おりじなる小説MAKER A面


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Black game...
_Game? Oh, I like games. Why don't we...
White game...
_Woo, it's bad. I'm sorry. I hate games...

 と、いうわけで!
 テンミリキャラのほとんどが! 僕の家に集まった!
 ……のはいいものの、いや、よくねぇ。何だこの騒がしさは!?
 こんなの僕の小説では書いてなかったぞ。
 母上、父上……まことに申し訳ありません!
 そりゃもう本当に。
 僕の3作目。
 ちゃんと記録してある。
 読んでみる。
 あの詩――琴深さんが書いた詩――、題名はつけていなかったと思う。
 今度、訊いてみないと……訊かなければ……そう感じる。思う。考える。生じる。生まれる。産まれる。描く。焚く。動く。行く。許す。頼む。乗る。掻く。いや……訊こう。訊く。訊かれる。
 何か、そうしなければならない気がする。
 物語を描く。そして、書く。
 ……………………。
 僕は何が言いたいんだろう。
 まるで主題が見えない。
 教訓のない物語。
 伝えたいことの――ない話。
 つまりは、そういうことだろう。
 ふと、あいつらを見る。
 まるで宴会騒ぎ。
 まるで囚人でいっぱいの牢獄。
 まるで、仲間の再会。
 きっと、3作目は本当に傑作だったんだろう。だから、その後の作品に、満足できないんだろう。
 そんなことを、今まで思っていた。感じていたし、誇っていた。
 でもきっと、それは言い訳にすぎないんだろう。
 主題。いや、教訓。
 それが必要なんだ。
 物語には――現実世界も架空世界も――意味が必要なんだろう。いや、そもそも現実だって絵空事だって、「世界」であることに変わりはない。
 きっと、それが意味だろう。
「お~い、ユウマ。おかわり!」
「何度言ったら分かるんですか。僕の名前は雄二です。ユ・ウ・ジ です!」
「分かったから、おかわりぃ!」
「はいはい」
「『はい』は三回と、仁蔵は言ってたぞ」
「……はい」
「いや、減ってるし」
「馬鹿か、クロウ。合わせて三回になってんじゃねぇか」
 きっと、解決するだろう……。
 「解決」するから、「事件」というんだろう。
 だから、僕はミドリにおわんを渡す。

([25]へ続く)

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