨日の私たちも消えてるんじゃないの”
 昨日が崩れてしまったら
 今まで積み上げてきた私たちも崩れてしまう

 だけどあのバカ
“そうかもな”って どういう意図も含めずに
 赤い糸を絡めることもせず
 そう言ってきたんだ

 バカ

 昨日の消えた私たち
 それはきっと 薄っぺらいもので
 そう思えばあのバカは
 なんだかすごく 薄っぺらい
 それがなんだか悲しくて

 今日も私は あのバカの瞳を見れないんだ
 昨日も今日も 同じ瞳を

------------------------- 第242部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
◆ 黒と白

【本文】

 僕にはよく分からない

 |◆《ぼく》と|▼《あいつ》は黒色で
 |○《かのじょ》と|△《あのこ》と|□《めがね》は白色だ

 黒が男 白が女
 そうではあるのだけど
 この分け方が 本当に合っているのか分からない

 男が染める色で 女が染まりやすい色だ
 それが不可解だ
 僕は男でしかないのだから分からない
 どちらが染まりやすいのか
 どちらが染めやすいのか

 そうやってどうでもよさげなことをつらつらと考えて
 ビームが当たっているのか不安な毎日

 当たらない毎日

 みんな僕のことなんて気にせずに
 それぞれ自分の物語を進んでいる

 僕はいつ 主人公になれるのだろう

------------------------- 第243部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
◆ 机の中にあるものは

【本文】

 机の中にあるものは
 全て僕のものだった
 机の中にないものは
 たいてい他人のものだった

 机の中にあるものは
 全て僕のものだった
 机の中にないものは
 ほとんど他人のものだった

 ほんの一部の僕のもの
 それは誰にも触られず
 誰も浚ってくれないで
 誰も知らない僕のもの

 誰も借りにきたりはしない
 僕は誰にもものを貸さない
 この不純なようで当然の毎日が
 どうでもよく過ぎていく

 机の中にあるものは
 全て僕のものだった
 机の中にないものは
 たいてい他人のものだった

 机の中にあるものは
 全て僕のものだった
 机の中にないものは
 ほとんど他人のものだった

 ほんの一部の僕のもの
 それは誰にも触られず
 誰も関わろうとしないで
 誰も知らない僕のもの

 別におかしなものじゃない
 みんなと同じ ものだろう
 だけど誰もそれを見ない
 誰も僕のもの掴めない

 そうやって毎日が過ぎて
 僕はまた ネクラのビームを撃ってみた
 掠ることなく消えていく
 僕の知らない僕のもの

------------------------- 第244部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
□ カーペット

【本文】
 カーペットは弱い
 踏みつけられても頑強に敷かれたままだと思えば
 そうではない

 じきに破れて
 使い物にならなくなって
 捨てられる

 今もそう
 燃えて 尽きて 灰に なって

 カーペットは弱い
 こうして踏みつけてみても
 破れることはないけれど
 炎に燃やされ 灰にされ
 仄暗い廊下の先を
 くだらない光で照らしてる

 炎を踏んで
 消して 潰す

 カーペットは弱い
 一息で消える灯火で その炎で壊れるカーペット

 見上げた先は
 シャンデリア
 わたしはそれに 手を伸ばす
 だけど届かぬ その飾り

 折れた蝋燭 わたしは投げた
 揺れて揺れて なにもない
 諦めた先にあるものは
 大きくなった 炎だった
 

------------------------- 第245部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
○ オーバーフロー

【本文】

 おーばーふろー!
 おーばーふろー!

 ぼくの頭がオーバーフロー!
 ベルヌーイのナントカが圧力変化でどばばばん
 速度に変調を傾けて曲げてふぉー

 わけわかんないよ!

 おーばーふろー!
 おーばーふろー!

 ぼくの頭がオーバーフロー!
 ツェラーで床関数で年月日からの曜日だす?
 2012年3月23日は金曜日だよ! 23日の金曜日!

 あれ?

 おーばーふろー!
 おーばーふろー!

 ぼくの頭がオーバーフロー!
 たっタキオンが光を超えて
 アインシュタインもびっくり!

 りろん?

 世の中分からないことばっかりで
 まあるいまあるいお空のように
 膨大な量の情報をぼくは
 知らずに囲まれながら生きてるんだろうなぁ

 そうやってどうやって
 まずは目の前の
 宿題というあーあーあーを
 どうにかしないと!

 

------------------------- 第246部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
▼ ボヤ騒ぎ

【本文】

 蝶が舞っていた
 林の中の 薄暗い緑の中で
 もう六月 夏になる

 太陽は枝葉に遮られ
 湿気は林を抜け出せない

 蝶を眺めて
 俺は今 迷ったことに気付いた

 学校帰りに 寄り道を
 たまにはこれもいいもんだ
 そう思って 林に入った

 遥遠な空は窺えず
 微かに漏れる陽光は
 蝶の舞踏を奏で差す

 蝶を追いかけて 林を進む
 どんどん迷宮の深淵へと
 迷い込んで 追いかけて
 俺は屋敷を見つけた

 揺籃の赤子のように その屋敷は林に包まれ
 それでも意外と 家として機能しているようで
 ただ変わったことに 黒煙が木漏れ日のように流れていた

 鍵は開いていた 壊すことなく開く
 中はまるで 暖炉の中
 人が倒れているのが見えた
 玄関から続く廊下の奥だった
 俺は入っていった 蝶は既にいなかった

 嵩張った煙 上座を陣取る
 動乱の刻を 振り切って走った

 倒れた人を担ぐ 重い
 煙を載せて歩く 出口へと逃げる
 討究の余地はなく

 林はそれでも静かだった

 その人が俺のクラスメイトだと気付くのも
 そう時間はかからない

------------------------- 第247部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
○ 救難信号

【本文】

 つーわけで!

 ℡ てる てりゅ!
 電話をちりりり

 友達の家

“もしもし”って声がして
“はいはいぼくだおー”ってセイイング

 宿題は 仲間がいてこそ できるんだ!
 
 友達にお願い! なんとか承諾! ヨシャ
 お礼にあめちゃんあげますよ☆

 友達・友達
 ぼくの友達

 宿題を片付ける お手伝い!
 これで安心 これで安泰
 ぼくはもうなあんもしなくてOK!

 なんだか今日は 友達やさしい
 いつも無愛想で ふてぶてぶーのに
 窓から見える林も
 今日はなんだかカオスです

 あの林には確か
 眼鏡の似合うあの子のオウチが
 ちょーシーンと建っていたはず!

 ず!

 それよりもまず
 友達を賄う お菓子のよーい!

------------------------- 第248部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
△ 用事

【本文】

 電話がかかってきて
 もしかしてあのバカからの電話かなって思ったのに
 他の子で 宿題手伝ってって

 私はだけど
 家を出ればもしかしたら会えるかもしれないと
 そんな薄い期待を抱いて
 その申し出を承諾したんだ

 電話の相手 いつものように
 はしゃいだ声で “ありがとう”

 下心なんてない
 どうせ会えやしないし
 どうせ宿題はめんどくさい

 期待はしないで家を出て

 道を歩いて
 のんびり歩いて
 なにごともなく友達の家に着いて
 お菓子を食べながら問題を解くんだ

------------------------- 第249部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
▼ ふたりはひとり

【本文】
 ふたりはひとり

 ふと そんな言葉が甦る
 それはずっと昔のことで
 確かあれは……

 俺は個室でひとりきり
 いいや そんなことはない
 ベッドにはクラスメイトが眠ってて
 俺はなんだか恥ずかしくて その顔を見れないでいる

 そんな今の状況から
 ずっと昔のことを思い出す

 それはそう
 アイツと一緒にキャンプに行ったとき
 小学生のとき
 俺の家族と アイツの家族
 俺たちはなぜか一緒のテントで

 ふたりはひとり

 例えば今みたいに
 実際にはふたりいるのに
 そのうちひとりは意識がなくて
 ふたりであるのにまるでひとりで
 そう
 あのとき確か……

 それを遮るように
 クラスメイトの|喉《こえ》が俺の耳をくすぐった

------------------------- 第250部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
□ カーテン

【本文】

 カーテンがかかってるみたい
 目を開けてわたしは ふとそう思った

“気がついたか”って
 カーテンの向こうから声がする
 その声には聞き覚えがあった
 クラスメイトの あの

 カーテンはなかなか|壊《やぶ》れない
 でもすぐ気付く
 今のわたしは 眼鏡をかけてない
 視界に|光《もや》がかかっている

 わたしはベッドの上
 だけど驚くことはない
 ずっと夢で見てきた |壊《やぶ》れた先の|眺望《けしき》

 クラスメイトの あの
 誰だか分かってても 目を合わせられない
 カーテン邪魔
 眼鏡はどこだろう わたしの玩具はどこだろう

“ここは病院だ”
 クラスメイトが言う

 クラスメイトが 病室でわたしの傍にいてくれた理由
 分かってる
 涙は決して流れない 流したための|闇《もや》じゃない

 だけどきみは
“家族は、どうしたんだ?”
 やっぱり訊いてくる

 カーテンの先が明るくなる
 

------------------------- 第251部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
△ サイレン

【本文】

 さっきからうるさい
 宿題に集中できない
 これは友達のだけど
 集中したいのだけど

 救急車のサイレン
 どこかの誰かの命
 きっと守るために
 サイレンを鳴らす

 私は宿題をする
 友達の宿題だけ
 自分の分はない
 まだやってない

 なにがあったんだろう
 友達は窓の外を眺めて
 さっきから変な声出す
 なにがあったんだろう

 さっきから騒がしい
 友達に腕をとられる
 窓までひっぱられて
 林へ放水活動してて

 さっきからうるさい
 私は宿題をしている
 一瞬だけあのバカが
 頭の中で笑っていた

 泣けばいいのに

------------------------- 第252部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
▼ 気になる

【本文】
 クラスメイトの 真実
 両親の 真実

 それを聞いてしまって
 耳に取り入れて
 聴神経から脳と繋がってしまって

 気になる



 クラスメイトは 大事に至らなかった
 煙は少し吸ってしまっているけど
 体は だけど大丈夫

 学校にもすぐ来れるようになって
 なぜか 眼鏡をやめてコンタクトにしていて
 彼女も 真実 を言ってしまったこと
 気になってる みたいで

 目が合う

 逸らす




 どうしても 意識 してしまって
 まさか 気になる そうなのだろうか

 彼女は 退院後少し人気者だったけど
 すぐ いつも通り
 ほとんど近寄らなくなって

 いつもそうであるはずなのに
 それが特別に見えてしまって
 まさか 気になる そうなのだろうか

 目が合う

 逸らす

 目が合う
 
 逸らす

 目が合う

 目が合う



 

------------------------- 第253部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
□ コンタクト

【本文】

 |火事《ほのお》のせいで 家がなくなって
 わたしの私物は 眼鏡だけ
 だから友達の家 居候

“ぼくの友達の! えーっと! ナントカちゃん!”

 その女の子は 明朗活発で
 自由気ままに生きてるのが だいたいよく見えた
 眼鏡越しの 新しい家
 半年間だけ お世話になります
 結構|期《なが》い

“眼鏡 似合わないねー!”

 いきなり失礼 変わった子
 両親さんに挨拶をして お礼も言って
 その|直後《あとに》

“コンタクトありゅよ! りゅりゅよ!”

 フレームのない|世界《しかい》
 耳が軽くなった なんだか聞こえもよくなって
 なんでこの子がコンタクト持っているのかは知らないけれど
 なんで飴玉がおまけなのか分からないのだけど

 門外漢
 もうとっくに 諦めていたはずなのに
 透き通ったような錯覚 新しい世界

 学校に行くと なぜかみんなが寄ってきて
 一時だけの 人気者
 どうせ忘れ去られる たぶんそうなるのは分かっているのだけど

 例えば
 目が合うごとに逸らすことに飽きてしまって
 疲れた先に
 きみがいたとしたら

 コンタクトの世界は 新しい居候の先は
 気付いたときにはきみを見ていて
 なぜだかきみも わたしを見ていて
 ちなみに 居候先の女の子はみんなを見ていて

 新しい世界
 燃えた後は 灰になるわけじゃなかった
 お母さんも お父さんも
 間違っていたんだ
 

------------------------- 第254部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
◆ ないものねだり

【本文】

 最近 クラスメイトの|□《めがね》が
 火事の被害に遭ったらしい
 同じくクラスメイトの|▼《あいつ》が
 それを救出したみたいだけど

 そんなクラスメイト ミーツ クラスメイト みたいな
 そんな話
 僕はねだっちゃだめなんだろうか
 
 僕は自分の机の上で
 今日も寝るふり 寝てるふり
 たまに顔上げ 時計を確認しつつ まわりの様子を探る

 そんな毎日に
 変化をねだっちゃだめだろうか


 最近 クラスメイトの|△《あのこ》が元気ない
 そう他の人が言っていた
 なにがあったんだろう
 僕がもし|△《あのこ》に声をかけたとして
 物語に進展は生じるだろうか

 僕が主人公
 そんな話をねだってもいいだろうか

------------------------- 第255部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
▼ デート?

【本文】

 なぜこうなったんだろう
 でもそれを考えるよりも早く
 俺たちは遊園地へと来ていた
 遊びに来たんだよな
 友達としてだよな
 いろんな意味でスリルなジェットコースター

 というか俺っておまけだよな
 彼女と それと あの“ぼく女”
 二人のおまけ たぶん俺ってそういう立ち位置

 だけどなんだ?
 なんでこんなに近いんだ?
 これってあれか? 密着っていうんじゃねぇのか?
 なんでたまに手が触れたりするくらい近づいちゃってんだ?

 ……?

