「妖精のケツってどうなってるんだろう」
ブロントが真顔で言った。
「は?」
マゼンダは眉をしかめた。
「知的好奇心がくすぐられないか? おまえだって学者なんだからこの気持ちわかるだろう」
「わからんわ。妖精の腸ならまだしも」
「えーマゼンダさん、それはないわー。引くわー」
「なんでさ!」
それから紆余曲折あって、マゼンダがティンクのお尻を確認することになった。
ちょうどティンクはお昼寝タイムだった。ティンクの仰向けの体を裏返し、その臀部を隠している謎の半透明な服を摘まむ。
「この服も不思議ですよね。知的好奇心?そそられますー」
隣にテミがいた。
「なんであんたいるの」
「いえ、隊長から報告は多いほうが良いと言われまして」
マゼンダは溜息を吐く。まあ乗りかかった舟だから、今更なにも言わなかった。
二人の目がティンクのお尻に集中する。緊張の眼差しのまま、マゼンダは摘まんだ服を捲り上げた。
「う、うわ!」
マゼンダは咄嗟に目を覆う。
「目がー! 目がーですー!」
テミもそう言って逃げるように立ち去って行った。
調査報告。
ティンクは蛍だった。