おりじなる小説MAKER A面


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[35]

「けっ、何分経ってんだよ」
「2分だよ」
「いらねぇよ、解説」

 マゼンダ VS 弐

 開始から2分経過……。
 あれ? さっきカットしないとかなんとか……。
 のは、まあ大目に見るとして。
 ……なんちって。そんなことしません。約束は守りますよ。
 でもまぁ、この前書いた内容で2分なんですけどね……?
「だいたい、なんで私を殺そうとするのさ」
「仕事だからだ。知ってるか? 働くと金が貰えるんだぞ」
「………、ちっ。クロウみたいなこと言いやがって」
「クロウ……よし、お前を殺った後はそいつにしよう」
「それは殺してからいいなよ」
「ミリオンワールド」
「? ミリオンワールド?」
「俺たちは、この現象をそう呼んでいる。係わりのない、関係のない世界へ無理矢理、無慈悲に飛ばされることだ」
「私たちが経験したやつのことね」
「そう。名のない現象だったから、俺たちでそう付けた。本当は世界なんて10万をはるかに超える数あるんだがな……」
「でも、それがどうしたのよ」
「それだけだ。いや、それだけが大切……重要なんだ」
「……炎の書!」
 なんとか防ぐ弐………。
「なにすんだてめぇ!」
「何よ、殺すんでしょ」
「だいたいお前らなんてもともとは会う予定なんてなかったんだ。だれかさんがお前らの運命を替えたりするから…………」
「運命を替える?」
「ああそうだ。『替えた』んだ『替』の意味分かるか? 前のをやめて新しいのと交換したんだよ。のくせにだれかさんの邪魔者が出てきて結局『変える』になっちまった」
「え~っと。何か神の力?」
「神の力? あんなちっぽけな力が神などと称するなんてお前はどんだけ低脳なんだよ」
「氷の書!」
「つおっ!」
 なんとかかわす弐。
「俺の話を聴けっ!」
「つうか、いつのまにか一人称『私』から『俺』になってんですけどぉ?」
「闇の書!」
「光の書!」
 白、とは言えない。
 「光の色」と「闇の色」が混ざり合う。
 魔法と魔法が合わさって、中和して、ついにはどちらも消滅してしまった。
「長くなりそうだ」
「そのようね」
「おしゃべりはこのくらいでいいのか?」
「ええ。あなたにとっては人生最後のおしゃべりになると思うけど?」
「ならば、本望だ。最後僕はかわいい少女とお話をしました……」
「……ちっ。こんどは『僕』かよ…………」
「合体魔法、炎・水・葉・土・雷」
 どう表現するのか……腕の見せ所だ?
 5色――赤・青・緑・橙・黄――のツタのような魔法が、練りあめのように束になり、まっすぐマゼンダめがけて斜め45度で降りかかる。
 マゼンダは、防御魔法は間に合わないと判断し、横へ飛び出る。
 しかし、その束はまるで生きているかのように、横に逃げたマゼンダの方を向いた。
「はっ!」
 今のは、驚愕の声。
 ………………………………………………、その声の主は、弐だった。

([36]へとにかく続く!)

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