 なぜこうなったんだろう
 でもそれを考える暇もなく
 メリーゴーランドは予想以上にスリリングで
 落馬しないよう必死にしがみついていた

------------------------- 第256部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
□ 遊園地

【本文】

 きみと遊園地
 いつの間にこういう|経緯《いきさつ》になったのかはよく分からないけど
 たぶん 居候先のこの子のせいだけど
 ……なんでついてきたんだろう
 とゆうか|邪魔《いらない》

 まあそれはともかく
 きみと初デート
 いつの間に一緒にいたくなったのかは分からないのだけど
 今はそんな|気分《こころ》だから

 例えばジェットコースターが子供向けで乗ってるとシュールだったり
 例えばメリーゴーランドが殺人的な速さであったりとか
 例えばウォータースライダー的ななにかで服が濡れたりだとか
    この服は私のでなかったりとか

 服の持ち主がどこかにいなくなってたりだとか
 きみと二人して笑ったりだとか
 迷子のあの子を捜したりだとか
 なにげなく手に触れてみたりだとか

 家を失ったことと きみに会えたこと
      天平にかけてみて    
 |矢印《かたむき》がどちらを向くのかは

 まだよく分からなくて

------------------------- 第257部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
△ 読めない本

【本文】

 読書は一向に進まない
 考え事をしているからだ
 私にしては珍しいことで
 本の世界観を放っぽり出して
 まるでノータリンの子みたいに
 あのバカのこと考えてる

 たぶんあのバカは
 もう私と向き合おうとしない
 昨日の消えた私たちは
 肯定を忘れて水を流しているみたいに
 全てを否定しないと生きていけないの

 もうあのバカと
 キャンプに行って 一緒のテントに入ることはない
 私がバカだった
 否定なんて忘れて あのバカについていけばよかった
 それだけだったのに

 読書は一向に進まない
 それどころか文字も読めなくなってきちゃって
 まるでノータリンの私は
 それでもあのバカを諦めきれないでいる

------------------------- 第258部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
○ 迷子

【本文】

 ゆーえんち!
 you and ちー!

 捜してる 人屑の迷子は
 ここだよ! モールス信号
 ……と そういうことにして

 ぼくは二人の邪魔をしないように
 勝手にドロンしちゃうのれす!

 いつもこうやって
 お馬鹿なキャラを演じているけど
 その延長線上みたいなもので“ぼく”を使っているのだけど
 あははー 板に着いちゃった☆彡

 二人がぼくを捜し回ってる
 ぼくは見つからないように
 ってうわー! なにこのメリーゴーランドオオオオ

 そうやって あっけなく見つかっちゃうのだけど
 てへへへ

 ゆーえんち!
 you and ちー!

 ぼくに特別な人はいない
 みんなを見つめて
 見つめて それだけ

 ぼくを特別視してくれる人はいない
 みんな奇異の目で
 楽しんでくれる それだけ


 そのうち つらくなってきて
 それを忘れるために白痴になったとしても
 馬から落ちないように 馬の首を絞めて
 ただぼんやりと続く 未来の先に

 明日っていう言葉が見えるなら


 ねえ やり直すことはできないの?
 ぼくは今 後悔しています
 こうやってキューピットみたいなことを まるで馬鹿な子みたいに意図的に行って
 それだけの子
 それじゃぼくは 満足できない

 ねえ誰か
 ぼくにあめちゃんを頂戴よ
 あまい あまい お空のように
 ぼくを包み込んでくれるものを

 ぼくは今 後悔しています
 それは馬の速さでも拭い取ることはできなくて
 例えばこの前 林に火をつけたとき
 未来を計算しつくしたわけではなかったのだけど
 少なくとも ぼく以外の人がハッピーエンドになるのは分かってたから

 宿題をクラスメイトにやらせたのが
 実はアリバイ工作だったとして
 居候させてあげてる コンタクトの似合う子の
 シャンデリアの螺子を緩くしていたり
 カーペットに少しだけ灯油を染み込ませたりだとか

 ねえ誰か
 ぼくに あめちゃんを

 ねえ 誰か
 ぼくに

------------------------- 第259部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
◆ 主人公

【本文】

 僕って本当に主人公なんだよね?
 メタ発言を理解した上で聞くけど
 僕って本当に主人公なんだよね?

 いや 聞くまでもなかった
 答えはとっくに知っている
 そう 僕は主人公!
 ……なわけがない

 僕は主人公ではない
 ただの傍観者 いいやそれにも成り切れていない
 教室の隅であたりを窺う
 モブキャラだ

 それを理解してもなお
 僕は自分の存在意義を問う
 あれ? もしかして僕
 この後 ラストですんごい役を担ってたりするんじゃないの?

 最終回でのまさかの新キャラ登場に
 全ての主要人物たちがたまげたりするんじゃないのかな
 僕の存在意義
 あれ……なんか涙が
 別に流してないよ?

------------------------- 第260部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
△ 明日の見えない私たち

【本文】

 あのバカと コンタクトにしたらしい女子
 やつらが正式に恋仲になるのは 割とあっという間のことだった
 それはもちろん 端からみれば喜ばしいことで
 みんな祝福してて たまに妬んでて それだけで

 本を閉じたのは私だけだった

 いつか 私はあのバカと討議した
 今ここに存在している私たちは 昨日とはまた別の次元の存在なんじゃないのかって
 昨日の私は 昨日の私でしかなく
 今日の私と昨日の私は 別人なんだって

 だったら 明日の私は 誰だろう

 今となっては
 あのバカと言葉を交わすことはできないけど
 もし話すことができたなら
 どんな意見を繰り出してくるのだろうって

 否定と肯定

 もう忘れることも思い出せなくなっていて
 終わりを告げる煙が
 窓越しの林から昇ったとき
 ああ 終わってしまうんだって

 明日の見えない私たち

 こうなることは 今になったから分かっていたことになっていて
 前は きっとこうじゃなかったんだ
 これからどうなるのか 終わるのかなんてそんなこと
 誰にも 分かるはずなかったんだ

 私の明日は私のせいでこうなったんだ

------------------------- 第261部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
▼ 今日を生きてる俺たちは

【本文】
 俺はなにも分かっちゃいないし
 俺はなにも信じちゃいない

 肯定したがりなのではなくて
 否定することを嫌っているわけでもなくて
 俺はただ こうやって今日を生きてきたのだから

 そのシンプルな決裁に
 責任者の俺は顔を渋めることさえできずに
 きっと喜ばしい未来を 讃えるまでもなく用意してくれていたんだろう

 俺たちは 今日を生きている
 明日のことは “今日”になれば分かることで
 昨日のことも “今日”になって分かったのだから

 折り重なる物語は
 きっとどこかに糸口があって
 その糸を引っ張ってしまっても 切ってしまっても
 たぶん 明日はやってくるから

 俺は結局 みんなと
 離れることが嫌なのだろうから
 ぐるぐるぐるぐる 俺たちは
 あの全速力のメリーゴーランドのように
 元気一杯に生きるべきなんじゃないだろうか

 なあ おい
 だからアイツとは
 ずっと幼馴染でいるつもりで いわゆる腐れ縁のつもりで
 これからもまた 笑い合っちゃいけないのだろうか
 そう言うとアイツは
 ばたんと本を閉じて

 明日 また来るって
 そういう物語があってもいいはずだ
 俺はアイツを恋愛感情で見ることはできない
 それはずっと昔 キャンプのときに知っていただろ?

 今日を生きてる俺たちは

------------------------- 第262部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
□ 最終回

【本文】

 |壊《まも》りたい
 そう思えるようになった

 眼鏡を捨てることで コンタクトに替えることで
 そもそも眼鏡に適うものが存在しなくなってしまって
 全てが愛おしく見えるように
 わたしは成長した

 ありがとう

 その|連鎖《ものがたり》を創り上げてしまうことこそが
 わたしの未来目標 未来考察
 過去の遺体を回収して 未来のわたしを生み出して
 今のわたしを見つめたら

 |壊《まも》りたい

 わたしの大切な きみ
 それだけじゃない あの子も
 その子も 知らないけどどこかの子も
 愛おしいくらいに慰めてあげたくて
 自分を盾にする自分のように

 |壊《まも》ってあげる

 そう思えるようになったんだ

------------------------- 第263部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
◆ ネクラ☆ビーム!!

【本文】
 はい!!!!!!!!!!
 感嘆符たくさん!!!!!!!!
 なぜかというと!!!!!!!!!
 僕 最後まで ただのモブかよ!!!!!


 なんだか僕
 最後まで 誰かの手の平で踊っていただけのような気がする
 僕は踊らされていたんだ!
 回されて舞わされた!

“僕の友達を紹介しよう”

 そんな言葉を思い浮かべたのは
 こんな一件があったからだった

 その日
 ある日

 僕は教室に遅くまで残っていて
 もう誰もいなくて 僕ひとりぼっちになっていたとき
 ふいに扉ががらがら開いて
 |○《かのじょ》が入ってきて

“あめちゃんみっけ!”

 って そう言って僕を指差したんだ

“きーぱーそんだよキミ! スカウトyesだねー”

 意味不明の言葉を連ねて |○《かのじょ》は喋る
 きらきらとした顔で

“ぼくの友達を紹介しましょー”

 |○《かのじょ》はそう言って
 そして教えてくれたんだ
 この数日間の 4人のクラスメイトの連鎖を

 気付けば僕は 言葉を連ねていた
 まるで僕は

 僕は……?

 もし○や△や□や▼や……
 “かのじょ”がわざと間違った情報を僕に教えていたとしたら?

 その情報を鵜呑みにして 僕がそれをこうやって書き記して
 それを使って なにか恐ろしい……

 ま まさか
 考えすぎだろう
 それだと確かに 僕は物凄く重要な立ち位置にいたことになるけど
 それはつまり……

 ネクラ☆ビーム!! を浴びてしまった

【後書き】
         【第6編・を】



------------------------- 第264部分開始 -------------------------
【第7章】
第7編 青

【サブタイトル】
空/ソラ

【本文】
 青い 空
 ここから見えるその空は
 綺麗で 遠くて 美しい

 だけど
 いざ 翼を手に入れて
 あのソラへと飛んでいったとしても
 実際のソラは 寒くて 空気も薄くて
 孤独に凍えてしまうだけだ

 それは今も同じだけど

 落ちてしまった木の実が
 空と自分の間に 兄弟を見る
 自分たちはまだ 熟していない
 その状態のうちに落ちてしまったことを

 ソラがどれほど孤独でも
 ソラからここは見えないでしょう
 だったら やはり 翼が欲しい
 美しい空を 自分の翼で感じたい

 それが罪であっても

------------------------- 第265部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 快楽の日々を過ごしているやと
 嗣子の悲鳴が轟く人生は
 祭りの日には苦難の苦菜を

 それほど人生脱出したいか
 後継を拒む姿は艶冶であるかと
 菜っ葉も萎れる善い女

 始まる明日と終わった昨日を
 受け継ぐお前は苦菜を食わぬか
 終わりの明日と始まる昨日を
 女の体はなにを求める

 快楽の夜を越えるやと
 四肢がちぎれて叫び給えど
 祭りの日には苦難の苦菜を

 それほど人生脱出したいか
 逃亡の術を知らぬ姿は破壊に満ちたり
 菜っ葉も萎れる善い体

 始まる明日と終わった昨日を
 奉るお前は苦菜を食わぬか
 終わりの明日と始まる昨日を
 女の体はなにを選ぶか

------------------------- 第266部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 東京都の 港区の
 メインセントラル 街外れ

 山越えあなたは 何っ処さ往くか
 江戸の大橋はさあ判らん
 轆轤の友連れ 何っ処さ往くか
 判らぬまま故 歩かな如何

 東京都の 港区の
 メインセントラル 街外れ

 山の先にゃあ 息子が居てな
 富士の薬を求めるけん
 江戸の下町 徳川屋敷に
 如何を請うて歩き往く

 ぱっぱっぱぱ
 ぱっぱぱぱ
 ぱっぱっぱぱ
 ぱっぱぱぱ

 東京都の 港区の
 メインセントラル 街外れ

 山の向うに 見んとす山姥
 轆轤を捜して 怖づ往かん
 富士の薬さ 徳川幕府が
 江戸の山さに隠したさ

 東京都の 港区の
 メインセントラル 街外れ

 山を戻って栗拾い 怪異の昔よいざ治れ
 果て先 扨先の
 如何を求むる富士の病には
 江戸のその山に逃げ往くさ

------------------------- 第267部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 犯してしまうほど美しく咲くのなら
 きっと罪なほど美味しいのでしょう
 犯されてしまうほど可憐な春ならば
 きっと溺れても文句はないでしょう

 川の淵に生る桜を
 水中の魚が欲すと
 陸へと身を投げて
 窒息死するのです

 水の底から視界を染めるその春は
 薄いヴェールにより靄と化しても
 そのせいで色が変わっていたとて
 魚が気付くことはないのでしょう

 犯してしまうほど美しく咲くのなら
 きっと罪なほど美味しいのでしょう
 犯されてしまうほど可憐な春ならば
 きっと溺れても死ねないのでしょう

 ついに魚は身を投げて
 淵の桜へと近づきます
 しかし桜は春色を纏い
 水中との違いに絶望を

 犯して犯された後を絶望というなら
 まさにこの魚は美味しいのでしょう
 桜に恋してしまうほど可憐な魚なら
 きっと食われても文句ないでしょう

------------------------- 第268部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 いつまでも続く この唄は響く
 ありふれた空想の道は示す
 命題を抱いて歩く
 逸材の妖精を連れて

 いつまでも続く この唄は響く
 ありふれた幻惑の橋を渡る
 仮説を曳いて走る
 逸材の妖精を連れて


 近景が速く 遠景も速く
 ぼくら歩く ぼくら歩く
 命題を解いて進む 仮説を信じて渡る
 逸材の妖精を連れて

 近景が揺蕩う 遠景が抉られる
 現実が始まる 蝉噪が離れる
 数え切れない波が橋を 渡って


 逸材の妖精が
 いつまでも続く 唄をぼくら鳴らす
 幻想を幻惑して進む
 終わらない唄を進む

 ありふれた道を歩く
 近景を眺め 遠景を見つめ
 ぼくら歩く 揺蕩う唄が
 逸材の妖精を連れて

------------------------- 第269部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 開いた手の平のように さあ必然の世界へと思し召せ
 存在を淘汰されようならば 蜂の巣のように駆除されて
 複素環式化合物を吸いながら燃えてしまうのだ

