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02○ 門外漢


 あそこに見ゆーは門外漢
 スカートの履き方も知らなさそうな門外漢
 道に迷って さあ大変
 地下鉄の改札を出て右に曲がって百八十度
 そこで出迎える ぼくの顔が
 笑顔を作ってあげゆ

 迷子になった門外漢
 迷ってる間は 脱・門外漢
 誰も教えてくれないよ ぼくも知らない
 知らないけど知りたいのなら教えてあげりょーか
 うりゅ うりゅ
 ポケットから取り出して
 はい あめちゃんあげる☆

 地下鉄の改札を抜け出して だけど切符の通し方分からなくて
 スカートも履けない門外漢 職務質問を免れて
 誰も教えてくれないの?
 だったらぼくが教えてあげゆ

 あめちゃんあげる☆

 世界中に見捨てられたみたいだね
 だけどぼくは見捨てない
 捨てるなんて もったいない
 ほら ぼくは世界中じゃないんだもん
 まあるいまあるい お空のように
 スカートも履けない門外漢
 ぼくがきっと教えてあげう

 スカート履いてみて さあ大変
 みんなの目 きっと不審者
 楽器も吹けずに 職務質問
 さあ踊れ

 みんなの目 蹴り飛ばしてしまいなよ
 ぼくがきっと教えてあげゆ

 あめちゃんあげる☆

 さあ あっちに見ゆーは門外漢
 道に迷って さあ大変
 ほら門外漢 おててつないで
 世界中に見捨てられたみたいだね
 ぼくが絶対教えてあげゆ

 まあるいまあるいお空みたいに

 ぼくが教えりゅ門外漢
 その前に あめちゃんちょうだい☆




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© 2012 Kobuse Fumio