おりじなる小説MAKER A面


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[6]

 エリス、エリー、エミリ、エル、勿論リーダーのルファだってこの事態を想定してはいなかった。
 皆、ただ声も無く驚くばかりである。
 いつものように「仲間に入らないか」とブロント一行がやってきて、いつものように断って喧嘩をしていたはずだった。
 それなのに、急にブロント一行は跡形もなく消えてしまったのである。
「ルファ、これは……」
 やっと声を発したのは我が軍一馬鹿のエミリだった。
「分からん」
 ルファはそう短く答えたが、今はやっと脳が正常に働きだして、あらゆる知識を総動員しているところだった。
「異次元、か……」
 5分ほどたってから、エルがそう言った。
「なるほど、『異次元』か。その考えがあったな」
 もう2分、沈黙が続き、
「よし、その方向で調査を始めよう。あいつらのただのいたずらという線もあるが、なにか事があってからでは遅い。エリー、『あいつらが空間か時間の乱れにより、異次元世界あるいはその中立地点に飛ばされた可能性がある』と、ルシファーに伝えて来い。残りは私とここに残り、いや、エリスは基地のA倉庫から27番機材を取って来い。エリスが取ってきしだい、作業を始める」
 状況を理解したら、ただちに適切な判断を下す。
 それがリーダーの務めだ。
 ブロントになぜリーダーが務まっているのかが、私の中の七不思議のひとつで、だからこそ仲間に入ることを拒んでいる。それに、結構リーダーって響きがいいし。
 ……。とりあえず、あいつらはなぜこう私を振り回すのだ?
 そうこう言っても、結局ルファはブロントたちのために動き始めた。

([7]へ続くのだ)

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