「ブルースー!」
「ブロント!」
こうして、二人は再開したのであった……。
* * * * *
「う~ん、なんか違うんだよなぁ」
僕、井上雄二は、コンピュータの前でうーんと大きく伸びをした。
僕は「テンミリオン」というゲームをずいぶんまえからしていて、今年でかれこれX年になる。
僕はよく「テンミリオン」を題材にした短編小説を書いては、投稿する。
今書き終えたのが17作目になるが、どうもものたりない作品になってしまった。最近のはほとんどそうだ。自分で満足だった作品なんて3作目ぐらいまでだ。
でも結局、いいアイデアなんて浮かばず、また月曜日を迎えてしまった。
「雄二、おはよう」
「おはよう、雄二くん」
みんな元気だなぁと思いながら、自分の席にいつものようにつくが、はて、今日は僕人気者だな。
「雄二、新しい小説書いたんだってな。最初のほうよんだけど今回のもおもしろそうだなぁ」
「あっそ、ありがと」
このクラスでは、「テンミリオン」を知らない人はいない。僕が広めた。でも、みんな全然わかってくれない。あれは失敗作だ。
あぁ、はやく学校おわらないかなぁと、ほおずえをつく。
このあと、とんでもないことが僕にふりかかってこようとも知らずに……。
([2]へ続く)