カーテンがかかってるみたい
目を開けてわたしは そう思った
“気がついたか”って
カーテンの向こうから声がする
その声には聞き覚えがあった
クラスメイトの あの
カーテンはなかなか壊れない
でもすぐ気付く
今のわたしは 眼鏡をかけてない
視界に光がかかっている
わたしはベッドの上
だけど驚くことはない
ずっと夢で見てきた 壊れた先の眺望
クラスメイトの あの
誰だか分かってても 目を合わせられない
カーテン邪魔
眼鏡はどこだろう わたしの玩具はどこだろう
“ここは病院だ”
クラスメイトが言う
クラスメイトが 病室でわたしの傍にいてくれた理由
分かってる
涙は決して流れない 流したための闇じゃない
だけどきみは
“家族は、どうしたんだ?”
訊いてくる
カーテンの先が明るくなる