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エピローグ

 なんということだ。見えない壁に穴を開けるだなんて、一体どこの人間が思いつくというのか。

 彼らはじきに、あの大学が本当に廃墟であったことを知るだろう。

 大学だけではなく、町全体が。

「真実」の幻想は解かれた。認識は「事実」に収束される。

 人形を天国に導くことは不可能となった。彼らは、楽園から追放され、自由の身となる他ないのである。


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