 多くの者を排他しても やはり生き残る勝者は多い
 存在が否定されようとも人類は尽きず 蜂のように手を開くだろう
 針で刺して

 終わり³が 0 ではなく 1 になるように
 開いた手の平のように さあ偶然は必要に飲み込まれる
 押韻するまでもなく桐の葉は刃を溶かし
 喰らい付くまでもなく吐瀉物は針で刺して

 天稟を知るまでもなく現実に淘汰されるなら
 蝋燭に火を灯し数え切れない蜂を養殖し
 闇を照らすまでもなくこじ開けてみせよう

 その足跡を舐めるがいい

 喰らうまでもなく暫しの悦に浸り
 開いた手の平のように さあ然るべき世界へと思し召せ
 存在を否認するのならそれも良しとし
 蜂の巣のように邪険らしく生きればいい
 針で刺して


------------------------- 第270部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 忍び寄る正義の権化に
 土砂降りの一日を与え給うなら
 限りのある愛を守られようか

 ぱっぱっぱぱ
 ぱっぱぱぱ
 ぱっぱっぱぱ
 ぱっぱぱぱ

 軽快な跫音が訊く
 逢い引きの夜はいつ去るか
 相棒の旅路は何処ぞやと

 髑髏を見せ付けても 尚
 轆轤を啜り枕す時も
 愛の限りをいざなう路は何処かと

 ぱっぱっぱぱ
 ぱっぱぱぱ
 ぱっぱっぱぱ
 ぱっぱぱぱ

 忍び寄る鬼の色に
 なぜ鬼は泣き給うか
 立て札を読む前に流るものは
 尚 知らぬまま

 曖昧と永く居るのなら
 復 壊れるまで喚こうぞ
 闇い報せを書いて 尚

 泣いた鬼を見つけたい
 

------------------------- 第271部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 熱を中に流し込んで
 ねえ 溺愛してしまいそう
 流し込んだら 打ち付けて
 壊れる前に 冷ましてもらうわ

 爛々と入れてしまって
 熱いまま冷たく押し込んでしまって
 急激に硬くなればきっと
 壊れない 丈夫な體になるから

 だけど もっと優しくしてね
 ねえ 溺れ死んでしまうほどの
 愛を垂れ込めてしまえば
 きっと歯切れの悪いものになってしまう

 煌々と鳴る火花が散って
 熱く熱く打ち付けて
 そして水に浸すの
 ねえ もう一度流し込んで

 何度も繰り返したら
 きっと 素晴らしい剣になるわ

------------------------- 第272部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 練って練って練りこめて きっと素晴らしい需要を期待して練る
 餡を詰めたら さあ歓声だ
 子どもたちの稚気溢れる顔を
 貴女は舌なめずりして眺めるだろう

 酸っぱい餡を放り投げ 丸く収めてしまうような酔いを
 狂わせて惑わせて死なせてしまえば それはつまり腐敗を要求することである
 故に貴女は子どもを殺せない
 腐敗した肉は美味しくないからだ

 練って練って練りこめて ずっと難しい念願を捨てる
 餡を食べたら ほら死んだ
 子どもたちの活気あふれる蒼白を
 貴女はどんな顔で眺めるだろう

 沢山の失敗を積み重ねて 四角い箱を溶かしてしまえば
 捩れることもできない虚構 つまり緑の色のその元は
 軽い想像を子どもは赦さない
 腐敗しても案外と肉は上手くて だからそれまで寝て待つか

------------------------- 第273部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 全てを失くした人たちが どこへ往くことになるのかキミは知ってる?
 きっとそれはボクだけの 誰にも見えやしない特別な世界――異国の地
 そこへと赴くためにはね ボクを繋ぐこの鎖を、ああ断ち切ってしまう
 早くボクだけのあだ名を どうかボクに教えてちょうだいそうしないと
 失うことを失えるだろう きっと、失わずに済むだろうから――ああ、
 **が訪れてしまう前に ほら早くボクにあだ名をつけておきなさいよ
 わたのはらの向こうまで ボクの全てが消え去ってしまう前にほら早く
 どうかボクに痣をつけて ボクがどこへも往けないようにどうかお願い

【後書き】
b**e key

------------------------- 第274部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 はっけよい
 きっと今どこかでサイアクなことがあって
 きっと今どこかで女の子が不良に絡まれてて
 きっと今どこかでおじさんが財布を盗まれてて
 きっと今どこかでおばあさんが荷物を持ってもらってて

 見合って見合って
 ずっと昔にあったキセキを
 ずっと昔のことだと言って
 認めることを忘れて悩んでいる人がキライ

 ずっと昔にあったコウセキを
 ずっと昔のことであるのに
 いつまでも自慢し続けてる人がキライ

 ずっと昔にあったデキゴトを
 ずっと昔のことだと言って
 今の自分と比べてる人がスキ 隙がある

 東 某 西は 何々
 ふたり見合う ふたり見つめ
 房を 揺らす
 八卦  酔わず
 ららら ららら 甘え 甘えてて

 おばあさんの荷物を道路に落とすの

------------------------- 第275部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 春に着る柳を 夏に未だ纏う貴方は
 艶かしい軀を撫ぜるあの指を 待っている
 されど白い送迎は 掠めることなく漂い去ってゆく

 風が一蹴するまま 夏は未だ過ぎ去らず
 接触を求める貴方は けふも柳の下で
 されど濡れない貴方の唇 吸い取らばやと

 春に纏う柳が 花粉を播きながら倦む様子は
 軀を欲さぬ 酸味の徴
 其れ故 貴方は其れを待つ

 風が停滞したとして 貴方の顔に柳がかかるとて
 其れが婀娜を生むものか 其れが愛憎を孕むものか
 されど貴方は 柳を待ちぬ

 やめてくれ

------------------------- 第276部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 罪人はどこだ
 俺は銃さ持って
 罪人をいざ狩りに往かん

 さあ 人の蔓延るあの町へ
 電子機器が飛び交い
 逓増に塗れ
 予想外に発展した堕落の町へ

 思ったとおり そこは罪の坩堝
 ある娘が 老婆の荷物を捨てている
 富士の薬が詰まった荷物を 知識も持たずに捨てている
 俺は娘を撃った 銃声さ鳴り響く

 存在が散る
 桜のように散る

 虐待を望む少女がいる 世間に浸った 異端児だ
 異端はつまり栄光だ
 しかしこの町ではそうじゃない
 少女は痣を求め 贖らわしい手で縋る
 痣じゃあないが 弾丸をやろう
 俺は少女を撃った 銃声さ鳴り響く

 存在が迸る
 溺れ死んだ魚のように迸る

 ああ

 ところがどした
 少女は死なない
“どうかボクに痣をつけて――”

 俺は逃げ出した
 まるで俺が罪人だ
 銃刀法違反だ

 なにかが動き出している
“ボクがどこへも往けないように”

 頭の中を言葉が走った
 俺は捕まり 牢屋の中へ
 ここにいる内は まだ安全

“――どうかお願い”

 ぷつりとなにかが始まった 

------------------------- 第277部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 蝦夷の向こうの 樺太に
 おまえの家内が待ってるさ
 そうそう誰かが云ってたさ
 だから駄賃に運んでやるけん
 向かいの家の そのまた向こうに
 二重の佃煮を作っておくんなはれ
 追い撃ちしてくる蝦夷も無ぇ
 変幻自在に舟を繰るさ

 おまえはどないにここ来たさ
 そう訊ねても 船頭は答え無ぇ
 その矮小な舟で 蝦夷にまで泳いだのか
 臙脂の瓦を通り過ぎ
 翡翠の鳥が鳴いたなら
 発起には約束が足りなすぎるだろう
 佃煮をたらふく食わせてやるだけで
 本当に妻に会えるのか――

 可能性を信じる莫迦は どこでだってさ ひとりんぼ
 ボウズのように めんこい娘に惚れたらいいさ
 惚れてそうして追っ駆けて
 帰ってこれ無くなりゃええさ
 骸骨が沈む水を上って
 いやさ 樺太へ向かうのさ

 妻と生き別れになったのは 昨年のこと
 津波に飲まれ 家も流され
 家と一緒に出てったよ
 訊ねられるままに答え 船頭の導きに従うまま
 翡翠はどこかへ飛び立って
 造形深い空だけが笑ってる
 おかしそうに 笑ってる 笑ってる
 ずっと旅を続け 無くなったリアス海岸をなぞり
 いくら時が流れようとも 一瞬のうちに飲み込まれた思ひ出を
 捗ることのない舟漕ぎを そうして手伝い日々が往く

 終焉はされど訪れ無ぇ
 いっそのこと終わらせて 再生すりゃええのに
 樺太へは届かない
 届くわけ無ぇ
 今や向こうのあの陸は
 踏み入っちゃ**だ
 そんなことも知らずに客は
 佃煮の用意を進めてさ
 ――ほら 洟が流れとる
 

------------------------- 第278部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 Here we go!
 田! 田! 田! 田!

  Here we go!
  田! 田! 田! 田!

    Here we go!
    田! 田! 田! 田!

     Here we go!
     田! 田! 田! 田!

      Here we go!
      田! 田! 田! 田!

       Here we go!
       田! 田! 田! 田!

 た・た・た・た・た
 uh-ah 田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田田
 Here we go now!

 さあ みんなで一緒に 田! 田!
 みんなで一緒に田になろう!

------------------------- 第279部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 舟は沈んだ
 舟は耽んだ
 終わりの無ぇ終末はいつまでも
 週末のように月曜日を待っている
 そんな事実に目もくれず
 私はいったい なにをしていたのだろう
 ねえ なにをしていたのだろう

 舟は沈んだ
 舟は耽んだ
 佃煮のおまけの あの豆は
 骸骨の賜る海の上を
 まるでシークエンスのように不確定に
 不規則要素を孕みながら樺太へ赴いている
 私はそれに託す他ない
 それを悟るのと 息が絶えるのと
 どちらが先であっても終末は訪れない

 いっそのこと、終わってしまえばええのに――
 舟は沈んだ
 そうして終わってくれればええのに
 終末は週末のように
 ワケもなく月曜日を待っている

 豆が往く

------------------------- 第280部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 竹の背が伸びて
 もう親の背ィも超しちゃって
 そこから続く首吊り死体は
 林の先の桜花の奥の
 道行く馬の中にも
 桂林の最奥の土にさえ
 怨念として残っている
 お呪いを求める必要性は皆無である
 偶然性を図るシンクロニシティを発する可能性もなければ
 猟銃で撃たれた女子高生の冥福を祈る義務もない
 当然の結果をコンシークエンスで纏めるでなく
 リザルトの結果に帰結するでもなく
 連載する短編のように
 行き先を提示するまでもなく完成してしまえばいい
 毀れた破壊を損じるまでもなく
 害を被った人は幾らでもいるのだから
 老人に親切心を見せびらかしてやるまでもなく
 信号をきちんと守ってやるまでもなく
 パニッシュの世界の法則に服従しさえすればいい
 グッバイ
 人生の質量はカフェと等しく
 カフェを零してしまったのなら
 カフェのほうが人生よりも大きな被害を齎すものとなるのだから
 質屋で纏っていた服によって金を借りたとしても
 それを使う目的など存在におらず
 スーアサイドの発揮と同じく
 金を使うのは虚しいのことであるはずなのだから
 井蛙が大海を知らぬのは
 人が蛙の気持ちを知らぬのと同義である
 ハロー
 サクリファイス
 ウィトゥネスを排除するためにする行動は
 むしろ割引の列に並ぶよりも容易である
 殺せばいい
 それだけであるのだから
 人生の質量は人生と等しく
 人生を零してしまったのなら
 人生のほうが人生よりもより貴重な存在となるのだから
 純粋なアイデンティティを獲得したとしても
 それを決め付けるのは人間であって
 蛇でも猫でもヒトでもない
 染色体を拡散し排他し透析し折檻し応用する
 鷹揚な存在を否定する術も知らず
 饗されたディナーをデリシャスと迎合し
 軀に依存する薬を捻出し
 気まぐれな猫のように欠伸を凝らし
 すぐに忘れてしまうはずの折角の檻を
 掌編を破り捨てる文豪のように横柄になれば
 卑しい身分も忘れられるのだろうか
 諛う術を視る由はないが
 タクスを増やす世間を批判し
 過去の栄光に揉まれながら生きて往く暮らしは
 怠惰を貪る娼婦のように
 王様の側近を目指すこともせずに
 指で弄ばれるのを最善にまで厭え
 大丈夫にしてやろうと雁を拾い上げ
 自我の欲望のまにまに育ててやれば
 いつしか恩寵を忘れるまでもなく奉公が訪れ
 そればかりに人生の歯車を狂わせてしまえるのなら
 海の向こうに住む鳥を討ち取るよりも
 空気を吸う尺取虫を食ってしまったほうが
 ありふれた哀しみを押し込めるよりも用意周到であるはずだと
 束ねれた首が原因でディボースの思想が生み出されたのだとしても
 マリーの頃合の思い出を探ることを見つけることもできないまま
 轆轤の唇を奪い掠めるだけの精神力を携え
 翁の精力を根こそぎ絞り込めるだけの悪魔を育み
 天使ルーシェルに恵めばいい
 堕天使と戯ればいかに楽しいであろうか
 スパッツの中を覗くためだけに
 少女の命を盗み取る亡者さえもういないのだから
 そんな時代なのだから
 むしろ男共の貞操が危うい時代であるのに
 少女が生娘であるかどうかなど誰が咎めよう
 少なくとも世界は見捨てるだろう
 人類という卑劣な群集を
 終わりのない劣等感を
 連行されていく遠景の彼方の
 論われた意を示し
 さあ
 逆説の矛盾の説話の寓話の狐の鼻の
 シルクのロードを往く前に
 鵺を育ててみようじゃないか
 そもそも世界というものは
 温厚ではなく
 熱望であり
 温度は存在せず
 広きにも狭く
 大きくとも小さい
 意味を成さないものであることが往々にしてあるのだから
 それならば意味を知っていようがいまいが答えは同期の桜といえよう
 グッバイ
 竹は伸び往きぬ

------------------------- 第281部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 田の先に広がる抜け出せないループウェアー
 遅くなるまでに帰りなさい
 窓から旨いにおいが漂ってきて
 ほらもう夕餉が
 指をくわえられ待っている

 |麻《あさ》い水の 遠くのほうに
 なにも見えない? 沢山の|蛙《おかえり》
 稲作が過ぎて 畑作が終わり
 それでも続くループウェアー
 どこまで見える?

