あむの憧憬


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第二部



 充分に目が機能している人が、目の見えない人でありたかった、と語るのは、なにも見たくない、だとか、見られていると意識したくない、などの主観的な理由によるのでしょうが、だったら目を瞑ればいいじゃない、とわたしは思うのでありまして、健常者のなにが健常なのかといえば、生まれながらにして、体の機能のオンオフが自由、だということなのではないのかと、目の見えない人を劣等に扱いながらも、同時にそれを羨むとは、なんと傲慢なのでしょう痛ましいのでしょう人間らしいのでしょう、生まれながらにして目が見えなければ、見る、という行為のつらさを知らずに済むじゃないか、目を瞑るだけでは、そのつらさを忘れることはできないではないか、と言うのであれば、それはなんとも知ったふうを装った、それこそ目の見えない人を下等扱いしている思想なのではないでしょうか、あの悪魔たちみたいに、いえ、責任という言葉がありますが、それは言い換えるとつまり、対価、ということなのであり、神様から与えられたように思われてしまう生まれながらの体は、そのために気付きにくい節がありますが、そもそも体には対価がつきまとうものなのであり、それを疎ましく思い、ただ体だけを享受し、享受できないように見える者を下等だ劣等だと嘲笑いつつも羨むのは、それはあまりに主観的な、人間的な考えに他ならないと、わたしは主観的人間的にそう思います、と、目元を泣き腫らして眠っているルームメイトを見ていて私はそう思ったのでした、この子のように、生まれたときは健常であったのに、生を享受しているうちに、具体的にはこの教育機関に来てから、わたしと出会う以前のある頃から、大きな障壁にぶつかった人もいるのですよ、わたしはただひとりのルームメイトのやわらかい髪を撫でて、部屋を出て、廊下を歩いているうちに、ふと朝の散歩に行こうと思いつき、寮を出ましたが、不思議に思うことがあって、たとえば、綺麗なお子さんが綺麗な靴をはいてるのを見ているときに、現れた靴が背の汚い汚い少女の歌を聴くことについて、やはり見解というか公式記録というかそんなものを手に入れるべきなのではないかと思っているのですが、いえ、いえないこともなく言えるでもなく、脅迫罪というか難しい話をこつこつと溜めているのはきっと未来のために未来のために必要なことなのだろうと、思いますが、ところで、汚い汚い汚いことにグールのグルメな誤字を気にしているような文字の大きさばかりが気になって先に進まない書き手の悩みのようなものをシンデレラよそうよシンデレラの似せたかぼちゃの車のように湯気を取っているのは、まるで汚い汚いああ汚い、と、とっておきの夫婦のおしどりが唯々諾々と時計を眺めていると、轟音が響いて、それはまるで轟音のような、轟音が集合するときに信じていた先生の言葉にはやはり嘘というものがあって、嘘というものがある場合、本当というものがあるべきなのですが、そんなものもなく、赤色の地面を舐めているのですが、いえいえいえ、友情というものは不思議なもので不思議なもので不可思議なもので、地球の奥底に眠っている後悔の念を掘り起こして鏡を被っているからか、鏡で真っ二つになっている、苗字の功績を讃えた豪快な華奢な女の、事、を攫うよりも早く、時計を巻き戻してそうしたらタキオンが時計を握っていて、これはだめだこれはだめだ、小手を使って爆弾を落としましたところ七人の小人がでてきて、こういうのです、これはだめだこれはだめだ友情というものは既に終わっていて愛情に昇華できていたのならそれはそれは嬉しいことなのでしょうけれどもいやなのですいやなのです蒸発する前に結婚してくださいとプロポースしましたところいえ結婚などできませぬなぜならば温情というやら劣情というやら条約を結ぶためには雨に撃たれなければならずそのためには四月一日の轟音の響き、手が止まっていてはならないと思っていてもその推敲の時間のことを思うと手を止める暇などないと思っていても、止まってしまうものは止まってしまうのだしだから事故というものは起こるのであってたとえば事故というものは事故でなければ事故ではないのであり事件なのですこれは事件なのです事件は会議室で起こっていてそこでは先生が言葉を流していてその言葉に流された子どもたちがティーの愛情を歌っているところああ、だめなのですだめなのですコピーしてペーストできるほど先生たちは轟音ではなくメモをするという行為がどれだけ罪深いことなのかを考えているとおお万軍の主よ読点を続けて続けてなにもかもない、なにいにあーあべたがけきごく、意味を探すのです意味を探すのです意味を探すのですそうやって日々つまらない日々日々なさっているのは言葉なのかなんなのかそれはなんなのかいえいえ提喩法ではありませんそんな毎日を過ごしていたところ話を戻しますととてもではないが答えという頼もう答えという谷はまだ上ることも降りることもできずに降下したの寡占したの到底無理な話だったはず、フェイボライトの腑に落ちる官職に落とし込まれながら誤字を気にしてないはずなのに護持に目がいってしまい向かってしまい嘘をついているという語彙の少ない証を垂れ流していたところたった二文字の誤字を目にして感動してしまいああ、これこそが始まりなのだ、これこそが始まりであって終わりではなくて終わりなどなくてこれは嘘ではなくてびっくりマークの先に見えているのはきっと情熱的な愛、無償ではなくて有償ではありますがいえいえ無償ではないけれどそれは確かに死ではなくて愛なのであって愛も死も宿命でありますがいえこの時代、たとい愛がなくとも生きてゆくことはできるのですがでもそれは果たして本当に生きているといえるのかどうか、というとわたしには分からないのです、なぜならばわたしの母親であるわたしの母親は難しいことを考えることもせずに愛という父親に出会いそのためにわたしを生んだのですがいえ、母親はなにも考えておりませんでした、なぜならばわたしがいまこうしているように自動記述いえ、いえいえいえ、なにも考えずに精神を解放するすべを探求している間に母親は父親に孕ませられてしまったのでありそれは悲しい事実だとわたしは思うのですが結果生まれたのがわたしなのでありそうでなければうまれなかったのかと思えばやはり父親の犯罪にわたしは感謝しなければならないのでしょうか、でもそう考えている暇もなく母親はなにも考えずにただの一文も書かなかったのですが、いえそのために娘に相続されることもなくああ悪魔ああ悪魔、こうしていまわたしは生きているのですが母親もきっと生きていたならわたしがしたように悪魔悪魔悪魔父親はいまどこにいるのかといえばいえそれは個人情報というものであり今はわたしの記憶のなか、あの星のどこかでわたしを見守っていたりあるいはどこかの企業で下っ端として働いていたりすなわち知らなかったり実は知っていたりするのですが、ああ手が痛い、ああ手が痛い、だってここまでの約二千文字を千秒足らずで書いたというのに、いえいえそのために推敲が必要なのです、これから魔のような推敲の時間が訪れるに違いありませんが、ところで句読点というものはモットーなのでありああ扉が叩かれているやめてやめてわたしに構わないでそう思って願ってやまないのですが罵声はどんどん近しくなりわたしはわたしはわたしはいかにしてこの世界を生き抜いているのでしょうか、わたしはなぜ生きているのでしょうか、なぜご飯を食べているという味噌汁をもっていかれていかれていかれて油がすごいんだってすごいねぇと無題のメモ帳を開いていましたところああ近くにヒトがいるという事実が東の方角から黄金のきつい帯を引き締めていましたところもうこんな時間になっていてわたしはどうか眠りたいのであります、が、ここにいるというその存在、お椀を持っているままにほとんど味噌はなくてお茶はなくてたくさん買ってきたお水はなんとすべて腐っていてその栄光の瞬間にわたしが立ち会えたということがわたしにとっては存外に光栄なことであり、公園に行ってきましたところそこにはおじいさんがいて二人いておじいさんとおじいさんがなにやら元気にじゃれあっていたものですからわたしは薄い本を作るべきだろうかと考えていましたところ、いえいえそんなそんなわたしはイケメンが好きなのですよイケメンがすべてですいえそんなわけでもないのですが確かによく見てみるとあのおじいさんたちもなかなかの美男子ではありませんか、そういうことですのでわたしは講演をしていたあの金ぴかの黒人さまのようにトートロジーというかアンビリーバブルな暗号を解いていましたところ鏡で真っ二つにされた女の人がやってきて公園で踊りだすものですからああ迷惑、ああ迷惑と思っていましたところ、そんな頃合に檻から逃げてきたライオンが踊りに誘われてやってきてその女の人を食ってしまったものですから、金ぴかの黒人