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航空機のぼやき


 俺は航空機のキラービー。今日もパイロットを載せて空を飛ぶんだぜ。
 俺には凄腕のパイロットがついている。クロウにブロント、ブルースといった奴らさ。奴らは俺を手際良く滑空させ、航路を進んでいく。
 だがジルバ、てめえはダメだ。信用ならねえ。
 あいつは他の3人と違って、鎧を着て俺に乗り込みやがる。そんな重装で俺の繊細な操縦ができるわけがねえ。
 なぜ鎧にこだわるのかは謎だが、どうやらあいつには俺には理解できない信念があるらしい。だから、俺も信念をもってあいつを信用しねえってわけさ。
 ジルバが俺のコックピットに乗ったときは、だから、俺が俺の操縦をするのさ。俺は自分の前世が蜂だったことを覚えているんだ。そのときの要領で空を叩き上げて飛ぶんだよ。ああ、俺はひとりで飛べるんだ。
 もちろん決められた航路を進まねえといけねえし、乗っている人間に害がないよう水平体制を保つように飛ぶためには、やっぱり腕の立つパイロットが必要だ。だが、ジルバが俺の中にいるときだけは、そうだな。俺はうまく操縦できるんだ。あいつが信用できねえからなんだろうな。
 もちろん俺が自分で飛んでいるだなんてジルバ以外は誰も知らねえ。ジルバはみんなから「鎧のパイロット」と呼ばれているのが気に入っているようで、事実を口走ったりもしないからな。
 そうしていつしか俺は気付いたんだよ。俺はこの信用のないパイロットとフライトを共にするのを、いつも楽しみにしてるんだってことをな。


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