おりじなる小説MAKER A面


トップへ戻る目次に戻る


[57]へ←→[59]へ

[58]

 天辺武雄。
 武雄の「武」と同じ読みをする「竹」がコードネーム。
 のくせにて読み仮名は「ちく」
 彼は、ある男と話す。
「どうだ。人生を終える感想は」
「いいもんじゃあ、ないね。結局満は現れないし、未来満となるはずだった雄二という少年も、好井たちが完全に保護している」
「わしは、清々しく思うぞ。仲間の命を最後まで守りきることができた」
 ルシファーは言う。
「この物語が全て嘘物語だったとしても、いや、実際そういうことになるのだが。ある者にとってはこれが強引に物語を終了させたと思われても仕方あるまい」
「記憶の方は、どうしたんだ?」
「大丈夫。ある二人の女性以外は、全て記憶を換えさせてもらった。ブロントは行方不明。ブロントは雄二の家族、井上名言ぶろんとのこと。リンのコートはブルースから数年前貰った物で、中に入っていたラブレターはブルースが書いたもの。雄二の部屋はいたって綺麗で、荒らされたことなどない。のっぽとポッチャリはただの警察官。ルシファーなんてひとは存在しない。理科の先生は天野原莞爾あまのはらかんじという40代の男性。学校にパトカーなんて来てないし、もちろん不法侵入者もいない。ジルバはエルフ軍のとこにプチ家出。こんなもんでいいだろ」
「ああ。オーケーだ。では、最後に――」
「うん」
「なぜ、お前がここにいる?」

([59]へ続く)

[57]へ←→[59]へ


トップへ戻る目次に戻る