さまは顔を青くして青くして二人のおじいさんも顔を青くしてでもわたしは顔が青くならない体質ですのでその場に立ち尽くしていたのですが、その間におじいさんたちは若者顔負けの速さで走って逃げていって、わたしはというとその場に立ち尽くしていて金ぴかの黒人さまもいつの間にかいなくなっていてそうかこれがわたしの考えていた桃源郷というものなのか、と悟って、目の前にライオンがいて、でもライオンがいつの間にか狸になっていて、そのうちに狐になっていて、最後にはわたしになっていたものですから、ええいニセモノのわたしめ、忌まわしきその顔を蹴り上げてみましたところわたしが泣き出してしまったのですから、わたしは困ってしまって、わたしを慰めていましたところおじいさんたちがもどってきて大丈夫かい、大丈夫じゃないでしょうと答えるとわたしが怒り出していえいえ大丈夫ですとわたしの発言を取り消すものですからそんなはずがない、だってあなたはニセモノのわたしではありませんかと答えるところわたしはルルルと口ずさみ、わたしは絵のない絵本を抱いていてわたしはニセモノのわたしをライオンに戻してあげるためにわたしに口付けをしてあげましたところ予想以上に唇がかすれていたようであら痛い、あら痛い、キスしたくらいで唇が痛いというのですから、わたしには分からない炎症、ああ炎症、違う現象があったのですから、わたしはわたしはわたしはわたしは、とわたしはわたしに話しかけましたところ、わたしはわたしはわたしはわたしは、とわたしに向けて幾度も幾度も話しかけましたところ、わたしの呪いはだんだん解けていって、ニセモノのわたしはだんだん狐になっていって、狸になっていって、いえこれはとらぬ狸ではなく本当の嘘の狸なのですが、その狸が徐々に徐々にライオンになっていったのですが、いえ、そうしたらおじいさん二人の顔がまた青くなってそういえば黒人さまあの金ぴかの黒人さまは帰ってきてくださらなかったのねと思っていたところいえいえいえいえあの黒人さまは実に勇敢な人でライオンを捕まえる縄を持ってきてくれたのですが、おじいさん二人の顔が青くなることに違いはなく青く青くなるものですからとてもではありませんが人間のようではなくなり、そのままブルーベリーになったのですから、苦しい苦しい呻き声を聞いていたところ腕をまくっていましたところわたしは今もあの二人のことを思い出すものであります、というのもあのふたりはあのまま黒人さまに食べられてしまってあのライオンはわたしが食べてしまったのでございますが、それからあのおじいさん二人を見かけないものですからわたしはちょっと寂しく思ってたまにこうして回想するものなのですが、あの二人の薄い本はまだ作られていません、というのもこの回想をアウトプットしたのはこれが初めてであり、学んだことを言うところこの二人はきっとわたしに教訓を与えてくださったのです、というのもわたしはこのことを書く上で注意したのですが、わたしがわたしであるという教訓、ココアはきっと心を温めてくれるものであり、忘れていたことをこうして思い出させるという点においては教訓とは思い出と同義なのであり、そのうえであの二人のことを思い出しているところなぜかあの青いブルーベリーしか思い出せず、もともとがどんな顔だったのかどうしてもどうしても思い出せなくなっていて、あ、そうかそもそもあのふたりに顔なんてものはなかったに違いない、イケメンというのは顔で判断するものではないのだろうとわたしは悟ったのであり、その時刻がちょうどおやつの時間であったため、友人がおやつを持って部屋に入ってきてくれたのですが、わたしはいま文章を書いているため余計に口を動かすわけにはいかず、ああ、食べたいああ食べたいと思いながら、こうして文章によって友人にその旨を伝えているのですが、伝えたところでそれが実現するわけでもなく、そう、これは拷問のようなものであり、でもわたしが望んでやっていることなので拷問というよりはエスとエムの両極のうちエムのほうの嗜好というよりも行為のような、そんなものなのかもしれませんが、ユートピアがいまのこの社会の昔のようになっていたときならば苦くて甘い味がしているのはきっと友人のいじめなのでしょう、ああ性格悪いなぁ、悪いなぁ、勇者のように旅を続けることもできずに怖い冒険のたびに出かけましょうあのおやつを巡った聖戦にわたしは選ばれたのであり、わたしは選ばれたのであり、大事ではありませんが二度言いましたところ大事なので二回言いましたというレッテルを貼られてしまったのでありますから、わたしは逃亡劇の主人公のように伝導する答えをあのおじいさん二人のように引き伸ばしているところ、わたしはなにも知らないままに情景を探しているのですが、わたしは探しているのですが、そのためには、費用が必要であり、なぜ必要なのかといえば、それはまさしく、運動には、エネルギーが、いる、という、いくばくもの、悲しい、情景を、眺めなければ、ならず、手書き、なのか、タイピング、なのか、はどうでもよろしいのですが、できればタイピングのほうが手軽であり、そのほうが速いのであり、自動記述、いえいえそんなまさかそんな態度で文章を書いているわけないじゃないですかと思っているところ本を買うという古典的な話をしていましたところ書店員さんが言うにはこの取り寄せはいまのところできないのだそうです、なぜならばその本はすっかり絶版になっているのであってわたしの好きな作家さんではありましたがその本はもう永久に買うことのできない、古本屋に行こうと思ったところそういえば古本なんてものはとっくに壊れているのであって、それは本というよりも遺産であって、そんなものを買えるほどの金はなくて、そもそも本なんて金を払うものでもないでしょうと思っていたところ、わたしには見えないというのは、妖精なんていない、ということであり、今なら貸し出し中だというのはうるさいというのであり煩いからであり煩いからであり煩いからであり煩いからであり、中には超がつくようないえ超がつくのはもともとであり超とその他のものを分離して考えてしまうのは悔しいことではないのではないでしょうかと思うのですが、でもわたしが思うには軽くくだけてしまったようなその答えの奥底にある心情を考えていると、やはり教会に行ったほうがいいのではないかと思っているのですが、ところで友人はおやつを一人で食べきって悠々と部屋を出て行ったのでああ食べたかった食べたかったそう思いながらも老人と海に出たときにあの嘘をついていた鯨のお話なのですが、だって浜に上がったときにはあんな姿になっているなんて真実を隠していたに違いないじゃないですか、でもわたしは思うのです、あの人はきっとわたしに嘘をついたのではなくてもちろんおじいさんたちに嘘をついたわけでもなくて、金ぴかにでもなくてあの友人に嘘をついたのではないかってだってあのおやつはどんなおやつだったのかといえばあのおやつはおやつではなかったのですからそんなわけがないと友人は思っているはずですがだっておやつというものはおやつというものは別に定義できるほどのものでもありませんがわたしは、あなた、のことが好きなのです、ああ、あああ、あああ、ところで手を止める時間と手を動かしている時間と書いたものを削除しているというか訂正している時間を内訳してみましたところさて一番時間を食っているのはどこなのだろうということなのです一番目と三番目はよろしいのでしょうがどうしても手をとめている非生産的な時間が一番多いのであればそれは少しもったいなくはありませんか、だって時間よりも大切なものというものは確かにいくつもありますがたとえば愛とかありますがでも時間に包まれているがために愛も生存できるものなのでしょうから、わたしが思いますところ時間は最上ではなくとも時間が最高であるものなのではなくて、ええ、わたしには分からないものですが時間というものの正体はきっと愛なのです時間とは愛なのですそして愛が宿命であって宿命が死であるのですから時間とは死のことであり怒りを表す時間愛を表す時間、あなた、へ伝える時間すべてが死であり愛であるのですどうですかこんな天才的な発明のもとに、あなた、の求めていたものは正直にいきましょうといってもそれは読書というものでありそのためには古本屋に行きたいものなのですが古本なんてものは文化遺産なのでありそんなものを買う時間なんてものはなくてでは最新の本を読んでみようと思いましたところでも本なんてものは案外簡単に手に入るものですからさてどれをと品定めしていましたところイケメンがいたのですからそのイケメンが本ではなくてそのとなりの文具店にいたものですからわたしもつられて店を出て文具店に入りましたところそこで奇跡的な鉛筆と運命的な出会いをしたものですから本を買うお金でその鉛筆を買いましたところその鉛筆はじつに安くまだ本を買う余裕があったのですからまた本屋に行ったのですがそういえばあのイケメンはどうしたのだろうと