(ブロントの視点)
関野家へ歩くと、見覚えのあるような、ないような金髪美女が玄関にいた。
彼女も関野家へ用があるようだ。
まさに今不法侵入しようとしていた。
「て、おい!」
「はっ! 見つかった!」
彼女はふいの声に驚きポケットのナイフを握りながら振り向く。
と。
「ああ、なんだ。ブロントじゃないか。そうだな、記憶戻ったのか? よし、手伝え」
「へ? 俺あんたのこと知らないけど」
「まだ記憶が曖昧なのか……。まあ実際初対面なんだけどな」
「初対面かよっ!」
「ナイス突っ込み!」
「いえ~」
と、まあ休題はともかく。
「琴深に用があるのか?」
ラッキーがそう問いてきた。
「いいや、その弟にだよ。記憶が戻ったから、あの子が言ってることが真実だと気付いた。だから詳しいことを聞こうと思って」
「ふぅ~ん。ま、とりあえず手伝え」
「う? あ、はい。で、何を?」
「う~ん……そういえばお前にくれてやる仕事はないなぁ。んじゃ、そこにいろ」
「それ仕事ですか」
「うん」
キッパリといわれた。
どんな楽な仕事だよ。
「私が殺されそうになったら盾になれよ」
「は!?」
そういうわけで、ラッキーは関野家の鍵をこじ開け、俺たちは関野家へ入った。
あ、そういえば違法だ、これ。
そう思うが遅し、ラッキーは琴深の部屋へ抜き足差し足忍び足で階段を上っていった。
しかたないので、俺も洋一の部屋へ向かう。
ああ、不法侵入どう説明しよう。
え、あ、はい。
作者が書きたかったことをここで書いときます。いや、言っときます。
「(次のページへ続く)」
なつかしぃ。