「……………………………………………………って」
エルフ軍の、みんなが――
「消えた」
え~っと。どうなっちゃてるのかな。
おかしいだろ! なんでこんなに人消えるんだよ! いくら小説でもこれはおかしいって!
って、ルシファーいんじゃん!
「ルシファー!」
ルシファーは、それを聞いて今俺の存在に気付いたようで。
「おお、おぬしは……たしか……なんとひふ名前だったかのう」
なぜか古風に言うルシファー。
つぅか、こいつ解ってないな。古典とか。
なんで文節一文字目の「い」が「ひ」になるんだよ!
それじゃあ「ひう」になっちまうじゃねぇか!
どんな動詞だよ!
なんていう細かくてどうでもいいツッコミを入れてはみたものの。
「ジルバです」
なんて真面目に答えるジルバ君は、根本的なところで馬鹿なのであった。
「皆は……?」
一応訊く俺。
「飛んだよ、戦いのないところへ」
ぶっきらぼうに言うルシファー。
「飛んだ……って、あの門でか」
「おそらくはきっとそうだろう」
おそらくはきっとそうだろう。
へんな言葉だ。
死婦負壱千試合江認。
割方沙流寛地柄当来。
袋打地這苦染無僕羅。
牛核都区芯葉空代善。
髪神加味紙噛咬金塔。
我......
「もし、世界というものがひとつしかなかったとしたら、君はどうする?」
「それは、仮定の問題なのかい? それとも例示の問題なのかい?」
男はニヒルに笑いながら言う。
「比喩の問題さ。世界がひとつだったなら、君は、どうする?」
もうひとりの男は、わけもないように、まるで今までなんども復唱してきた台本を読んでいるかのように言う。
「そんなの簡単さ。世界を増やせばいいだけのことじゃないか」
「ならば、その世界の創り方が解らない場合はどうしたらいいんだ?」
「だったら、何もしない」
男は残念そうに笑う。
「そうか。君は結局その程度の人間なんだね。正直がっかりだよ」
反論するように、それでも特に情を込めずに男は言う。
「だったら、君はどうするつもりだい?」
「僕なら………」
男はニヒルに笑う。そして、まるで全人類に聴かせるつもりなのかと言うぐらいの大きな声で高らかに言う。
「世界を壊すことに人生を費やすね。世界がひとつしかない今、その世界を潰せば世界は絶滅するわけだろ? 僕は――世界のなくなった後の世界を見てみたいんだ」
「君は――」
もう一人は言う。
「世界について、誤解しているようだね」
([47]へ続きます。↑の方にあった漢字は、気力で読んでください。最後の「我」以外は中国語でもなんでもありませんから。というより日本語です)