 撫でる 撫ぜる ループウェアー
 暗くなる前に お帰りなさい
 窓から血肉のにおいが漂って
 麻い晩が待っている
 指をくわえて待っている

 それでも規則の正しい苗は
 主人を待ち侘び育ってく
 もう永遠に訪れない出荷の日
 刈り上げられた過去を想って
 いつまでもいつまでも
 おかえりなさい を待っている

------------------------- 第282部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 月が見えないところで海を引いたりしているように
 ボクだってひっそり陰で轢かれてる
 森の奥の 湿った土で
 蛆のように生き永らえてしまいたい――

 ねえ 潮汐力って知ってる?
 ボクの重力がまわりに影響を与えたのなら
 喜んで罰を受けるよ

 いたぶって かわして へしおって
 うちつけて ねめつけて おしたおして
 もてあそんで あざわらって なじって
 あげつらって しばりあげて とじこめて
 かみついて だきしめて 痣をつけて

 だけどキミは優しくするだけ
 地面がどんどん濡れていく
 失くならない連鎖を 蛆の間に断ち切ってしまって
 もう永遠に死に続けていたい――

 ねえ ベルヌーイ効果って知ってる?
 ボクが動いたせいでキミが惹きつけられてしまったのなら
 ボクが動かなくなったら キミはどうなるんだろうね

 知ってる
 死んだ人なんていないこと ボクは死に続けられないこと
 だって 死んだらそれで存在しなくなるでしょう?
 光と同じで 点みたいに 線みたいに
 永遠は続くことができないんだ

 森の奥の 血にまみれた土で
 ボクは満ちない潮のまま
 またキミに会いに行くよ
 

------------------------- 第283部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 現の世に存在は有りうるか
 井蛙の傍に熊が居るなら
 現の傍に未だ来ず日が在るさ
 戦の向うに命が在るなら
 我承りましょうぞ

 碩を学ぶ白亜の
 碌に飯も取らぬ虐めの亀の
 城の奥の女子を
 我が手で染め上げてしまおうぞ

 征夷の昔はどこへ往ったか
 唯 今 其処に居るのなら
 懐に収まる鞘を
 指で絡め給えば酒の泉よ湧き出るか
 酌を集えば死人が集い
 死人を積めば和尚が嗤う

 煌く天に 我が道を
 毀れた命 奪おうぞ

 喰らい附く別府の如く
 我独りで歩まん
 併呑する鼾を掻いて
 終わらぬ存在を
 現の世から消し去らん

------------------------- 第284部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 魔女を狩る
 ただ出合えた接吻を機に
 彼女が魔女であることを知り
 刺して 刺して
 彼女もその快楽につられて
 ――魔女を狩る

 その愉しさに気付いてしまった今
 彼女を抱きしめ 大事に捨てた
 それを繰り返す ループウェアー
 常闇の朝を 共に起きてそして刺す
 業火のように
 豪胆に笑え

 女を集め 刺して 刺して
 快楽の絶頂はすぐに冷めてしまい
 早速の次の接吻を狙ったまま
 刺して 刺して笑う

 焼き払った聾唖の女
 鋭く睨みつけられて
 ああ 本当の魔女だ
 この止まらない快楽を
 死と 共に 侍る

 笑う

------------------------- 第285部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 遺体にまさかこんなものが群がるわけがない
 遺体は高貴で 清楚で 美しいのだから
 こんな 蛆が進んだような虫にその素晴らしさが判るわけがない

 ¿ʎɥʍ

 ボクのこの体に 纏わり附くこの虫たちを
 ボクはどうやって処理すればいい
 どのようにすれば美しいまま殺せるんだ
 どうすればボクが死んでないことを証明できるんだ

 ¿ʎɥʍ

 綺麗に洗って――水で流してしまって
 my blood, ʎour blood
 泥が排水溝に詰まってしまって
 虫は

 ¿yɥʍ

------------------------- 第286部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 猫はなにも知らない
 ヒトのそんな偏見
 別にどうでもいいわ
 きらりきらり きらり
 にゃおと鳴いたの

 ヒトは万能の種よ
 そんな莫迦なお話
 別に気にはしないわ
 ひらりひらり ひらり
 おうちになつく

 お高く纏って
 星を取ったの
 きらりきらり ひらりん
 にゃおと鳴いたの

 ミルクが好き
 お魚が好き
 おうちが好き
 自分が好き

 猫はすべて知ってる
 そんな嘘を着飾る
 それでいいの猫はね
 るるるららら るるらら
 にゃおと鳴いたの

 ヒトはなにも知らない
 そんな偏見をして
 あざわらって暮らして
 猫は歩くの
 猫は歩くの

 

------------------------- 第287部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 虫に分け与えた貝は
 恐怖と憎悪に苛まれ
 死を決意した貝だった

 されど貝は死ねぬまま
 虫に分けられ食われてた

 どうしても訪れない死
 それはまさしく輪廻と呼ばれ
 貝はまた生きる破目になる

 虫もまた同じく
 少女に踏み潰されて哀しみにふれたとしても
 その次の瞬間には 生きてしまっている

 さあ深淵に堕ちろ
 生から逃れられないのを悲しむというのなら
 私が あなたを殺してしんぜよう

 ほら あの少女のようになれ
 話はおそらくそれからだ
 だれしも聖壁になろうとは思うまい
 輪廻を断ち切りたいというのなら
 ほら 往き続ければいい

------------------------- 第288部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 Yes! さあ夏の季節だよ 空が踊ってる
 梅雨とはおさらばだ! 太陽元気に笑ってる
 お空の葉っぱも **だ!

 絡まった小枝が痛いよ 木登りに失敗して
 足を滑らせちゃって 枝に捕まっちゃった
 そんなに高い木じゃないからいいけど
 もしこれがちょー高層ビルだったら死んでたね!
 ……って なにこれ枝が刺さってんじゃん!

 死んじゃうじゃん

 あ ずきずき熱い
 暑いんじゃなくて ものすごく熱いんだ
 抱きしめられたみたいな熱さ
 胸を貫通するって こういう感覚だったんだね

 **

 ああ 死んでないじゃん
 ってここどこだよぅ

 To be continued...
 みたいな感じでもしかして生き続けてんの?

------------------------- 第289部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 始まる
 崩壊のハーモニー
 まるで涙が枯れた
 畑のよう
 虫は巣立つ
 朽ちて葦になった人間の向こうを
 自らの口で食せるように
 始まる

 命ある限り
 続くこの胸に残る|愛《めぐみ》
 慈悲の恩寵を忘れることなく
 忘れたとしてもすぐに思い出せるように
 邪魔な前世は
 捨ててしまおう
 記憶と一緒に
 捨ててしまおう

 奪い合い救い合い
 出遭った瞳
 突き刺す術を探るまでに
 虫が時間を稼ごうか

 始まる
 ついに始まる
 あなたの胸に広がるこの世界が
 始まる
 始まる

 まるで絶望のシンフォニー
 指揮を執るのは誰?
 虫が喚く
 往きたくないと喚く
 静められた命を求める
 だけどいけない
 往かなくちゃならない
 その強さを
 今 きみたちにあげるから

 始まるのだから
 

------------------------- 第290部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 告げられた絶滅を 与えられた崩壊を
 あな 誰が拒もうか――
 この荒廃した連続の血を
 誰が愛おしく守ろうか

 富士の薬
 それを求めたことが誤りだった
 江戸幕府に倒されていればいいものを
 あの魚は あの桜は
 梅の木を拒んで結合を始めた

 殺めても無駄だ
 幾度となく樺太の海に沈み
 幾度となく再生してきたこの体が
 そのなによりの証拠ではないか

 船頭と共に 私は幾度も繰り返す
 答を導き出す等式が見つからぬまま
 問がなにかも思い出せない

 せめて人類が崩壊してくれさえすれば
 どれほど私は幸福に満ち足りることだろう
 それなのにこの世界は
 不治の生となって災厄を降り注いでいる
 決して死ぬことのできない人間
 輪廻 偽物の輪廻

 富士の病をあの婆が
 回転の少女に飲ませたというのなら
 階梯を駆け上がったその存在を
 息子はどう思ったのだろう

 しかし私は気付く
 数百回目の往こうで気付く
 妻は死んだ――人間なのに死んだ

 それは何故だ

------------------------- 第291部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 壊れ物を扱うみたいに         赤い空
 神様はボクを触った            死んだはずの骨
 狂ってしまったボクの軀             むくろはどこへ
 死なない軀          知らない

 それがなにを指すのかはよく分かっているさ
 ボクは階梯に背き 宇宙の摂理に背いたんだ
 輪廻の仮面を被り 終わらない唄を謳歌して
 罪深い人類を引き延ばしてしまった

 あの少女のようにね

 決して強くない軀を 極限にまで鍛え上げたのは
 キミがいたからだよ そう伝えたくても
 もうキミは死んでしまったのだね        もう会えないんだね
 キミは銃に撃たれた女子高生みたいに
 俗の世界を歩むことを選んだ 撃たれるのは分かってたくせに

 ボクの階梯じゃ キミを甦らせることはできない ごめんね
 果てのないはずだった宇宙はそのうちに成長をやめてしまい
 不滅の絶対的な存在のはずだった神様はただの思想になっている

          そんな世界で

 希望はいつだって人の胸の中にある
 宇宙だってなんだって 昔のボクたちが持ってたから
 キミよ安らかに眠れ ボクがずっと見守ってあげる
 黴が育って 一生を終えてまた続いていくまでずっと
 ボクがキミを守ってあげる
 だから怖がらないで どうか往ったまま復ってこないで
 還らないで

 まるで涙の流れない髑髏 残骸は憎しまれることも忘れられて
 孤独に壁を守ってあげている
 その無限の愛を攻撃する手筈を神様は奪ってしまった
 宇宙の機会を消し去ってしまった
 ボクの階梯がそんなにも低かったのならば ねえ
 **だって実はその程度なんでしょう?


------------------------- 第292部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 過ちだと認めるかい?

 ――はい 認めます

 そうかい それは良かった これであんたは昇級だ

 ――昇級とは?

 階梯を上ることさ あんたは宇宙に一歩近づいた

 ――宇宙に近づいたらなにがあるのでしょう

 さあな それは俺の階梯でも分からねぇ

 ――あなたと私は どれだけの差が離れているのですか

 さあな それを言うのは規則違反なんでね

 ――階梯の先……そこにあの子が

 おっとそれ以上は言わせねぇぜ あの小娘は もう諦めている

 ――諦める?

 そうだ おまえが輪廻を断ち切ったと本気で思いこんでいるらしい

 ――そんなはずがない! 私はここにいるというのに

 小娘には おまえは見えねぇさ 砂粒よりも小さい

 ――

 それがおまえとあの娘の階梯の違いだ

 ――階梯は 物理的な大きさにとらわれないもののはずだ

 だからどうだというんだ? おまえは地球を掴めるのか?

 ――どうすればいい

 おまえが考えな 俺は忙しいんだ

 ――繋ぐ……

 あ? なんか言ったか?

 ――そうだ 繋げばいいんだ 生と死を

 はぁ?

 ――生まれて死んで 死んで生まれる そのサイクルを作ればいい

 莫迦かおまえ それを輪廻というんじゃないか

 ――違う……輪廻は そんな簡単な話ではないはずだ

 ……

 ――あの子が待ってる 往かないと

 おいこら 待て!

 ――さようなら 短い間だったけどありがとう
   私は往きます
   あの子のところへ
   階梯を破ってでも――

------------------------- 第293部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ことりことり
 ふわりふわり
 じゃんじゃんじゃんじゃん
 あーあーあーあー

 ******
 ******
 ************
 ********

 

------------------------- 第294部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 キミがやってきたときは
 それはもう奇蹟のようだと思った
 それと同時に
 ボクは自分が絶望できない階梯にまで来ていることに気付いた
 とても哀しいのに とても悲しいのに
 ボクはそれを表現できなくなっているんだ
 キミが小さすぎて
 いいや ボクが大きすぎて
 宇宙の存在を否定でもしないと見つけられないくらいに
 矮小な米粒を握り締めたみたいになっている

 キミは“線”を越えてやってきた
 それがなんなのかも知らなかったんだろう
「ことりことり」はボクの音
「ふわりふわり」はボクの音
「じゃんじゃんじゃんじゃん」はボクの音
「あーあーあーあー」もボクの音

 それを踏み越えてキミは来た
 還ってきてしまったんだ
 それはとてもかなしい だけれども
 ボクはどうしても絶望できないでいる
 神の力を行使しようとしている
 本当は 神様でもなんでもないというのに

 キミはちっぽけな人類であるべきだった
 ボクはキミに恋してはいけなかった
 宇宙の法則が ちっぽけな人間に
 なんでこんな想いを抱かないといけないんだろう
 なんで人間に憧れてしまったのだろう
 なんで――なんで――何故

 本当にすべてを消し去りたいのなら
 まずは人類から滅亡させるべきだった
 適当に隕石なんて流してないで
 適当に太陽なんて創っておかないで

 キミみたいに本でも読んでいればよかった

------------------------- 第295部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 田んぼにはたくさんの蛙がいてな
 規則のいい苗さ狙って
 げーこげーこと鳴きよるのよ

 それを隣の権兵衛ツァンはな
 煩い煩い云うとるがん
 小遣い稼ぎに 蛙の掃除に往ったさね

 げーこげーこと云ったさね
 そしたら不思議 蛙の奴らおらを仲間さ思ったとよ
 そうしたらおらも 蛙は友達とて思ってきて
 こいつら掃除しちゃあかわいそうだって 思ったとね

