おりじなる小説MAKER A面


トップへ戻る目次に戻る


[24]へ←→[26]へ

[25]

 ここで、主人公にも視点の主にもなれないはずの悪役……そいつらについて少し時系列を戻して語ろうと思う。
 まず、壱。
 1番、とかそういうのじゃなくて、壱という名前である。いや、きっと親が付けた立派な名前もあったことだろう。
 だが、彼は壱だ。それだけで、それ以上でもない。壱、それが、名前。
 次、弐。「に」と読む。
 さらに、参。「さん」。
 この三人は、たった五人の集団の中でいわゆる「したっぱ」にあたる。それだけで、それ以上でも、それ以下でもない。
 もうひとり、満。「まん」と読む。
 中国人や韓国人で実際に満という名の人はいるらしいが……つまりは名だ。サービスで言っておくと、日本人だ。
 最後に、竹。「ちく」と読む。
 この集団の中心人物。
 まぁ、ここまで言っておいて何だが、この物語には敵役がいる。いや、この物語に「も」敵はいる。
「壱」
 竹が、ニタニタとした顔でそう壱に話しかける。
「……」
 無口の壱は、返事代わりに三点リーダを用いる。今回は初回サービスということで、三点リーダ2個。ただし普段は0個だ。
「お前、あいつらの邪魔してこい。展開が早すぎる。これでは計画は失敗だ」
「  」
 壱は承諾した。と無言を返す。
 壱は部屋を出て行った。竹もそれを見届けてから反対側の裏口から出る。そして、職場へ戻った。

(伏線のページでした♪ [26]へ続く)

[24]へ←→[26]へ


トップへ戻る目次に戻る