「お兄様のばかー!」
館内ではお静かに。そう書かれた看板を前に、テミは叫んだ。
来場客の視線が集まる。その中点にテミはいた。
「きみ、お父さんやお母さんとはぐれちゃったの?」
解説員のおねえさんが慌てて駆け付けた。テミはふるふると首を振った。
「お兄様と来たの」
「そう、お兄さんと。お名前言えるかな」
「テミです。5才です」
「すぐにお兄さんを呼んできてもらうからね。大丈夫よ」
しかしテミはまたふるふると首を振った。
「お兄様はね、もう来ないよ」
「来ない?」
「さっき魔王軍にかんゆうされてついていっちゃった。。。」