昨夜、作者はやっとこの作品の結末を思いついた。
「……て、いままで考えてなかったのかよ、天才」
「うん。そのようだね。あ、僕ら久々に登場!」
「うん。愉快愉快」
「あ、おかえり~、天才。今までどこ行ってたんだ?、天才」
「いや~さあ~。作者が『お前真の黒幕な』的なこと言われて出演ひかえさせられてた」
「ほう。それで?」
「いや、俺はただの傍観者。謎の三人組の一員さ」
「では、さっさと物語を進めよう、天才」
春が来て 夏も過ぎたら 秋が来て 冬を越したら 春が来て 桜舞散り 夏が来て
すいかはまずい 飽きすぎて 焼き芋は美味い 冬は来て 連日無休のバーゲンセール
時は過ぎ 君と出会えた その翌の朝
十日と経った 十日の日
十字架にしか見えない 十 の日は
ただ 君のそばにいたい
就職が決まった そのことを
紙に記して 伝えらむ
ほら 春は来る
新しい春が
なんかこんな意味分からんことがあいてある紙が、私のコートの右ポケットに入ってあった。
「何これ」
リン。既にこのコートは貰い物だということも忘れ(馬鹿)、駈乃が関野琴深へ向けたラブレターをラブレターだということも気づかずに紙切れと認識し、不思議そうに眺めている。
ぴらピラーって、ぞうきんみたいに扱って。
このことに気づくのはいつになるやら。
まぁ、迷宮入りだろうな……。
「お兄ちゃん」
テミは呼ぶ、クロウという苦労の多い青年を。
「そんな呼び方をするなって言ってるだろ」
特に怒った風でもなく、決まり文句のようにそう言ってみせるクロウ。
あ、えっと。
ここで注釈を入れさせていただきますと、クロウはテミの実の兄なんです。
設定上。
「そういえばブロントは?」
「? そういえば見ないな……」
いや。
いや。
「ジルバは……まあよくいなくなるから心配しなくてもすぐ帰ってくるか」
リンは馬鹿。
いや。
いや。
認識。
テンミリキャラのこいつらは、数日の奇跡を忘れていた。
否。
否。
そもそも何も起こってないんじゃない?
([57]へ続く・・・)