「つまり、ユ……、何だっけ?」
「ユウマだよ、バカ」
「雄二です」
あの後僕は、ジルバをミドリと運んで、このナントカ基地(ナントカには横文字が入る)へ来た。のは良かったものの、基地にいたブロントに家を訊かれ、正直に答えたらそんなところは存在しないと聞かされた。
そこで、とりあえず僕に起こったことを説明し、今に至る。
「まぁ、パラレルワールドみたいなもんだろ」
「うぁあ!」
「?」
「ミ、ミミ、ミドリが! 横文字を使ったぁ!」
ちなみに今のはブルースの台詞。
「パラレルワールドって何?」
「うん、ブロントは正常だ」
これは夢なのだろうか。頭がくらっくらする。そうだ、これは夢だ。こう頬をつねったら……。
「痛っ!」
僕は目を覚ました。
「やっと起きたか。こんにゃろう」
僕の目の前にいるのは、ブロントでもブルースでもミドリでも勿論ジルバでもなかった。
俗にいう、先生だった。
「おきてますか~?」
隣で友達の関野がからかうように僕へ笑みを向ける。
「ゆ……め?」
〔キーンコ-ンカーンコーン〕
「あぁ、授業終わっちゃた」
あれは、夢だったのか。
ふと窓を見ると、外は大雨だった。
([4]へ続いてしまう)