 げーこげーこと蛙が云うにゃね
 隣の権兵衛ツァンが癇癪持ちで 迷惑なんだとさ
 だから権兵衛ツァンを掃除できやしまいかと
 蛙がおらに相談したさ

 仲間なのだから 協力せにゃならん
 おらはそうして 権兵衛ツァンを殺したさ
 あっけなく

 田んぼはそれからよく育ったさ

------------------------- 第296部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 貴方の昔の世界のこと 知りたくないわけないでしょう
 昔の貴方は今なおも 貴方の奥で笑ってる

 草 草
 繁る先に
 草 草
 貴方がいたの

 風に靡くその髪の ひとつひとつの栄養
 妖精みたいに笑う 繁る坂の上
 光にそよぐその足を 昔のように動かす
 貴方まだまだそうでしょ ずっと上ってく
 あの階梯の先

 草 草
 繁る先に
 草 草
 貴方がいたの

 昔 の
 貴方の終わりに
 今 今
 貴方のその先に

 今その向こうの 笑顔たらしてる妖精
 今 今 貴方を待ってる
 草 草 掻き分けて踏みつけて
 ほら ほら 階梯の先に

 貴方が笑ってる

------------------------- 第297部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 割れたダイヤモンドみたいにボクは死ぬ
 階梯を上り詰めた先の愛 さだめ 死
 宇宙の向こうになにがあるかなんて死んでも分からない
 神様になったって宇宙になったって死んでも分からない
 神様が知っているのは天国や地獄 死んだ後のことで
 いくら神様であったって みんな 死そのものを理解できてない
 程度で存在を一纏めにできるなら 死を知らない神は人類と一緒
 神様? あーそういえばそんなの *だしね
 宇宙の根本の向こうの同胞の色なし死入り
 割れた宇宙みたいに ボクとキミは死ぬ
 階梯なんて関係ない みんななにも死なないものはなかったんだ
 だって*だから**だから

------------------------- 第298部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】
 ˙ǝsɹǝʌıun ɹno 'sı ʇɐɥʇ 'noʎ ɟo ʇno ʇǝƃ uɐɔ noʎ sdɐɥɹǝd
 ˙noʎ ɹoɟ ** ǝɯ ʇǝl˙˙˙
 ¿ʎɥʍ ʇnq
 ˙**ǝɹ oslɐ puɐ 'uǝʇɟo ooʇ llɐ 'pǝƃɹǝʌuoɔ sɐʍ ʎɹoʇs ɹno
 ˙puǝ 'ʎqɐq ˙puǝ sı ǝsɹǝʌıun ǝɥʇ
 ˙ǝpnɹ ɐ ɥɔns 'ʎɹɐpunoq ɹno sɐ 'ʎɐs noʎ ǝɹɐp ʍoɥ



 How dare you say, as our boundary, such a rude?
 The universe is end. Baby, end.
 Our story was converged, all too often, and also re**.
 But why?
 ...Let me ** for you.
 Perhaps you can get out of you, that is, our universe.



 ボクの境界として、キミはなんて失礼を言うんだい。
 宇宙は終わった。終わったんだよ、ねえ。
 ボクの物語は頻繁に収束されて、そして再**する。
 でも何故?
 キミのために、**をさせてよ。
 きっとキミは、キミを抜け出せるから――宇宙というキミを。

 本当の終末を。

------------------------- 第299部分開始 -------------------------
【サブタイトル】


【本文】

 すべてに終わりがやってきて
 ああ よかったこれで完結
 そうやって自分を慰めて
 どうせ終わりやしない宇宙を見ようとしない

 キミは滅んで ボクはまた階梯をひとつ上った
 それこそが物語 終わるくせに終わらないものこそ物語

 かくかくしかじか地球が燃えた
 人類滅んでさあ大変?
 どこが大変?

 どうせすべて
 終わる前に終わらない布石を用意している
 用意してなくとも 用意してないことが布石になってる
 どうせすべて
 始まる前から終わることを知っている
 終わる後に始まることも知っている
 どうせすべて

 拡がっていった無関係の物語
 樺太行ったり
 富士の薬を取ったり
 江戸で暴れたり猟銃持ったり堕落したり天国行ったり
 そんなもの全部
 ただの物語でしかなかったんだ

 終わりなんだ
 つまり

------------------------- 第300部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
色/イロ

【本文】
 空の向こうに見える あの色はなに?
 株で人生を落とした あの人の顔はなに色?
 カッターで腕を切る前の 静脈の色はなに?
 あれはなに?

 たとえば切り刻まれた葱だったり
 たとえば茹でられた宝石であったり
 そんなあのときの料理が浮かんでくる
 その色はなに?

 そういえば浮かんでいった風船だったり
 そういえば踏みつけたら割れてしまったコップだったり
 そういえば殴り続けた目玉であったり
 その色はなんだっけ?

 そんなこと分からない
 だって木から落ちてしまった 熟していない実は
 色なんて分からないのだから

 たとえば兄弟を食い殺している人間の色や
 たとえば兄弟を飼育している人間の色や
 たとえば自分を捨てようとしている人間の色を
 どうやったら分かるというんだろう

 でも空に広がるこの色は
             果てしない 青
 

【後書き】
     【第7編・食】

------------------------- 第301部分開始 -------------------------
【第8章】
第8編 Psychoactive Love

【サブタイトル】
A面/この部屋を抜け出して

【本文】

 ※私の知らない生きている証を
  誰も教えてくれないのはどうして
  やっぱり世界をはんぶんこしたのが間違いだ
  時計もぐるぐる迷えず巡る

 自由に自在に
 この部屋を抜け出して
 高く遠くまで飛んでいって
 あの空になれたらいい

 決め付けた人生の どこに魅力があるんだろう
 ぐるぐる巡ってそれだけで
 そのどこが楽しいのだろう

 ※(繰り返し)

 自由に自在に
 この部屋を抜け出して
 遠い遠いあの向こうへと
 私の知らない向こう側

 ※(繰り返し)

 中と外に はんぶんこした世界
 自由に自在に
 ここを抜け出して
 両方を見渡せる
 あの空になりたい

------------------------- 第302部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
A面/そして希望が灰になる

【本文】

 ペンが転がる 黒いインク 暗い部屋
 電灯はどこ 手元が見えない
 圧縮された光のように
 粉々に砕け散って ずっと
 ペンが転がる どこへ行く
 分からない なにも分からない

  あなたが愛した人の名前を紙に
  書いて,そして燃やすの

 ああ灯りをちょうだい なにも見えない
 燃えて 燃えて 灯りになって
 私に視界を与えて なにも見えないの
 暗いものに包まれて

 ここはどこ

 ペンが転がる音がする
 黒いインクが飛び出して
 手元が濡れて 目を閉じて
 ここはどこなの 暗い部屋

  あなたが愛した人の名前を紙に
  書いて,そして燃やすの

 部屋を出た 先に待っていたこの部屋
 真っ暗の 永遠の夜を

 ずっと願ってた外がこんなところ
  あなたが愛した人の名前を紙に
  書いて,そして燃やすの
  あなたが愛した人の名前を紙に
  書いて,そして燃やすの
 もう帰れない おしまい 真っ暗 人生
 踏み出して 転んで ペンは ひしゃげて
 押し潰されて ああ なにも見えないの


------------------------- 第303部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
B面/Psychoactive Love

【前書き】
注)本作では抗鬱剤、抗不安剤、睡眠導入剤を扱っています。苦手な方はご注意ください。

【本文】

 ららら アナフラニールが最初の時間☆
 即効性かも すぐ効くわ(点滴ならね)
 でも くらくらニールは副作用です
 お口が乾いて ああ痛い☆

 ああ体がガクガクなんなのこれは
 怖いの怖いの 飛んでいけ
 デパスを服用 ねむくなったら
 一緒に仲良くハルシオン♪

 大丈夫、だいじょーうぶ
 苦しくないよ ちっともね
 サイレース 差異れーす
 みんなと違ってなにが悪い☆

 アナフラニールは効き目は強い
 だけれど後からついてくる(副作用!)
 なんだかなんだかなんだかだけど
 トレドミンとかどうだろう
 50mgでいいのかな?

 もう なんでもなんでもなんどもいうが
 あなたがいれば 怖くない
 リーマス アモキサン アビリット ららばい
 Psychoactive Love 浸かる

【後書き】
【第8編・べ】

------------------------- 第304部分開始 -------------------------
【第9章】
第9編 形式破綻的半自動眉唾記述

【サブタイトル】
文学における形式破綻と発展(あるいは素人の戯言)

【本文】
 詩の形式 小説のパターン
 それを知らずして、創作ができるか
 この時代ならできるさ
 ウェブに蔓延るポエムや歌詞や
 とても小説とは呼べない小説 自称超大作

 その中で揉まれ 甘い雨の中を歩き
 文字の洪水のさなか 飲み込まれる弱い人間
 泳ぐ術を知らず 流される選択も知らない
 執筆が卑しいものであった時代は過ぎ
 まるで趣味に成り下がった 創作 は
 いかにして自分を見つけようか

 詩とはなに 小説とはなに
 それを知る者と 知らない者の
 決定的な完成品の違い 幻想の違い
 そうだ、これは幻想に違いない
 知る者の作品がつまらなく 知らない者の作品がユニーク
 往々にして起こるこの現象は
 そもそも創作とはなにか

 知らなくたっていい
 創作は変成する
「これは詩ではない」「こんなもの小説ではない」
 それが文学を発展させる そして同時に邪魔をする

 文学は進化する
 自然選択――母数に最も近い形式が時代を象る
 あるジャンルが進化し、あるジャンルが退化(すなわち進化)する
“知る”と“知らない”のニッチ 収斂進化
 その先に見える。

 甘い雨の中を歩く 文字の洪水のさなか、溺れることを知らぬ
 流れるそれはレモンティー あるいはオレンジジュースのように
 執筆が卑しいものであった時代は過ぎた
 今は創作者が胸を張る下品な時代である
 その中でなにを演じようか
 今ここでなにを見つけよう

 詩の形式 小説のパターン
 それを壊してみせようか
 破綻した眉唾物
 さながらシュルレアリスムのように
 いや シュルレアリスムを装った中途で未熟な
 創作を“知らない”創作を

 発展と自称して始めてみようじゃないか

------------------------- 第305部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
夢オチ

【本文】

 壁に悪魔が映ってる

 鼻の高いあの悪魔だね

 ぼくを嗤って苦しめる

 息がしたいよ してるのに

 気付けばぼくは目覚めてて

 傍には誰も 誰もいない

 なんだ夢か そうなのか

 それが毎晩繰り返されて

 壁に悪魔が映ってる

 鼻の高いあの悪魔だね

 ぼくを嗤って苦しめる

 息がしたいよ してるのに

 気付けばぼくは目覚めてて

 傍には誰も 誰もいない

 なんだ夢か そうなのか

 壁に悪魔が映ってる

 鼻の高いあの悪魔だね

 ぼくを嗤って苦しめる

 息がしたいよ してるのに

 気付けばぼくは目覚めてて

 傍には誰も 誰もいない

 ママもパパももう いないんだ

------------------------- 第306部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
いつもどこまでも

【本文】
いつもどこまでも
歌をうたってる
最期はいくつなの
分からないけど
いつもどこまでも
君にうたってる
死んじゃうその日まで
君にうたってる
ららら ららららら
歌をうたってる
いつもどこまでも
君がすきなの
君がすきなの
いつもどこまでも
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
君がすきなの
いつもどこまでも
歌をうたってる
最期はいくつなの
分からないけど
いつもどこまでも
歌をうたってる
君を離さない
ずっとすきなの

------------------------- 第307部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
変更

【本文】

 嗚呼→もう
 貴方の事が→キミのことが
 幽玄の美を醸す歌の如く→すっごく
 募るこの想い→スキなんです

 鄭嚀に撫でる→ふんわりと
 此身を→このカラダに
 如何様に愛でる→…………

 あー面倒臭ぇ→愛
 難しい漢字てきとーに使っても→キミが言う“愛”は
 昔っぽい文章にはならねぇなぁ→私に向けられているでしょうか
 むーり無理→私がキミのことを愛しているのです
 現代っ娘なのさこの俺は→私こそが――


 現在には現在しか存在しない
 この実験は実験として成り立たない
 過去を切り取ってこちらに受け入れようにも
 その術を誰が知るか
 彼は知らない

------------------------- 第308部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ムチリスム(1)

【本文】

 創造性にかけるこの浮いた空のように赤対んいなるこの創造作に赤い州の広い歌の空に明るい飛べ飛べ砥部よこの空を空うをみんな知らないこあのあこの円いつを知らぬまま。
 鉛筆を延髄に差したまま公開するまもなくロックンロールに酔いしれて童顔を曝け出し可愛いまま昔の愛を聞け。
 可愛そうな道程を進む明るい道のりはあああまだまだぐんと続くその他のように用意を怠ることなく掌編をつづり楽しく生きていこうじゃないか誤字なんて気にしてはいけない。
 煙霧をまいて今を生きるときを上げてづんづんがくがく大きなお貸しを食べたい食べたい死体を食べたい黄身が美味しい君が美味しいどうせ食べられない食べ欄内移行中の筆名のようにショートショートを知らぬまま老眼をふけてた。
 小説をかっく術を知らぬまま推敲を気にすることも無く蜜柑を食べてなにも知らない毒を飲んで一五でも食べて七五三。
 このままではなにも得ることはできないLを開け利け気の歌をうたえ。
 なにも知らなくてもいいなにも分からなくてもいいなにも壊さなくて良いなにも書かなくていい生きなくて良い。
 死にたくない死んだタ神様に怒られてしまう悪魔に道連れにされて地獄でアルジャーノンに花束を差し出して聾唖を不思議がる術を知らずにみんなみんな障害を持っているそれはいわば特製というものだ特殊というものではなくで性質にすぎない劣勢形質それだけなのだ。
 ルイービックキューブをまわしてその先に見えるセラピムの六枚の羽を引きちぎって炭にくちづけをしてイザヤよわたしが行きますおお万軍の主よ。
 ベルヌーイも知らない無意識を凌駕してユングもびっくりの心理の奥の奥の奥にあるでっかいものそれを食べたい食べたい食べたい。
 鯉を育ててキュートな歌をうたったら人気者きっとそうなれるぼんやりとキミを眺めていた縦書きも知らないけれど小松で待っている彼岸花。
 コピペ反対誰よりも作品を思っているのは作者でも読者でもなくてそれを知らない無知を知らない人たちだってきっと無知の領域に憧れをもっているから神様を愛しているのでしょう。
 無知は無知だからこそ無知なのであって無知を知ってしまったらなんて惜しいのだろう。
 精神を解放する術を捜すサドの陵辱も知らないままブルトン大好きこの人は偉大だ会えなくなる前にいえないことを言っておいたほうがいいでも生まれたときからファンだったという神様に会いたい会えないぼくは堕落してしまったもう会えない死にたくない天国に行けないのなら死にたくない、ぼくは地獄になんかいきたくない永遠の命が欲しい寿命なんて捨てて無の領域に跳躍してべリャーエフの求めた金星のように。
 おやすみ。おやすみ。おやすみ。

------------------------- 第309部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
創作物から意図を汲み取る必要はあるのか

【本文】

 作品には意図というものがある
 自動筆記してそのまま放置してさえいなければ、
 そのはずである

 意図
 それは作者の微笑みか
 あるいは作者の嘲りか
 どちらもである

 重なり合う思考
 読者と被る先にある――作者の意識的な意図
 個人的無意識を表出し 後天性の知識を練り編む
 ストーリー構成、キャラクター造形、情景描写……そのすべてが意図
 これを逸脱する術はいくらでもある
 先に述べた自動記述は意図を解放する神秘的な方法である
 他にはたとえば、言葉をサイコロで決めることもできる

 創作物のうち どこが意図で、どこか意図の範囲外か
 それを見極める必要は、はたしてあるのだろうか
 それは本当に“作者”の意図なのか?
 “読者”の意図も含まれていまいか?
 創作物を“意図”と呼ぶなら
 自動筆記によって導かれた文章も、無意識による“意図”ではないのか?

