おりじなる小説MAKER A面


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[27]

 関野洋一。
 僕の親友とはいえないがそれなりに仲のいい友人。同級生。隣の席。男。彼も、学校へは来る。
 義務教育と教育を受ける権利。
 彼にも、それはある。まぁ当然のこと。日本人に日本の永住権があるか訊いているようなもの。絶対である権利と義務。
 しかし、それを「義務」「権利」とする、つまりそう称することに、そもそもの間違いがある気がする。
 絶対的権利は、つまりは「権利」なのであり、選択権を自身に委ねられる。絶対的義務は、つまりは「義務」なのであり、選択権は自身には、あるいは他者も有してはいない。
 その二つ――権利・義務、義務・権利――を合わせる。何も知らないものは、それを矛盾と言い、云う。
 矛盾。つまりは、双方の意味あるいは結果等がくいちがっているということ。
 教育を受けさせてもらわせる義務と教育を受けさせる権利。
 僕は、こんな訳の分からないことをぼやいていたいのだろう。
「始まりがあれば終わりあり」
 そんなことをよく耳にする。
 言い換えれば、「終わりがあるからこそ始めることができる」。
 丸――。――句点。
 点――、――読点、
 何が、言いたい。
 これは、字数稼ぎなのか。
 そんなはずはない。
 意味のないものはない。
 字数稼ぎの文にも何か伏線が隠れているかもしれない。
 いや、この。この今まさに書いた文が字数稼ぎなのかもしれない。
 絶対的矛盾。
「スタートの5秒前にゴールした」
 時系列がめちゃくちゃだ。滅茶苦茶だ。矛盾している。
 矛盾。
 ある商人が、こう言いました。
「この矛はどんなものでも貫くことができます」
 さらに、こう言いました。
「この盾はどんな攻撃でも耐えることができます」
 それを聴いていた人が言いました。
「なら両方で勝負したらどうなるんだ?」
 それを聞いて、商人は何も答えることができませんでした。
 商人は、矛と盾を戦わせることはしませんでした。
「ああ、それは気づかなかった。なら、今証明いたしましょう。世界最強の矛、世界最堅の盾。今、矛と盾が、実質としてどちらが本質的に役立つか、証明しましょう!」
 それが、一番の行動だっただろう。
 どちらかは、完売したことだろう。
 さらに多くのギャラリーも押し寄せて、矛も少しは売れただろう。
 ついでに言っておくと、矛は突くあるいは刺すもの、盾は守る、というより防ぐものである。つまり、そもそも勝負は成り立たない。
 その意見を言った人は、浅はかな人間だったか、その商人に嫌がらせを働いたのではないだろうか。
 まぁ、全ては後付けの理由。
 結局は、これもどれも、みんな正解なんだろう。
 そうして、馬鹿らしい一定律のアホらしいチャイムが、鳴った。

(NOW! 今! [27]の次へ続く!)

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