-


トップへ戻る200文字小説一覧


魔法の絨毯


 男は魔法の絨毯を発明した。
「ふぇっへっへ。これでわしは万能の神じゃわい」
 男は、大昔の原始人を従えている自分を想像した。
 男の目論見はこうである。反重力を応用した機械を作り出し、それを過去に持っていく。そして機械を原始人に披露し、はれて神だと崇められるつもりなのだ。現代社会においては、発明しようともただ金が入るだけだが、大昔ならきっとそれ以上の報酬が得られるはずだ。
 だがタイムマシンの発明がまだだった。


トップへ戻る200文字小説一覧
© 2012 Kobuse Fumio