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天才なので


 ティンクが小さくなってしまった。いや、妖精なのだから元々小さいのだが、よりさらに小さくなってしまったのだ。
 具体的に言うと、私の拳大の大きさだった彼女は、今では小指の爪ほどの大きさだ。
 今ではティンクの声もよく聞き取れない。マイクに拾わせてやっと会話ができる感じだった。
「マゼンダ! どうにかして!」
 爪サイズの妖精が無茶ぶりを言う。どうにかできるならとっくにしとるわ。
 踏んでしまったら大変だから、とりあえず卓上のマイク周辺を立ち入り禁止にした。「触るな絶対!」の紙を置いてバリケードを作る。ティンクはその隔離エリアの中央で睫毛よりも短い腕をぐいっと伸ばして不穏な現実に抗議している。
 私の魔法能力では物を大きくすることはできないし、知り合いにもそういうことができるという話は聞かない。
 どうしたもんか、と唸ることしかできない。
「君の天才的頭脳でなんとかして!」
 褒めればどうにかできるわけでもないぞ。マゼンダは頭を抱える。
 しかし人間、褒めれば伸びるとは本当のことらしく、それから私は極小ティンクを元に戻すための研究を続け、そして物体の大きさを変える魔法を発明したのだった。
「なんとかなったじゃん」
 要望通り私よりも大きくなったティンクが、にひひと笑った。


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