おりじなる小説MAKER A面


トップへ戻る目次に戻る


[14]へ←→[16]へ

[15]

「お~い、クロウ。遅いぞ。さっさと来い」
「はい、はい」
「『はい』は3回!」
「はいはいはい!」
「『!』はいらん!」
「はいはいはい」
「よし……」
 結局、というべきか。クロウは、某碁会所オーナーの箱根仁蔵に負けてしまった。
 囲碁のことである。
 と、いうわけで、クロウは今、七万七千円分のただ働きをしている。
 ……………………………………………………………………………………………、というよりただ働きをしていた。過去形である。

「いや、子供に借金はよくねぇ、実によくねぇ……よし、ボウズの家を探すぞ。ボウズの親に返さしてもらおう」
「いやいや、仁兄ィ。そっちの方がよっぽどいけませんて」
「親はまともな輩だろうなぁ、ボウズ」
「俺……親なんていねぇよ」
「うん、やっぱりそうか。なら、俺が面倒見てやる。ボウズ……いや、クロウ。お前俺の養子になれ」
「いやだ」
「ふん、どうせ帰るとこなんてないんだろう」
「あるさ、俺には……仲間がいる」
「仲間……ほう、そうか」
「でも、はぐれっちゃたんだ」
「ふん、よかろう。クロウがそこまでいうような仲間がどんな輩か知らんが、探すのを手伝ってやろう」
「……うん」
「だが! それなら話は別だ。クロウ、働け」

 んで、今に至る(使い回しの文だよな、これ)。
「にしても、ここはどこなんだ? 知らん建物ばっかりだ」
「仲間の居そうなとこ……よくいる場所ってぇのはないのか?」
「う~んと……食いもんのありそうな場所……人が多いとこかな」
「ふん、親なしの集まりなのか」
「いいや。リンにはじいちゃんがいるし他にも家族はいるとおもう」
「リン……? どっかで聞いたな」
「そうなのか!?」
「そうだ、思い出した。クノの彼女が、そんな娘に会ったとか」
「とりあえず、そこへ連れてってくれ」

(にしても主人公出ないな……、[16]へ続く)

[14]へ←→[16]へ


トップへ戻る目次に戻る