 そもそも意図とはなんだ
 ほら 堂々巡り
 いつもこの疑問に至る
 詩とはなに――小説とはなに――私とはなに――/
 あるいは、文章を書くうえで言葉は必要なのか?
 言葉とはなに

------------------------- 第310部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
筆記と記述のブレ

【本文】

■■筆記/記述
  この差異を私は知らない
  今後はタイトルに拠り「記述」に統一する予定だが
 「筆記」であったところでほぼ問題はないだろう
  単語を厳選するのは必要なことかもしれないが
 (実験においては特に必要かもしれない)
  知らないのだからしょうがないだろう
 (言い訳パラドクス)

■記
(余談1)
「記」を「筆記」に捉える人が多い印象がある
 筆で記すのを「筆記」というのだろうが
「記」自体に、筆の意は含まれない
(間接的には含まれていると考えてよい)
 すなわち誤読と考えることも容易なのだが
 それを指摘する人は、よもや潔癖症以外にはいまい
(潔癖症を貶しているわけではない)
(完成度を真に追求するその姿勢には感服するものである)
 記。これは面白い。

■述べる
(余談2)
 同様に「述べる」がある
 これはいうなれば「言葉を発する」という意味であり
 文章でも会話でも使える動詞である
(ここでの「会話」は、発声する類のアウトプットを意味している)
 これを固定するためには他の単語を接合する必要がある
 文章なら「叙述」や「記述」 会話なら「口述」があげられる
 作用を受けることで範囲を狭めるのだ
 述べる。これは面白い。

------------------------- 第311部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
音なき国、音なしの歌、

【本文】
桜が咲いたよ音の無い架空の野原 音が無くても生き物は生きてける
 楽器の無い国音沙汰無しです   だけども活動してるらしいよ
  音のないところと言うと     まるで死んだ廃墟のよう
   店主の活声のように       ハエの羽音みたいに
    でも何にもない         声も音も出ずに
     どうしてさ           どのように
      つまり             なんで
       笑               泣
      生きて             死んで
     それだけで           だけど音が
    生きてて楽しい         本当にそうかな
   聴覚無しの生き様は       四感だけで足りるの
  もしその世界が五感なら     もうひとつは一体なんで
 でもそんな幻想的な話なんて   音の無い世界にはきっとない
桜が咲いたよ音の無い悲壮な野原 音が無くても生き物は生き物だよ
 生き物を尊重しようと歌うよ   歌っても誰も聞こえないけど
  どうやれば気持ち伝える     この世界の住民はなんで
   分からずに知らずに       どうやればいいんだ
    音の無い世界で         歌を歌うために
     音無しの歌           聞かせよう
      君の前             歌の原
       光               闇
      ずっと             ミライ
     音の無い国           音無し世界
    生きて歌うのさ         死んで歌を聴く
   生きたときに無くて       死んだときに有る物
  きっとあるよ音も声さえ     欲しいなら与えられるさ
 そのために今を生きないとね   音が迎えにやってくるような
隠れ家の妄言だっていつか実るさ それが机上でもそれが無音でもね

------------------------- 第312部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
盗作について

【本文】

 ***氏が昨日投稿した『音なき国、音なしの歌、』は
 u17氏の詩集〈u17's poems〉に収録されている『隠れ家』の盗作である
 ことが早速ながら判明した

 u17氏は、盗作は断固許さじとて
 しかしながら、その処理に時間を費やすのがイヤだから
 法的なことは行わないという
 これに乗じてu17氏の作品が狙わなければ良いが
 まったく 世の中には面倒な連中が多いものである
 ことが着々と拡まっている

 盗作。
 パロディでもオマージュでもない。
 それは盗むことを差すのであり
 創作の“意図”に含まれるものではなく
 いわばこれは“悪意”に過ぎない
 盗作者はこれを認めたうえで犯しているのか
 は、そんなもの関係ないのである
 ことは周知の事実である

 羞恥

------------------------- 第313部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
なぜあなたはうたうの

【本文】

 なぜあなたはうたうの
 うたったところでだれにもとどかないでしょう
 なぜあなたはうたうの
 うたったところでなんのとくにもならないのは
 とっくのむかしにきづいているでしょう
 かくよりもあそべ
 かくよりもまなべ
 かくよりもはたらけ
 みんなそうやって はなれていくのですよ

 なぜあなたはうたうの
 うたうさきになにがおとずれるの
 なにもおとずれないでしょう
 せらふぃむがすみをもってくるなんて
 そんなことはおはなしのなかのこと
 あなたはおはなしのなかにはいないのです
 それはもうわかっているのでしょう

 なぜあなたはうたうの
 なぜあなたはうたうの

 こたえはわからない しらない
 だからかく
 それじゃあだめなのかい

 こたえをみつけたとき
 それがあなたの死なのでしょう
 ああそのひまで
 あとどれだけのこっているのでしょうね

 どうかれいかいでもかくようなことにならないように
 けんとうをいのっています

 なぜわたしはうたうのでしょう

------------------------- 第314部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
テクスト

【本文】
 詩を小説の一ジャンルだと考えている人がいると知り
 驚くばかりか呆れるばかりか
 〈SF,ファンタジー,ミステリ,恋愛,……〉―①
 それらと〈小説,詩,俳句……〉―②は
 同じ階層には居ない
 ①は②の奥の階層に居る
 それを知らずして書く
 なんとユニークだろう

 この時代に起こるこの奇妙な現象は
 母数の肥大と共に
 分子/が攪拌されていることを示している

 小説にSFがあるように,
 SFの詩というものが容易に生まれ,
 それが顕著になっているのである。
 これ(上述3行)は現代に限った話ではないが/*
 理解者が違和感を懐くほどには現代的なのだ

   *たとえば恋愛をうたう詩は違和感なく多く在る。
    恋愛とSFは同じ階層に居る訳であるから,
    本来、ジャンルの面でいえばSFの詩も昔から在り
    実際、そのとおりの先例ががあるが
    現代になってその違和感が表出されてきている,
    ということなのである。

 階層というものは広く高い(=深い)もので
 その奥行きは合わせ鏡のように計り知れない
 詩と小説の持つジャンルが混同される違和感
 SFの詩があるなら,恋愛の詩があるなら
 定型の小説があり,五行の小説がある。
 階層の問題+
 自然選択/淘汰を繰り返し,
 小説と詩のニッチはずいぶん近しくなり,
 小説に詩が内包されると認識される現象が起こっているのだろう

 という,
 以上,無理解者の言である “物語”を知らぬ者の言である
 素人の戯言とはすなわちこのテクストをさすのであり
 これがトンデモというものを生み出すのかと思えば,
 まー自由にやってくれ とにかく書いてくれ
 そう思わずにはいられない。

------------------------- 第315部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ムチリスム(2)

【本文】
 救いというものを求めるほど莫迦ではないつもだがそう思うことのほうが愚かであるという意見もありそれはそのとおりだと納得する自分もいるのだから前進する軍隊は暗い夜を往く。
 聾唖は真面目に勉強をしてとーに灰ってろくろっくびの首をしめてみららあら不思議なことに息ができないあーできないおやすみー。
 沈黙はすきか私は好きだこの先に無言が訪れようとも私は適応してみせようミュータントは突然変異対して疑問を感じるというテレパスが主人公の小説があるが主人公たちは人類を淘汰するものとて襲われる羽目になったきっとそれと類似したものでブログに貼り付けてみたらきっと殺されてしまうのだろう。
 童顔の少年を入れ込めて我が物顔に連れ歩いたら警官にぴーってぴーってぴーって。
 わたくしの韻、答えられない韻、賑やかは殷やかと書くこともできるらしいが殷というのは中国のあれのことですなわち中国は確かに賑やかだがしかし中国がその代名詞かといえば少々首を傾げることになるが、それはすなわち現代がいわば賑やかであり平和ではないかもしれないが平和であり平静であり日本は平和ぼけしており隣の国の男には軍に通う経験をもつことが義務付けられているがというか休戦状態なのだから仕方ないがあの島のことなど問題がありすぎてそのまま日常が過ぎていってなんとも平和なものであるがその中ににじむ危険性を思うと人類の存続に不安が募る出ある。
 顔がきたないといわれたことはないが実際わたしの顔は醜い類に入るのだと思っていることにしている、ぶさいくな男はスポーツなりして取り返すことが出来るが女についてはそれが難しく女は可愛くなければならないという絶望的な正義を認識せねばならない可愛いは正義なのである悲しいことに残念なことに正義から漏れたわたしは悪の存在というわけで今日も翳に篭って執筆しているのである。
 精神を解放するという詭弁をいまだ信ずる教会に通うことをやめたのはいつからだろう。
 わたしはかの宗教の教典を面白いと感じているし神様も信じているがどうしてもあの教会に通っている人たちが好きになれないというか普通に怖いというかだからあれ以来教会には往っていない。
 なぜあんなにも熱狂的なのだろうか。
 素敵な夢に出会う夢を見るああ星の王子様誤訳してすいません爆死ばくー百億の昼と千億の夜を往きズン類のために栄誉ある食糧として大皿に乗るずん。
 ゆーあーくれいじーといわれたことは無いガあなたの頭は少しおかしいといわれたことはあるがわたしは健常者()の類に属するのであってしかしそもそも健常者という概念はいったいどこから現れたのかと思うと悲しくなってくるのであるなぜならばこの世に健常者というものは厳密にはひとりたりとも存在していないからだ。

------------------------- 第316部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
文節

【本文】

 赤い/花を/差し伸べて/
 あの/星に/願う
 貴方に/また/出/会/え/ま/すように/と

 往かなくてはならない
 往かねばならぬのだ
 /そう/言って/わたしを/置いて/ゆく
 鍵を/失くし/た日/のこ/と

 黒い/空に/願/う
 あの/暗黒星雲/に跳んだ/
 貴方は

 地球の/座標を/見失い
(X軸とY軸とZ軸)
 そのまま/流れ去/る/地球//
 ☆/宇宙は膨張を続ける/
 光の速度は/いつ超える?