思っていましたらあのイケメンはなんと本にも興味があったようでずらりと並んだ商品をひとつひとつ見ていたのですからわたしもイケメンに後ろに沿ってああこの本もいいなこの本もいいなという素振りをしていましたところ涙を流していましたところそんな不可能な可能を可能にしているわけではなくてそんなもの不可能なのであって雑念がうるさいやめてくださいと思うのですがこんなことを思っている間にわたしは、あなた、のことが、あなた、のことが、とか、そんなことをお試し期間ということで受動しているわけですがそんな言葉を知っているわけでもなくてこんな嘘を流しているわけですが先生がいうところのわたしというものはわたしはわたしはわたしはニセモノのわたしにたびたび間違えられるのですがわたしはいつもわたしなのであってわたしなのですからわたしが求めているものはわたしではなくてわたしではなくてわたしではなくて、あなた、なのですからそんなことも分からないわけがないというのにわたしは、あなた、のその指のようななにか、バールのようなものにキスしたところ、唇が痛い、痛い、痛い、こんなに痛いものだとはおもわなかったのでわたしは感動してしまいわたしは自身の体を抱きしめて毒づいていたのですがわたしは莫迦なのでわたしはバールのようなものでわたしを殴ってしまったのですがわたしはただ血を流すだけなのでこのまま知恵を失ってしまったならわたしはきっと誤字というものを量産しているわけでもなくてわたしはきっとわたしのことがわたしはきっとわたしのことが音楽というものは起爆剤なのであってわたしは恋をしているのではなくて恋に恋しているわけでも、あなた、に恋しているわけでもなく、意味ありげに見えてしまうというのはきっとそれはわたしがこんな身なりをしているからなのだと思います、なぜならばわたしという人間はわたしただひとりしかいないのであり、たとえばわたしの他にわたしがいたというのならば、わたしはきっとそのわたしにすべての責任を押し付けて自由に振舞うのでしょうから、不思議なことに同じことを考える人はいても、同じ事をする人はいても、同じ人というものはいないのですから、そういう不思議な現象のことを考えているとわたしは個ではなく種を重んじるすべての生命体に言いたいのですがわたしはわたししかいないのですからわたしがたとえ種を滅ぼすようなことをしたところでそれはわたしの責任でしかないのであってたとえばそれが被害者である種のせいであるというのはきっと暴論に違いないのでしょうが、わたしはこの天才的な発明のしたにはきっとすべての生命体の意思というものが流れているように思っているのですから、わたしはきっと変人なのでしょうがわたしはきっと変人なのでしょうがどうか色眼鏡で見ることはせずに、純粋にわたしというものを見ていただきたい、そう願うことは罪なのでしょうか犯罪なのでしょうかわたしの父親は確かに母親をなにも考えていない母親を自分の好きなように扱いましたがそれは決して被害者である母親が悪いのではなくてすべて父親の責任なのでありそれとわたしのこの発明にどんな差異があるのかといえば、ほら、なにもないのであってわたしはわたしなのであってわたしがイヤホンをつけているのは決して音楽を聴きたいからではなくて外界が煩いからなのであってほらまた友人が入ってきておやつをまた持ってきたのですから、え、え、いや食えといわれましてもわたしはいま文章を書いているのでなにも食べることはできない、断食、というのにこの神様を信じていない莫迦者はわたしにモノを食べさせようとするのですね、わたしを犯罪というものに染めて鏡で真っ二つにしてしまうのだわそうだわとそんなことを考えている間にわたしの手がほんの少し止まってしまったのですから、その隙をついて友人がわたしの唇を奪って、ああ、あああ、おいしいおいしいおいしいなぁもう、るるれ、るる、るるる、鼻歌をしながら花のようなにおいを嗅いで落ち込んでいるふりをしながら、深淵に落ち込んだあの女の子みたいにわたしは膝を抱える練習をしようとしましたところわたしはもう文章を書く事を再開してしまっていたのですからそれは叶わずに、止まらない止まらない、窒息しそうなこの心臓の音を聞きながらイヤホンをしているのはきっと心臓の音を聞くためなのでしょうがわたしは、あなた、の心臓の音こそがこの世で一番綺麗な音楽だと思っているのですがでもわたしの心臓の音というものは弱弱しくてなんとも苦しいものですからわたしは手を動かしながら涙を舐めてみましたところ、というのも、断食といっても真水は飲んでもいいことになっていて、そのうち真水のさらなる例外として涙があるのですから、断食をしているあいだでも涙を流す権利はあるのであって、他にもたとえば、唾液とかもそうなのであって、孤児にくちづけをしてやるのはきっとそういう魂胆なのでしょうが、わたしは詳しいことはなにも知りませんが、わたしは生きているということを思い出すたびに思うことがあるのですが、わたしは手が痛いということを手ではなくて脳に還元してしまうものですから痛いという感覚だけが一人歩きしてわたしを置いてけぼりにしてわたしを一人にしないでと叫んでもわたしは薬を飲み込んでわたしは薬を飲み込んでわたしは続きが気になりすぎて時計をいじってみましたところ、でも夜にはならずに星も見えずにつまらない空はしかし青く澄んでいて白い雲が流れていて綺麗ではないかと誰かが言うものですから、わたしもそれに応じて、でも夜のほうがわたしは好きです、と答えたのですが、誰かは眉をしかめて、わたしは、わたしは、正直に生きて、不思議なことにわたしはいつまでも疲れというものを感じないのですがそれは初めての断食のあいだは神様の協力があるからあんまり苦労しないだけであって、二度目こそが実は一番大変なのですが、いつまで経っても頭がくらくらするのは消えなくて、そうか、疲れないのではなくて、疲れすぎて疲れていることに気付いていないのだ、という結論になったのはいいのですが、その結論のために、本当に疲れているような気分になり、わたしは、あなた、の虜になりたいところですがわたしは空を仰いで、ああ、もう夜になっていたことに驚くのですが、背中に感じるその夜はつめたくてわたしは胸のときめきを感じてわたしは今もなおキラキラ光るあののめり込めるような物語のことを覚えているのですから、わたしは自分の心臓を掴んで引っ張り出して、意味もない歌をうたおうと思って、口を開いたところ、ああ、歌の歌い方を忘れてしまったことに気付いて、わたしはいまのなし、と自分に言い聞かせて、心臓をもとの場所に戻して、さて、わたしは意味ありげな不可能な作文をしているわけではなくて、意味のある、そして意味というものは、あなた、が求めているものである、その作文を書いている、というよりも、いえ、作文というよりも文章であるのであり、さて、わたしは鉛筆を握って、この文章を書くということをしながら、やはりあのイケメンのことを思い出しているのですが、いえ、わたしは、掴んでいるのはやはりこの鉛筆だけであり、いえ、いえ、わたしはいま、わたしはいま、戸惑うということについて、わたしは、まだ、可能性を感じているのかもしれませんけれど、文章を書いているということは、決して、きっと口外するでもなくみんな知ってしまっているのかもしれませんけれど、悪魔悪魔悪魔、鏡で体が真っ二つになっている男、今度は女の人ではなくて男の人だったのですが、その人が全力でダッシュしてわたしを追い抜いて、公園に入っていって、公園に毒ガスを撒き散らして、わたしは逃げて、逃げて、逃げて、げに、げげげ、毒ガスはまるで意思を持っているように、いえい、わたしは走って、走って、走って、ついにジャンプまでして、毒ガスの魔の手から逃れることに成功したのですが、気付いたときには見知らぬ土地、ここどこよ、溜息をついて、興味をなくしたぬいぐるみのように、場所を指し示すこともできずに、へんなかおのひと、わたしの前に現れて、こちらですお嬢様、ええ、いつからわたしはお嬢様だったのだっけ、そんなことも知らないままに、わたしは進んでいって、へんなかおのひと、についていって、暗い家について、ここはどこ、わたしはわたし、暗い家、電灯はどこにもなくて、スイッチも紐もなくて、ここはずっと暗い家なのだわ、わたしは怯えて、怯えて、怯えて、パステルカラー、しゅたふー、知らないままに、へんなかおのひと、へんなかおを顔からとって、括弧、仮面だったのよ、括弧閉じる、両面を見ているあのシーデーみたいな感じを上手、上手、受けて、そのうちに、男の人、その、へんなかお、を捨てて、暗闇に飲み込まれて、こちらですお嬢様、そういわれて、どうか、ここは安全な場所なのかもしれないと思って、そう思っているうちに、わたしはさらに家の奥にまで案内されていて、わたしは、わたしは、わたしは、そうしている間に、あのひと、どこへ言ったのか、見当たらなくなって、暗い家のなか、ここはどこ、あの毒ガスのことを思い出して、この暗闇が、その毒ガスになんだか似ているような空気を感じて、怖くなって、ここはやっぱり危険なのかもしれない、と、おもって、立ったり座ったりしていると、さっきのひと、出てきて、お嬢様、おやすみなさいませ、ええ、なぜこんな暗いところで眠らないといけないのか、疑問に思って、でもそう疑問に思ったことにも疑問をもつようになって、だって寝るときは普通は暗闇なのだもの、そう悶々としてるあいだに、わたしはいつの間にか眠くなっていて、おやすみ、おやすみ、窒息しそうなくらい真っ暗な夢をみて、起きたときには、暗い家は、明るい家になっていて、ほわわ、ほわわわあ、おっはよー、へんなかおのひと、頑張るしかないのね、わたしは起き上がって、その、へんなかおのひと、張り倒して、気絶させて、逃げて、逃げて、逃げて、そうしている間に、腰が痛くなって、なんで、さっきまでずっと眠っていたのに、なんで、腰は弱くないのに、まだ若いのに、わかわかしいのに、と思っていたのだけど、そうか、あの暗い家には、ベッドも布団もフロンもなくて、フロンってなんだろ、思うより先に、走って走って走って走って、わたしは同じところを走っている、そのことに気付けたのはきっと幸運なことなのだけど、わたしはずっと回っていたらしくて、わたしはずっと回っていたらしくて、わたしはずっと回っていたらしくて、わたしは、わたしは、わたしは、わたしは、自分の手を掴んで、目が回るほどにぐるぐるぐるぐるぐるぐぐぐぐぐ、落ち込むこともできないままにわたしはずっと進んでいるつもりがなにも知らなかったのですわたしはなにも知らなかったわたしはなにも知らなかったわたしはなにもああああああ、ああああああ、あああああああ、あおああたあ、ああわさ、わたしは誰、誰だっけ、わたしはぐるぐるぐ、まわっているだけのお人形にはなりたくないのにわたしはお人形ではなくてひとりの人間なのに、人間なのに、人間なのに、暗い家も明るい家も、わたしを束縛することはできないはずなのに、だから寮生活なのに、わたしは走って、今度こそ真っ直ぐに走って、日々を感謝するために、わたしは走って、あの公園のところまで走って、毒ガスはなくなっていて、代わりに、金ぴかの黒人さま、笑っていて、いっぱいものをくれて、わたしは涙を流して、ありがとう、日々に感謝する前に金ぴかの黒人さまに感謝をして、どういたしましてという意味の言葉を呟かれて、ああ、良い人、わたしは公園を後にして、楽しませてくれることを思い起こしながら、寮に戻って、部屋に入ってみると、友人、つまり、ルームメイトが、またおやつを食べていて、おやつ好きだね、というと、おやつだけじゃなくて、ごはんもたくさん食べるよ、というわりには、おやつを食べているところしか見たことないのだけど、わたしは、おやつ頂戴、といったのだけど、そうだ、わたしはいま文章を書いているのだった、すっかり忘れていた、文章を書いていて、文章を書くということは命を削るということなのだから、わたしは命を削っているのだから、断食の一貫、わたしは、わたしは、おやつを食べてはいけないのだった、ああ、ああ、苦悶して、門をくぐって、全力ダッシュで友人の手を引っ張って、痛いといわれて、手を放して、友人がなぜか笑って、わたしはいらいらしているせいで涙が出てきて、だっておやつを食べられないのはつらいのだから、わたしはそれから地球を一周ぐらい走って、ぐるぐる、光ほど速くは走れないけれど、わたしは、地獄の季節、いやいや、違う、そうではなくて、わたしは寮に戻って、文章の進み具合を確認して、わたしが文章を書いているということを自覚しつつも、わたしは、友人を睨んで、友人はいつも食べてばかりいるけれど、スレンダー、うぷぷ、寮を出て、行動を忘れて、興味のないことについてはわたしは莫迦なのだろうか、わたしは走って、走って、走って、ハイテンションで走っているところ、わたしは、宇宙の滅亡を知って、日々を感謝して、列車に乗って、国境を抜けると、そこにはうわあ、優しくされたいことについてはわたしは愚かなほどに旬なのだから、わたしは、にゃはっ、猫を撫でているつもりが実はその猫の正体はわたしで、わたしはわたしを撫でていて、にゃはっ、わたしは猫を装っていて、わたしはそれに気付いてからも、まあいいかな、と思っていて、わたしは、空を仰いで、亀の背中に乗って、不思議な国に落ちてしまったところ、鏡の中にはあのガラスの仮面がいてそこにはカラスがいて、エーからアールの発音をするものだからわたしはカラスの頭を撫でてやってすると驚いたことにこのカラスはわたしよりも知能の高い生物のようでわたしはからすに劣等感を抱いてしまいわたしは足が痛くなって、痛い、痛い、痛いのだから、わたしは頭を撫でるのをやめて、カラスから離れることも諦めていたのだけど、カラスのほうからわたしを避けてくれて、これでひとりだ、というのは実は困ったことで、だってわたしは、カラスから離れることが目的だったのであって、わたしがひとり、ということは、この足の痛い現状、ひとりで解決せねばならないということであって、わたしは走って、走って、走って、という妄想をして、それで走れるかな、と思ったのだけど、実際のところ足は全然前に進まなくて、これではここにおいてけぼりじゃないの、と思っているのだけど、でも別に、ここにいて不自由なことはないんじゃないのかと思って、そっか、だってここにいてもどこにいてもわたしがわたしだということに変わりはないのだし、わたしがわたしだということが不変の事実であるのなら、わたしがここで死んでしまってもわたしがこのままいき続けてもわたしはわたしじゃないの、ということで、わたしは動くのを諦めて、そこにずっと座っていたのだけれど、わたしはうっかりしていて、というのも、もうすぐ講義の時間で、単位をとるためには絶対に出席しなければならないものだったから、わたしはどうにかここを動かなければならないのだけど、わたしは、わたしは、動くことが出来なくて、動けなくて、どうしよう、どうしようと考えているところ、わたしはとてもいい案を思いついて、おういカラスさん、と呼んでみたところ、カラスではなくてガラスがやってきたのだけど、そのガラスは、わたしの視界を透き通らせて、わたしが目の見える人だということを証明せしめて、わたしのところにきたのだけど、カラスは飛べるけど、ガラスは飛べるのだろうか心配になって、それなら大丈夫、なぜならガラスはカラスの上位互換なのだから、というのだから、知らないけれど、その言葉に従って、わたしはガラスに乗って、魔法の絨毯、いや魔法のガラスはふわりと浮かんで、わたしを乗せて学校へ飛んでいったのだけど、わたしは眠たくなって、眠っていたところ、起きたらもう講義中で、しかも第三ホール、うわわわ、うわわわ、眠ってたよ眠ってたよ、でも出席はできたんだやったね良かった、ということで、またうとうと、うとうと、気付けばまだ暗い家にいて、ああそっかいままで夢だったんだ、ころころと笑って、でもここどこ、暗い家、栗、と、食べているところ、お嬢様、死んでください、はい、かしこまし、しましまし、なにもかも変化するままにわたしはいっているのですわたしはいまいきているのですこれだけでこんなに幸せなことはないのと思うのですわたしはいま生きているのですわたしはいま生きているので死んでいないということの母親も達成できなかったことにわたしはいま挑戦しているのです、これは本当に一大事だと思いませんか、わたしはいま生きているのです、と、わたしはいま生きているのですよわたしはいま生きているのですと幾度叫んでも事実は変わらないのですわたしはいま、生きているのであり、可能性の塊なのであり、文章を書いているのであり、文章が続いているということ、いま文章は二文目に入っており、そう、これは人生なのです、文章を書いている、文章を書いている、わたしは生きているのですから、可能を可能にしてしまうような、はい、不可能を可能にすることは生きている間はできませんが、もし死んでしまったなら可能を可能にすることは本当に難しいことなのですから、生きている間に、可能を可能にしてゆくのですが、わたしはいま生きているのですから、雑念とも闘わねばならず、具体的には食欲と、睡眠欲、このふたつといかに折り合いをつけてゆくかというのがわたしの永久の、いえ、早急的な問題なのですが、いまのところ全敗で、わたしは眠たくなったら眠ってしまいます、ああ、ああ、食べたいときは、頑張って堪えていますが、わたしが生きているのは、食べているからであって、それを思うと、きっとわたしは、神様の知らない間に食べているに違いありませんわ、そうに違いない、だってもしわたしがなにも食べていないのなら、もうとっくに死んでいるはずなのであって、いまこの可能を可能にしている現状を見ると、わたしは確かに生きているのであり、生きているのなら栄養を摂取しているはずであり、食べる