おりじなる小説MAKER B面


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1.

 人だかり。
 人混み。
 人――ゴミ。
 駅前にて待ち合わせ。
 誰とって――まあまだ登場人物ふたりだけだし、増やそうと思って――
「よっ」
「……よっ」
 あれぇ、おかしいな……。
「絶世の美女を連れてくるんじゃなかったのか?」
「うん、連れてきた」
「どこ?」
「ここ」
 自分を左手の親指で指すリン。
「はあ!? お前!? 騙したのか。せっかくのフリーを美女に会わせてくれるって言ったから無理してきたってんのに。だいたいなぁ、いくらアイドル辞めたからって『フツーのオンナノコになりました☆』じゃねえんだぞ。つうかお前に仕事なくても僕には――」
「何語ってんの?」
 きょとんとするリン。
「さ、デートデート♪」
 強引に僕の腕を引っ張る彼女。こうなったら僕より腕力の強い彼女には否が応でも従わなければならない。
「どこいこっか♪」
「う~ん、じゃ、鎌瑛書店」
「よし、国会議事堂へレッツラごー!」
「レッツらゴー、てなんでやねん!」
 関西弁は僕の方か。そうなのか?

 んで。
 たぶんおそらくきっとえっと展開とかえっとたぶんおそらくきっとえっと俗に言うこれはえっとたぶんきっとおそらくえっと誰だろうえっといっとえっといっとおそらくはきっとそうですがえっとう~んとたぶんおそらくきっとえっとはぁっとふぅっとうんとえっとこれははいはいきっとおそらく女の子男の子てえとえっとうんとおそらくきっといやいやふたりめのまえうんとえっとそのあのこのそのうえとしたとうんとえっとだからえっとへあときっとけっきょういくそうなんだ物語進展ありなし拍手喝采再登場だから――
 目の前に、殺人鬼がいた。
「いや~ねぇ~。ラッキー、うふふ。ナイフは隠しときなよ~。次はどこ行く? こっかいぎじどー? 遠いよ~。えっとねぇ、刑務所行こっか」
「お前、刺し殺すぞ」
 笑って答えるラッキー。
「んじゃ、鎌瑛書店行こう。務所行く前に読んでたシリーズ物の続きが気になるからな」
「おっけー。Let's la goー!」
 まあ、なんか馬鹿っぽい日本語ペラペラの外国人女性がふたりいただけだけど。

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