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僕らどうしようもない


 僕らはどうしようもないよ。どうしようもなくクズだよ。何がクズかってそう、僕ひとりしかいないのに「僕ら」とか言っちゃうとこだよ。
 そんなこと考える僕ら、僕は
 ぐあぐちゃぐちゃぐちゃするのだ。死んで。死んで。死んで。死んで。たいよー! 空の、かけては、もうどうしようもないくらいにさぼっちゃってさ、壊れる。壊れる。壊れる。壊れる。壊れる。壊れる。壊れるのだよ!
 うじろう。生まれた。生まれた。うまれた。うまれたのに。うに。うにょうにょ。うにょうにょ。うにょうにょ。どうしようもないよ。
 単なる小説を書こうとしてもそれは難しいことだとみんなが知っているのさなぜならばイコール人間は意味を求めてしまう生き物だから係の当番になったことに意味を見出して人間になりたいと願う牛さんのように哀れな人間になってしまいたいと思うのだよどうしようもなくどうしようもなく人間になりたいと思ってしまうのだよどうしようもなく僕らは。
 僕は、この世界で僕しかいないのに、周囲に見える人間のことを、僕と同じ人間だと思ってしまう。僕らだといってしまう。そういうところがクズなんだよと考えてしまう。考えてしまうのにそれはどうしようもない、どうしようもない、どうしようもない、どうしようもない、つらみがあるんだ。発言が二重に書き込まれるエラーに見舞われています。それは大変ですね。ではここで一曲聞いてもらいましょう。リッスン。
 ガール?
 さあ! さあ! そう! らあ!
 ドラゴンが笑う。それを見て僕が笑う。僕の周囲には人間がいない。人間がいないのにドラゴンは知性。知性は人間。傲慢も人間。人間は人間。美味しく食べられるのかなと思う。でもドラゴンなんていないよ。僕はどうしようもなくクズだよ。ドラゴンが火を吹いた。僕は焼けた。僕の記憶のバックアップが再度コピーされてそれが実行された。ああ。どうしたって空はこんなにも青いんだね。


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© 2018 Kobuse Fumio