おりじなる小説MAKER A面


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[51]

「『撰の書』!」
 ルファは叫ぶ。
 すると、ルファの手元に「剣の書」が現れた。
 撰の書。
 これは、今作u17が発案した魔法のひとつである。
 ちょっとだけ解説。
「撰の書」とは、今、その魔法を唱えた者にとって一番役に立つ魔法の書をレンタルすることが出来る、某通販会社が考案した「無料お試しサービス」である。気に入ってもらえれば、金を送って、その書を購入することもできる。
 剣の書。
 この魔法は、そのまんま。剣を作り出す。
 しかし、この剣は普通の呪文でできた一般の剣とは違い(この前壱が呪文でそのまま創った剣とは違い)、他の魔法使いの呪文で空気とかに変わったりはしない。
 つまり、魔法の効かない剣である。
 まぁ、まやかしにはピッタリだろう。
 先輩を殺すつもりなんてこれっぽちもない。
 しかし、きっとルシファーはジルバを殺そうとするだろう。
 ならば、私はそれを喰い止めねばならない。
 この剣で、殺さずに、戦意だけを喪失させる。
 剣を両手で強く握り締め、そのままルシファー目掛けて走り出すルファ。
「ルシファー!!」
 ルシファーはルファを見遣る。
 剣はそのまま振り落ち、ルシファーの肩からは血が吹き出る。
 ルシファーはそれを受け入れているかのように、笑う。
「Mか」
 ジルバがツッコみを入れる。
「ふん。まぁ、それもよかろう」
 流血なんてわけもないように、ルシファーは呟く。
「『風の書』」
 ルファは叫ぶ。
 ルシファーは唱える。
「なんじ血が地に染み付くとき、満の心浮かび。なんじ満の心浮かぶとき、世界は動き」
 ルファの風の書の効果はいつのまにか消されていて、ルシファーは、いや、参は、姿を消した。

 そんなころ、井上雄二は気を失った。

([52]へは続くっちゃあ続くそうだ)

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