ルファ。
そう聞いて思い浮かぶあれや、それ。
エルフ軍。現リーダー。白銀の髪。男。の設定だがよく女に間違えられる。天才。馬鹿。あほ。間抜け。ボーっとしていることはあまりない。甘いもの好き。エリスが好き。とか言いつつ自分の軍の女子はみんなカワイイなぁとか思ってる。エルの碧いブレスレットを狙っている。ルシファーは嫌い。でも同時に尊敬もしている。猫舌。ときどき毒舌。ときどき人を無意味に、というか過剰に褒めまくる。魔法は得意。でもあまり魔法の種類に疎い。目がいい。どこかでだれかのスカートが風でめくれる、というアクシデントが起こり、もしそれが何万キロ先で起きたとしても、絶対に見逃さないだろう。ティンクの思考回路を案じている。リンはカワイイなぁと思っている。ミドリは嫌い。だから緑色も嫌い。とか言いつつ武力・美貌共に認めている。死にかけた回数3回(毒の実を食べたとき・エリスがガーゴイルに骨の芯まで噛み砕かれたとき・リンの回し蹴りがもろ顔に当たって、転倒したとき後頭部を打ったとき)。エリスが好き(さっき言った気がする)。エリスが好き。エリスがガーゴイルに襲われたとき亡命するほどショックだったが、命を懸けてエリスを守ったりした。ガーゴイルは嫌い。ルシファーよりもミドリよりも嫌い、大嫌い。意外とポジティブ。行動は早いほう。
これくらいだろうか。
わし、ルシファーの知る、ルファの全ては。
書いてみると、意外と少ない。
軽く100ページはこれでもつんじゃないかと思っていたが。
ルファは、強い。
今になっては、負けるかもしれない。
使命の、邪魔になるかもしれない。
だから、こんな意味もない門までやって来た。つれてきた。
使命。
仲間の、救出。
壱は知らんが……、竹は私の旧友だ。
満も次世代を担う重要な人材だ。
そいつらを、この世界へ、帰す。
そのために。
空間の乱れを探す。
それは常に最低ひとつはあるはずだ。計算上。
あいつらを、戻す。仲間を戻す。
あっちの世界の、三人を。
こっちの世界の、二人で。
わしは参。
これはただの事実。
なんでもない。
もうそろそろ弐が邪魔者を始末した頃だろうか。
こいつら――エルフ軍の後輩共――もいちおう邪魔者だが、あっちの世界に居る仲間たちと、ほぼ同じくらい大切な。
大切な、仲間だ。
こいつらにとってあいつらは、敵になるんだろうな。
しかし、その敵に値するわしは、こいつらの仲間でもありたい。
だから、殺しはしない。致命傷が残るような怪我も負わせはしない。
しかし、邪魔者であることに違いはない。
ならば。
どこか遠くへ――
無傷で飛ばしてやれないだろうか。
そんな力なんて、まだ、ない。
しかし。あの門に、もし伝説どおりの力が宿っているならば……。
試してみても、いいかもしれない。
だからわしは。
「究極魔法、『世界の書』!」
わしは、唱える。いや、エネルギーが足りない。
「他世界の門よ。今、動き出せ。うぬ動くとき、幸福は宿られし」
ルファ。
そうきいて思い浮かべるあれこれ。
エルフ軍。現リーダー。白銀の髪。男。の設定だがよく女に間違えられる。天才。馬鹿。あほ。間抜け。ボーっとしていることはあまりない。甘いもの好き。エリスが好き。とか言いつつ自分の軍の女子はみんなカワイイなぁとか思ってる。エルの碧いブレスレットを狙っている。ルシファーは嫌い。でも同時に尊敬もしている。猫舌。ときどき毒舌。ときどき人を無意味に、というか過剰に褒めまくる。魔法は得意。でもあまり魔法の種類に疎い。目がいい。どこかでだれかのスカートが風でめくれる、というアクシデントが起こり、もしそれが何万キロ先で起きたとしても、絶対に見逃さないだろう。ティンクの思考回路を案じている。リンはカワイイなぁと思っている。ミドリは嫌い。だから緑色も嫌い。とか言いつつ武力・美貌共に認めている。死にかけた回数3回(毒の実を食べたとき・エリスがガーゴイルに骨の芯まで噛み砕かれたとき・リンの回し蹴りがもろ顔に当たって、転倒したとき後頭部を打ったとき)。エリスが好き(さっき言った気がする)。エリスが好き。エリスがガーゴイルに襲われたとき亡命するほどショックだったが、命を懸けてエリスを守ったりした。ガーゴイルは嫌い。ルシファーよりもミドリよりも嫌い、大嫌い。意外とポジティブ。行動は早いほう。
そして、今は、わしの言動に不審を抱いている。
そんな、わしの仲間よ。お前らは、この戦から、抜けよ。出て行け。参加するな。
お前らは、生き残れ。
門。
その字と同じような形をしたそれは、光りだす。
そして。
エルフ軍の、仲間たちは、消えた。
(この部分の必要意義は前ページを達成した今なくなったが……ひとまず[45]へ続く)