おりじなる小説MAKER A面


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 なんだ、夢か。だとしたらどれだけ「テンミリオンで頭がいっぱい」になってたんだろう。
 そう心の中で呟き笑みながら、僕は大雨の中足元グチョグチョで帰っていった。
 どうも今の僕は機嫌がいい。どこから夢だったのかははっきりしないが、雨のにおいってのは案外いいもんだ。
 これからも小説を書こう。そうポジティブ思考で家につくと、なんとパトカーが家の前にあり、警官がふたり、玄関で母と喋っていた。
 こんな雨の中、合羽を着た二人の(一人はのっぽで、もう一人は背の低いポッチャリ系)男は、僕に気づくと
「雄二君だね。こういうものなんだけど」
 と、警察手帳を示した。
「はい、そうです」
「ちょっと訊きたいことがあるんだけど……」
「何でしょう?」
「君の友達に、青い髪の子や緑髪の女性や、ナイトのような服を着た金髪の青年はいるかい?」
 すぐに浮かんだ。でもそれはありえない。まさか夢の中に夢がまたある訳でもないよな……。
 僕は右の頬をつねってみた。警官にはいぶかしまれたかもしれない。
 痛かった。

([5]に続いたりする)

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