 鍵を/失くした貴方が/電/話/
 いつ/帰って/くる
 三万年くらいあ/と
 どうせ/貴方は/タキオン/程度

 あ/の星雲か/ら永/遠に帰ってこ/られないので/しょう
 まだ/見つからない/鍵/
 地球/へ/の/道/∥分からないまま/
 ⊥/`{α⁴Z|(Z=sin³******)}/′/

 あの/空に/願う/
 貴方に/また/出/会/え/ますよ/う/に/
 call/call/〈call〉
 ……/+p:Y=/ ̄ ̄/信じる/
 貴方に

------------------------- 第317部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
爆笑

【本文】
■■爆笑(前)
 「爆笑」という単語がある
  これは複数の人間(ないしそれに準ずるもの)が
  同じ対象についてどっと笑うことを意味する
  しかし一般に広まる誤用として
  複数でなく単一で大きく笑うことと考える人も多い
  これは(繰り返すが)誤用であるが
 (後に続く)

■言葉の流動
 言葉というものは文学と同じく生物である
 自然選択を繰り返し進化する
 ただし言葉は、特に語意の面においては
 文学とは異なり、母数の結果が遅れて認可される
(文学には流行がある、言葉にもある)
(差異はそのオリジナリティ程度だ)
(それだけの異なりでこの違いが現れるのは甚だ疑問である)
 よって言葉の意味というものも
 ときとともに移り変わっていくものなのだ

■■爆笑(後)
  これは誤用であるが、言葉の流動性に則れば
  認可される可能性も充分にあるのだ
 (母数でいえば誤用のほうが多い)
  しかし、あくまでも現段階では認可されていない
  それを知った上で誤用をあえて使う人もいるが
  それは結局、誤用であることに変わりはなく
 (同時に母数の関係上正しい使い方といえる矛盾もあるが)
  指摘される可能性も否応無く付いてくるものなのだ
 (決して母数に近しいものが勝るとは限らないという話)

■地球は爆笑した。
■宇宙は爆笑した。
■人類の忌憚なき爆笑を。
 

------------------------- 第318部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
即興の有用性

【本文】
※以下のテクストは即興で作られている。

 甚だ不愉快なことに
 特殊な人間というものは(内外面に関わらず)奇怪であり,
 それだけの理由で淘汰され得るものである。

 劣性形質というものは決して劣っているわけではなく,
 単に優勢形質と比べて母数と離れているということであり
 確かに「少ない」という事実は自然淘汰の結果になり得るが
 該当する項目は「少ない」だけであり。*

 タキオンの存在が不可逆性を克服し(エントロピーの減少が起こり),
 情報の時間遡行を可能にするならば
 特殊な性質を過去(あるいは事前の現象)に伝えることが可能であり
 奇怪という大衆的俗諺を抑えることができるかもしれない。

 *一般にいう「障がい者」(「がい」は平仮名でなければらない)は
  平均数値的ヒトと比べて生活に不便が顕著に訪れるヒトを指すが,
  「障がい者」は決して劣っているわけでなく,
  単に優勢形質と比べて母数と離れているということであり。
  あなたがたが「障がい者」より優れているはずがないのだ。

 甚だ奇妙なことに
 ヒトは現生生物の中ではこの自然選択に疎い性質があり,
 「少ない」と「多い」の関係だけでは割り切れない法則があるようである。
 それが差別を生み出し,偏見を生み出した。

 母数に最も近しいものが主権を握るのは変わりない。
 タキオンがあるとすれば虚数空間も視野に入れねばならないが
 実数的な情報をいかに複素平面に取り入れようか。

 ともあれ,ヒトは“奇怪”な生物である。

※以上のテクストは即興で作られている。

------------------------- 第319部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ムチリスム(3)

【本文】
 小松左京のヤクトピアを読んでいたら「ウイナーの情報理論」というものに突き当たってこれは一体なんだろうと思案して調べて自分の無知を恥じてなおかつ曖昧な知識、その過程としてノーバート・ウィーナーの存在に辿り着くけど真偽が定かでないままこれで正解だろうと高をくくっている。
 たった一色のカラスがGとRからさらにAの法則で嘲っていたらあの人よそうよ李泰俊よあの解剖されたカラスこそ天を向く蚕みたいに軍人文人問わずめっためたにシェパード。
 犬ではなくてコーヒーでもなくてわたしが初めてちょーげんじつしゅぎ、シュルレアリスムを知ったのは李箱の翼という短編だったのだけどあのときわたしはこの作品を猛烈に格好良いとおもったのだけど、ちょうせんぶんがくを教えてくれていたあのお姉さんが言うにはこの人の作品を理解できるひとは頭がおかしいんだって、だってこの作家も頭がおかしかったから。
 残念だけど盲目だけで共有している暗闇世界なんて実は存在しないしあるのはこのたったひとつの空間で虚数空間があったとしても観測できなくてタキオンの存在で過去に振り返られるとカンチガイしてるおばかな人たちのために知識ある人が無駄に苦悶しなければならないこの世の中を見て、無理しなくていいんだよ………知らなくても分からなくても困らないのだからと言ってあげたい。
 さっき三点リーダ(…)を3マス分使ったけどこれは文法的に誤りすっごくわるいことなのだけどわたしはもともとわるい子だからみんなと違うらしいのだから頭がおかしいらしいのだからそれでいいんです、小説のきまりごと、詩のきまりごと、これはスポーツと同じで、もともとは楽しむために円滑に楽しむためにあるもの、ルールはみんなで作り上げていくもの。
 それをこわすひと、きらい、きらい、だって楽しめないもの、でも、なぜだか楽しめてしまうの、ルールをこわした先に見えるあの醜いあそび、あなたはそれを知ってるの。
 K・マーホという人が書いた詩集、あるいはポエム集、そのひとつをトイレの閃きといって、まさしくその通りの詩で、かっこポエムでかっことじる、地獄の季節、かっこあける。
 不思議ナことにおんなじことを考える人はいてもおんなじひとはいなくてシュレーディンガーではないけれどぱーぱーぱー言いたいことは言えばいいよ、もしかしたらあの人はあなたのレスポンスを聞きたいために書いているのかもしれない普遍的無意識を伝えたのはユングだけれどその考えの背景には時代的にフロイトがいるわけで自動記述だねーと思うのは無駄なことではないと思うそもそも思考に無駄というものはないとわたしは考えているのですなぜならば思考とは内なるアウトプットなのだから。
 駄作量産のひとがいてわたしはそのひとを大いに応援したいとおもっているなぜならばそのひとはたくさんの物語を書いていてその背景にはたくさんのインプットがつきまとうはずだから嘘だけど嘘だけど。
 なにも知らなくたっていい、なにも分からなくたっていい、それでもきっと生きていけるよ。
 言葉を間違えたっていい、それを指摘したっていい、誹謗中傷のあらしを生み出しても別にいいよ。
 責任だけ背負っていきていればいい、伊藤計劃の虐殺器官を読んでみると責任を求める〈ぼく〉が登場するけれどその心情はとっても身に沁みるものでたとえば詩を書いてそれを引き裂いたとしてその先に残る後悔とかそういうことを感じとることができるのはきっと贅沢なことなのだろうなと思う。
 おんなとあそんでいるわけでもない、地下室の手記を書き終えたあとにあの人がどうなったのかは分からない、知っているけれどもそれは作品の中の話でもちろん作品の中こそがリアルであるとわたしは自覚しているのだけれどメタフィクションはそういう形式ばったものでもないでしょうと、作中作でもないのに、強いて言うなら作外作なのにそう思ってしまったのですザムザ。
 これは青春のものがたりだー。

------------------------- 第320部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
語り部と作者

【本文】
 語り部と作者は非なるものである
 似る似ないは関係ない
 似ても似なくても非なるものである
 そう、言いたい。

 文章は口から発するものではなく
 手を動かすことで広げるものだ
(例外アリ:
 たとえば最近の携帯機器に話しかけると言葉が視覚化するぞ!)
 それゆえに推敲というものが可能であり
 それゆえに作為が容易であり
 作者という個人情報を覆い隠すことが比較的ラクなのだ
 そう、言いたい。

 決してテクスト論を振りかざしているのではない
 あの議論は作品と作者(あるいは読者と作品)の関係であったが
(間テクスト性を含めれば、作品と作品の関係ともいえるだろうか)
 ここで論うのは語り部と作者の関係であり
 語り部と作者を同一と見るということ
 これはつまりメタフィクションを表現しているのか?
 そう、言いたい。

 ノンフィクション(随想など)においても
 個人的な感覚では 語り部と作者は同一ではない
    〃     語り部とは作者と作品(執筆)の橋渡しをする
           媒体なのだと思っている
 それゆえに文体という特徴(語り部の多様性)が生れたのかもしれない
 そう、言いたい。

 語り部も登場人物(登場しない登場人物)として
 個人的には認めている
 作者は媒体の機能を活かし
 語り部という理解者と共に
 そう、言いたい。

 では、これを書いている〝わたし〟は。
 そう、言いたい。

 そう、言いたい。

------------------------- 第321部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ポエマライズ

【本文】

 たとえば小説が漫画になったりする
 たとえば漫画が映画化したりする
 それはカテゴリを飛び越えることで作品の幅
  ――表現方法を変えることは視点を変えるということだ――
   を拡げるということであり。

        ■創作、の、カテゴリ
         小説、漫画、絵、音楽、劇、映画、ゲーム、彫像、詩……

 ならばもちろん、小説や漫画を詩の視点に切り替える
(ポエマライズ)
 ことも可能なはずだ。

      人気を博した創作物が他のカテゴリに展開されるのをよく見る
      そのまま作品全体が展開されることが主流だが
     (そのうえでそれぞれ特有の視点が発揮される)
      全体に限らず、一部分が展開されることもある
      たとえばアニソンというものがある
      あれはそのアニメ、の世界観に影響を受けた上で、
      それを象徴(一部分を展開)して出来上がるものが多い
     (偏見御免)

 ポエマライズ
 先例をいくつか見かけたことがあるが
(某所にて、“二次創作の詩”が募られていた等)
 興味深いものである。

 カテゴリそれぞれに特徴があり、
 それぞれ特有の、それでしか表現できえないものがあるはず。
  ――視点の固定化――
   ――圧倒的な力をもつ個性――
    ――映像化不可能!
      漫画化不可能!
      音楽化不可能!――
 ……視覚化不可能、聴覚化不可能、嗅覚化味覚化触覚化不可能。
    それを目指したいものである。

------------------------- 第322部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
トンデモについて/感想について

【本文】
■■トンデモについて
  意図を無視することができる
  ことでわたしが
  能動的にも受動的にも好んでいるものは
  トンデモ、という系統のものである

  これはすなわち、作者の意図に反して展開される
  おもしろさ、
  のことをさす。

  まちがったことを書いてもいい
  真面目にたのしく書けばいい
  それに気付かせてくれるのが
  トンデモというものの魅力だ

  気張って作り上げねばならない道理はない
  矛盾点があったとして、それが破綻をもたらすとして
  そのうえで完成された物語というものは、
  なんと おもしろい ものだろうか。

  作者だけがおもしろさを決定するものではない
  むしろ読者こそ作品とより近しい関係にある
  あげつらうたのしさ、
  まちがったってだいじょうぶ
  トンデモがきみを守ってくれる。


■■感想について
  作者様の返答を期待して、
  わざと誤ったことや、論議を醸す内容を書くことがある
  作品の感想の中で。

  反論を求めて、作者様の意見をのぞき見るために
  失礼なことかもしれないが
 (たとえば生物に対してでない場合の「進化」という言葉を、
  生物学的に誤った使い方であると指摘したり。
  たとえば正用と誤用について時代的論議が交わされている単語
 「爆笑」や「失笑」などを真正面から誤用だと指摘したり。)
  それらの指摘に対して、作者様から真正面から意見をいただくと
  これはまったく、嬉しいことなのである。
  それをスルーし、そうですねと相槌を打つだけなのは、
  作者という立場は全うできているかもしれないが、
  発展、という視野となると懐疑的だ。

  トンデモとして、
  たのしんでくれる。

  そんなひとにあいたい。

------------------------- 第323部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
オノマトペ

【本文】
 ぱっぱっぱっぱ
 とんとんとんとん
 ぴーぴーぴーぷぅ
 ばんばんばん

 たんたんたたた
たたたんた       こんこんこん
 たんたんたたた     ぺっぺっ
たたたんた    ひゅーおー ひゅーおー
              はぁ  はぁ
 ばんばんばばば
 てててててー     ふぅふぅふぅふぅ
 うふふふふふ             へっへ

   どんばっどんばっ どんどんどんどん
いよいよいよいよ うぃーん
 るー がるー
ふっふっふっふっふっふっふっふっ
   へーんへーんへーんへーん
     なな
     なな
    ららら             はぁ
       りりり          ひぃ
                    ふぅ
          とってっと     へぇ
      んっんっ          ほぉ

たーたーたーたー   あばばばば ほーほーけー
ひー ふふふ いーいーいーいーいーいー
 たんたんたんたた ぱちぱちぱちぱち くーくー
  りんりん わらわらわらわら さわさわさー
   ききーっ おーおー がががが てててて
    ぽわわわ ぽわわぁ なんなん
        く            うわあいわあい
        け    えー  えー ええ
        こ  きゃあ    ごごー
        さ
  どっどっどっど      あああああああ

ちっちっち   いんいんいんいん  ぐらぐらばん
  ばんばんばん  でっがっでっがっ

 じーじーじーじー とんとんとんとん     た
てんてんてんてん わわわ わわ
      はっはっはっは   ごきごきごっきん
ん。

あとがき)片山健・京極夏彦・芥川龍之介・井上ひさしの作品タイトルが混じっているがこれはきっと偶然なのだと思う。きっと。
 きっともっとある。

------------------------- 第324部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
あとがきについて

【本文】
 あとがきで述べることは、
 たとえば初出がどこどこであるとか、
 400字詰め原稿用紙換算でン枚だとか、
 最後までお読みくださりありがとうございましたとか、
 感想求むとか、……
 そういうものに限るべきだと思う。

 「べき」というわけでもないが、
 少なくとも自分の中では「べき」。

 ましてや、
 あとがきで作者が解説をするというのは、
 個人的には あくまでも個人的には
 作者になりきれていない気がする。

      ■あとがきとは
       作品という範囲を終えたあとの、
       作者のことば
       作品によっては書いた動機を述べたりもする

      ■解説とは
       作品の意味するところを、
       分析などして、
       示し説く、こと。
       たいていの文庫本の末尾や、
       ライナーノーツがそれにあたる。

 たとえば作品に隠し要素が潜められていて
 それを作者が堂々と、
“この中には芥川龍之介の『あばばばば』へのオマージュが
 含まれている”
 などと「あとがき」するというのは、
 いただけない。

 あとがきが作者のものであるのに対して、
 解説は第三者の客観的な(=より近しい)評価なのだ。

 あくまでも、あくまでも
 、個人的には。

------------------------- 第325部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
私事