、とは、栄養を摂取することなのですから、わたしは確かに食べているはずなのですが、しかしわたしは食べてはいなくて、と、いうことになっていますが、実際のところ、文章のそとでは、わたしは食べ物を食べているに違いありませんわ、ありませんわ、皿のうえにはなにもありませんわ、わたしは生きているのです、わたしは生きているのです、わたしは生きているのです、そうしているうちに、わたしはこれ以上ないくらい幸福に包まれて、落ち込むこともできないままに、わたしは、優しくされたい性分なのですから、わたしは、友人というかルームメイトのところに近づいて、ねえ、ねえ、抱いてえ、といいながらも、自分から抱きついて、うわなに、なになに、と、友人は抵抗しながらも、わたしに捏ね繰り回されて、こらこのれずやめ、おやつは食べないけれど友人を食べるのはいいですよね、ああでもわたしは断食中なのですから、ああ、ああ、あああ、そういえば、あ、の羅列が表すのは今更ですがモザイクなのですよピーなのですよピーがピーでピーなのですから生きている間に嬉しいことのひとつやふたつはあるはずでそのうちのひとつがああああ、あああ、ああ、ああ、ぐるぐると走っていると、牛がいるみたい、ウシがいるみたいだ、牛がいるみたいだ、ウシはまだ食べられることも知らずに、アンドロイドは、どろどろ、泥、わたしは、泥、泥、泥、泥、どこもかしこも泥なのですからわたしは怒ってしまって怒ってしまってわたしはわたしはわたしはわたしは、わわわわ、すたぁど、さい、だ、ぴぴぴぴと、解釈の問題、解釈の問題なのですがわたしはなにも知らないままにわたしはなにも知らないままにわたしはないこともないものねだりしてわたしは、あなた、に近づくためにわたしは文章を書くということ、わたしはいまわたしはいま、わたしはいまわたしはいま、そうしている間にわたしは文章を書く、スペードの十三をクイーンにぶっ殺してあらいやだそんな物騒な言葉を使っている間には精神の解放なんてことは起こらないはずなのでしょう、だってわたしはいま生きているということなのですからわたしはいま生きているということなのですからわたしはいま生きているということなのですから、と、わたしは、幾度も、幾度も、繰り返していうほどにはわたしは生きているのですから、わたしは、まだ、まだ、あだ、あだだ、痛い、という領域には達していなくて、わたしは、いま、わたしは、いま、ミステリーの世界に入り込んでいるのであって、わたし、まだあと十分でなにができるというのかというこの疑問の嵐のなかで青嵐は西端から巻き起こりわたしは寿司の美味しさを知らないのですがきっと美味しいことは文献で知っているのですがこの本の手に入りにくい、いえ、古本の入手しづらい時代でいかにして文献を読むことができたのかというとそれはもう簡単なことで学校の図書館にあったのですがわたしは学生である自覚はないのでわたしはぼぼぼぼ、寮に住んでいるだけで満足しているのでだって父親からも母親からも、ええ、死んだ母親からもいなくなった父親からも離れるためにはこの寮に来るのが一番なのであってわたしはいつまでも学生でいるつもりですし、そのためにいまこのタイミングで文章を書いているのですが、だってこのタイミングで書くなんて自殺行為じゃないですか、みんな気味悪がって、でも友人だけはつまりこのルームメイトだけは面白がってくれるのですがわたしはなんだか悲しくなって自分を笑って婀娜けてこの天才という名の災厄を嘗め回していましたところわたしは意志を手に入れることもできずにわたしはなにもできずにわたしはなにもできずにわたしはなにもできずにわたしはなにもできずにわたしはなにもできずにわたしはなにもできずにわたしはなにもできずに、こうして、差異、に、ついて、思案している間に、夜というものは老けてしまって、年老いてしまって、わたしが目覚めたときには、また次の夜になっているのですが、わたしは、わたしは、わたしは意志があるわけでそのために文章を書いているわけですからわたしは意志があるのですから意思ではなくて意志があるのですから誤字なんて気にしないで進んで進んで進んで進んで死に際の言葉をいま考えているのですがたとえばグッバイ、とか、いえあ、とか、わたしは死ぬのです、とかシンプルに事実を客観的に伝えるものでもいいのですがそれは死神の仕事なのでしょうからこの際却下してこうしていくつかの候補をあげて考えているのですが結論がなかなか出てこずにこれではわたしの死に際というものは醜いものになってしまうのではないかと思うのですがたとえばわたしの母親の死に際というものは、愚かなもので、なにも考えていない母親のことですから、死ぬ際にも、なにごとも喋らずに、排泄を繰り返していたものがとまって、それで死んだのですが、わたしはあんな死に方はしたくないので、いま、こうして悶々と悩んでいるのですが、ああ、思いつかない、思いつかない、いっそのこと、一度死んでみて、それで決めてみてもいいのですが、しかし一度死んでしまうと、それから生き返ることが、不思議なことにできないのであって、それを思うと、やはり、生きている間に、考えるしかなく、いまのうちに考えるしかなく、わたしは考えているのですが、わたしは考えているのですが、わたしは考えているのですが、わたしは考えているのですが、わたしは考えているのですが、そういえば友人が、友人が、友人が、わたしの想像力を嘲笑っていました、だってわたしが水を飲んでいると友人がその水はなにいろかと問うので、わたしが、これに色なんてないよと答えると、友人は笑って、あはは、笑って、笑ってばかりいて、なんだか悲しくなって、笑うということは楽しいことのはずなのに、なぜこうも、笑われる、ということはストレスにつながるのだろう、だろう、だろう、と疑問に感じるというよりも先に訪れるのは、嘘、ストレスを感じてなにが悪い、ストレスとは指針、だ、ストレスがあるからわたしはこうして文章を書くことができるのだ、だから、笑われる、とは、文章の糧なのだ、という、ああ、ああああ、ああああ、ああああ、あああ、あああ、あああ、あああ、あを繰り返しているときはモザイクの証、あという文字の後ろにはきっと残虐なことを垂れ流しているに違いないのだけど、わたしは、この文章を書いている人間なのだから、わたしが書いているのは、あ、だけなのだから、あ、に隠されたメッセージなんてわたしは知らないし、知りたいのなら勝手に、あなた、が意味を見つけ出せばいいのだけれど、繰り返すことはきっとおかしな言葉の後ろにあるのはきっとおかしなへんてこな、トラックに、文句を垂れ流して、ざまあ、めしうま、わけがわからないけれど、笑われる、というものは、きっと、笑われている人よりも、笑っている人よりも、その場面を目撃してしまった第三者こそ大きなストレスを手に入れるものなのではないだろうかと、思ってみても、それなら、やはり、密室というものは重要な鍵となってくるわけで、やはり秘事というものは密室でなければ成立しないものなのだろうと考えて、わたしはべつにわたしはべつに秘事とかやったことないしあっけらかかか、文章を書くということが秘事であるのならこの秘事に関わっているひと、つまりこの秘密を知っている人がどれだけ多いのかを知っていればきっと秘事だなんて言葉は使えなくなるはずだしわたしはわたしはいまわたしはいつまでも笑うことよりも笑われることのほうが三倍返しになるのではないだろうかと思っているのだからわたしはいつまでもわたしはいつまでもわたしはいつまでもいつまでもいつまでもいつまでもいつまでもわたしがご飯を食べているということは独り占めをしている、あなた、みたいな人のことは嫌いではないけれど、つまるところ、あなた、という生き物は第三者なのであってきっとそうよ、一番ストレスを感じているのは、あなた、のことだろうから、あなた、は傲慢であっていいのですよきっと、しかし、あなた、が傲慢であるとして、わたしに楯突くとして、その様子を起こした場合、あなた、は第三者ではなくなり、わたしと、あなた、の様子を目撃してしまった誰かさんが、第三者になってしまうということ、そのときの、あなた、は、傲慢であってはならないということ、関与した時点で、あなた、の傲慢権利は剥奪され、陵辱された権利のカスは、あなた、に帰ってくることもなく、燃やされて、灰にもならずに、消されてしまうということ、それを、あなた、に自覚してほしいということ、それは、あなた、にとって逃れられないことであり、いえ、逃げるためには、そもそもとして、わたし、に関与しなければいいのですから、あなた、は、ただ、観測してさえいればいいのではないでしょうか、という、真面目な、話を、している、ところ、まだ、友人が、笑って、いたので、わたしは、友人の、首を、撫でて、やりましたが、友人の顔が青くなって、ええ、なにをそう青くなっているのかと訊いてみても、友人は口を動かせずにいるのですから、わたしは、不機嫌になって、友人から目を逸らすために、後ろを振り返ってみると、なんと、そこにはあのライオンがいたのですから、わたしも驚いてしまって、ジャンプしたのですが、わたしは顔が青くならない体質でありますので、わたしは、心臓を掴み出して、安全な場所に隠して、それからさきほどの場所、つまりライオンの前に戻って、顔が青くならないものですから、さて、ライオンは顔の青いものには興味がなく、顔に赤味のさした、食べごろの食べ物を好むものですから、つまり、わたしはライオンにとっては好物であり、さあ、なぜわたしがこの場所に戻ったかというと、わたしは莫迦なので、文章を書くためには、あのライオンの描写をするべきだと思い、戻ってきたわけですが、さてこうして見てみると、ただのライオンでしかなく、わざわざ描写するような部位はなく、あら凛々しい、うほっ、ごほん、まあそんなところでありますので、わたしは両手を広げて、さあ食べて、食べて、とか思っているわけですが、友人は顔を青くしたままそのあたりに座り込んでいるのですが、わたしは、ああ、やっぱり食べられるのならこの友人に食べてもらいたいものです、と、計画を急遽変更、いまこのライオンに食べられるわけにはいかないことに気付き、ていっ、頭をごっつんこしたところ、ライオンは怒ってしまって、飛び掛ってきたので、ああ、わたしはここで死ぬのです、と、叫びましたところ、ああ、ああ、ああ、つまり、わたしの死に際の言葉はこのようにシンプルなものにおさまったわけでございまして、わたしは食べられそうになったのですが、なんとも面白いことに、ライオンはわたしに食らいつくよりも先に、ブルーベリーになってしまったのであり、それがなぜかというと、そう、あの二人のおじいさんの呪いがときを越えて作動したのであり、わたしは間一髪、助かったのであり、死に際の言葉は、死に際の言葉ではなくなり、わたしはこうして、いまものうのうと生きているのでございますが、ほら、わたしはやりたいようにやりたいことだけをやっていたいものなのですが、わたしは、わたしは、こうしていつも文章を書いているあいだにわたしはいつまでもいつまでもこの連鎖の向こう側にいけるだろうか、と苦悩しているのでありまして、わたしは、風呂に入ろうと思いまして、その前にお風呂を洗おうと思いまして、といいますのも、この寮のお風呂は共同ではなく、いえ、狭い意味では共同ではあるのですが、部屋番号でグループに分け、それぞれに小さなお風呂が設けられているのであり、わたしのグループの女の子たちは、ずっとひきこもって、ゲームをしたり、薄い本を制作したりしている子たちなので、いまのような、発売日直後だったり、締め切り間際だったりするときは、数日の間ずっとお風呂に入らないというのがざらにありまして、今回はそれが綺麗に揃ってしまったために、グループの中では唯一まともな友人、このルームメイトは、少し重めの人間不信であるのですから、わたしと一緒でなければ寮から外に出る勇気も持てず、最近のわたしがいつもここで文章を書いているために、友人も寮から出ずにおやつばかりを食べていて、括弧、おやつは寮内各所の自動販売機で購入できます、括弧閉じ、その怠惰につられたのか、お風呂にも入らないわけでございますから、いま、わたしたちのグループのお風呂は、数日使っていない状態にあるのであり、お風呂に入りたいのならば、お湯を入れる前に、まず洗わねば、ならない、ということでありますから、わたしは、お風呂を洗って、それから入ろうと、でも洗ってすぐ入ればいいのだから、先に服を脱いでお風呂場に入ったのですが、ああ、ひんやりとしていて、これは早く温まらなければ体に悪いと思い、あついシャワーで、浴槽をごしごし適当に洗って、つまりお風呂を洗うのは簡単に済ませて、それからお風呂に湯を入れながら浴槽に入っていましたところ、うへへへへ、なにごとか不穏な雰囲気が浴槽に近づいてきているではありませんか、わたしは咄嗟に浴槽から飛び出て、扉の鍵を閉めたか確認しましたが、無念なことに、その確認の行為、具体的にいえば、ドアノブを握る行為が、鍵を開けてしまうことになり、括弧、この扉の鍵はドアノブを回すことで解くタイプの鍵、閉めるときはドアノブの真ん中の芯のようなものを押すやつ、括弧閉じる、扉の背後で既にスタンバイという名の脱衣をしていたグループメンバー、そのうちの変態、いえ幼虫が成虫になるようなことではなくてメタモルフォーゼではなくて、パバート、つまりなんと言い表すべきか、お風呂場に登場したその子こそが、変態の権化、変態王国の使者みたいなやつ、その名も、三点リーダ、三点リーダ、ともかく、その変態娘は、わたしの体に密着することに成功し、わたしは驚くべき速さでその体を引き離すことに成功して彼女を突き飛ばしたのですが、なんと彼女はスライムのごとき柔軟性をもってしてわたしの攻撃を受け止めて場所を移ることなくわたしに密着したまま、ああ、ああ、ああ、あ、あ、こめじるし、これはモザイクです、ということですので、結局はいつものようにわたしが折れ、一緒に浴槽に入ることになったのですが、もともとこの浴槽はひとりで入ることを想定して作られているため、狭くて、狭くて、これはきっと人口密度の問題でいえば百パーセントを超過しているな、と思ったのですが、いやいや、百パーセント以上ってことはわたしと彼女の体の数パーセントが同じ座標に位置してるのかよ、とかいうことになりますので、そもそも人口密度はパーセントではないので、撤回して、わたしは、次の瞬間には彼女に背中を流されており、次は前もお流しいたしますお嬢様、といわれましたので、ああそうか、そういえばわたしはお嬢様だったのだ、ということを思い出し、ところで、薄い本は描けたの、と訊きましたところ、もう完成して校正を済ませてパブリッシュメントに登録申請をしたようで、審査はまあいつもの通り通過するのでしょうが、はあ、もうそんな時期なのですね、また彼女たちグループの連中に、わたしとわたしの親愛なるルームメイトは、あの同人の巣窟という祭典につれていかれてしまうのでしょう、ああ、ユートピア宣言以降、情報の変革が起こり、すべての著作物が紙や電子でなくなったこの時代、だというのに祭典はつぶれなかったというのですから、わたしは、いえ、わたしの問題ではないのですが、呆れるものでありまして、今度はしかたなくわたしが彼女のむ、三点リーダ、背中を洗ってあげていましたところ、うへへへへ、なにやら不気味に笑うものですから、しかし今度はストレスがたまらず、さて、それから無傷で風呂を出られると思うなよ、感嘆符、あああああああああああああああ、こめじるし以下略、部屋に戻ったところ、友人がまたおやつを食べていて、そのくせ細い体型を維持しているのですから、わたしはふいに疑問になって、ねえねえ、なぜ痩せているの、と、ダイレクトに質問をしてみたところ、だって痩せてるから、と生意気な返事があったので、それって三十代くらいから一気に太るパターンじゃないの、とかテンプレート的な指摘をしてやったところ、うげえ、なにごとか眉を豪快にひそめて、ちょっと走ってくる、とか言ってくるので、いやいや、走るとかいきなりなに、わたしがいないと外にも出られないくせに、だから、走りに行こう、という強引なお誘い、これはあれですよ、上下関係のために絶対に参加しなくてはいけない酒の席、の、上下関係を失くしたパターンのあれですよ、ということなので、わたしは友人と一緒に、走りに行くことになったのですが、文章を書かなくてはいけないことに変わりはないので、括弧、だってまだ句点を打っていないのですから、括弧閉じる、文章を書きながら、わたしは走らなくてはならないのですが、でも、わたしは眠っているときも起きているときもお風呂に入っているときさえも文章を書いているので、走りながら、という試練にも、さほど苦痛は感じなかったのであって、ああ、そういえば、世界一、を記録するあの機関がデータを紛失をしてしまって、大々的なニュースになって、いまのところ、有志の力で修復作業に勤しんでいるそうですが、あの機関が求めている公的な、世界一、に、わたしは無意識的にも挑んでいたのかもしれなくて、だって、一文だけでこれだけの分量、それが最大で五文、ということは、わたしは、もしかしたら、世界一、になれるのかもしれなくて、だって、この時代、この時代に限った話なのですけれど、五文しか書けないこの人生のなかで、ちなみにいま走っていて、ジャストなう、走りながら考えているのだけど、考えながら走ってそれで書いているのだけれど、変わらない気持ちというものはなくて、やはり面倒臭くなって途中で投げ打ってしまいたいような気分になるもので、ああ疲れた、こめじるし、ここでの、ああ、はモザイクではありません、ということで、やめちゃった、走るのを、括弧、倒置法、括弧閉じる、すると友人が泣きそうな顔をしていて、帰ろう、と、わたしは友人がなにか言うより