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雲が暮れ、寒気深まる、午前四時。一寸先の空は不透明。 造形はなだらかな高低、オーケー。飛行船は完成を間近に控えていた。 あの分厚い空の向こうに願う、未知なる世界。誰も踏んだことがない一歩なら、飛んでいけばいい。 仕様書通りの魔法。夢から醒めるのは阿呆のすること。果報はもうじき訪れる、だろう。 完成すれば飛んでいく。不透明から透明へ。それだけを糧に生きてきた。 あの星のなかへと、夢を乗せた飛行船は潜っていく。
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