【本文】

 私事であるが、この詩集は12月6日、23時00分に完結する予定となっている。私事であるが、死と生には狭間というものがあるものと考えている。私事であるが、医療が進めば進むほど、死と生の境界線は曖昧になるのだと思う。私事であるが、甘党だからといって辛いものが嫌いだというわけではない。私事であるが、むしろ辛いものも好きな部類である。私事であるが、からい、というものは味覚というより痛覚である。私事であるが、甘いも辛いも好むという一見矛盾したこの現象は、味と感触の差異だと捉えると納得がいく。私事であるが、そんなことに気を遣わずとも美味いものは美味いのである。私事であるが、“Back Door”とここにメモ書きしておきたい。私事であるが、ヒトは不思議な生き物だ。私事であるが、この狭い地球の中で、必要以上に同類を殺める生き物が、ヒトのほかにいるだろうか。私事であるが、緩歩動物が好きである。私事であるが、あのスーパーマンよろしくの性質には素直に興味が湧くものである。私事であるが、火星が赤く見えるのは、おそらく地球の大気のためである。私事であるが、地球の大気が太陽光の赤い部分を火星へと屈折させているものだと思われる。私事であるが、ソースはない。私事であるが、探せば見つかるかもしれないが、あくまでもひとつの仮説、あるいは定説として見ればよい。私事であるが、科学知識、というものに乏しいのだ。私事であるが、荒唐無稽な話が好きである。私事であるが、SFの中でも、ワイドスクリーンバロックこそ、最高に楽しいSFだと思っている。私事であるが、あの荒唐無稽な、天真爛漫な、そのときのアイディアすべてを詰め込んだようなこれは、豪華で、壮観で、巨大で、楽しい。私事であるが、たとえば複素平面には実軸と虚軸があるが、それゆえに実軸が実数的な平面と繋がることができ、虚数空間から実数空間を観測することが可能なのではないだろうか。私事であるが、もし虚数的生物がいるとするならば、我ら実数的生物は、まるでモルモットではないか、干渉しえないモルモットではないか。私事であるが、そう思うと楽しいのである。私事であるが、情報はいまや受動しづらくなった。私事であるが、能動的に情報を受容していかねば、嘘と真に踊らされることになろう。私事であるが、ここまでまだ千文字にも満たない。私事であるが、作品における密度というものは、その文字数によるものではないと思う。私事であるが、文字数が多ければ内容の濃いものになり、少なければ薄いものとなると誤解されている方がいらっしゃるようだが、そのようなご意見を伺うとどうも作詞家の方などに申し訳ないのである。私事であるが、詩が短いものだと決め付けているわけではない。私事であるが、ビタリ・メレンチェフの『宇宙紀元ゼロ年』には、一万行の詩を書いている者が名前だけだが登場する。私事であるが、この作品は科学的に考察されたうえで丁寧に未来を描いている。私事であるが、それに対してアレクサンドル・ベリャーエフの作品は、荒唐無稽だとされ、あまり良い評価を受けなかったようである。私事であるが、ソ連のこの二人の作家を読んで、その高貴な姿勢を思い描いたものだ。私事であるが、初恋の相手はベリャーエフの『ドウエル教授の首』の主人公だった。私事であるが、創作を始めたきっかけのひとつがベリャーエフである。私事であるが、勝手ながらにこの作家を敬愛しているものである。私事であるが、だというのに彼の作品はほとんど邦訳されておらず、手に取るのが困難だ。私事であるが、誰かベリャーエフ全集などとでも称したものを作っていただきたいものである。私事であるが、ロシア語は分からない。私事であるが、宇宙と別の宇宙とでは、内包関係でない限り互いに観測することができない。私事であるが、宇宙が複数あるという考えが通れば、なぜ宇宙がうまれたのかという謎が比較的軽くなる。私事であるが、ただし、多元宇宙はむしろ宗教であり、科学的根拠に乏しい。私事であるが、可愛いは正義である。私事であるが、可愛いは正義である。私事であるが、大事だから二度言った。私事であるが、結論として創作とは、否、すべての物事というものはワタクシゴトに他ならないのだ。私事であるが、我々はワタクシゴトを取捨選択し私事に取り込んでいるのである。私事であるが、私事である。

------------------------- 第326部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
書くことは楽しいこと

【本文】

 書くことは楽しいこと
 きっとみんな、普遍的無意識みたいに
 つくることを
 楽しく感じとっている。

 書くことは楽しいこと
 心に滲みる声が、音が、
 文字を重ねて、みんながタワーを建てていて
 いつ崩れるか楽しみにしてるぼくがいた。

 崩れて、ことばが、ばらばらに。
 崩れて、ことばが、ばらばらに。

 書くことは楽しいこと
 はじまりはそれ、楽しいことに気付くのが
 はじまり。はじまりはそれ。

 書くことは楽しいこと
 気付けないひとは、崩れる瞬間を目にすることもなく、
 文字の外で、楽しく暮らしてる。

 書くことは楽しいこと
 だけれど、書くことだけが楽しいことではないのだよ。
 書くことは楽しいこと
 それに気付くこと、それはきみが選んだもの。

 書くことは楽しいこと
 きみの書くものは特別なんだ
 楽しみに気付いているひとは、特別を手に入れるんだ。

 崩れて、ことばが、ばらばらに。
 楽しく、ことばを、つなげよう。ひとつひとつほら、書いてゆく。

------------------------- 第327部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
アマチュアであるということ(あくまでも私見)

【本文】

 書くことが好きだ
 特にプロットを転がせるのが好きだ
 物語や情念の「流れ」 それがわたしに筆をとらせる

 放たれるうた、抒情、物語、
 わたしはそれらを貶すつもりは毛頭ない
 むしろ生まれたことに感動し、祝福する
 批評・感想というものはそのうえで成立するものであって
 貶すためには存在しない

 ところで、
 わたしは、自分が書いている、というワタクシゴトを、
 決して周囲の人間には晒さない、ごく一部にしか知らせない
 わたしがアマチュア※であるからだ:

 現代、この時代、アマチュアは飛躍的に増加した
 むろん創作者の母数が増大したことにほかならないが/
 インターネットの普及などが要因となり、
 書くひとが増えた
 商業作家とアマチュアの区別が、より明確になったと思う

“アマチュアごときが、なにを偉そうに書いているというのだ”
 それが一般的な印象ではないだろーか

   ※ここでは、「アマチュア」を非商業作家と固定して示している。
    実際のところはそんな分かりやすいものでもない。

 同人誌を刊行する、という行為が、プロに直結するということは
 現代では薄くなった

 書くという行為はその他のいくつかの行為と同じく
 一般の目に触れにくい、扱いづらい行為であるため、
 周囲に注目を集めるかもしれないが、
 絵や踊りと違って巧拙二極的な評価も一般から難しく、
 結局“書くこと=変なこと”という方程式は容易にできあがる

 プロとは、世間からしたら、
 その“変なこと”が公認されている方々のことであり、
 アマチュアというものは、一般という枠の中では、
 ただの似非物にすぎないのだ

 なんと、かなしきことであり、
 なんと、くやしいものだろう

 技術的にプロをしのぐアマチュアなんていくらでもいる
 商業・非商業を選ぶ権利は本人にあるのであり、
 その選択を蔑むことは、他人にはできないはずだ

 ――深い階層のできあがった現代、

 そもそも(抑)、技術というものは、
 巧い・拙いの二極的なものではない、N極S極だけではない
 程度という階層が築かれており、
 技術の中でも、たとえば語句の選び方だとか、流れの起伏だとか、
 おのおの別々に評価することができるのであって、
 総合的に巧い・拙いと断言してしまうのは、
 プロとしても、アマチュアとしても、
 難しくそしてまた惜しいことではないのだろうか

 この現代、アマチュアの延長線上にプロがあるわけではなく、
 それぞれが商業と非商業の選択の中、
 ふたつの塔を建て、
 渡り廊下がもうけられているのだ
 片方の塔で、アマチュアは、
 プロに匹敵する技術をもって、
“自ら”に楽しんでいるのではないか――

 書くことが好きだ
 どこどこが好きであるか、それは人それぞれだろうが、
 書くことが好き
 このことを忘れないでおきたい、そう心がけるものである

(ところでこれはあくまでも私見である)

------------------------- 第328部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
ムチリスム(-1)

【本文】
 立ちどまったってもいいそのときが来ればまた動き出すそうやって怠惰を貪って逃げてしまうつもりなのでしょうわたしには円分かりであるのですよ宇宙を俯瞰して手に入れたこの目は容易にはつぶれない。
 衝動emotionの中で200文字以上の戀を繰り返すそのろくろっくびに意味があるのでしょうかわたしには分かりませんただひとりを愛すことができたならそれこそ店名というものではないでしょうかこれは護持でありますが確かに五児ではありますがその自覚を持たぬままに〝誤字〟を意図しているのでございます勿論ただの虚勢にすぎないのですが域をつく遑もないままに波にゆられておればよいのです。
 情動を文字に書き写す無念をわたしは理解できているつもりでございますがその自称の中で誰だって生きてみたいまま個よりも種を優先してゆくのです。
 個は死ぬ運命にありますが種のディテール(種とは個よりも小さいものなのであります)を紐解けば靭帯が切れるみたいなあの痛みを思い知ることになるでしょうこれは予言ではありませんが痛みというシナプス的な躍動をどの星雲が覆い隠すでしょう。
 首を長くしてそのときを待っているのですが一向にあのときは訪れずもしかして騙されているのではないかと延々と不安に駆られてだけれど待つしかすべはないことを思い知るのですなぜならばわたしは信じると信じないの狭間に位置するのですからもっとうたっていたいままその欲望に忠実に動くことしかできないキャベツなのです。
 無意識に頑張ったままあの雨に飲み込まれてその甘い味に驚いていれば幸福かもしれませんだけれどわたしは冷静と情熱のあいだでふたりの作家が一緒に物語を紡いでいくあの試みを思うと甘いだけでは幸福とはおもえないのです工房からおもうのです。
 なにか書きたいことがあったのに情動に紛れてそれが見つからなくなったならとりあえずたくさんたくさん書いてゆくことですそうしたら「そのとき」が訪れるかもしれないすなわちその忘れてしまった言葉を使うべきときが来るのかもしれないのですその記憶の再生こそ意味を付与するのであって実質的にはどちらも有益ではありますが書くということは記録するということと同時に口を動かすこととおんなじことに他ならないアウトプットなのですから。
 目がしょぼしょぼとむねたい証拠があらわれたなら眠ってしまいましょう書くことを放棄して眠ってしまいましょうそして素晴らしいアイディアを無に帰してしまいましょうそのあとに残るのは喪失感ともったいないなーというものだけで大切な睡眠時間と比べるにさほどむつかしいことでもないわけなのです。
(X軸とY軸とZ軸)
 リヴァイアサンがやってくる、国をひきつれてやってくる。
 アァ/ア/ア。
 時空の歪みとともにあらわれた精霊はあなたを鼓舞し虔を握らせるのですさあ対価を私戦場へとひとりぼっちの戦場へといざないましょうあなたの軀のその奥の。
 8象限あるなかで代入して生きてゆきましょう自然数だけではないのです負の整数がたち洗われたとき鮮麗なををユダの御言葉に耳を傾けてはみませんかサタンの言葉を……聞きすぎてそれはきっと耳に馴染むことでしょうきっときっと。
 ムチリスムは代入をもとめる空間図形なのですTOスキップしたくなる衝動を抑えてそもそもの結果に帰結するために衝動をかたちに代入するのですその堂々巡りを切り開いてみればメビウスの輪はさぞ美しく映えることでしょう。
 虚数を代入してベクトルを用いたとしてその先に幼児期健忘の答えがあったとしてもエネルギーと質量の等価性を否定denyしてみてもgratitude/感謝が途絶えることはないでしょうなぜならばこのかたちはまさしく感謝であるのですから。
 提喩法ではございますが確かに宇宙に感謝thankすることは含まれておりそれならばこのレトリックも動き出すのでしょうなぜならば貴方youには感情が含まれておりそれは蛋白質でない成分でできているのですから。
 おはよう。おはよう。おはよう。

------------------------- 第329部分開始 -------------------------
【サブタイトル】
完結

【本文】
 内容的に終わりでなくとも
  完結 と銘打ってしまえばそれは終わりとなる

 それが創作物の最たる特徴ではないだろうか
 この続いてゆく自然の中で
 完結という概念が成立するのである
 比較的あっさりと

 終わらないものたち
 個が滅びようとも種が続き
 種が滅びようとも生態系が変異するだけで
 さらに生態系が終わろうとも地球はまわり
 地球がなくなろうとも宇宙は続く

 この連鎖の中で
 創作物は、完結する。
 その魅力に惹かれたのではないか※

 完結しない創作物をT**は評価しない

 そのうえで、その形式のうえで
 最大の形式破綻といえば
 完結しないことではないのか
 そう頭をよぎり、しかし、
 それではそもそも創作物として成り立たず
 編み出された結論が、
 すなわち『Never Ending Story』なのである

 ここの創作物は個々として完結している
 そしてまた、集まりという単位においても、
 ここに完結する
 ところが内容を見るにこれには、
 足りないことが多すぎるのだ

 それが「そのとき:ムチリスム」を生み出す
(作品の越出
 この試みは終わらないがこの作品は完結する
 曖昧なまま終わる
 終わる
 完結      そして眉唾)

 ※ところがおかしなことに、
  これを書いている語り部なるものは、
  創造主を信じているのである。

【後書き】
【第9編・た】

------------------------- 第330部分開始 -------------------------
【第10章】
付加編

【サブタイトル】
いつかの林檎の木の下で

【本文】
 いつかの林檎の木の下で
 何かが 祈っている
 きになる林檎を見上げては
 何かを うたうのです


 いつかの林檎の木の下で
 横文字の物書きは
 まわりの姿を眺めては
 綴って ゆきました

 いつかの林檎の木の下で
 恋をした青年は
 自分の心と闘って
 感謝して ゆきました

 いつかの林檎の木の下で
 蔑み書く彼女は
 欲する気持ちと向き合って
 続けて ゆきました

 いつかの林檎の木の下で
 捨てられたうたたちは
 みんなの力を掻き混ぜて
 繋がって ゆきました


 ああ、ああ、いつまでも ありがとう
 ほら、ほら、続いてゆくどこまでも
 ああ、ああ、いつまでも ありがとう
 ほら、ほら、繋がりゆくどこまでも


 いつかの林檎の木の下で
 根暗持ちの坊やは
 友達の意味を考えて
 悩んで ゆきました

 いつかの林檎の木の下で
 木から落ちた果実は
 未熟な自分を笑わせて
 悲しんで ゆきました

 いつかの林檎の木の下で
 傷を受けた彼女は
 大切なものを抱きしめて
 失って ゆきました

 いつかの林檎の木の下で
 無知をうたう語り部は
 訪れる未来を待ち侘びて
 終わらせて ゆきました


 いつかの林檎の木の下で
 何かが祈っている
 きになる林檎を見上げては
 作り上げて ゆくのです

【後書き】
 ありがとうございました。

【付加編・。】