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ブマテジリティミルク


さてブロントくん、
君の名前を決めてみようか、
君には確かにブロントくんという本来の名前はあるけれど、
それは君の名前であって、
魔王さまに捧げる名前ではないね、
そこで君に新しい名前をあげようと思うんだ、この僕がだよ、
どんな名前がいいかな、
そうだな、例えば君のあの仲間たち、
そうだねもう今はいなくなってしまったけれど、
君と仲の良かったあの9人の仲間たちの名前を、ひとつひとつ思い出してみようか、
ひとつはブルース、
ひとつはマゼンダ、
ひとつはテミ、
ひとつはジルバ、
ひとつはリン、
ひとつはティンク、
ひとつはミドリ、
ひとつはルファ、
そして最後のひとつがクロウ、
さてこの9つの名前の中から、君はいったい、
どれだけの名前を愛し、どれだけの名前を憎み、どれだけの名前を忘れようとしていたのだろう、
しかし私はそのいずれをも許さないよ、
彼らの名前を全て組み合わせて、君の新しい名前を作ろう、
そうだな、ブルースのブ、マゼンダのマ、テミのテ、ジルバのジ、リンのリ、ティンクのティ、ミドリのミ、ルファのル、
そしてクロウのク、
全てを合わせると、ブマテジリティミルク、
なんとも長い名前だし、とても名前と呼べるような代物でもないけれど、
君は彼らの名前を背負って生きていかねばならないんだ、
名前とは命だよ、ブロントくん、
さあ新しい名前を言ってごらんなさい、えなんだって、覚えることができない、まさかそんなわけはないだろう、
君は仲間の頭文字を組み合わせただけの、そんな単純な文字列を、さっと頭に思い浮かべることもできないのか、
それは、
なんと悲しい話だ君は、
討伐隊の隊長でありながら、名前、つまり部下たちの名前を、
ひとつたりとも、心に刻んでは、いなかったのだね、
とても悲しいことだ、
実に無残なことだ、
あまりに薄情だ、君は、とても浅薄な男だ、
果たして魔王城で見せたあの連携的な仲間たちは、君のことを、心の底から信じていたのだろうか、
君のその浅薄な心の実のところを、見透いたように、感じ取っていたのかもしれないよ、
悲しい話だ、
とても悲しい話だ、
さあ今度こそ、君の名前を、僕に話してごらん、
ブロントくん、魔王さまに捧げる、君の言葉だ君が、
仲間たちから受け継いだ、心の言葉、言葉を、名前にするんだ、
さあ、


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