なぜ武器を置いて火口に下りた? 魔物がいるかもしれないのに。

ブロントが魔物を蘇らせる?




嘘だった→なぜなら、アマゾネスもエルフも中立の立場をとらないといけなかったから。





 連続した睡眠のさなかを味わっていると、久しぶりに、夢を見た。僕は花畑にいた。
しかしそこに花は一輪も咲いてはいなかった。咲いていないのに、その雑草だらけの空間を
なぜか僕は花畑だと思っていた。空間の隅で、人の腰ほどの高さがある岩から、絶えず水が
湧き出ている。水は花畑の一帯に生気を与えていたが、それを享受するのは雑草ばかり
だった。天上を仰ぐと、暖かい陽光が降り注いでいる。しかしその光が、どうしても陽に
よるものだとは思えなかった。光に満ちてはいたが、全面壁に包まれた、監獄にしか思え
なかった。監獄は静かで、動いているのは僕と、岩から湧き出る水の流れだけだった。
(ああ。そうだ。この水を止めよう)僕はナイフを持っていた。ナイフで岩を切れるはずが
ない。水を堰き止めることだって無理だろう。(やめろ)それでも僕はナイフをかざして
いた。鋭利な刃に水滴が滴る。やはりナイフで岩を壊すことは無理だった。柄を伝って
水滴が僕の腕を舐める。やめろ。やめてくれ。誰かの声が花畑で響く。目の前に人間がいた。


 ふと隊員の様子を確認すると、リンが口元をぎゅっと閉じているのが見えた。村のことを思い出しているのだろうか。


魔王を生み出すシステムが崩壊すると、この世界の魔力自体が消えてしまう。
すると人間はまず滅びてしまうだろう。魔力がなければ人は人を癒すこともできない。
魔物が蔓延る世界になり、人間にはひっそりと生きてもらう。もう魔物を滅ぼそうなどと思わせないようにする。
それが両者が生き残る最善の方法だ。
そのために新種の魔物も生み出し、どんどん弱肉強食の世界に作り替えていかないといけない。(人間の兵器に対抗するためには)
それに応じて、いまの魔物は淘汰されていくだろうが、それは仕方のないことだ。