ここで、主人公にも視点の主にもなれないはずの悪役……そいつらについて少し時系列を戻して語ろうと思う。
まず、壱。
1番、とかそういうのじゃなくて、壱という名前である。いや、きっと親が付けた立派な名前もあったことだろう。
だが、彼は壱だ。それだけで、それ以上でもない。壱、それが、名前。
次、弐。「に」と読む。
さらに、参。「さん」。
この三人は、たった五人の集団の中でいわゆる「したっぱ」にあたる。それだけで、それ以上でも、それ以下でもない。
もうひとり、満。「まん」と読む。
中国人や韓国人で実際に満という名の人はいるらしいが……つまりは名だ。サービスで言っておくと、日本人だ。
最後に、竹。「ちく」と読む。
この集団の中心人物。
まぁ、ここまで言っておいて何だが、この物語には敵役がいる。いや、この物語に「も」敵はいる。
「壱」
竹が、ニタニタとした顔でそう壱に話しかける。
「……」
無口の壱は、返事代わりに三点リーダを用いる。今回は初回サービスということで、三点リーダ2個。ただし普段は0個だ。
「お前、あいつらの邪魔してこい。展開が早すぎる。これでは計画は失敗だ」
「 」
壱は承諾した。と無言を返す。
壱は部屋を出て行った。竹もそれを見届けてから反対側の裏口から出る。そして、職場へ戻った。
(伏線のページでした♪ [26]へ続く)