ふたりはひとり
ふと そんな言葉が甦る
それはずっと昔のことで
確かあれは……
俺は個室でひとりきり
いいや そんなことはない
ベッドにはクラスメイトが眠ってて
俺はなんだか恥ずかしくて その顔を見れないでいる
そんな今の状況から
ずっと昔のことを思い出す
あれはそう
アイツと一緒にキャンプに行ったとき
小学生のとき
俺の家族と アイツの家族
俺たちはなぜか一緒のテントで
ふたりはひとり
例えば今みたいに
実際にはふたりいるのに
そのうちひとりは意識がなくて
ふたりであるのにまるでひとりで
そう
あのとき確か……
それを遮るように
クラスメイトの喉が俺の耳をくすぐった