パトカーは増える一方……。騒ぎはどんどん大きくなって、野次馬も集まってきた。
僕、井上雄二はそんな光景を窓を通して見る。観察する。客観する。傍観……にはまだ至っていない。
そんな中なんか派手なパトカーがやってきた。どこが派手なのかというと……両ドアに女性がしがみついていることだ。
まぁ、マゼンダとテミだった。
って、よく見たらティンクいるし……。
こうなったらしかたない。僕は直接見ようと教室を出た。それに習って、ひとり、またひとりと、僕についてくる、いや、同じ方向へ向かっているクラスメイトが出てきた。
ちなみに、この騒ぎを利用して、僕の親友以下である隣の席の友達、関野洋一は学校を抜け出ていた。この歳でそんなことを実行するなど、なまいきだ。
それでも、彼は女神を拝むため出て行った。
「ふぅ、着いたです」
「ここに誰か……ってブロントとミドリとブルース早速発見!」
「って……囲まれてるし……」
ちなみに、囲まれてるのはあの三人だけじゃなくて、この三人も。
僕、井上雄二は玄関(俗に言う靴置き場)についた。そこには、六人の戦士? が囲まれていた。大量の警官に。
あっ、あのときの二人だ……とのんきに警官の観察をすることしかないほど僕はその熱気に圧落されていた。
そんなころ、関野は家に着いた。
それから先は、前述の通りである。
([19]へ続く)