さて、物語はまだまだ続くが、展開が早すぎるので一旦整理をしてみよう。
「ってこれって物語だったの!?」by井上雄二一同
中学1年生、井上雄二は、大人気ゲーム「テンミリオン」のプレーヤー(かっこつけて言うと)であり、それを題材にした小説を書いていた。
しかし、満足のいく作品が書けない。そう悩む雄二は、授業中に夢(?)をみる。
夢の中で雄二は「テンミリオン」のキャラクターに出会うが、中途半端なところで先生にたたき起こされてしまう。
しかし、その夢のおかげで前向きに考えるようにした雄二。
さらに&しかし、「テンミリオン」のキャラクター、ミドリ・ブルース・ブロントと同じような容姿の人物が雄二の家に現れたという。
まとめるとざっとこんな感じである。ちょくちょくこうして字数稼ぎのために(えぇ)整理するので物語をどうか最後まで読んでいただきたい。
ちなみに、この整理も物語の一部だったりする。
ついでに、前述の「かっこつけて言うと」は「格好つけて言うと」と「()付けて言うと」のしょうもない洒落だったりする。
「しょうもねぇ~」byブルース一同
部屋をのぞいてみると、すさまじいことになっていた。
「あっもう始まるの!?」by読者一同(たぶん)
壁中きずだらけ、穴だらけ。コンピュータ以外の家具は粉々になっていた(コンピュータ強し!)。
そのころ、先ほど登場した雄二の隣席、関野洋一は、コンビニエンスストア(略してコンビニ)でひとりの女性に出会った。
中国っぽい(偏見)服で、三編の黒髪、凛とした顔立ち……。
リンだった。
これは天からの送りものか!、と迷わず関野少年はリンに声をかけた。
「あの、リンさんですか?」
しかし、言ってから関野は後悔した。
この超リン似の女性は「テンミリオン」をご存知だろうか。もし何も知らなくて、突然知らん人呼ばわりしてくる少年をどう思うだろうか。
まぁ、変人扱いされるだろうな……。
しかし。
「えっ、なぜウチの名を!?」
という想定外の下にあったはずの台詞がひょこっと顔を出した。というより、想定外だった。
「まぁ、良かった。ウチを知ってくれてる人がおって。単刀直入に訊くけど、ここどこ?」
「どこって……コンビニ…………」
「コンビニ? しらんなぁ。一体なんでここにおんのやろ」
中途半端な、関西弁だった。
いや、無理につくらない、ナチュラルな関西弁であった……。
([6]へ続く)