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あかるい弁護人


 テンミリ学級で裁判が開かれた。裁判官は六年二組のブロント。被告人は同じく六年二組の魔王である。
「うぉっほん。では被告人は前へ」
「異議あり!」
 裁判官が魔王を促すと同時に、そう唱える声があった。声の主は被告側の弁護人、四年四組のクロウである。
「急になにかね」
「被告人は犯人ではありません。したがってなにも話す必要はないのです!」
「いやそれここで言われても」
「被害者のルファは鈍器のような大道具で殴られていました。しかし魔王は鈍器を持つことはできない! なぜならば魔王はエエトコロのご令嬢であり重たいものどころか紙きれひとつも持つことはできないからです!」
「あーそういう反論は被告人の供述を聞いてからにしてくれると」
「というか犯人はわたくしです! 魔王様の弁護をしたくてルファを殺しました! 私が犯人です! どうもすみませんでした!」
 チャイムが鳴った。クロウは自分の教室へと更迭された。




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