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12△ 用事


 電話がかかってきて
 もしかしてあのバカからの電話かなって思ったのに
 他の子で 宿題手伝ってって

 私はだけど
 家を出ればもしかしたら会えるかもしれないと
 そんな薄い期待を抱いて
 その申し出を承諾したんだ

 電話の相手 いつものように
 はしゃいだ声で “ありがとう”

 下心なんてない
 どうせ会えやしないし
 どうせ宿題はめんどくさい

 期待はしないで家を出て

 道を歩いて
 のんびり歩いて
 なにごともなく友達の家に着いて
 お菓子を食べながら問題を解く




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© 2012 Kobuse Fumio