あのバカ
昨日はもう掴めないし 見れないって
写真を見ながら言ってきた
そんなことないよって
昨日はきっと私たちに積み重なって
私たちを作り上げていくものなんだって
そう伝えたくて
“昨日が消えてるのなら、昨日の私たちも消えてるんじゃないの”
昨日が崩れてしまったら
今まで積み上げてきた私たちも崩れてしまう
だけどあのバカ
“そうかもな”って どういう意図も含めずに
赤い糸を絡めることもせずに
そう言ってきたんだ
バカ
昨日の消えた私たち
それはきっと 薄っぺらいもので
そう思えばあのバカは
なんだかすごく 薄っぺらい
それがなんだか悲しくて
今日も私は あのバカの瞳を見れないんだ
昨日も今日も 同じ瞳を