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   夢の表出―― 2012.10.17

 私は風呂を掃除していた。シャワーで隅に水をかけると、ゴキブリらしき小さな黒い虫が、五、六匹出てきた。排水口に流された。私は電話をしていた。老いた女の声だった。彼女が言うには、壁の目玉を五回叩けば部屋から抜け出せることができるらしい。私はなにを勘違いしたのか、壁の目玉に一から五までの漢字を指でなぞりかたどった。なにも起こらなかった。救助が来た。若い男で、私と親しみ深い知り合いらしい。快活に笑っていたが、どうやらミスをしでかしたらしく、男もそこから出られなくなっていた。窓の向こうには女がいた。男の仲間(すなわち私の仲間)らしいが、男の状況を深刻に捉えている様子はなかった。そこにも、先ほどと異なる目玉があった。ディジタル的な目玉である。壁に埋め込められている、照明時計のような明るい目玉だ。私はそれを、なんとなく五回つんつんと叩いてみた。すると壁が開き、ベランダが生まれ、私は屋外に出ることができた。
 あのコンビニには地下室がある。そこには血に餓えた殺人鬼がいて、一日にひとりずつ殺していかねば発狂するらしい。だからあのコンビニは、年中無休の二十四時間営業なのだ。ときにはその習慣のために、コンビニの入口(外)に立っている高校生ふたり(太っている男女であった)を襲ったこともある。殺人鬼は監視カメラに映った。おそらくカメラが撮っているのは地下の一室で、そこにバイトのオバサンが迷い込んでいた。から、どうやら、今日はそのオバサンにしたらしい。
 私はあるところから歩いて、駅へ向かっていた。そこで母親と待ち合わせをしているらしい。道中、舌で触っていた下の歯が抜けた。それに連なってか、上の歯も一本抜けた、合計で二本抜けた。乳歯などあるはずもないのに、また生え変わるかな、とでも私は考えている。口から取り出して眺めてみた。大きな穴があいていた。歯磨きを怠っていたか。私はそれを、上着の右ポケットに入れておいた。右ポケットには既に手帳が入っている。
 母親に会った。道をまた歩いた。私は母親に、ついさっき歯が抜けたことを伝えた。いつの間にかいた妹が、なにやら発言していた。
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