先にそう言ったのだけど、彼女はただ頷くだけで、あ、本当に外が怖いんだな、という気がして、わたしがついているのに、なに、ちょっと症状が重くなってるんじゃないの、と危惧してる気分、気持ち、わたしは友人の手をとって、帰ろう、もう一度言って、彼女はこくこく頷いて、果てしなく続くあの空を眺めて、いやいや、そんなことはどうでもよくて、どうせ空もそんなに広いものではないでしょう人より大きいだけでしょう、とか思いながらも、やっぱり空は偉大だなぁ、と思っているわけで、寮についたら、友人は、堰き止めていたものが外れてしまったかのように泣き出して、泣き出して、泣き出して、わたしは背中をさすってやって、ほらほら、かわいいなもう、いつもやられているみたいに彼女の唇に重ねてみたりして、やってみるとこれはわりと難しい、友人は泣いたままで、というかもっと泣き出して、困ったな、困った、と思って、さすっていた背中から手を離したら、崩れかかるように向きを換えてわたしに抱き付いてきて、怖かったんだね怖かったんだねー、よしよし、と、それからしばらくの間、ずっとそうしていることになって、難しいことは分からなくて、静かになって、消灯時間、とっくに過ぎてて、でもここの管理人さんたちはそういうのにルーズだから、まあどうでもいいのだけど、そのまま倒れて、その晩は一緒のベッドで眠ることになって、眠って、おやすみ、また明日、ということで、わたしは眠っているのだけれど、このとき友人が起きて、ベッドから降りて、部屋を出て、わたしは寝ているのだけど、部屋を出てお風呂場と逆のほうへ曲がって、ちょっと歩いた先にオープンスペースがあって、そこはまあ憩いの場みたいな、そんなところで、友人は人が嫌だからあまり行かないところだったのだけど、その憩いの場、に来て、そこに設置されている自動販売機、眺めて、ちなみにそこには、他のグループの子たちがいて、うるさくはないけれど雑談をしていて、もう消灯時間だけど、まあ、そういうこともあるよね、それで、でも、人がいることは周知のことというか、わりと当たり前のことだから、そのために友人はこの場所に行こうとしていなかったのだし、ということだから、ということだから疑問符、わたしは、眠っていて、友人は自動販売機を眺めていたけれど、ポケットの財布に手をのばすことなく、踵を返して、歩いて、部屋に戻ってきて、ちょっぴり体が震えていて、またわたしの傍に戻ってきて、朝になって、わたしは起きて、なんだか眠っている間に文章が進んでいるような気がしないでもないけれど、読み返す暇なんてないのだし、ずっと書いているのだから書いている間に読み返すのはちょっとあれ、だから、まあ気にしない、気にしない、ということで、ちなみに先に起きたのは友人のほうで、わたしが起きたときには既にベッドは寂しくなっていて、いや、一人用のベッドだから一人で寂しいっていうのは少し理屈がおかしいかもしれないけれど、でも一人は寂しいものでしょう、心地良いものでもあるのかもしれないけれど、それで、友人は、部屋のなかで、なにをしているのかと思えば、ヨーグルトを食べていて、朝ごはんのようで、わたしも食べるー、と言おうとしたけれど、文章のなかでは断食ということになっているから、わたしはやっぱり食べないと一応言っておいて、それでスプーンを手に持って、ああああああああ、文章では表せません、今日も走りに行くの、とスプーンを触りながら友人に訊いてみると、ううん、三日坊主、とのことで、でも三日もやってないよね、一日にも満たしてないよね、数時間だよね数分だよね、ということで、今日はなにもない、というか、ああ、というか、わたしは、文章を書いているため、そのことはいつの間にやら周囲に知れ渡ってしまったため、授業にはさほど受ける必要はなく、必須の講義が提示されているので、それで配られる紙にチェックすればいいだけのお仕事、というか、文章を書く、ということは、命を削る、ということですので、まあ、確かに、教育機関側としてはわたしに勉学を教えたところで意味がないことに違いはなくて、ただ寮を提供してくれているだけのような、あのどっぷり浸かったものを思い起こしますが、というわけですので、括弧、疑問符、括弧閉じる、わたしはみんなとは違って授業とか受ける必要がなく、試験ももちろん免除で、あはは、なにこの優越感、とか、まあわたしにだって未来の見通しは分かるので、いえいえ、未来が見えるのではなくて、将来なにになりたいか質問されて、それで答える幼児みたいに、漠然とした将来とか未来とかに対する想い、期待、というか、そんなものがあるのですから、だからわたしのほかに文章を書こうとする人はいないわけですし、わたしだけ、だからこうして特例をいただけたのですし、でも、ここで問題なのが、ルームメイト、この友人で、だってわたしは授業を受けなくてもいいですけど、友人は、わたしがいないと寮を出ることもできないというのに、単位の判定とかそういうのは他のみんなと同じなのですから、それは困ったことになって、でも診断書とか、そういうの、提示して、それで、教授たちもいくらかの融通は利かせてくれているでしょうが、それでも授業に来てくれないとどうしようもないわけですし、未来についてもしようがないわけですし、だから、友人には、わたしがいなくても生活できるような、わたしがいなくても人の多いところに行けるようになってもらわないといけないのですけど、友人は、ただおやつを食べているばかりで、ねえ、わたしがいなくなったときどうするの、後追いでもするの、とか訊いても、彼女は曖昧な表情をするだけで、ねえ、どうか自分の人生なのだから、もっと真剣に悩んで行動的になってほしい、のに、彼女はただおやつを食べているだけで、よくその体型維持していられるね、とわたしは話して、それで、痩せてるから、とか、よくわからない返答があって、それで今日も、友人は寮を出てとなりのキャンパスに行くことができなくて、ああ、あああ、でも仕方ないといわれると、でも、仕方なくても人生は人生じゃん、とか、でも、わたしがいくら悩んでも、良い案はまだ思い浮かばないのであって、良い案が浮かぶまで彼女は登校するつもりがないようで、ああ、莫迦だなぁもう、留年するつもりですかそうなんですか、あ、そういえば、この前、文献で知ったことなんですが、まあ、一文目での三つの物語もどれも文献を参考にしてしてててて、昔の教育機関というのは、たとえばこのあたりの地域なら、幼稚園おあ保育園、小学校、中学校、高校、あんど大学というようになっているらしくて、いやー面倒な階段だなぁ全部教育に違いないのになにをそうわざわざ専門化しているの、段階を踏んでもみんな忘れてしまうのなら個を重んじた先に種があるのだからぜんぶひっくるめてしまえばいいじゃない、だって教育機関なんだもの、とか、でもこの時代に生きているからそう感じるのかもしれないけれど、わたしは、そう思って、ところで、そういうことだから、いえ、そういうことでもないのだけれど、ですね、この時代、教育機関、に統合されて、大学、とか、高校、とか、よく分からないし分からないですけど、いまの時代のほうがこの文献の時代よりかは恵まれているはずだから感謝して出て行け、とか、そんなことを言うつもりも毛頭ないけれどああ、ああ、ああ、なにを言うでもなく、ではなくて、なにを言おうか分からなくなってしまったじゃないかというか授業行け、一緒に行くから、ということになり、結局、わたしは友人の受ける授業に、その授業を選択していないにも関わらず受けることになり、いやわたしの状態とか友人の症状とか学校側も理解してくれているので、特別にわたしも授業に参加していいということになったのだけど、でも、友人の選択しているその授業は、門外漢のわたしには正直わけ分からん、うだだだだと時間が過ぎて、ぐわわわわと空間が歪んでいるのは、生徒の質量とかそういうものの変化が曲率を正にしていてそうかこれがソウタイセイリロンかうわわわ時間の進み具合が曲がっているうわわわ、とか、そんなものを体感できるほど敏感にはできていないのでこれはきっと、ほら、おしゃべりをしている数分間と熱い鉄板のうえを踊っている数分間は同じ数分であっても同じ数値であっても体感というものにおいて雲泥の差、だから、その体感を物理に置き換えてみれば簡単に分かるような分からないよ、感嘆符、びっくり、九十分の魔の時間を終えて、わたしはぐったり、けれど友人はにこにこ、ここここ、どうやら授業を受けることができたとか単位の心配が払拭とかそんな開放感に満ちているに違いないけれど、三点リーダ、そのままなんと次の授業にまで参加することになってしまい、どうか一人で受けられるようになって、と念じている、で、そのまま口に出してしまったりしても、友人は、うん、そうだね、とだけ答えて、そうだね、じゃないでしょ、いつそうするの、ええ、ええ、ええ、こめじるし、これは、あ、ではなく、え、なのでモザイクではありません、結局その日は、友人に付き合わされて夜中まで学校にいて、なにこの学部あたまおかしいんじゃないのいつまで残らせる気なの、夜が更けて、わたしが起きたときには、帰ろうよ、友人が隈を作って笑っていて、なんとか提出物は間に合ったらしくて、まあ、一日頑張ってこれまで休んでいた分取り戻すとか、この子素質あるわーとか思いながら、帰ろう、死ねる、命を削っているわたしが言うのもおかしいけれど、ほんとうにこの生活は体に来るでしょこりゃだめだ、寮に戻って、タイムラグ二度寝、友人は一度寝なのだろうか、分からないまま、なぜか成り行きでまた一緒のベッド、ずっと、起きなくてもいいんだよ、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、定期的なモザイク、文章にはルールというものがあって、わたし自身で把握できているものは少ないけれど、たとえば、わたしは断食していることになっていて、それは、文章が命を削る行為だから、それにつらなって、命を繋ぎとめる行為が伏せられているだけであって、食べる、ということがそうで、でも、眠る、ことはきちんと叙述されているし、その明確な基準が、いったいどうやって設けられているのか、わたしには分からないし、分かろうと思っても、この文章を見返すことは、きっと、わたしではできないのだから、他の人に頼まないと、誰か、わたしの後世の、でも、それは果たしてわたしの願いなのだろうか、わたしはわたしの代わりに誰かの糧になることに、そう簡単に頷くことができるだろうか、だって、だって、間テクスト性、ああ、ああ、ああ、あああああ、定期的でなくても起こりうるモザイク、わたしはいま、眠っているのだろう、けれど、わたしは文章を書いているの、だし、わたしは文章を書いているわたしは文章を書いているわたしは文章を書いている、とか、繰り返したところでそれは一文を長くしているだけなのではないだろうか、とか、ああ、ああ、ああ、ああ、ああ、このモザイクの裏になにがあるのだろう、だろうだろう、だろう、それを見極めないと、文章のルールは、分からないし、でも、それを後世の人に伝えることはできないんじゃないか、だってこの文章で伏せられていることを、どうやって、いや、だって、他の文章を書くことはできないじゃないかじゃないか、ふたつの文章を併行して書くことができるのか、という話なのであって、もしできたとしても、わたしにはできないし、それをしようとする勇気もない、だって練習することはできないし、練習なしで挑戦してみても失敗したら命が一気にふたつ分削れるわけだから、こんなに恐ろしいことはないのだし、いや、わたしも一文目は練習で犠牲にしたけれど、意味があるからこその犠牲なのであって、そういう、後に残らない練習というものは、無駄死に、というのではないかしらん、ららん、それからいろいろと毎日をすごして、というかこの友人はいくつ授業とってんだよ莫迦か遊べよこれでサボってたとか莫迦としか言いようがないだろそりゃ単位落としそうになるわよくこれで挽回できたわ、わ、わ、わ、文章の先に見えるあのインキのような臭み、その奥に見えるはやはり黒色であってやはり、いやしかし黒色というものは果たして色なのかといわれると、それは違う、のではないか、という、ことになり、なぜならば、黒と白は、色であると同時に、光、つまり明暗であるとも思うのだが、それをいかに表現するか、すなわち、黒と白を、色であると同時に光でもあるということを踏まえたうえで描かれた絵というものは、立、体、的、とかいう文献を読んでいたところ友人がホールから出てきて、顔が青くなっていて、おーよく頑張った、わたし抜きで講義受けられたじゃん、えらいえらい、と頭を撫でていたところ、吐きそう、とか言われて、いやおいやめろおい、ということでその講義で今日は終わりだったしさっさと寮に戻ってシャワーを浴びつつ服の汚れをとっていたところ、なりゆきでなぜか一緒にお風呂場に入った友人の視線が痛い、刺すように痛くて、こら見るな、じゃあ見られるな、うわあ強気だな、やるきだな、やらないよ、やらないか、あばばばば、こめじるし、一文字目、でもやはり友人、わたしと気の合う友人だから、あの変態娘ほどのことにはならなくて、適当に各自髪を洗って体洗って、適度に上がって体を拭き合って、括弧はてな括弧閉じ、それなりに洗えた服は共同の洗濯機そばの籠に放っておいて、あとで洗えばいいから、部屋に戻って、ベッドに潜って、ブルーベリーになったライオンがわたしを襲ってその襲う姿はまるで父親のようだったからわたしはきゃあと叫んでそれっきり声が出なくなってライオンの責め苦に涙を流して嗚咽を垂らして涎を飲み込んで体が硬直してああ死んだんだと思っていたけれど生きていたという残酷な現実、あああああああああああああ、あ、ライオンがどこかへ行ったので、わたしは部屋を出て行ってあの公園に駆け込んでそこに金ぴかの黒人さまがいたのでライオンに襲われたことを泣いて説明してそれで頭を撫でてもらいたかったのに、黒人さまはわたしの気持ちには気付かずに、ライオンに対して憤慨して、違う違うの、わたしに目を向けてほしいのライオンなんてどうでもいいの違うの、でも黒人さまは金ぴかをもっと輝かせて公園を出てライオンを捕まえに行ってしまって、そのあと公園にあのふたりのおじいさんたちがやってきて、わたしが泣いているものだから、どうしたんだい、と訊いてきたのだけど、このおじいさんたちは、見るところ好色だね、ああ、ああ、ああ、定期的なモザイクを吐き出して、わたしは涙を堰き止めるものを求めに、公園を出てその近くのコンビニエンスストアに入って、涙を止めるものはありませんか、と店内を見てまわるより先に店員さんに訊いてみたところ、特上のものがありますよお嬢様、と店員さんが言うので、わたしはその言葉につられて店の奥についていって、それで店員さんに両腕を掴まれて、壁に押し付けられて、お嬢様またお会いできてしあわせです、あああああああ、あああああああ、あああああああ、あああああああ、七言絶句のモザイク、そうだ公園の近くにコンビニなんてなかったじゃん、ここはどこ、違う、ここは暗い家だ、へんなかおのひと、店員さんはへんなかおのひと、真っ暗闇の嘘を、黒い光を、抱きしめて、たおやかな、たからかに、瞼、紫色の、曲率が負、平穏な、虚無の、回廊を、狂った時計を、るぐるぐるぐるぐ、カエルの足音、ぴちゃぴちゃり、げーこげこ、向こうに見える、あの解放の歌を、壁を、壊して、倒れて、解放、老若を、掻き乱し、真実の、いつまでも、永久に、不変の、事実の先に見えるあの笑い声の過度に期待しすぎたわた、死は、いつまでも、傍に、すぐ、近くに、あり、死神は、仮面をつけて、へんなかお、ときを待ち侘びて笑ってる、あの虚像の人たちみたいに、金銀財宝、きみの、心の、奥に、埋まっている、ものを、掘り起こして、掘り起こして、採り尽くして、枯渇させて、潤いを、失わせて、壊して、壊れて、顔が浮かんで、沈んで、見えなくて、見えなくて、目視する、先には、反転する、脳のなか、頭を掻いて、掻き混ぜて、ストローを、刺して、血がにじむ、虹できて、わあ綺麗、見惚れたら、目が、目に、虹がさして、目が、ぐしゃり、悲鳴を、あげる、より前に、喉が、ぐしゃり、心の、底に、溜まった、嘘が、きみの首を狙っている、どくどくと流れ出る嘘は、留まることを知らずに、牢屋に、入っても、きみを、ころ、起きてよ、ねえ起きて、揺り動かされて重たい瞼を持ち上げると、どあっぷになった、あああああああ、がそこにいて、目の前にあああああああ、やめて、やだ、やだ、がむしゃらに足をばたつかせて、爪を引っ立てて、蹴って、蹴って、やめてやめてねえ、ねえ、あっ、んう、っ、わたしは泣いていて泣いていて、泣いていて泣いていて泣いていて、視界がぼやけていてなにも見えなくて、靄になっていて、ぼわわん、ああああ、あああああ、難しいことは分からなくて、分からないままでいいことも知っていて、知っていて、知らないよ、へんなかおのひと、靄の陰にいるんでしょう、蹴って蹴って蹴って、もう永遠に触らせたりしない、ここはわたしの空間だ、ここはわたしのものだ、わたしだ、だ、わ、たしが、わ、靄が晴れると、そこは寮の自分の部屋のなかで、ああ、そうだ、夢を見ていたんだ、そうだよ、なにを興奮していたのだろう、ああ恥ずかしい、ああ恥ずかしいと思いながら、蹴っていた足が妙に痛くて、柱でも蹴っていたんだろうか、ああ痛いなぁもう、じんじんする、わたしは乾ききっていない涙を拭って、視界が完全に良好になるくらい目をこすって、でも逆にそのためにぼやけて、霧みたいになって、でもそれも、じきに晴れていって、だんだん、だんだん、晴れていって、わたしは上半身を起こして、目の前には、首の折れた友人がいて。
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