すごく。。。耳が凝ってますね。。。。
とマッサージ店で言われた。耳が凝るってなんだって思ったけど、どうやら本当に耳が凝っているらしい。
やっぱり。。。。討伐って大変なんですねえ。。。。
大変も大変、そりゃあ大変。戦闘ばかりが華だけど、魔力垂れ流し続けないと虫が寄ってくるし、風呂にもなかなか入れない。こうして街に寄れたら万々歳、でもときには作戦の都合上人の目を避けないといけないときもある、そうなったらもーさ、もう。
肩にたらったらったらっと叩くようなマッサージ。そこから流れるような動きで背中へ手が押し流される。あ゛あ゛あ゛気持ちいい。
やっぱり。。。。とても凝ってますよ。。。耳。。。。
なぜ肩と背中を触ると耳の凝り具合がわかるのか、よくわからないが、専門家にはそう言えるだけの根拠があるのだろう。
私。。。。あなたの耳のことが好きかもしれません。。。。。
うん?
それには一体どんな根拠があるのだろう。なんとも不思議なことを言われた気がしたが、力強いマッサージに声が出ない。いやでもまじで、あなたの耳が好きってなんだ。いやそこだけ抜粋すると普通にありそうな言い草だけどさ、なんだこのシチュエーション、と思わないでもない。
それってつまりどういうアレ? と素直に聞いた。やっと声が出そうなときに。
では。。。お耳のマッサージをいたします。。。
オイルを手であたためる音。それが両耳の内側を突然撫でた。あ゛ーやばいこれも気持ちいい。というか会話成り立ってなくない? まあ別にいいけどさ。私も討伐隊の愚痴いろいろ漏らしちゃったし。というこの声も漏らしている。
ひとしきり。ひとしきり耳を堪能すると、マッサージ師の人はふひひと笑い声を漏らす。
どうですかー、凝りがほぐれたでしょう。
おわ、めっちゃ聞こえが違う。
そうでしょーそうでしょー。
驚くほど聞こえが違った。本当に耳が凝っていたらしい。今までそんなことも気付かずにいたなんて、じゃあブルースの口調がたどたどしいなと思っていたのはもしかして私の勘違い? いやそんなことはないかあいつは元々たどたどしい奴だった。
ところでがん保険に入りませんか?
次に入った言葉に、私は耳を疑った。
あれ? まだ凝ってる?