おりじなる小説MAKER A面


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[42]

 5年前。
 ジルバはこの世界、井上雄二の暮らすこの世界へやって来た。というより、飛ばされた。
 それについては、いままで何度も記したはずだから、言うまでもないが、問題なのは、あのとき皆が飛ばされたときジルバだけが、ブロントたちが飛ばされた世界の5年前に飛ばされたことだった。
 それは、運命というより偶然で。
 ジルバだけ、実質ひとりぼっちになっていた。
 そんななか、竹が、ジルバに声をかけた。

 ブロントは、やっと驚きの表情を見つける。
「ジル……バ?」
 ブロントは、呟く。
 訳が解らない。死ね、殺せ、死ね、殺せ、死ね、殺せ……ブロントの頭の中にそんな大いなる力をもった「言葉」が巡る。
 気づけば壱は、いや、ジルバは――
 死んでいた。
 雄二が家に帰ってくるまで、ブロントは、その場でただじっと、脇目もふらず泣いていた。

([44]へ続く……え? [43]の間違いじゃないかって? ふふふ……)

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